Calendar

2012年4月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

« 新しい政策研究会:陸山会事件は捜査当局の犯罪
メイン
星英雄:オスプレイ配備でアメリカは日本を守るのか 野田政権の倒錯 »

佐藤優:裁判で明らかになった特捜部の「デートバック」疑惑

 作家の佐藤優氏は27日、小沢一郎民主党代表の無罪判決を受けて都内で自由報道協会主催の記者会見を行った。佐藤氏は、公判の過程で明らかになった田代政弘検事による捜査報告書偽装問題について、偶発的な事故のか組織的な改ざんだったのかについて解明すべきと述べた。会見の冒頭で語った内容は下記の通り。

──────────────────────────

佐藤優氏(作家)
(※下記の記事は記者会見の内容を編集部が再構成したものです)

 佐藤優です。雨の中、足を運んでいただき感謝します。昨日の小沢さんの無罪判決なんですけれども、これ、面白いですよね。鈴木宗男さんの有罪が確定して収監が決まった時、テレビで放送された街の声はだいたい半々ぐらいでしたよね。新聞の論調も両論併記でした。ところが、今回は小沢さんは無罪であるにもかかわらず、朝日、読売、毎日、日経、産経の社説はいずれも非常に厳しい社説を立てています。

 ただ、ここでちょっと違う社説を一つ見つけました。私がいろいろしゃべるよりも、こういう社説があるということで、読み上げたいと思います。沖縄の琉球新報の社説です。


■「小沢判決/検察の「闇」が裁かれた 全面可視化しか道はない」

 裁かれたのは検察の深い闇だ。そう受け止めざるを得ない。政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎民主党元代表への判決で、東京地裁は無罪を言い渡し、検察の手法を厳しく批判した。

 供述を検察が「ねつ造」したことが明らかになったからだ。大阪地検の証拠改ざんもあった。断罪されたのは検察の体質そのものと言える。もはや検察の調書は信頼できない。取り調べを全面可視化するほか信頼回復の道はない、と法務当局は認識すべきだ。

 今回、「ねつ造」された供述はそのまま検察審査会に送られ、強制起訴の根拠になった。検察審査会の在り方も議論すべきだろう。

(※編集部注:引用ここまで。続きは下記URLからお読みください)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190529-storytopic-11.html


 こういう社説をたてているわけで、記事もこの社論にのっとった組立になるわけです。だから、沖縄に行って日常的に沖縄の県紙を読んでいる人たちと話をすると、ベースがここなので本質的な議論ができるんです。

 たとえば、こんな議論ができます。

 田代検事は(偽造された捜査報告書について)記憶が混同したと言っています。混同した原因として、石川さんの著書を読んだことを理由の一つとしてあげています。この捜査報告書は5月につくられています。ところが、石川さんの著書は8月に出てるんです。G2に魚住昭さんが書いた論考に石川さんの手記が出てるんですが、これが6月なんです。そうすると、(田代検事は捜査報告書を)5月の取り調べから数日以内につくったと説明していますが、ありえないことになるわけです。

 昨日、新党大地・真民主の勉強会で魚住昭さんが説明していましが、「デートバック疑惑」(※報告書作成の日付を偽造すること)が出てくるわけです。捜査報告書自体が、実は5月につくられたものではなく、それ以降につくられたものであってデートバックしているのではないか。こうなると、また深刻な話です。

 ですので、今回の小沢判決で、これが政局になるかどうかというのは本質からずれていて、むしろ問題は捜査報告書には虚偽があった。違法で不正なことが行われたことについて、それをどういう風に是正するのか。なぜこれが起きたのか。これは一人の検事の偶発的な事態なのか。それとも組織的な関与があるものなのか。この辺を明らかにすることだと思うんです。

 それから、今回の判決要旨を読みましたら、私は良識が働いた判決だと思います。というのは、「無罪推定の原則」「疑わしきは被告人の利益に」というのは、民主主義社会を守る最期の砦なんです。この良識も今の世の中では守れないことが多いのですが、"そこを守った"という一点での良識です。

 ただ、内容については、私が理解している限りにおいては事実と相当違うのではないか。"秘書たちの犯罪"というのが前提で、小沢さんの関与を切っている。ようするに(判決要旨は)共謀を切っているというだけの話で、判決自体は問題がある。

 しかし、司法というのは「まあ、そんなものだな」ということで、別に驚きもしないです。問題は、本件をきっかけとして日本の民主主義をどうやって強化していけるのか。あるいは民主主義的な秩序というのがどんどん崩れていくのを、どうやって阻止するか。そのあたりに置くべきでないかと思います。

────────────────────────

■《THE JOURNAL》有料メルマガスタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では、サイトの運営を安定化させるため、2011年11月に有料メルマガをスタートしました。本記事も有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。多くの方からのご支援をお待ちしております。よろしくお願いします。有料メルマガ購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/8438

コメント (2)

郷原信郎氏が岩上安身氏のインタビューで詳しく解説しいる。その解説のほうがもっと根源的で本質に迫るものだと感じた。

問題は今回の無罪判決においても、石川議員などの秘書の行為について虚偽記載を認めている点だ。石川議員などは、もし小沢氏の判決が確定したら、今のヤメ検の弁護士を解任して弘中惇一郎弁護士など民法に強い弁護士に代えるべきだ。
その理由は次のとおり。

今回の判決では、
①小沢氏からの4億円は陸山会の経理に混入したから預り金(小沢氏所有)ではなく借入金(陸山会所有)となったと認定できるので、収支報告書に記載すべきなのにしなかったのは不記載の罪になる、
②問題の土地の本登記をずらした契約は、売買予約への切り替えではなかったので所有権移転はあくまで代金払い=仮登記のときだったと認定できるので、代金支払いを仮登記のときに記載すべきだったのに本登記のときに記載したのは期ズレで虚偽記載の罪になる、
と認定した。

上記の①と②の争点は、いずれも民法の問題であり刑法の問題ではない。石川議員が依頼しているヤメ検の弁護士は民法には疎い可能性が高いので、このような争点の裁判で勝てる見込みは少ない。よって、弘中惇一郎弁護士など民法にも強い弁護士に依頼した方がよい。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

日本語の「ヨロン」という言葉には「世論」と「輿論」という2種類の漢字があります。実は、この2つの言葉は大きく意味が異なっていて、「世論(セロンとも読みます)」とは「感情的な世間の空気」のことで、「輿論」とは「議論を積み重ねてできあがった公的意見」のことを指します。《よろんず》が目指すものは後者の「ヨロン=輿論」をつくることであり、そのために、《よろんず》では情報のプロ・アマに関係なく自由闊達に議論を交わすための場所を提供します。メディアの調査で発表される「ヨロン=世論」とは違う真の「ヨロン」をつくるため、執筆者・出演者・読者のみなさんに、この新しい“知の共有空間”に参加いただけるよう呼びかけます。

読者投稿募集中!
↓ ↓ ↓
《よろんず》への投稿はコチラから

必ずお読みください!
↓ ↓ ↓
コメント投稿についてのお願い

BookMarks

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.