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豊後の小兵衛:地図を逆さまに広げよう ── 政権交代とは発想の転換である

 おそらくはわが国の歴史に残るであろう衆議院選挙は、民主党の圧勝で終わり新政権が発足した。
 早速にも主要閣僚は国際会議に列席し、新政権は日本の「存在」を国際的に示しているのではと感じている。ここしばらく、日本という国は、外交上「お荷物」といえば語弊もあるだろうが、決して「品格ある国」との印象を持たれていなかったのでは、と感じることが多かった。
 しかし、新首相の顔は「国の代表」として引き締まり、就任間もなくでありながら、そしてまた圧勝という余波をも背景にし、国際的耳目を集めるに存分の働きだったと思う。
 これから年末に掛け、諸課題に取り組むための予算編成など胸突き八丁が続くが、しばらくは静かに見守ることが肝要ではないだろうか。
 その新政権で、諸手を挙げて歓びたい事象があり、皆さんも注目して頂きたい。それはいくつかの新組織がつくられ、そこここに「新看板」が掲示された。たとえば「国家戦略室」であるが、白木の板に墨痕鮮やかに、しかも力強い毛筆書であり、私はこの看板から新政権の意気込み、決意を感じとった。なぜか、それは政府関連のみならず、このごろ、この類の「看板」のほとんどが「ワープロ書き」と想定されるものであり、関係者の識見を疑っていた。その昔は「○○事件捜査本部」などの看板も、書家の手で書かれたであろうと推測することが多かったが、この頃は目にすることも少なかった。
 省庁の看板も然りである。例えば「文部科学省」、この原板は省庁再編の折、書家である今井凌雪先生の揮毫であると漏れ聞いているが、力強さの中にも風格がある。
 それに反して「国土交通省」の初期の看板はいただけなかった。これも風聞だが、時の大臣である、扇千景氏の揮毫であったというが、「恥」という思想の欠如を思わせた稚拙な書だった。
 その昔から「名詮自性」(名は体を表すと同義語)というが、(ただし私の場合、それは当たらない。)看板はその象徴であるからして、軽いもの、稚拙なものは、本体さえも私は疑うが、そんな時代背景にもとづく新政権の意気込みを、たった一枚の看板から読み取れると私は理解した。
 次は、前原国交省大臣である。「ダム建設中止」とする大方針をピクリとも動かさず地元民と向き合う。それも尊大でなく、真摯に耳を傾けるその姿には「心ある政治家」を感じた。無論のこととしてこれからが大事であることは謂うまでもない。

 新政権発足を機に、もう一つ、声を大にしていいたいことがある。それは沖縄の「普天間基地」問題である。否、普天間に限らず、沖縄に集中する米軍基地問題である。民主党のマニフェストでは、普天間問題につき、最大国外移転、最低でも県外移転と謳っていたから、先づは「国外移転」を大目標に踏ん張って貰いたい。私は軍事の、そして外交の専門家でもないことから、「落としどころ」などは理解できない。単純な脳みそしか持たない一市民感情として、沖縄に集中する米軍基地は「異常」と思う。
 何故か、それは戦中・戦後、私たちは沖縄を犠牲にして「平和」を謳歌してきた。その自覚なしに平和を語る資格などない。平和とは「心配やもめごとがなく、おだやかなこと」と大辞泉にあるが、これは自分の身のまわりだけが「おだやか」ならば良しとするのでなく、少なくとも沖縄を同胞とするなら、その苦難を排除する、よしんば排除が適わなければ分かち合う、それが家族であり同胞ではないだろうか。
 戦後60有余年、私たちは沖縄がおかれている過酷な条件、それは「基地経済」という、自立の道を閉ざされた環境を見て見ぬふりをして過ごして来た。何か事件があると一時期は火の手があがるが、程なく消えていつしかもとの木阿弥である。
 鳩山新総理は「日米対等」を謳い、中国との問題解決に加え、ロシアとの平和条約締結も提唱した。ならばこの際、沖縄問題もメインテーブルに載せ、同時並行で議論することを期待したい。

 私たちは地図を見る時、北を上にすることに慣らされてきたが、政権交代とは発想の転換でもあることから、この際に試して欲しい。南を上にして、沖縄・小笠原・本土のそれぞれに点を置き、三角形を描いてみよう。そこには広大な海が拡がり、発想を変えれば無尽蔵の「食糧生産地」でもある。
 または、小さな島国でありながら、独特の文化を育んできた。それは近年の芸能界を見れば明らかなように、異色のタレントも生み出し、音楽は出色でもある。そしてまた、若い女性プロゴルファーの活躍もある。まさに「ウチナンチュウ」の面目躍如たるものがり、自立の道が開かれれば、もっと大きく飛翔することだろう。
 それは戦後一貫して「小さくまとまる」ことだけを追っかけてきた私たちに勇気を与え、眠っている「縄文資質」を覚醒させるに違いない。
 これらを「地政学的」などという詭弁を弄する時期はとうに過ぎた。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

<豊後の小兵衛様>
お久しぶりです。時々、小沢さんのホームページの掲示板で、ご活躍を目にしております。
さて、沖縄の事ですが、仕事で沖縄の企業の方々とお話しする機会がありました。車で、島内をご案内頂いている時、「沖縄は、島の一番良い所に米軍の基地があり、残った場所に私たちは住んでいるのです」と言われた事が今でも忘れられません。
私は小沢さんが代表時代に表明された「第七艦隊だけいればいい」を支持しています。
「核の傘だけお願いします。」で、いいのだと...。実際、現在でも日本は自衛隊が守っており、沖縄を始めとした米軍は、海兵隊など敵地への上陸部隊がいても、日本の防衛には役立っていないと考えます。
また、ご指摘の様に、沖縄の基地問題は、経済問題と背中合わせです。基地があるのはイヤだが、基地が無くなれば、基地での雇用が失われる。
沖縄の経済的な自立は、今の所、誰も正解を見出だせていません。
観光で考えれば、JALの問題も絡むのですが、航空運賃が高く、海外のグアムに行った方が安くて、マリンスポーツなどの需要で優位性を見いだせません。
政府としては、沖縄の産業の振興と雇用の創出が課題です。
私は、手っ取り早く公立の小中学校の修学旅行は、沖縄に指定する事から始めたらといいと思います。私立でも沖縄に行く限りは補助金を渡すなどをしたら如何でしょうか?

>南を上にして、沖縄・小笠原・本土のそれぞれに点を置き、三角形を描いてみよう。

感動的な「パラダイム転換のすすめ」ですね。

これからの発想法を教えていただき、本当にありがとうございました。

沖縄

単に野放図なアイディアでしかありませんが。デューティーフリー。タックスヘイブン。タックスヘブン。カジノ。大空港(アジアへの玄関)。移住誘致。その他。なにしろ特別な区にする。

国の防衛インフラの一端を担ってもらうことについて負担軽減か(alleviate)報償か(reward)の視点各々の検討があってよいと考えます(僕が知らないだけでそんなこととっくに為されてるのかな)。

思いつきを越えませんが以上。

畏敬の念を込めて、恵美さん

 コメントをありがとうございました。

> お久しぶりです。

 貴女のご健筆ぶりは欠かさず読ませて頂いています。

> 小沢さんのホームページの掲示板で、

 いや、お恥ずかしいかぎりです。私のことのみならず、この掲示板の別項には、「平野さんが、小沢さん絡みで儲けた」などの書き込みもありましたが、風説とは恐ろしいもので、どこからそんな話が出るのだろうと疑問にも思います。

 ご意見のように、沖縄の問題は、簡単に答えが見つかるとは私も思いませんが、その道の専門家のみならず、私たち自身の課題として捉える必要があるのではないでしょうか。

 返還されてから、30年以上経過しても、厳しい状況は続いているようですね。
 単純に基地を縮小すればいいという問題ではないでしょうが、アメリカの状況も変化してきているので、「発想の転換」でより良い方向に進めばいいと思います。
 色々な視点で物事を捉えることが大切だと改めて感じました。

『昭和史 戦後編』(著:半藤一利)の中に、昭和天皇が倒れられたとき 『残念だ、沖縄には行かなければならなかった』と病床で話をされたそうです。半藤さんは、その意味を二つ上げられていました。その理由のひとつに、GHQとの複雑な事情もあったようです。
やはり、我々は、戦後の沖縄の歴史も心に刻むべきだと思うのです。

豊後の小兵衛殿
最初タイトルを見た瞬間,ギョッとしました。
地図を逆さまにして北鮮は清津,ロシアはウラジオストック辺りから見た
日本列島の見え方を言われるかなと思った次第です。私は日頃,
彼の金正日なるTYRANTは日本列島を己が海の外礁と見るかと危ぶんで居りますれば,
貴殿が,将軍様万歳等と言われるかと懼れた次第。まさか,まさか。
何れにせよ,彼が尊大に構える由縁の一端がが伺えるとは思われませんか。
何れなりとも,我等日本人の視野の狭さを指摘されんとされたるには,我が意を得たる思い。

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