Calendar

2009年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

Recent Comments

Recent Trackbacks

Category

« 禁煙途上国日本
メイン

新型インフルエンザで見えた日本人の姿

 新型インフルエンザは日本の医療事情を反映し、さらには国民性も色濃く出ていた。
 
 感染者を出した学校長は涙の謝罪記者会見をしていた。周囲からの嫌がらせも多かったと聞く。本来、子供たちにアメリカでの研修をしてきたのだから、この状況でも研修をしてきた子供たちの勇気と成果を語るべきであろう。
 
 教育現場が、いかに周囲からの圧力に屈してしまうものか象徴的に思えた。
 
 まだテレビなどのメディアも、こぞって新型インフルエンザ発症率を報道し、感染者にインタビューなどして競っていた。

 映像であるからマスクをした人を街中で撮影し、それを連日流すから、ますます、一般の人はマスクをしないといけないという恐怖心をあおられてしまい、冷静な判断ができにくくなった。
 
 テレビコメンテーターも、どう考えていいのかわからないので、当たり障りのないコメントに終始していた。こういう時こそ、専門家を招いて正確な情報を発信すべきであろうが、専門家も持論をなかなか展開できないので、当たり障りのない意見しか言ってないようだった。
 
 海外の専門家は、むしろ今回の新型インフルエンザに感染しておいたほうが、毒性の高いインフルエンザが発生したとき、抗体ができいいのではないかという意見をだしていた。
 
 そういった冷静な専門家の意見をもっと知りたいところだが、日本ではなかなかそこまで言う専門家がいない。
 
 パンデミックという一種のパニック状態は、どう国民が動くのか、それを予測するには、今回はいい教訓になったのではないだろうか。
 
 マスクは確かに市場から一時消えてしまったが、それ以外は意外にも冷静に対処していたといえるだろう。そいう意味では、日本人も大人になったと言えるかもしれない。意外にテレビの過剰報道を冷めた目で見ていたのだろう。
 
 むしろメディアが過剰反応して、マスクをしないと危険だというようなイメージをあおっていた。
 
 つまり今回の新型インフルエンザウイルスの対応は、一般国民は意外に冷静、メディアは過剰報道、専門家はクール、ということではなかっただろうか。 
 
 オイルショックのような、トイレットペイパーを買い占めるとか、食料品が店頭からなくなるということにもならなかった。
 
 またあれだけ報道していたメディアも、冷めるのが早いのか、南半球で感染が広がってきても、以前ほどの反応はしなくなった。
 
 毒性の高い新型インフルエンザが流行りだしたら、我々はどう対応すればいいのだろうか。いまこそのその具体的な指針を国は提示すべきではないだろうか。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/1957

コメント (9)

■コメント投稿について編集部からのお願い

いつも《THE JOURNAL》にご参加いただき、ありがとうございます。

他のサイトでは見られない質の高い真剣なコメントに、ブロガーや編集部はもちろん、ジャーナリストを含む多くの方が参考にしているとの声が寄せられています。

今後もこの意義ある場を維持してゆくため、コメント投稿者の方々には、以下のことを厳守いただくようお願いいたします。

投稿は原則として本名で行ってください。本名での投稿が難しい場合は、名前として不自然でない名称でお願いします。これは、理由のない安易な偽名・匿名の乱用は、《THE JOURNAL》のコメンテーターと読者が本当の意味で責任ある議論の場を育てていくことにマイナスであるとの高野孟の信念に基づく考え方です。

また、編集部が記事に対する批判コメントを削除することはありませんが、「誹謗中傷」「常識に反するワードの使用」「日本語として理解不能」「記事内容との関連性がうすい」「匿名や複数ハンドルネームでの投稿」など、このコミュニティの発展を阻害する投稿については削除させていただきます。そのほか、議論の展開のなかで投稿者同士が感情的な応酬になりそうな場合、編集部の独断で該当のコメントを削除する場合もあります。最低限のマナーを守って投稿していただければ、いかなる内容のコメントでも、こちらの好みで削除することはありません。

なお、コメントは、このサイトを構築するシステムの関係上、「毎時5分と35分」に自動更新されるよう設定されております。投稿されてもすぐに反映されませんが、上記の時刻になれば自動で書き込まれます。

以上になりますが、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

「自衛と自己責任」
今回の“フル”がフェーズ6と判定されましたが、弱毒性であることが救いでした。
ブロガーがおっしゃるようにマスコミ報道の責任も重いと思います。専門家や政府もかくなる指針を示していないのは事実です。
個人的にリスク管理の仕事を長年していましたので、(個人的には)パンでミックフルや他の疫病への備えはしています。
ブロガーのご意見も、最終的には“我々はどう対応すればいいのだろうか”で終っていますが、災害にしても、パンでミックフルや他の疫病にしても、最終的には“自衛”しか対応方法はありません。
行政のていたらくを見ていたら、なおさら、自分の頭脳で考えられる準備をしておくことが必要でしょう。
“最悪の事態を想定”というのは難しい話ではありません。具体的に、最低、2週間~4週間くらいの孤立生活が出来る備えが出来るかどうかです。
ほんの小さな自分なりの“Think”をするかしないかだと個人的には思っています。
米山さんが最終的におっしゃるように、“我々はどう対応すればいいのだろうか”で思考停止をしてしまえば、いざというときに困るのは自分です。
方策はあります。
“Think”・・考える、自衛し、備えることができるのは自分です。
行政などに全責任を転嫁せず、自立して考えることも必要・・これを自己責任というのだと、私は思います。

“パンでミックフル”は、“パンデミックフル”の変換ミスでした。お粗末でした、笑ってお許し下さい。

しかし国民は、マスコミを信用しなくなっているのではないか。小生も今回はこの為にマスクは一度もしなかった.今迄は国民はマスコミに反応して余計なマイナスが多かったのではないか。新聞の購買部数が減ったせいか、読売がしつこく勧誘にくるのでどなってしまった。TVもスポーツ、ドラマは見るけどニュースは見なくなった。しかし、マスコミ程自己反省が無く、国民に偏向報道で欺いて居るのに、姿勢も変えない機関はマスコミと霞ヶ関と自民党くらいでは無いか。何時までも国民は騙せない。姿勢と改革を進め、それぞれの個性を持った報道なくして復活は難しいのではないか。

米山さま
初めまして、宜しくお願い致します。

>つまり今回の新型インフルエンザウイルスの対応は、一般国民は意外に冷静、メディアは過剰報道、専門家はクール、ということではなかっただろうか。

加えて、『政府・厚労省は、超過激なパホーマンスはしたものの、無能・無策だ』と思います。
各地で散発している集団感染の対応の地域差は対策費の有無の差と思います。それを放置したまま第2波を迎えたら如何なる状況になるか、恐ろしさを感じていました。
そこにWHOのPhase6への引き上げ宣言、政府・厚労省が新たな施策を何か出すかと期待しましたが、結果は、現状継続で、予算も付けないまま!
発熱相談センター、発熱外来など、神戸での教訓を活かし、今から準備しないと間に合いません、なのに、ホッタラかし!
ア○ウ首相も厚労相も、秋には現職に留まっていることはないと自覚し、後任者が慌てふためくのを楽しむ為に放置しているのであろうとも邪推しています。国民の生命を楯にし政敵を誹謗する種を温存する輩、直ぐに、お引取り願いたいものです!

 

学校の校長への取材(吊し上げ)はことさら惨かったですね。
感染者はテレビに映ってない第三者から病気を伝染させられた被害者なのに、まるで加害者のような扱い。

路上で刺された人に「油断してました、ごめんなさい」って言わせてるような雰囲気を感じ、恐ろしいとさえ思いました。

今回の騒動を見たら「怪しいと感じてもギリギリまで病院に行かないでおこう」と皆が思うでしょう。
次回は、更に感染が拡大するでしょう。全くもって恐ろしい限りです。

米山さま
 全く同感です。
医師の間では、皆同じような考えだと思いますが、勤務医の声は厚労省には伝わりにくいのが現状です。
 ただ救いは、雑誌ジャーナリズムが、きちっと追及してくれていることです。新聞や地上波のテレビは全く当てになりません。
 その意味でも、米山氏には、これからも医学的な事に関する積極的な発言をお願い致します。

編集部の方へ
 職種によっては、本名を載せると簡単に個人情報にたどり着ける場合があります。私もmail adressまですぐにわかってしまいます。そんなわけで「勤務医A」のままで御容赦願います。

米山さま
初めまして。このたびの騒動で、医療関係者の現場に従事する方は、とりわけ苦労されたのでしょうね。国は結局何もせず、政治家がパフォーマンスをしメディアが騒いだだけでしたから。『そういった冷静な専門家の意見をもっと知りたいところだが、日本ではなかなかそこまで言う専門家がいない。』いないと言うより、なかなか組織の絡みで言いにくい土壌も有るのではないでしょうか。お医者様の世界は知りませんので、どのような雰囲気か解りませんが。しかし、今回の出来事が本当に教訓になるのでしょうか?私はいささか疑問です。マスコミは年々劣化していますし、経営危機でも起こりお尻に火がつかない限り、まともになる事などないと、匙を投げております。やはりここは、厚生労働省のへんてこ大臣がパフォーマンスをするような雰囲気を遮断するためにも、地方の医師会のお医者様にも活躍して頂いたら如何でしょう?せっかくそういう組織が有るのです。医療情報を県単位で独自に流すシステムを作るという事は出来ないのでしょうか?ただ地方医療で過疎した町で細々とお仕事するだけでは、退屈だと思います。ここは社会貢献をかねて、お医者様自身もそういうシステムを作って頂いた方が、医師会の存在意義も見えてきますし、皆さんに感謝されると思います。しかも、緊急事態には情報も流しやすく対処もしやすくなるのではないでしょうか?地方行政とタイアップしてそういう形を自主的に作るのも良いのではと考えたり致しました。どうせ国は当てになりませんから。あしからず。

今日の「ニュースの深層」
新型インフルエンザの対策について上東大教授が非情に為になるお話をされています。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

米山公啓(よねやま・きみひろ)

-----<経歴>-----

1952年5月10日山梨県甲府市生まれ。
聖マリアンナ医科大学卒業。同大学内科助教授・健康管理部副部長などを経て、執筆活動のため98年に退職。
現在では、医学ミステリーからエッセイ、医療実用書まで幅広く執筆を続ける。専門は神経内科。老人医療・認知症問題にも取り組む。たばこも吸わず酒も飲まない。

健康法は書店のハシゴ。執筆のスピードは原稿用紙時速8枚と超速。
大学病院の医療問題や、老人医療の現状、新しい健康の考え方や、大脳生理学的に見た恋愛論など、硬軟さまざまなテーマについて、タブーにとらわれず自由な視点で鋭く切り込んでいる。
テレビ「大人の学校」「クローズアップ現代」「世界で一番受けたい授業」などテレビ出演も多数。
最大の趣味は客船で世界中をクルーズすること。各月刊雑誌「クルーズ」にもエッセイを執筆中。

BookMarks

米山公啓のオフィシャルブログ
http://blog.goo.ne.jp/yoneyonehiro/

米山公啓のオフィシャルページ
http://yoneyone.com/

Dr.米山の活脳塾
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kenkou/katunou/index.html

脳がいきいき空間散歩
http://bunko.shueisha.co.jp/serial/yoneyama/14_01.html

-----<著書>-----


『医療格差の時代』
2008年7月、筑摩書房


『医者が病院から逃げ出すとき』
2008年3月、筑摩書房


『脳が若返る30の方法』
2006年9月、中経出版


『人生を変えた10日間』
2006年4月、青春出版社


『医学は科学ではない』
2005年12月、筑摩書房


『「持たない!」生き方』
2005年10月、大和書房


『もの忘れを90%防ぐ法』
2005年1月、三笠書房


『医者がぼけた母親を介護する時』
2003年7月、集英社


『学閥支配の医学』
2002年11月、集英社


『「健康」という病』
2000年6月、集英社

→ブック・こもんず←

当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.