参院選注目の候補者、岡崎友紀氏を直撃レポート
参院選に民主党比例代表で出馬する女優・岡崎友紀(おかざき・ゆき)氏にインタビューし、女優時代から今回の選挙出馬に至る経緯を聞きました。
─選挙戦も終盤にさしかかりました。商店街では「あら、岡崎ゆきさんだわ」「テレビでよく見てたわ」などとシニアの方々から大人気でしたが、手応えはいかがですか?
岡崎 暢気だと思われるかもしれませんが、初めての経験なので比較の対象がなくて、よくわからないというのが本音です。
まさか、自分が街宣車に乗って「岡崎ゆきです」と手を振る人になるとは想像さえしていませんでした。とはいえ、やはり候補者なので、支持率は気になりますし、全国比例なので、とにかく名前を書いていただかなくてはいけません。ひとりでも多くのひとに会って、共感してもらうしかないと思っています。
─岡崎さんはアイドルの"はしり"でいらっしゃったそうですね。子役として舞台に立ち、テレビドラマ「おくさまは18歳」でブレークしました。その後も舞台を中心に歌や作詞など様々な分野で活動し、芸能生活は半世紀近いと伺っています。
岡崎 はい、50年です。「おくさまは18歳」に主演した時は本当は16歳だったのですが(笑)、とにかく忙しくて睡眠時間は3〜4時間程度しかなかったのを覚えています。どこに行くにも母とマネージャーが一緒で、籠の中の鳥状態でした。それも仕方なくて、当時の芸能記者の中にはちょっとしたことを大げさに書いて、脅して金品を要求するということがありました。だからどこのプロダクションも若い女性歌手や女優は囲い込まざるを得なかったんです。
岡崎 小学生の時に母に勧められて東宝芸能学校の児童科に入ったことです。お月謝がすごく安かったのです。私は、音楽に合わせて踊ることが好きで、バレエを習わせてもらっていたのですが、発表会やらとにかくお金がかかりました。うちは貧乏だったので、少しでも安くて基礎がしっかり学べるところということで東宝に入りました。
たまたま宮城まり子さんが子役を探していてその目に止まり、新宿コマ劇場で初舞台を踏みました。この舞台が非常に刺激的でした。宮城さんをはじめ素晴らしい役者さんが揃い、お客さんがいて、スポットライトがついて、音楽があって、喝采を浴びる...何て楽しいんだろうと思いました。その後も経験を積むたびに、楽しくなって、今に至るまで続けてしまいました。
─お母様は満州で放送局に勤めていたそうですね。
岡崎 はい。そういうこともあって芸能活動に理解がありましたし、私の仕事にも多大な影響を与えました。戦時、母たちは野戦病院のような場所にも慰問に出かけていたそうです。聴衆にはお腹に穴が開いていたり、両手両足がない人もいたそうですが、その人たちはとても嬉しそうな顔をしてパフォーマンスを観てくれたそうです。娯楽は一見どうでもいいもののように見られるけれど、人が生きていく上でとても大事なものなのだと痛感したと言っていました。
「戦争は全てのモノを奪うけれど、自分さえ元気でいればいい。自分で身につけたものはいつまでも残るから、何でもやるなら基礎からやれ」というのが母の意見でした。東宝に入ったのは、そんな背景もあるのです。
─休養していた時期がほとんどありませんが、何が自分のモチベーションとなっていたのですか?
岡崎 パフォーマンスの種類を女優や歌手に限定しなかったことが長続き出来た理由のひとつかもしれません。私はたとえ舞台に立っていない時でも、いつでも「岡崎友紀」という女優でありアーティストでいました。
それに、小さな頃から偉大な先輩方と同じ舞台に立ち、たくさんのことを教えていただいたことも大きいです。舞台に立つ時は、たとえお客様がひとりであってもパフォーマンスをしなくてはいけないという気持ちでいます。私にはただ「感動」という無形のものをお渡しすることしかできません。これはすごく責任重大なことであると同時に、素晴らしい誇りの持てる仕事だと17〜8歳の頃に気がつきました。
─環境に関心を持ち始めたのは、そうしたプロとしての気概が生まれ始めたのと同時期ぐらいでしょうか。
岡崎 そうですね。エコロジーという言葉が周知されていない40年前から環境に興味を持って活動してまいりました。最近でこそ、グリーンイノベーションという言葉が一般化されるなど、国も行政も企業も環境ビジネスに関心を持ってきましたが、それまでは目立たない地味な分野でした。
─今回の立候補は石井一議員からのお誘いだったそうですね。
岡崎 石井先生は、以前から私の活動に理解を寄せてくださっていました。今回、立候補を決意したのは、「環境」や「エコ」に真剣に取り組む政治家がどれだけいるのか疑問を感じたからです。結局、日本では、年金や福祉、医療の方が国民生活に近い気がするのでそちらの分野を強く主張した方が票も集まるし、政治家らしいと見なされます。しかし、国民の生活や暮らしがよくなるために政治家が取り組まなくてはいけないのは当たり前のことです。環境は票には直結しないかもしれませんが、成長分野です。菅総理は、強い経済、強い財政、強い社会保障を主張なさっていますが、こうしたことにも必ずプラスにはたらいていくはずです。
─中でも動物愛護に熱心に取り組まれていますね。
岡崎 私は動物のことを「動物さん」と「さん」を付けて呼びます。物心ついた時から動物さんたちのことが好きで、動物さんや生き物さんが目の前にいると幸せを感じました。長年、NGOやNPOで活動して参りましたが、幾度となく行政の壁にぶつかりました。日本の場合、法律は「動物さんを嫌いな人のために」しか存在していないのです。アメリカやドイツなど他国と比較しても、「命」に対する考え方が非常に遅れていると言わざるを得ません。
例えば、動物さんの殺処分の問題があります。複数の頭数で15分もかけて窒息死させている国はありません。そして、中にはまだ生きている子がいても、死んでいる子と一緒に焼いてしまう。生き物=モノという感覚からぬけていません。動物さんを傷つけたことで犯罪者として罰せられた人はいないでしょう。人間同士なら言葉も通じるし、何かをしてあげれば感謝もされます。しかし、動物さんたちはそうはいきません。彼らの命を救おうというボランティアの人たちは利害も損得もない無償の愛だけで行動しています。
「ありがとうを言えない地球と動物たち」というキャッチフレーズは、「助けてと言えない地球と動物たち」という意味が含まれているのと同時に「ありがとうと言ってもらえなくても頑張るボランティアの人たち」への尊敬の念もこもっています。
─小沢鋭仁環境大臣と対談をされたようですね。
岡崎 とても嬉しかったですね。これまでのボランティア活動では、署名をいくら集めても、そこから現実になるまでに気が遠くなるほど時間がかかりました。各自治体によって、動物に関連する条例が異なることも少なくないので、国全体としての方向性をまとめていきたいです。絶滅寸前の動物さんのニュースは出るけれど、そうではない身近な命を救えるような国になってほしいです。そこに私が政治を志す原点があります。
岡崎友紀WEB関連
岡崎友紀オフィシャルWEBサイト
http://www.yukiokazaki.com/
岡崎友紀の Do You Remember Me[アメブロ]
http://ameblo.jp/yukiokazaki/
岡崎友紀 on Twitter
http://twitter.com/yukiokazaki_com
岡崎友紀公式ブログ - GREE
http://gree.jp/okazaki_yuki
日時・ロケーション:2010年7月2日、巣鴨地蔵通り商店街〜街宣車中〜上野のカフェ
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投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 | 2010年7月 8日 04:49