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2010年2月28日

政治主導の犯人捜し

 ジャーナル読者のみなさん、お変わりないでしょうか。さて、私事ですが、3月いっぱいで「ニュースの深層」(朝日ニュースター)を不当経緯で仕分けされちゃいました(笑)。

 テレビの華やかなスポットライトの裏側には、ドロドロの男女関係や陰湿なイジメ、閉鎖的な人間関係が渦巻いているということを間近で体験することができて、非常に勉強になったのだが、つくづく自分には向いてない世界だと思った次第。驚いたのは役員クラスになるほど、自分たちのミスを決して認めない無謬性が強まっていて、報道を志した時の初心はいったいどこに置き忘れてきたのだろうかと強い疑問を私に抱かせた。
 ただ、あいた時間を使って書きためていた原稿を初夏には刊行できそうなので、結果としてはそう悪くないと自分を慰めている次第だ。
 こうした事件の主人公となる度に思うのは、こういう時にこそ「他人の度量」がはかれるということ。昔、とある外務官僚に「北朝鮮情報」を餌に呼び出され、散々高価な食事をたかられた上に、ハラスメントを受けた経験がある。法廷に立つところまではいかなったが、弁護士を通しての面倒なやりとりを半年近く続けた。その間、信用していた人間に限って、自らの保身大事に私と距離を置いたりひどい場合は裏切ったりもした。一方、救いの手は全く予想もしないところから、伸びてきた。人間はつくづくわからないと感慨にふけったものだ。

 前置きが長くなったが、鳩山政権の情報に対する閉鎖性が強まっていることを危惧している。特に霞ヶ関で、その傾向は顕著だ。

 先日、候補者時代から取材していた民主党の某若手議員からメールを受け取った。そこには、民主党に対する世論の風当たりが強いのは、公正中立であるはずのマスコミの報道の仕方に原因があると強い調子で書かれていた。もちろん、彼の主張にも一理ある。しかし私には、多くの民主党議員は、そのことを言い訳に説明責任を果たしていないようにも見えるし、責任転嫁をしているような気がしてならない。
 
 具体的に話そう。
 私が、霞ヶ関官僚の声を記事にし続けるのは、彼らの声を聞いた上で建設的な官僚批判をしてほしいと思うからだ。政治の裏舞台で黒衣としてはたらく彼らの意見は国民の政権に対する判断材料にもなるはずだし、批判を受けることで官僚は自省できる。
 しかし、ここにきて自分たちの政策に都合の悪い記事が出ると政治主導で犯人捜しを行う省が出てきた。環境省では課長補佐以下は、取材を受けるなという不文律がつくられているという。
 言葉を発言するのは政治家だけでよいということなのだろうが、明らかに真実とは真逆の発表がなされていることもある。昨年のCOP15は良い事例だ。民主党、特に某外務副大臣は「成功」の立場を譲らないが、海外メディアは、違う立場で日本を見ていた。
 また、外務省や経産省、環境省の官僚たちが参加して行われた会議で、とある環境官僚が「COP15のような失敗をしないよう次は頑張りましょう」という趣旨の発言をしたところ、出席していた外務省の政務三役のひとりにより議事録からの削除を求められている。これは情報統制ではないのか。
 政治家の言葉の真偽を確認・補足するためにも、官僚取材は欠かせないと思うのだが、自分たちに都合の悪い情報は出ないように、官僚に圧力をかける政務三役が明らかに増えている。

 野党時代、私も含めてメディアは民主党に甘かったかもしれない。それは、本当の意味で「権力者」ではなかったからだ。私たちメディアができない部分で権力を監視する役割を果たしてほしいという気持ちもあった。しかし、今は違う。彼らは権力の側に立ったのだから。
 その重みを理解しているとは残念なことに思えない。政治家の給与が国民の税金から支払われ、この国の行く末を担う重責と権限を得ている以上、メディアの厳しい監視の目にさらされることは当然のことだろう。

 昨夏の政権交代を熱狂的に歓迎したライターのひとりとして、民主党には1日も早い「野党」からの脱却と初心に立ち返ることを願う。
 最後に、この原稿で行った批判がすべての民主党議員に向けられているものではないことは述べておきたい。私の立場を理解した上で、取材に応じる心意気のある(?)政治家も中にはいるからだ。

Profile

横田由美子(よこた・ゆみこ )

-----<経歴>-----

埼玉県出身。
96年、青山学院大学卒。在学中より、ライター活動を本格化。
以後、フリーランスを貫く。
新聞、雑誌で主に、女性、官僚、政治をテーマに記事を執筆。
趣味はクラシックバレエとワイン。

-----<連載>-----

朝日新聞be「読み解く」

日刊現代「霞が関の掟」(毎週木曜)

-----<出演>-----

『ザ・インタビュー』
(BS11)
アシスタント・キャスター

『ニュースの深層』
(朝日ニュースター)
サブ・キャスター/月・水・金担当

BookMarks

ペコちゃん日記
http://blog.livedoor.jp/yumikoyokota/

-----<著書>-----


『官僚村生活白書』
2010年6月、新潮社


『ヒラリーをさがせ!』
2008年1月、文藝春秋


『私が愛した官僚たち』
2007年2月、講談社




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