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官僚政治の復活?

大型連休が終わり(いつの間にという感じですが・・)、官僚たちも次々と出勤してきて、霞が関も(ついでにわたしも)通常の生活に戻りつつあります。

今週、出席した会合で話題になっていたことのひとつに田母神元幕僚長が、講演で大忙しだということがありました。なんでも、年間で150回近い〈講演予約〉が入っているとか。1回、4~50万円で計算したら・・・羨ましい限りです。

まさに、局地的な保守バブル。

最近保守系は論壇も政界もリベラル系におされて肩身の思いをしていたようですから、田母神さんがガス抜き的な存在になっているのでしょうか。

余談ですが、安倍元首相の何事もなかったかのような活動ぶりに怒りを感じます。清和会の内輪もめに危機感を抱いた森元首相が存在感のある安倍さんに依頼して、あちこちの国に〈親書〉を持たせて訪問させているとか。あのような辞任の仕方をした安倍さん、一度バッチを外して民意を問うべきだったはずです。

さて、田母神さんの話に戻ります。

なぜ彼の話題をしたとかというと、田母神問題のひとつには、〈航空幕僚長〉の地位にありながら、集団的自衛権の行使などで、政府見解とは異なる意見を発表したことがありました。発言内容の是非は別として、官僚のあり方を論じる意味で、すごく重要なことだったはずなのに、いつのまにかこちらもスルーされていました。

じつは、あの発言以来、田母神さんが言った「表現の自由」「言論の自由」を盾に、やたらと表立って発言したがる若手や中堅官僚に出くわすことが増えました。

それこそ是非は、意見の内容にもよると思います。

硬直しきった霞が関のシステムを構造改革しなくてはいけないことに違いはありません。見切りをつけて霞が関を去った元官僚が、ある意味お気楽な立場で外部から問題点を指摘するよりも、組織内改革を目指す官僚たちが、遅々として進まないどころか、後退しているようにもに見える公務員制度改革について議論するのは、非常に重要なことです。

でも田母神発言というのは、その内容や彼の職責からして、超えてはいけない一線を超えていたと思うのです。

官僚たちの最近の言動も明らかに分を超えているのではないかというものが増えてきました。出席した会合でも、
「民主党に政権を取らせてもいい。与党議員とのしがらみがリセットされて楽になるから。各省、すでに民主党担当チームをつくってご説明を繰り返している。民主党になっても派手な改革など無理です。われわれ、霞が関官僚に変わる人材などいない。政界再編にでもなれば、行政改革をやってる場合じゃないから、ますます僕らの出番です」

こんな発言が20代の若手から飛び出しましたが、宴席なだけに本音だったのでしょう。

また、最近の彼らの特徴としてブログでの発信があります。だいたいは〈匿名ブログ〉ですが、自分の身分を明かした上で、堂々と意見を主張し始めているものも目立ってきました。

総理の腹心である首相秘書官からしてそうです。「岡本総理」、「麻生暴走列車の車掌」とも揶揄される岡本全勝総理秘書官は〈岡本全勝のページ http://homepage3.nifty.com/zenshow/〉で、地方行政などに対して持論を展開しています。ちなみに、首相秘書官はそれまで、財務、外務、経済産業、警察各省庁の4人体制でしたが、麻生総理の鶴のひと声で、総務省(旧自治)出身の岡本氏の起用が決定したことは、かなり話題になりました。

すこし前ですが、文科省では、前川喜平大臣官房審議官(初等教育局担当)が、小泉元首相の三位一体改革に徹底的に反対して〈奇兵隊、前へ!〉というブログを作成し、省内に隊員を集い、義務教育費削減に異を唱えました。

前川審議官は霞が関では、現銭谷文部科学次官の〈特攻隊長〉とも呼ばれています。彼の行動には、これまた内容の是非はさておき、非常に危ういものを感じました。

麻生政権の15兆円の経済危機対策もそうですが、官僚たちは弱体化などしておらず、復権を進めている気がしてならない。各省、ここぞとばかりに、自分たちに都合のよい予算をつけていることからもうかがえます。

少なくとも、前の世代の官僚には、黒衣に徹して「官僚政治」を行うという「矜持」があったはずです。以前よりもさらに厚顔無恥な官僚政治が始まっているのではないかと危惧します。

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コメント (15)

復活じゃないです。ずぅ~~~っと官僚政治…

悲しいけど。

官僚は国民生活のことなど関心ありません。政策を実行できるかどうかです。その暴走を止めるのが政治家なのに、今の与党は完全な言いなりですね。大マスコミも官僚の言い分に乗せられてしまう。

まるで中国の宦官政治のようです。結局、その宦官政治が国を滅ぼしました。日本もその道を歩んでいるのでしょう。

横田さんは官僚の人物論からの分析を得意とされていますが、全体を見た分析を読ませていただきたいです。

「13日の党首討論」
小沢さんは、最期の勝負をこの時掛けるのだろうか?今までと同じ様な、お座成りの党首討論だったら、その中でブレが出てくるかも知れない。その時は、政治家として最期となるのかも知れない。官僚と闘える最期の政治家にならないで欲しいものでありますが…。戦略・戦術は判らないけれど…。いずれにしても、けして涙を流すような事だけは無いようにお願いしたい。

自称、保守派は、どうも性根の無いお坊ちゃま議員の駆け込み寺のようで、お腹が痛いと総理の職務をぶん投げようが、酒に飲まれてベロンベロンで会見しようが、「憲法改正だ、核武装だ」と言えば、なんとか かばってくれる人がいると 甘えているようですな。


横田さん これからもあなたの目から見た官僚の動向、色々聞かせて下さいよ。

政治家の劣化と官僚のエリート意識。
官僚の「自分の思い通りにならない政治は間違っている」という気持ち、多少、分からなくもないですが、彼らは本当に自分で思っているほど優秀なのでしょうか?

不良債権処理を思い出します。

「貸し渋り」「貸し剥がし」への対処は当時の最優先課題であり、そのために不良債権処理が必要でした。
処理を遅らせていたのは「高給取りの銀行に税金投入?」という空気を読んだマスコミの報道と、それに乗せられた世論でした。
それが実現できたのは、(小泉内閣の高支持率を背景にして)官僚がマスコミに必要性を説いた結果でした。
政府は世論の批判に応え、公的資金投入の条件として金融機関の体質強化を求めました。

ここまではよかった。

しかし、金融庁は、零細企業の回転資金を供給していた信金や信組にも大手銀行と同じ指導をしてしまった。
健全性の評価を自己資本比率という一点に求めたところに、大きな問題がありました。
結果として、「貸したら自己資本比率が下がってしまう」ため、「貸し渋り」「貸し剥がし」は逆に増えてしまった。
金融業界の再編が進む中、回転資金を絶たれた零細企業が次々と倒産、やがて連鎖倒産が始まりました。
ところが、官僚はこれを「スクラップ&ビルド」の結果と解釈。何も手を打ちませんでした。
実際、景気指標は回復傾向を示していたからです。
しかし、庶民の生活実感としての景気は一向に良くならない。
なぜなら、景気指標が反映していたのは、大企業の「リストラと非正規雇用への転換」による業績回復だったからです。
「いざなみ景気」の陰で、失業者とワーキングプアは増え続けました。

官僚は、「不良債権は不況の結果であり、原因ではなかった」にもかからわず、不良債権処理そのものを不況脱出の解決策としてしまった。
まさに、「ニワトリが先か、卵が先か」です。
当初目的であった「貸し渋り」「貸し剥がし」への対処、はどこへいってしまったのか。
官僚は、当時主流であったエコノミストの主張を正解と思い込んだだけで、正しく先を読んだ訳ではなかった。

悪意などなく、ただ、間違えただけです。

上記横田さんの論説に、<なぜ彼の話題をしたとかというと、田母神問題のひとつには、〈航空幕僚長〉の地位にありながら、集団的自衛権の行使などで、政府見解とは異なる意見を発表したことがありました。発言内容の是非は別として、官僚のあり方を論じる意味で、すごく重要なことだったはずなのに、いつのまにかこちらもスルーされていました。>とありますが、この問題が大きく取り上げられる背景は、まさに「航空幕僚長」の地位にありながら政府見解とは異なる意見を発表した」ことそのこと自体注目すべきことだと思います。過去~現在の政府見解なるものが、本当にそうなのか、実はそうじゃないのでは?と思う人が実際多くいて、政府が”やばい”ってことであわてて更迭して参考人招致してまで、彼の論文の本質を隠そうとしたということだと思います。人々がなんとなく漏れ伝え聞いていた”本当の真実”ではと思しきものと彼の論文の本質が近いものだったからこそ、更迭され本がいくつも出版され講演が多々催されているのではないでしょうか?東京裁判はじめ、歴史については南京問題や従軍慰安婦問題などアジア近隣諸国との関係からいまだにタブー的トピックが本当はどうだったのか知りたい人が増えているように感じます。これは一括りに保守系として論じるにはあまりに大きすぎると思います。官僚の話題からそれてしまってすみませんが、ただ官僚の分の問題だけではない、国としてのあり方、やり方を健全に議論する時がきているのではないかと強く感じます。

結局15兆円近い補正を官僚に託した。内容みれば誰でもわかる。麻生が使った埋蔵金の穴埋め用に各省基金という名目で複数年度プール出来る総予算の30数%、あとはお得意の一時的補助だ。長期的計画無しに金だけは長期プールを許す。14兆円と麻生の相変わらずの無思慮な発言に官僚がしっかりと取り込んだ。横田さんが言う所の官僚政治の復活に麻生はゴーサインを出したと云う事ですね。

皆さんのコメントが内容に関してのことになってよかったですね、横田さん。安部さんに対する見方などは田中良紹さんの記事を読むと単純に同意できない部分が私にはありますが、筆者が現場で見聞きしたことの紹介、今回は20代の官僚さんの演説が私には新鮮に思えました。これからもがんばってください。

歴史的に20年ごとに繰り返されて来た戦争を
次は自分たちが先頭に立って勝ち抜くんだと
意気軒昂だったと思われる,田母神クラスの
フラストレーションが、溜まりに溜まって
奇怪な潜航をしていることは事実でしょう。
しかし,これら若者たちの支えになって
増長させて来たのは,まぎれもなくマスコミ
です。
ジャーナリストの手前勝手な欲求型の記事が
溜まりに溜まって日本の腐臭を産んでいる。
マスコミ界が,徹底的にジャーナリスト魂
を改革出来るかどうかが,第一の問題では
ないかと感じています。
記者一人一人が,反感に溺れている暇は
ないのですから、個人的怒りを放棄して
人類の真実の姿を報道出来る心得を
持って欲しいと思います。

予算枠を初めに決めて官僚に丸投げしているのは他ならぬ麻生政権なんですが?

そういう指示を出しときながら予算配分を決めたら官僚政治復活ですか?

官僚に丸投げしているほうが一番悪いと思うんだけどねぇ。

必要なところに支出するというのではなく、予算枠を決めて何か選挙に有利になるよう見栄えのするものを考えて予算を適当に使ってくれってのが今回の追加の経済対策とやらでしょ?

丸投げされたほうも困るよね。つじつま合わせるのに、無駄だと思っていながらも無理やり予算をつけちゃわないと文句を言われるんだから。で、予算つけたらつけたで官僚政治復活なんて言われちゃったら官僚さんもやってらんねぇー!って思うんじゃないの?

何十兆もの予算が組めるのなら何で今までここは絶対に必要ですよと言われていたところに手当てをしないわけ?そのお蔭で救急医療体制もダメダメになってるし子育てもしづらい社会になって少子化に拍車が掛かってるんじゃないの?

ここは何とかしてくれと悲鳴が上がってるところが一番優先的に手当てをするべきなのにマンガ博物館約100億円とかふざけたことやってるんだからどうしようもないね。それこそ民間にやらせれば良い典型だろが。

これだけの巨額の予算を組んでながら全くめちゃくちゃな予算編成ってのは未だかつてなかったんじゃないか?

やはり、官僚に丸投げしている自民党政権はもう限界ですね。

まぁ、植草氏に関するいい加減な記事を書くようなレベルのゴロツキ記者じゃ本質は見抜けないでしょうけどね。

田母神元幕僚長の事で言えば、その立場での意見であると思うのです。すべてこれまで「憲法9条」を都合の良いように解釈をし、創設時は「警察予備隊」から米国の思惑も絡み「自衛隊」へと発展させてきた。軍隊には間違いないのだけれど、憲法上の制約があり先制攻撃は出来ない。彼らにしてみれば非常に曖昧な状況下で国を守るという職務を担わされている。政治の責任が明らかなわけで、一貫して憲法を守りぬく姿勢が無いのだと。その時々で都合の良い解釈をし、それを執行して来たのが自民党独裁政権であり、それを支えてきたのが多くの日本国民ではないのか。日本は平和憲法9条を守り抜くのが国是と思っている。が、今の中途半端な立場におかれているのが、軍隊であって軍隊でないと言われ、複雑な立場で現場に立たされている隊員たちが人間として非常に気の毒なのである。私は60歳に手が届く人間ですが、生まれて一度たりとも自民党に一票投じたことはありません。どの党にも属したこともありません。若い頃実力抗議行動での逮捕歴や、公判の経験もあります。現在多くの(ジャーナルに投稿されている方のほとんど)方たちが政権の交代を望んでいるのだと感じています。私たちにとっては、選挙で一票を投じ小沢一郎民主党に勝ってもらわなければ政権交代にはならない。官僚政治を国民の手に戻す公約がある。口でかっこよく使いこなすと言って、官僚の傀儡である麻生に絶対に打ち勝ってもらいたいと願う。

アメリカにあげた厚生年金を取り戻して下さい官僚さん。

残念ながら、小沢さんも終わったのかも知れない。ここで引退するのなら、党首討論中で辞任して欲しかった。

小沢代表の辞任のニュースを聞く。民主党に見切りをつけたんだなと思う。やはり小沢党を作って政権交代を目指すべきなんだと。政治家小沢一郎を支持し応援する私を含め、多くの人たちの希望を実現させて下さい。

子供達を守るために、政権交代が必要です。
愚民化教育を行い、子供達の人生を壊す政党と官僚政治は許すことは出来ません。
「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読みました。
これ程までに、日本の教育が破綻し腐敗しているのかと驚きました。不登校、引きこもり、ニートが生まれ、犯罪者が続出するのは、教育システムが腐敗しているからです。
知識社会と言われる現代、教育こそが、最大の成長戦略であり、雇用対策です。
ぜき読んでみて下さい。
怒りが、腹の底から湧き出るに違いありません。

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Profile

横田由美子(よこた・ゆみこ )

-----<経歴>-----

埼玉県出身。
96年、青山学院大学卒。在学中より、ライター活動を本格化。
以後、フリーランスを貫く。
新聞、雑誌で主に、女性、官僚、政治をテーマに記事を執筆。
趣味はクラシックバレエとワイン。

-----<連載>-----

朝日新聞be「読み解く」

日刊現代「霞が関の掟」(毎週木曜)

-----<出演>-----

『ザ・インタビュー』
(BS11)
アシスタント・キャスター

『ニュースの深層』
(朝日ニュースター)
サブ・キャスター/月・水・金担当

BookMarks

ペコちゃん日記
http://blog.livedoor.jp/yumikoyokota/

-----<著書>-----


『官僚村生活白書』
2010年6月、新潮社


『ヒラリーをさがせ!』
2008年1月、文藝春秋


『私が愛した官僚たち』
2007年2月、講談社




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