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官僚政治の復活? »

「諸君!」休刊に思う

気持ちのいいお天気ですね。

ようやくきょうから本格的なお休みという方も多いのではないでしょうか。

わたしは、次に出版する予定の本の原稿をこのゴールデンウィークですこしでも書き進めようと頑張っています。

そんな中、「諸君!」の最終号が届きました。「論座」、「月刊現代」につづき、とうとう「諸君!」までもが休刊に追い込まれました。巷では雑誌ジャーナリズムの危機が叫ばれてはいますが、こうして手にとってみると、改めて胸にせまるものがあります。

昔からわたしは、オピニオン誌と呼ばれる月刊誌が好きでした。初めて署名記事を載せていただいたのは「論座」です。「月刊現代」で育てていただき、ここ1~2年は、主に「諸君!」で書いていました。

「月刊現代」から「諸君!」に仕事の主舞台を移したのにはいろいろな理由があって、ありていに言うと、編集者と揉めて「月刊現代」で「霞が関人事興信録」という連載を続けられなくなったからです。

「月刊現代」を去り、難民状態だったわたしに書く場を与えてくれたのが、「諸君!」
の内田博人編集長だったのでした。

霞が関人事興信録・防衛省編である「昇格一年 防衛省は「三級官庁からの脱却を果たしたか」」という記事が掲載されたのは、2007年12月号の「諸君!」でした。同号では、「帰ってきた防衛大臣、吼える」というタイトルで、石破茂現農水大臣にもインタビューしています。

振り返ると、3誌の中では一番、書き手を自由に泳がせてくれる媒体でした。最後、八ヶ月間で4本も記事を担当してくれた編集M君のことは、取材であちこち引きずり回しただけでなく、無駄玉ばかり打たせてしまいました。こころの底から申し訳ないです。でも、労を惜しまずバックアップしてくれたからこそ、できた取材がたくさんありました。ライターは、信頼できる編集者に支えられてはじめて、取材に没頭できるのだと知りました。

そんなことを思いながらページをめくり、決意しました。

次の書籍の原稿がひとだんらくしたら、雑誌への寄稿(とくに週刊誌)を再始動させます。

ここ1年ほど、すこし疲れを感じていたこともあり週刊誌のお仕事は完全にさぼっていました。月刊誌に書き始める前、わたしの仕事の中心は週刊誌でした。

新聞やテレビが報じることのできない題材を扱い、スクープを書くことが、フリーランスの雑誌記者を職業に選んだ人間の本懐だったはずです。

皮肉にも、「諸君!」の最終号で思い出しました。


下記は、「月刊現代」の休刊に合わせて書いたブログ記事です。


「月刊現代」休刊とジャーナリズムの未来を考えるシンポジウム3月30日午後6時15分から、東京都千代田区の内幸町ホールで、「『月刊現代』休刊とジャーナリズムの未来を考えるシンポジウム」がひらかれるそうです。

詳細は、下記記事などでどうぞー♪
月刊現代休刊に執筆陣が冊子やシンポ

MSN産経ニュース


ご案内をいただいてから、いろいろ逡巡することもあり、わたしは早くから行かないことに決めていました。

とはいえ個人的にはいろいろ感慨深く、まあセレモニーではよい話だけするものだという伝統(?)にのっとり、きょうは「月刊現代」での思い出をすこし振り返ろうと思います。

はじめて「月刊現代」でお仕事をしたのはいつだっけと本棚を探してみると・・・

なんと2003年の12月号。6年近くも前!!!

わたしもとうが立ってくるはずです。

「官僚OB 新人候補者座談会 霞が関を捨て、永田町を襲う理由」


・・という座談会の司会とライターをしたのでした。

「月刊現代」と「月刊文藝春秋」で書くのは、ライターになった以上は憧れだったので、とても嬉しかったのを覚えています。

編集者は、当時名物コラムだった「肇の一歩」を書いていた青木肇さん。

わたしは、学生時代からこの世界に入ったため、年齢はそれほどではありませんが(女としてはかなり終わっている)、ずいぶんたくさんの編集者にお会いさせていただきました。

それでも「好きな編集者を3人あげて」と言われたら、一番に挙がるのが青木さんです(あとのふたりは内緒)。

その当時は、政治系の記事はまったく書いておらず、女性のトレンドとかキャリアを書いていました。

この分野は女性ライターが多いので、競争が激しくて、いろんな意味であんまり大事にもしてもらえなかったけど、いまより純粋に楽しかったというか、笑顔は多かったかもしれない!!

ただ、キャリア的には行き詰まりを感じていたことも事実で、そういうわたしに

「よこたさんは、あまり興味がないかもしれないけど・・・」

と霞が関の取材を始めさせたのは青木さんだったのでした。 

それをきっかけに、永田町のミニスカ秘書やテカガミストと呼ばれた植草一秀さんの手記やインタビューの仕事に続いていくのですが、それこそ取材のいろはや原稿の書き方、まとめ方から教えてもらいました。

それまで野放し状態の新聞社系の仕事ばかりしていたので、編集の方と本格的に一緒に記事をつくるのは、とても新鮮な作業でした。

アポなしの取材などでは、電柱の後ろに隠れて、ひと(わたし)に呼び鈴を押させる青木さんでしたが、インタビューや原稿を確認する段階になると、二重人格を疑うほど鬼(迷、いや名)編集者に変わるのでした。

月刊現代が、無名のライターを発掘して、育てあげようという意欲を持った数少ない媒体であったことは間違いないでしょう。そういう意味で、いまのわたしの仕事の原点は月刊現代にあります。


昨年から、ずいぶん雑誌の休刊が相次ぎました。わたしも、たくさんクライアントを失いました。フリーランス記者の廃業は増加の一途をたどっています。

でも、それも時代の流れ。時代とシンクロする仕事である以上、仕方のないことです。力ない者、時流を見誤った者は淘汰されるのが宿命です。

ノンフィクションは儲からないし、仕事の9割以上は嫌なことだし、人から嫌われるし恨まれるし、硬派なネタになればなるほど縁遠くもなります(と、最後は余計ですね)。

だけどそうした中で、ほんのすこしでも、ほんの一瞬でもやり甲斐を見つることができたら、自分の記事が大局的には国家のためになっていると思うことができれば(やや大げさでしょうか)、中毒になるはず。

そういうお仕事をさせていただいた、最初の媒体ではなかったかといま思います。〈2009年3月19日 ペコちゃん日記より〉

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コメント (10)

今の大新聞と同じ。自分が正論を吐いていると錯覚しているメディアはつぶれる運命です。ネットを見たら世界中の情報が玉石混合で入手できます。マスコミさんはもっと勉強しなきゃ!!素人の方がよく勉強しているんだから廃刊になって当たり前!!

う~む・・・
高野さんに叱られるかもしれないけど・・・
横田さ~ん せっかくthe-journalに書くなら あまりポワ~ンとした記事や回想録じゃなくて きちっと取材して緊張感のある記事書いてくださいよ。今は政界財界の危機だけじゃなく言論界やマスコミだって危機ですよ。「だから女は・・・」みたいなこと言われないように がんばってください。永田町周辺取材されてるんでしょ?だったらさ、なんとかもっとビシッと(笑)
ホント よろしくお願いしますよー!

BBさんへ
>廃刊になって当たり前!!
重要なのは、ライターの方々が書いている中身であって、媒体が右派だから廃刊になって当たり前、というのは的外れです。ネット右翼の反日メディアはケシカラン、というのと同じですよ。
ここでは左右関係なく雑誌メディアが消えて行くことを問題提起しているのですから。

豪快:豪傑の中に一輪の花として受け止め一服の休みとしても どうもどうも判断に困るような投稿はこのページに相応しくないようですね、由美子様を少しばっかりですが存知あげておりますが、得意分野がありましたですよね、切り口を求めて訪問したいと思っております

cooさんへ
筆者に対して記事に対する不満、または要求を出すのはいかがなもんでしょうか。課金しているサイトではなく無料だし。
論理的な反論ならともかく、一方的に批判するコメントは読むと、げんなりです。
価値がないと判断されるなら読まなければいいんですよ。

私は、cooさんと同様の感想を持ちました。「せっかくthe-journalに書くなら あまりポワ~ンとした記事や回想録じゃなくて・・(略)」

私は、3月3日小沢氏秘書逮捕以来、真実を希求する切なる思いから、ネットを徘徊し当サイトにたどりつきました。『マスコミの劣化に対して、カウンターパートとしてのこのThe Journalの社会的使命を強く感じているからこそ』という趣旨で、蓮舫さんの「あったまにきた」の4月1日の記事「事業仕分け」に対して、『蓮舫氏のコラムは、TheJournalの目指しているモノとは違うような気がするのは、私だけ?/内容は、民主党の議員としての活動報告をしているだけではないでしょうか?』とやや批判的なコメントを書きました。

曰く、『百歩譲って、素材として、民主党の議員活動を報告するのはよいとしましょう。その場合でも、このThe Journalの紙面?上では、51%以上は、民主党の議員を超越した観点での論考が必要です。』 これが当時の結論ですし、私の主張です。

さて、横田さんの今回の記事も、「個人的な思いを吐露する」という域を出ておらず、報道としての体をなしていないと思うのです。(TheJournalへの期待が大きいだけに、辛口コメントになることをお許し下さい。>横田様)

客観的な報道をしているフリをしながら、署名なしで責任の所在を不明確にしながら、偏向報道を続ける「マスコミ」は放置できない。しかし、単なる個人的な思いを吐露するだけのブログを寄せ集めて見たところで、マスコミ報道への対抗軸にはなり得ません。当サイトが目指す(=マスコミ報道に辟易している人たちが期待する)「ブログ ジャーナリズム」とは、異質であると思います。

で、提案です。

1.出発点は、誰しも、素朴な疑問から始まる

記事の導入部として、個人的な背景や思いを吐露するのは、その記者の立ち位置が明確になり、読者が記事を評価する材料を提供することになり、とてもよいと思う。(この辺りが、ブログジャーナリズムならではのメリット)

今回の横田さんの記事も、導入部としてはよかった。しかし、それだけで終わるならば、個人ブログ>「ぺこちゃん日記」で書くべきと考えます。

2.報道としての終着点は、私見を社会化することではないか?

何を持って、記事内容が社会化されたかの価値判断は人によって違うかも知れません。そこで、記事を執筆する際に、「個人的な思い入れから筆を執り始めたとしても、51%以上は、個人の思いを超えて、社会的考察を行う」と言う心構えが、書く方の努力目標になるのでは。もう一歩の踏み込みを期待します。

今後も、TheJournalが、ブログジャーナリズムの新たな地平を切り開くことを期待しております。

個人的な感想として、過去を懐しむ非常に私小説的な内容でこれがどうして{ザ・ジャーナル}と結びつくのか理解に苦しみます。

>巷では雑誌ジャーナリズムの危機が叫ばれてはいますが、


どうして正統派の雑誌に危機が訪れたのかを掘り下げて記載していただければ非常に納得したような気がします。

今回も「はじめまして」の延長線上として捉えさせていただきます。次回は是非期待をしております。

雑誌媒体の危機を憂いたいのか、何なのか主義も主張も意図も見解もなにも記されていませんね。最後は愚痴ってるような。このような内容しか書けないから淘汰されるんでしょう。御用ライターにでもならない限り。

初めてお邪魔します。

三ヶ月入院してて世情に疎くなったせいもありますが、『諸君』が廃刊になったとは知りませんでした。

自分は、右でも左でもないけれど、たまに勝手読んで、面白かったりしたので、少なからずショックを受けているところです。

前回は高野さんも「あいさつなのだから」とフォローされていましたが、残念ながら今回も何の意見もない記事で、何が書きたいのかわかりませんでした。
次回もこんなコメントばかりもらうようでは、もう先が無いですよ。がんばってください。
あと、私だけでしょうか、♪とか(笑)とか、ブログと同じ調子で書かれた文章が、読んでいて気分良くないのは・・・

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Profile

横田由美子(よこた・ゆみこ )

-----<経歴>-----

埼玉県出身。
96年、青山学院大学卒。在学中より、ライター活動を本格化。
以後、フリーランスを貫く。
新聞、雑誌で主に、女性、官僚、政治をテーマに記事を執筆。
趣味はクラシックバレエとワイン。

-----<連載>-----

朝日新聞be「読み解く」

日刊現代「霞が関の掟」(毎週木曜)

-----<出演>-----

『ザ・インタビュー』
(BS11)
アシスタント・キャスター

『ニュースの深層』
(朝日ニュースター)
サブ・キャスター/月・水・金担当

BookMarks

ペコちゃん日記
http://blog.livedoor.jp/yumikoyokota/

-----<著書>-----


『官僚村生活白書』
2010年6月、新潮社


『ヒラリーをさがせ!』
2008年1月、文藝春秋


『私が愛した官僚たち』
2007年2月、講談社




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