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2008年9月17日

地方からの経済改革なくして長期政権はない(日本で政権の運命を決めるもの:後編)

昨日のコラムでは、安倍晋三・福田康夫の両政権が倒れた理由について、小泉純一郎改革までさかのぼって考えてみました。

21世紀の世界経済の環境変化に対応することができず、欧米諸国に周回以上の後れを取っている日本のことを考えると、暗澹たる思いになるのは確かです。しかし、日本には計り知れないほどの潜在力があることを忘れてはいけません。この潜在力を十分に生かす政策を実行することが、新しい政権には求められているのです。

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2008年9月16日

なぜ、安倍、福田両政権は倒れたのか?(日本で政権の運命を決めるもの:前編)

福田康夫政権があっけない終わり方をして、また日本の総理が代わります。高い支持率でスタートしたのに支持率が急落し、1年足らずで投げ出した福田政権の姿は、安倍晋三政権とあまりにも似ています。

両政権のたどった運命を見れば、日本で政権の運命を決めるものが何であるかがはっきりと見えてきます。それを理解し、正しく対応できなければ、自民党であれ民主党であれ、次の政権も短命に終わるでしょう。

外交や国際関係は重要です。国のかたちの議論も大切です。でも、そうしたことが政権の運命を決めるわけではないことも明らかです。「戦後レジーム」への姿勢、憲法改正か護憲か、などについて、全くと言っていいほど対極にあった安倍・福田両政権は、ほぼ同じ軌跡を描いて終わりました。

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2008年8月12日

経済改革は教育改革から、教育改革は教員改革から

(学力の底上げを機軸に経済成長を実現したフィンランドの教訓)

日本経済が急速に不況の色を強める中で、内閣改造が行われました。内閣改造と同時に、政府も景気判断を下方修正するようです。でも、これまでも、好景気だという実感は薄かったと思います。地方経済は冷え込み、多くの若者が正社員になれない状況が続いてきました。

どうすれば経済を元気にできるのか。大きな課題です。

フィンランドのことを思い出しました。教育から経済を再生したからです。

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2008年7月28日

サブプライム危機と石油バブルがもたらす破壊と創造~次のグローバル・バブルが始まった

今年の世界経済は、大乱です。昨年から始まった米国発のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は、欧州の金融機関にも広がりました。金融機関の損失が明らかになり、米国の消費を支えてきた不動産が上昇から値下がりに転じました。そして、信用不安と消費減退のダブルパンチの懸念から、米国発の世界株安が始まったのが昨年の8月です。

昨年は、金融政策をつかさどる連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は事態を甘く見ていました。バーナンキ議長が政策金利の低下を渋るたびに、米国株が下落する事態が続き、そのたびに、世界の株式と不動産の市場が打撃を受けました。

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2008年7月18日

なぜ年金はこれほどの危機を迎えたのか~財務省は「入るを量りて出ずるを制す」の原点に立ち返れ

前回までに、政府が日本国民から預かった厚生年金や国民年金の資産の運用に巨大なブラックホールが開いていること、そして、単に市場の下落ではなく、年金を運用する体制や仕組みに重大な構造的問題があることを説明いたしました。

これまでにも、年金の構造改革は行われました。それなのにいったいどんな問題が積み残され、どこを変える必要があるのでしょうか。前の改革を振り返って検討してみましょう。

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2008年7月14日

今こそ、年金の第2次構造改革を~年金5.8兆円の巨額損失の背後にある根深い問題

国民の150兆円の年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、昨年度5.8兆円もの巨額の運用の損失を出したことが明らかになりました。その原因は株式市場の下落である、と片づけられているようですが、本当は、表面には表れない構造問題が存在するのです。

1994年から96年にかけて、日本の年金資産の運用の大きな構造改革が行われました。それによって、国民の年金資金の相当部分が守られました。

しかし、12年後の今、前に積み残した課題が巨大なブラックホールになり年金財政に損失を与えています。年金資産の運用の第2次構造改革が待ったなしです。それには、大問題があることを広く知らせなくてはなりません。そして、愚かな魔女狩りではなく、国民への年金の約束を守るために必要な賢明な解決策が必要です。目先の利害や政治的な打算や視聴率稼ぎの安易なポピュリズムに流れることなく、政治も行政も関係機関も金融機関も学会もマスコミも、議論し、正しい方向に合意し、協力して新しい体制を作るべきです。

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2008年6月30日

ブラックホールに飲み込まれる消費税~増税しても破綻への道を行く日本の年金運用

福田康夫首相が取り上げたように、いよいよ消費税の増税に向けた議論が始まりました。

確かに、消費税増税は避けては通れない道なのかもしれません。団塊の世代の引退が進めば、人数が少ない現役世代からの税金や保険料では、年金や健康保険を支えていくのは難しくなります。引退した世代に比べて、40代以下の現役世代は、生涯の社会保障の収支が大幅に悪化します。

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2008年6月19日

オバマ大統領はイラクから撤退できるのか~引き起こされる悲劇は“最悪の前例”を超える可能性も

「オバマという若手のすごい政治家が現れた」とジャーナリストの船橋洋一氏に教えていただいたのは3年前のことでした。それ以来注目していたバラック・オバマが、ヒラリー・クリントンを抑えて、ついに民主党の大統領候補になりました。

大統領選挙は米国を映す鏡のようです。今、米国国民は大きな変化を求めているのでしょう。白人の母親とケニア人の父親の間に生まれ、インドネシアやハワイで育った、オバマという存在そのものが“CHANGE”を体現しています。

「われわれは白人ではない。黒人でもない。米国人だ」という言葉は、オバマの口から出てこそ訴える力がありました。ハーバード大学を優秀な成績で卒業した弁護士で、シカゴで地域改善運動に取り組んだオバマが「米国人すべてに、教育や医療や仕事のチャンスがあるべきだ」と主張した時に、多くの国民が支持しました。

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2008年6月11日

農業から日本の先端産業にする~田園からの産業革命をいかにして遂げるか

前回までに日本の農業が今どんな状態であるのか、私なりのスケッチをお見せしました。なかなかに複雑な対象ですから、全体をお見せすることは大変です。

確かに食料自給率の低下、後継者不足、耕作放棄地の増加、高齢者が半数以上を占め、集落としての機能を維持するのが困難となっている限界集落の増加、日本人の米離れ、日本食離れ、生活や買い物の変化と地元の農産物が手に入りにくい仕組み、農業よりも土木事業に力を入れてきた農政、などの様々な問題が浮かび上がってきます。

《戦後の“社会安定装置”、農村の役割は限界に》
その一方で、日本人の知恵やしたたかさも見えてきます。農地解放により自作農になり、土地を手に入れた農家から、戦後日本の中流社会は生まれました。子供たちは高校や大学に行き、都会に出ていきました。

残された農村には、政治力が生まれました。高い生産者米価での買い取り、機械化や品種改良による農作業の軽減、公共事業による現金収入と農地の買い上げ、様々な税金の優遇措置、農協による農業と生活のワンストップショッピング化、などです。

農村が豊かになったからこそ、全国が消費社会に変わり、戦前よりははるかに高学歴の中流社会ができました。農村の基盤に乗って、自動車も三種の神器の家電製品も売れ、一億総中流社会もできました。若者たちが出ていっても、これまでは農村は大きく荒廃せずにやってきたのです。

高度経済成長と格差の少ない国民のレベルの高い社会。言葉にすれば簡単ですが、実現するのがいかに難しいか、インドや中国をよく訪れる私には、戦後日本の農村は大変な社会安定装置であったと思うのです。

でもそれが限界に来ている。できるだけスムーズに、日本の農村と自然と社会のよさも残しながら、どうすれば農業は強くなれるのでしょうか。

いくつかの提案をしたいと思います。

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2008年6月 9日

このままでは日本は食べていけない~なぜ日本の農業はダメになってしまったのか

前回は、これからの世界経済の変動によって、食料を輸入に頼るこれまでの日本経済のあり方は大変危険であることを説明しました。欧州諸国が1970年代の米国による大豆の禁輸をきっかけに 食料自給率を高めたのに比べて、60年代に6割だった日本の食料自給率は、今では4割を切るところまで低下しました。

日本に農地が足りないためではありません。度重なる減反政策や耕作放棄や裏作の停止で、日本の作付延べ面積は、ピークであった1960年代の半分にまで落ちました。

しかも、このままでは、日本の農業は衰退することが確実です。担い手となる農家の高齢化がさらに進み、後継者が激減するからです。掛け声ばかり食料安全保障や自給率向上を訴えても、流れを変える現実の政策はいまだに実行されていません。

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Profile

山崎養世(やまざき・やすよ)

-----<経歴>-----

1958年生まれ、福岡市出身。
東京大学経済学部卒業。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で経営学修士号(MBA)取得。
大和証券を経て、94年米ゴールドマン・サックス社入社。
以後、ゴールドマン・サックス投信株式会社及びゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント・ジャパン・リミテッド社長、ゴールドマン・サックス本社パートナー(共同経営者)を歴任。
2002年同社退社後、シンクタンク山崎養世事務所を設立。
高速道路無料化を提唱するほか、金融、財政、国際経済問題等に関する調査・研究・提言活動を行う。

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