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2007年1月29日

新聞はなぜ、ソースを明示しないのか?

いやはや、予想されたことではありますが「あるある大事典」の捏造体質はとどまるところを知らないようです。

しかし、それを伝える新聞の報道姿勢も「ン?」と思うところがあって、きょうはそれを指摘したいと思います。

1月29日(月)朝、自宅に配達された朝日新聞を開くと1面トップにデカデカと「『あるある』また捏造疑惑」という見出しのもと、〈06年「みそ汁で減量」〉〈98年「レタスで快眠」〉とありました。実は、あした(1月30日)発売の週刊朝日でも、06年7月放送の「納豆で若返り」の捏造を暴いていたので、「うちの新聞もやるなぁ~、これでスクープ3連発だ」と思ったものです。

ところが、会社へ行く途中、駅売りの産経新聞、東京新聞を買うと、両紙とも「レタスでも捏造」の記事が出ているではありませんか。

なんじゃい、レタスは朝日のスクープじゃなかったのか…。

東京の書き出し部分は、こうです。〈…1998年にレタスの持つ催眠効果を取り上げた前身の番組でも、実験結果がねつ造されていた疑いのあることが、28日わかった〉。産経新聞は〈…レタスの催眠効果を取り上げた際、実験で効果が確認されなかったのに効果があったように捏造されて放送されていたことが28日、分かった〉。

やれやれ、また「わかった報道」かい。-_-#

ぼくは暗澹たる気持ちになりました。

日本の新聞がよくやる「わかった報道」を、ぼくは「手柄の横取り報道」と呼んでいます。

案の定、会社に着いて各紙を読み比べると、「レタスでも捏造」はきのう(1月28日)付の毎日新聞のスクープだったことがわかりました。
(こんなことを書くと、週刊誌の編集長なのに自宅で新聞全紙を読んでないのか、と突っ込まれそうですが、日曜日は原則、仕事しないことにしているので……)

記事を正確に書こうと思ったら、「……捏造の疑いがあることが、毎日新聞の報道によって明らかになった」ではないでしょうか。

なぜ、新聞はソースを明示しようとしないのか?

ぼくはこの業界で仕事をするようになってから、新聞のこの慣習にずっと違和感を持っていました。

一般の家庭では、新聞は1紙しかとっていないのがふつうなので、たとえ「毎日新聞の報道によって……」と書いても、記事の価値が下がるとは思えません。

むしろ、どこのメディアが一報を伝えたのかという、これまた重要な「情報」が抜けたままでは欠陥記事ではないかと思うのです。

甚だしいのは読売新聞でした。1面左肩で〈(実験を担当した教授が)……『レタスの快眠作用』についての実験結果を効果があるように歪曲して放送されていたと28日、読売新聞の取材に対して証言した〉と書いていました。

もちろん、これはウソではないでしょう。

しかし、これは想像ですが、おそらく読売の記者は毎日のスクープを見て、後追いで証言者とのコンタクトをとり、「証言を得た」のだと思います。他紙が(たぶん)直接証言をとれていないのと比べると、それはお手柄だと思いますが、読売しか読んでいない読者にすれば、「レタスでも捏造」そのものが読売のスクープだと誤解することでしょう。

いや、「意図して誤解を招くように書いた」と言われても仕方がない。メディアの欺瞞を伝える記事なのに……、ブラックジョークのような話です。

06年7月に日本経済新聞が、昭和天皇の靖国参拝に関するいわゆる「富田メモ」をスクープしたときも同じでした。各紙が夕刊で後追いし、いずれも「わかった」と書いてありました。抜かれて悔しいのはわかりますが、なぜこんな姑息なことをするのかぼくには理解できません。哀しい話だと思います。

ぼくはこの件に関しては強いこだわりがあって、自分が編集長になってからは、週刊朝日は特別な事情がない限り、ソースの媒体名を記すようにしています。いいニュースでも悪いニュースでも、実名報道を原則としています。

ついでに言っておくと、今回の「あるある騒動」のきっかけをつくったのは週刊朝日でした。「あるある」の捏造は21日の各紙が一斉に報じていますが、週刊朝日の誌名を1面できちんと書いていたのは、一般紙では毎日新聞だけでした。身内の朝日は中面の「時々刻々」でのみ誌名を出していました。その他、気がついた限りでは、スポーツ報知、デイリースポーツ、スポニチ(大阪)、日刊ゲンダイが誌名を明記し、週刊誌では、週刊文春が「『週刊朝日』の報道を受け、肝心のデーターやコメントが捏造されていたことが判明している」と丁寧に書いていました。

ほかはだいたい「一部週刊誌の指摘で…」とか、「一部報道で…」、「一部報道機関からの取材を受け…」など。う~ん、俺たちは「一部」かい? 以前、週刊朝日が宮内庁から抗議を受けたときは、どの新聞も例外なく「週刊朝日」と明記していたのに。

元週刊文春編集長の花田紀凱さんが、産経新聞の連載コラム「週刊誌ウォッチング」でこう書いていました。
〈例の関西テレビ「発掘!あるある大事典Ⅱ」の捏造事件、キッカケは『週刊朝日』の告発なのに、新聞は例によって一切誌名を出さない。フェアにやろうよ〉

週刊朝日がこんなスクープ飛ばすのは、めったいにないんだからさ(爆)。

2007年1月26日

糸を引く納豆騒動…

今回もしつこく納豆騒動の話です。

20日に関西テレビが記者会見をやったおかげで、翌日から新聞が大々的に報道し、その後、テレビ各局が週刊朝日の記者や編集長のコメントが欲しいと押し掛けてきたため、週末はその対応で忙殺されました。

モノが納豆だけに騒動が糸を引くようです。

そんなわけで、来週号でも引き続き「あるある問題」を追及しています。

取材すればするほど、この問題は呆れる話が出るわ出るわで驚くばかり。

例の記者会見で、関テレの別本恒夫編成局長が、

「期待した教授に話が聞けないなど、米国での取材が難航。スタッフが追いつめられていたようだ。それが一因ではないかと思う」

などともっともらしいことを言っていますが、これは真っ赤なウソです。

「あるある」の元スタッフに言わせると、

「どれが捏造かって? どれもですよ」。

そんな生々しいスクープ証言とともに、なぜこうした捏造が横行するのか、来週号では「あるある」の全貌を解明しています。

ぜひ、お読みください。

2007年1月21日

納豆データ捏造事件〜ある記者会見の舞台裏〜

話題の「納豆ダイエット」を紹介した関西テレビの『発掘!あるある大事典Ⅱ』はやらせどころか捏造でした。

同番組の情報源として放送されたアメリカの学者などに取材し、捏造の事実に確信をもった週刊朝日の取材班が1月18日、関西テレビに詳細な質問状を送りつけたところ、期限までに回答せず、20日午後になって、突如、「その件について記者会見することになった」と言い出したのです。

結果は、翌日の新聞を見ていただければおわかりのとおり、局側が番組捏造を全面的に認め、番組の放送中止を決めるというものでした。

会見の中身は、すべて私たちからの質問内容に沿ったものでした。

週刊朝日の取材経緯やアメリカの学者とのやりとりの詳細が火曜日(23日)発売の号に出ています。

おもしろいのでぜひ、お読みください。

そもそもこの話題を扱ったきっかけは、筆頭デスクの大嶋辰男君が、近所のスーパーで軒並み納豆が売り切れていると言い出したことでした。

彼のカミさんの話で、原因はどうやら『あるある大事典』にあることがわかり、まさかと思って自分でも我が家(さいたま市)の近くのジャスコに見に行ったところ、納豆売り場からすっかり商品が消えているではありませんか。

笑ったのは、「テレビの『あるある大事典』で話題」「よくかきまぜてから20分間放置する」などと書かれたポスターのすぐ横に、「品切れで大変ご迷惑をおかけしています」というおわびのポスターが貼ってあったこと。

いずれにしても大変なブームです。そこでさっそく、本誌ダイエット担当(爆)の女性記者に後追いをさせると、「なんかヘンなんですよねぇ……」との報告が。

専門家にいろいろ聞いてみると、どうやら納豆にダイエット効果なんかない、つまりウソ!! ってなことになってきました。

とりあえず1月26日号に「納豆ダイエットは本当に効くの?」という記事を掲載し、さらに取材を進めることにしました。

そしたら、出るわ出るわ。まず、納豆がダイエットに効くという?新事実?を発見したとされるアメリカの学者を探し出して直撃すると、「私はそのような発言はしていない。そのような研究も覚えていない」「週刊朝日の記事で誤りを正し、私の真意を伝えてほしい」。

番組に出演して、結果として納豆ダイエットを肯定することになってしまった日本の学者にも当たりに行くと、「納豆は体にいいと思っていますけれども、正直オーバーだと思いましたよ。

ポリアミンが基礎代謝を高める』とコメントしたけど、体重が減るとは一言も言っていません」などと言い出すしまつ。

こりゃあ、いくらなんでもひど過ぎです。

さらにいろいろ調べ、「ダイエット前」→「ダイエット後」の写真も捏造くさいことがわかり、これらの疑問点を番組を制作した関西テレビに問いただしたところ、緊急記者会見となったわけでした。

23日発売の週刊朝日は、学者らとの直撃一問一答なと、読みどころは満載です。

2007年1月16日

週刊朝日編集長ブログ始動!

週刊朝日編集長:山口一臣氏のブログがスタートします。

とんでもない話が飛び出すのでは...

みなさん、お楽しみに!

Profile

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

-----<経歴>-----

1961年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。ゴルフダイジェスト社勤務を経て、89年朝日新聞社入社。高校時代から愛読していた『朝日ジャーナル』編集部に配属され、あこがれの「ファディッシュ考現学」(田中康夫)を担当するも3年で休刊の憂き目に。『週刊朝日』へ異動し、事件&事件の日々を送る。その後、何を血迷ったのか広島の公教育問題で日教組を徹底批判し、「朝日なのに産経と論調が同じ」と物議をかもす。9.11テロ直後のニューヨーク、パキスタンを取材。米軍によるアフガニスタン市民への誤爆を伝えまくる。デスク時代に北朝鮮拉致被害者関連の記事で下手を打ち、『週刊文春』に叩かれ、副編集長を解任、更迭される(停職10日の処分付き)。その後、広報部へ配属されるが約半年でお払い箱。百科編集部で子ども向け週刊科学誌『かがくる』の創刊などに携わり、05年5月から再び副編集長、同年11月から、『週刊朝日』第41代編集長に。85年にわたる『週刊朝日』の歴史で中途採用者が編集長になるのは、これが初めて。

-----<出演>-----

『スーパーモーニング』
(テレビ朝日系、8:00~)

『愛川欽也 パックインジャーナル』
(朝日ニュースター、毎月第1土曜)

『大竹まこと ゴールデンラジオ』
(文化放送、毎週火曜・5月8日から)

『週刊朝日編集長登場』
(asahi.ポッドキャスト)

BookMarks

週刊朝日 談[DAN]
http://www.wa-dan.com/

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