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国際政治 アーカイブ

2010年7月 9日

与野党を超え、タブーなき新たな外交・安保政策の確立を

 鳩山政権の対米政策の失敗を経て、民主党と自民党の外交政策における差異は、文言上の違いは若干残るとしても、実体としては殆どなくなったと言ってよい。現実に民主党と自民党のマニフェストを比較しても、第1に記述してあるのは「日米同盟の強化」であり、全体として流れている考え方にも大きな違いはない。

 そのこと自体を積極的に評価する訳ではないが、もともと日本が外交の基本政策で現実的に選択しうる余地は殆どないと言っても過言ではない。相手のある外交政策には政権が交代しても継続性が必要であり、とりあえず落ち着くところに落ち着いたと言えよう。

 しかしながら両政党の外交政策には、日本の成長戦略を組み込み、テロ、貧困や環境問題など包括的な観点から、日本の外交・安全保障を積極的に切り開いていくようなビジョンが感じられない。

>>続きは「Infoseekニュース 内憂外患」で

2010年2月23日

米中関係の深化に変化なし

米中間の軋轢を懸念する声が高まっているが、心配は無用である。確かに、その関係の冷え込みを感じさせる事象が続き、これまでにない変化が両国に見られるが、結論として米中関係の深化という大きな流れは一向に変わらないであろう。もちろん表面的には「亀裂」を感じさせるような言動は今後とも続くものと思われる。しかし両国共に引き際や越えてはならない一線はわかっており、「冷え込んだ関係」はやがて収束に向かうものと思われる。ただ一点だけ気になるとすれば、中国の国内世論、特に排他的になりがちなネット世論の動向である。経済発展で自信をつけつつある国民の民族意識に火がつき、胡錦濤政権がその勢いを収拾できず、その動向によって国内政治が影響されるかもしれない。歴史を遡れば、政権は偏狭な国家意識に火がついた国民に引きずられ、戦争を起こした例は少なくないのである。

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2010年2月 3日

苦悩が続く日米「民主」政権

オバマ大統領、鳩山首相は、それぞれ就任後初となる「一般教書演説(1月27日)」、「施政方針演説(29日)」を行い、2010年の政策課題を国民に明らかにした。演説の中でオバマ氏は、「仕事」を23回、鳩山氏は「いのち」を24回連発、そこには両首脳が抱える共通した悩みがうかがえる。共に高い支持率の下で政権が船出したものの、内政、外政共に国民の期待に応えられず支持率が急降下。日米ともに財政赤字は過去最高を記録し、選挙公約の目玉政策の実現に暗雲が立ち込めている。本年は共に重要な「中間選挙」、「参議院議員選挙」を控え、民主党と、野党である共和党、自民党との対立が深まり、国民の目線とはかけ離れた次元での権力争いが続く。このままでは日米共に国際的地位の一層の低下は避けられない。

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2010年1月18日

ハイチ大地震に見る日米中の対応の違い

6千人以上が犠牲になった阪神大震災から1月17日で丸15年を迎えた。あの時の教訓はどこに生かされているのであろう。その4日前の13日の早朝、中央アメリカの島国、ハイチ共和国は大地震に見舞われ、現時点で死者は5万人から10万人に達すると言われている。常に繰り返される自然災害は、非力な人間に対して容赦なく襲いかかる。被害が甚大になるのは、いつもインフラ等が脆弱な途上国であり、その中でもより貧困な層が一番の犠牲者になる。西半球で最も貧しいと言われているハイチは、その典型的な例であると言えよう。亡くなられた人々のご冥福と共に、被災者、ご家族等に対して、心からのお見舞を申し上げたい。

アメリカにとってハイチは裏庭であり、今日までの歴史的な関わりや、国内にハイチ出身の移民を抱えていることから、オバマ政権は物心共に迅速且つ大規模な支援活動を行っている。2005年、ハリケーン・カトリーナがルイジアナ州を中心に襲い、当時のブッシュ政権はその対応の悪さで世論の批判を浴びた。それが今回の迅速な対応につながったとも報じられている。すでに、米軍だけで1万人規模の兵士が救援活動を行っており、それ以外の政府機関、NGO、民間企業、有名人等を含め、相当な規模の支援になろう。またクリントン、ブッシュ元両大統領も支援の前線に立ち活動している。そこには与党も野党もない。あるのは、アメリカ国民全体が立ち上がり、応援している姿である。


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2009年12月24日

COP15で見えた鳩山外交の課題

第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)が開催された。当初の懸念どおり、ポスト京都議定書の枠組みとなる、途上国を含めた新たな削減目標(法的合意)を決められず、あいまいな表現が多い政治合意を採択し、多くの課題は来年に持ち越された。

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2009年12月 8日

人口動態で見る日米関係の将来像

先日会ったワシントンの専門家は「今日の日米は、全くのミラーイメージ(鏡像:鏡に映し出された相似形)である」と言っていたのが非常に印象的で妙に納得してしまった。つまり日米は、国としては共に世界トップの経済大国でありながら、お互いにかつてのような経済の力強さは失われつつある。未だに金融危機の影響を受けて完全には立ち直れず、財政赤字は単年度では過去最悪の状況(日:国債発行額が税収を上回る、米:1兆ドル超の赤字)、失業率は記録的な高さで先行きも不透明(10月の速報値、日:5.1%、米:10.2%)。同じ民主党(政党の理念は必ずしも一緒ではないが)の鳩山政権とオバマ政権は、国民の極めて高い期待の中で誕生し、共に社会保障政策の改革(日:年金、米:医療保険)や地球温暖化対策などの環境問題を政策の最大の目玉にしている。政権発足後の民主党政権に対する支持率は徐々に下がりつつあるが、野党(日:自民党、米:共和党)は弱体化したままで立ち直れず、脅かす存在にはなっていないので両政権は助かっている。また来年は国政選挙(日:参院選、米:中間選挙)を控え、それを意識した政権運営を行っている。その意味において両政権は、経済回復等の内政問題で試練に立たされており、それがアフガニスタンや普天間基地問題などの外交課題にも影響を与えているので要注意である等々。

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2009年5月29日

北朝鮮はオバマの対話路線を見誤ったか

 何故、北朝鮮はこのタイミングで核実験に踏み切ったのか。北朝鮮にしてみれば、米国を挑発してオバマ大統領の出方を探り、あわよくば二国間協議に持ち込みたい狙いがあるようだが、それはオバマ大統領の「対話路線」を見誤っているのではないか。昨年、出会ったワシントンの北朝鮮専門家は、「私が金正日であれば、非核化に向けて米国に協力する素振りを見せながら時間を稼ぎ、『対話路線』で柔軟な対応を示すオバマ政権から経済協力など、『実』を取れるだけ取るであろう。いたずらに強硬路線に出ても、むしろ議会などの反発を招くだけであり、そうなればオバマ政権も二国間協議には応じにくくなる」と述べたことを思い出した。私はこの意見に当時は全く同調したのだか、北朝鮮は今、全く逆の路線で動いている。

 猫(国際社会)も鼠(北朝鮮)に本気で噛まれれば、最後は襲いかかるしかない。ここにきて、鼠に睨みつけられたロシア猫が傍観姿勢を改めるかもしれず、それを見た中国猫も、やおら起き上がって襲いかかる姿勢を取った時に、鼠はどのような態度を取るのか。果たして鼠は本気で死を覚悟してでも最後の抵抗に出るのか、それとも戦意を喪失して白旗を揚げるのか。猫の集団は、その辺の見定めができていないし、まだ本気で噛まれた時に、鼠に襲いかかる覚悟もできていない。

2009年5月 6日

オバマ政権の100日と日米関係の課題

 先日、開催された「日米対話」という知的交流会での感想です。時期的にオバマ大統領が就任100日を迎えることもあり、オバマ政権の外交政策に対する評価についての言及が相次ぎましたが、支持する政党やイデオロギーに関係なく、パネリストのオバマに対する評価が極めて高かったのが印象的でした。アメリカ人の元駐中国大使は、「ルーズベルト大統領がそうであったように、今日の金融・経済危機など取り組むべき課題が大きければ大きいほど、偉大な大統領が生まれる。オバマは『単なる大統領』ではなく、『偉大な大統領』を目指している」との、クールさの中にも熱く語るベテラン専門家の発言は、米国大統領の新たな歴史が今この瞬間にも作られている「ライブ感」を感じさせるものでした。

 オバマ政権の外交政策100日に関して言えば、国際協調や対話を重視する姿勢は、とりあえず各国から好意的に受けとめられており、核廃絶、イラクからの撤退、アフガン・パキスタン包括戦略など新たな政策を矢継ぎ早に発表し、いいスタートを切ったのではないかと思われます。その上でオバマ政権の外交政策と日米関係の課題について、論点をいくつか挙げてみたいと思います。

 まず第一に米国のアジア重視と言っても、伝統的な同盟国である日本、韓国との関係を別にすれば、重視の中心となる国は中国とインドであり、またオバマ政権の最重要外交政策課題は、隣接するアフガニスタンとパキスタンの政治的・経済的安定とテロ勢力の縮小・封じ込めです。このコンテクストにおいて、同盟国である日本が米国と普天間基地移転等の問題でギクシャクし、何も決められない政治的漂流状態が長く続くと、米国の同盟国、パートナーとしての日本の存在感は益々薄くなり、アジアの秩序づくりは米国と中国、インドとの間で進んでいく可能性が高くなるということです。既にアジアに関して中国抜きで日米が決められることは少なくなり、北朝鮮問題についても、益々中国の意向が反映されることになるでしょう。

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2009年3月31日

「時価会計」の歴史はくり返す

 物・サービスの売買は、言ってみれば常に「時価」に基づいて行われる。どんなにメーカーが希望する小売価格があっても、その時の需給関係など様々な要素が影響してマーケット・プライスが決まる。しかし、ゴーイング・コンサーン(継続的に発展し続ける)を前提とする企業において、その価値をその時々の経済情勢等で大幅に変動する「時価」で評価することがいいのかどうか、この金融危機の時代において改めてそのことが問われ始めたようだ。

 グローバル資本主義の象徴である「時価会計」は、日本でもアメリカの圧力によって「国際標準」の大号令の下に2001年3月期から導入されたが、その本家本元のアメリカにおいてバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長等が見直すべきだと言い始め、どこまで米国はご都合主義なのかと、首を傾げたくなる。

 財政・金融問題の専門家である民主党の峰崎参議院議員は、3月23日付け『フジサンケイ・ビジネスアイ』のコラムで、「時価会計」は資産バブルを生み出した遠因であり、「バブルが崩壊するや、それが逆回転し始めて投げ売り状態になり、資産価格の暴落から金融危機、実体経済の崩落へと今、世界経済が抱えている問題が生み出された」と、その問題点を鋭く指摘した。

 

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2009年2月 3日

「日本重視」報道の情けなさ

相変わらず日本のメディアは、米国は日本を重視しているのか、それとも焼き餅を焼くがごとき、日本をパッシングして中国を重視しているのではないかという、不毛な議論が好きなようである。2月2日の朝日新聞は、一面でヒラリー・クリントン国務長官は、就任後初めての外遊先に日本を選んで今月中旬に来日する可能性があり、オバマ政権が「中国重視」であるとの見方は覆りそうだと報じた。

確かに米国は中国より先に重要な同盟国である日本を訪問すべきであることは当然であるが、だからと言ってそのことが日本をより「重視」している証拠にはならない。米国の一挙手一投足に一喜一憂しているメディアは、日本国民に一体全体何を訴えたいのか、ほとんど意味不明である。

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2008年10月13日

テロ支援国家指定解除,オバマ賛成、マケイン反対

 11日、米国務省は、北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を行いました。この件については、すでに6月26日、米議会に対して通告しており、何故このタイミングなのかという驚きはありましたが、あくまで既定路線の範囲内だと言えます。もちろん日本側の不満は残りますし、核兵器廃棄に関する検証計画が満足な状態で実行される保証は全くありません。しかし駄々をこねる北朝鮮をなだめ、これ以上核兵器開発を進展させないという現実的な対応にならざると得ないのが今のアメリカの政治状況なのです。

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Profile

若林秀樹(わかばやし・ひでき)

-----<経歴>-----

1954年東京生れ。
1976年早稲田大学商学部卒業。
1979年ミシガン州立大学院農学部修士課程終了。
現在、08年3月からワシントンにある政策シンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)の客員研究員。
80年からヤマハ(株)勤務、労組役員を経て93年からワシントンの日本大使館1等書記官として政府開発援助(ODA)と日米協力を担当し米国際開発庁(USAID)から表彰を受ける。帰国後は電機総研副所長を務め、01年に民主党比例区で参議院議員に初当選。在職中は「次の内閣」経済産業大臣・財務副大臣、国際局副局長を歴任。さらにイラク、シリア、イラン等を訪問し安全保障、復興支援、核問題等幅広く国際問題に取り組む。08年はCSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員として活動し、09年1月より非常勤客員研究員。現在、(財)日本国際フォーラム常勤参与・主任研究員。

BookMarks

-----<著書>-----


『希望立国、ニッポン15の突破口』
2006年9月、日本評論社



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