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« 普天間基地問題に決断を下すべき時が来た
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オバマ大統領政策演説の狙い »

オバマ大統領初来日に思う日米同盟の原点

オバマ大統領がアジア歴訪の最初の訪問地として初来日し、また東京で重要な政策演説を行うことは、オバマ政権の日本重視の姿勢として率直に評価したい。米国としても、クリントン国務長官が最初の訪問国として日本を選んだように、同盟国としての日本を重視する姿勢を示すと共に、訪問の順番という面子を気にする日本に対して、不必要な摩擦は避けておきたいという本音があるようだ。そしてオバマ政権にとって、今回のアジア歴訪で最も重きを置く国は、日本の滞在期間(実質1日)よりはるかに長い3日間も滞在する中国であることは言うまでもない。

しかしながら、相変わらず日本のメディアは、日本と中国のどちらを重視するのかという二者択一の論点から抜け出せずにいる。米国にとって、日本は今もなおアジアで最も信頼できる重要な同盟国である一方、中国は米国の同盟国でも民主国家でもないものの、既に米国の外交戦略を左右する最も影響力の大きい重要な大国である。即ち、その日中の重要さの質の違いを区別してアメリカの動向を認識すべきなのである。

中国の経済規模は間もなく日本を抜き、遠くない将来にアメリカも抜くことが予測されている(Carnegie Policy Brief によると、2030年頃に米中は並ぶ)。また中国の軍事予算は毎年二桁の率で増大しており、総合力では遥かに及ばないものの、その軍事力はアメリカを脅かすほどになりつつある。地球温暖化では、既に中国はアメリカに並ぶ世界最大の温暖化ガス排出国であり、更なる増加が見込まれる中国を抜きにした削減目標設定は世界にとって意味がないほど、環境面での影響は甚大である。そして言うまでもなく、北朝鮮問題やテロ対策でも中国の協力は欠かせなくなってきている。もはや米国にとって中国は、その動向を無視して一方的に外交方針を決められない存在にまでなっているのである。

そして日本だが、残念ながら国際社会における存在感は益々薄くなりつつある。国際政治の潮流としては、ブラジル等の新興国を含めた多国間による協力や、EUやASEANという地域単位の影響力が高まっている。成熟した関係にある重要な同盟国であっても、日本との関係を重視する比重は構造的に低まっているのである。また長期的に見ても、日本の相対的な経済規模は益々下がり、日本は長期にわたる人口減少時代を迎え、米国における日本の存在感は益々低くなることは確実である。その意味において今後の日本の外交戦略や日米関係を誤らないためにも、国際社会における日本の位置づけ冷徹に捉えておくことが必要であると思われる。

しかし、こういう状況にあっても、何故米国は、日本をこれほどまでに重要視するのであろうか。それは過去の歴史的な経過を踏まえ、日本がアジアにおける重要な民主国家であると共に、日本における米軍基地、取り分け沖縄基地の地政学的な重要性を認識しているからである。だからこそ日米安保が旧条約から数えて60年近くも維持されているのである。すなわち米国にとって、日本における基地の安定的な利用は日米安保の最大の魅力であり、日本にとって、その見返りとして米国が日本の防衛義務を負うことは、最も重要な日米安保の意義なのである。この双方のメリットが日米関係の根幹にあることに認識のズレがあるとするならば(その懸念がない訳ではないが)、日米関係に亀裂が走りかねない。今回の首脳会談では、「核なき世界」の実現や地球温暖化対策、エネルギー分野での協力に合意したが、この日米関係の根幹が崩れては、これらの新たな協力が進展するとは到底思えないのである。

また日米同盟は、日本のみならず広くアジアの安定にも寄与する重要なインフラとしても評価すべきである。日本からみれば、日米同盟は中国の軍事力や北朝鮮のミサイル攻撃に対する抑止効果があり、逆に中国や韓国やみれば、日本独自での軍事大国化を阻止する役割があると見ている。日本は引き続き日米同盟を最も重要な外交の基軸であると考えるのであれば、やはりその基盤である基地問題については、最優先課題として取り組むべきであり、しこりを残すような解決方法を取るべきではない。

もちろん日米安保は必要ないということであれば、話は別である。しかし日本の外交戦略上、そのような選択肢はない。来年2010年は新日米安保の50周年を向かえ、同盟関係は弱まるどころか、更なる強化に向けた日米安保の再定義や、宇宙開発などの新たな脅威への対応を含めた日米安保の重要性が再確認されることになるであろう。だからこそ、今回の首脳会談では棚上げされたが、日米安保50周年を新たな関係強化のスタートとするためにも、同盟関係の原点を改めて再認識し、まずはその象徴としての普天間基地移設問題を早期に解決することが重要なのである。

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» 「龍の背骨」を 通す意味 送信元 ワタシ的暮らしの知恵お披露目帳
その連合体に日本が一つの柱として参加する事は、黒船以来からの特別な外交関係をもつ日米関係から、仮想的に世界で機能を始める3つか4つの巨大な地域連合に、日米... [詳しくはこちら]

コメント (22)

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http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

若林氏の論法は、すべて、米国の意向に沿う事を前提として展開されているように感じます…。
黒船外交に始まり、日本はもとより、今後の中国の台頭、そして、米中外交について様々な考察がありますが、洞察あるならば「日本も中国も、米国に如何にして育てられたか?、そして、その目的は?」という観点からの話が聞きたいものです。

自国の「基軸」確立もままならぬ状況はさて置き、日米安保などを前提として「日米関係を基軸とした…」などとスピーチする国家元首には、呆れるばかりです(これでは自民党と変わりません)。

「対等な日米関係」などと、一国を持ち上げるのではなく「対等な国際関係」などの表現でスピーチし「友愛」と一体化させるような、そんな知恵も計りごとも感じさせないところに、心底、落胆した、13日の金曜日でした。

<東アジア安全保障体制の確立>

ブッシュ政権の後期からオバマ政権に至る今日まで、米国は中国に経済面、政治面、軍事面で急接近している。米国シンクタンクの中には数年後には米中軍事同盟が結ばれる可能性を指摘する声もある。

これを後押ししているのは、過去数世紀にわたりスペイン、イギリス、アメリカと宿主を転々としてきた国際金融資本といわれている。彼らは次の宿主として中国を選択し、現在水面下で中国の民主化(連邦制、2大政党制、国民選挙)を手助けしているようだ。

ところでこのような国際情勢の激変に対し、米国追従しか能のなかった自民党に替わり、外交の主体性を持った民主党が政権を担うようになって、日本の外交安全保障政策が大きく変わろうとしている。

具体的にはかつて小沢氏が唱えた日米中二等辺3角形論で、民主党政権は今まで軽視されてきた中国との関係を深めようとしている。

もし2010年代に米国が中国との軍事同盟を結び、南北統一朝鮮が実現すれば、従来の日米安全保障体制は変質、空洞化するだろう。

鳩山総理は日米安保体制50年を期に米国と新たな時代の安保体制を見直すと言明しているが、是非
「東アジア安全保障体制」「豪州や東アジア共同体(ASEANプラス3?)と米州機構による環太平洋安全保障体制」の実現に向けての日米中対話に進化させて欲しいものだ。

■普天間問題は日米同盟の「通常の交渉ごと」■

主要な在日米軍基地は
三沢,厚木,座間,横田,横須賀,岩国,佐世保,沖縄(嘉手納,普天間他多数の基地)
と日本全国に配置されており,米軍の活動はこれらの基地で十分に保証されています.今回はその一つの基地で再編問題が持ち上がったと言うことに過ぎません.それなのに,何故
普天間基地移設が日米同盟の象徴
とまで,大げさに主張されるのでしょうか.
現実は,アメリカが日本を足場に,極東アジアを席巻しているということで,この点では日本の利害とも一致しています.
しかし,普天間基地移設計画は旧政権との合意事項であり,政権交代した現在ですから,見直しは当然であり,日米同盟の根幹に抵触する事項ではまったく無いと思います.
即ち,日米同盟の「通常の交渉ごと」です.
これ以上アメリカが「ごり押し」するようでしたら,強欲アメリカそのものだと思います.

>日米同盟は中国の軍事力や北朝鮮のミサイル攻撃に対する抑止効果があり、<
>新たな脅威への対応を含めた日米安保の重要性が再確認されることになるであろう<
>基盤である基地問題については、最優先課題として取り組むべきであり、<
>同盟関係の原点を改めて再認識し、まずはその象徴としての普天間基地移設問題を早期に解決することが重要<
>日本にとって、その見返りとして米国が日本の防衛義務を負うことは、最も重要な日米安保の意義<

意見を掻い摘んでみると、脅威を静かに煽り、米国が日本の防衛義務を負うために、米軍基地の存続を正当化しているように思える。Why So? 冷戦時代からの思想から未だ脱却していないようにさえ見える。もっと時間的、空間的にも広い視野で語るべきだ。

長い歴史を通して誰がどのように世界中に脅威を創ってきたのかを踏まえた上で、軍備による力の連鎖ではこの脅威は何も解消されず、いつまでたっても世界の平和は訪れないことを肝に銘ずる必要がある。これは歴史がすでに証明している筈だが。

オバマの演説をCNNで見ました。私の英語能力のため詳細が聞き取れていないのですが,例えば毎日新聞に載っていた演説要旨(http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/11/14/20091114k0000e010056000c.html)を読むのとテレビで直接聞いた印象がちょっと違いました。
オバマ政権は日本を含めアジアがまとまってしまうことにかなり危機感があるのではないでしょうか。米中二国間に関しては今後かなり熾烈な関係になるのは間違いなく,どうも,オバマ政権は小沢氏が主張するところの二等辺三角形外交か,あるいは米中G2間の緩衝国的な役割を日本に求めているような気がしました。日本は戦後外交においてはアメリカに追随するだけで,国際舞台で仲介役として活躍することは今までなかったですが,他国に対する軍事的直接介入を50年以上避けてきたおかげで,緩衝国・あるいは国際舞台での仲介役としての可能性があることがオバマの登場によって大きくクローズアップされてきたと思います。今後の国際舞台における日本ならではの活躍を期待するとともに,それは日本の国益には決して反することではないと思います。やはり,日本は今後もしばらく護憲でいいと思いますし,あの時,安倍政権にブレーキをかけた日本国民の判断は非常に正しかったと思います。

 日米安保は不要、という選択肢はない。
その前提で論議したところで、何が変わるのだろうか。
 最善策は状況で変わるものである。日米安保という選択肢が最善の策であった状況は確かにあった。
が、既にその状況は過去のものである。
 9条を論議するとき、それは国際問題は武力解決することが大前提になってしまっている。考えてみればおかしな話である。9条をもってして、軍備以外の防衛手段、国際問題解決手段を世界に提示することを考えないのか。
戦後日本がそのことを考えたことがあったのだろうか。
 その意味で、「友愛」には希望を感じる。
平和憲法を掲げ、武力無くして存在する国。世界中が待ち望んでいる夢の国はずである。

若林氏の意見はまさにブッシュ政権時代の軍産複合体が闊歩する単独覇権主義の考えが主流だった過去を引きずる論理展開だ。

世界の流れは多極化の世界協調時代へと移行せねばならない。この流れの中で、日米同盟の根幹である日米安保も含め、全面的に見直すのは当然である。

そもそも今となっては日本になぜ134もの米軍基地、4万人を越える米兵が駐留(2008年8月)する必要があるのか。日米同盟を蓑にする惰性と、形骸化と、利権が絡む問題が増大している。

新政権に託された課題は時間をかけて日米同盟の過去を検証し、垢をそぎ落とし、正義の再構築をしたときに何が残るかである。急ぐ必要など全くない。

まあー、ぶっちゃけた話をすると、戦略も策略も大義名分も戦争も基地も派遣も同盟も全て金の為なんでしょうけどね。

■議論に水を浴びせるのは,如何かと思います■

投稿者: 文闘春潮 編集長9/x | 2009年11月15日 13:31 様

示されたコメントは,「人は空気が無ければ生きていけない,だから人は空気の為に生きている」という論理展開と同じです.空気を水に換えても一応成立します.勿論金に換えても,もっともらしく聞こえます.
ということですから,この論理は何かを主張した事には成りません.現実がそう成っているということで,誰でも知っている常識です.
ここで論争に成っているのは,明日の日本をどう構築するかであって,空気や水や金が有るか無いかでは有りません.
改めて,常識を持ち出して,議論に水を浴びせるのは,如何かと思います.

大野さん、沖縄の基地問題どうなると思います?

これからの利権とメンツの為に、もう十年以上このままだし、このサイトでもそうですが意見も出尽くしていますし。

私は、日本が今まで以上に金を払い続け嘉手納に統合されると思いますが、これを如何みます?

いつも私の記事に関するコメントをいただき、誠にありがとうございます。
少し私の立場、視点をはっきりさせておきたいと思います。
1.アメリカ寄りという見方をされる方が多いようですが、全くそうではありません。私の立場はただ一つ、日本の国益、つまり日本の領土、国民(基本的に日本に住む外国人も含む)の生命と財産を守るという利益を確保する立場です。
2.勿論、その前提には、世界の平和と繁栄、すべての人々の安全保障が確保されることが理想であり、私は常に途上国の開発、人間の安全保障という視点を重視した外交を考えています。
3.どこからも固定的な給与は得ていませんし、どこかの組織、政党におもねることも影響を受けることも全くありません。
いつか、直接お会いして、議論したいですね。今後とも活発なご意見をお寄せください。いつもありがとうございます。若林秀樹

あれ? 昼間見た何人かの投稿者の意見が削除されているように思います。それほど、削除する必要もないような内容だと思いましたが。どこからかクレイムでもあったのでしょうかね。
まあ、しかし編集部の方針なら仕方ありませんが。

中国が台頭していますけど、その中国が世界最大の米国債保有国であるのはお分かり? それを知れば、普通、何のために米軍いるの?って考えるのでは? 辺野古であろうが、日本国内のどこにあろうが、不要でしょう。

諸悪の根源は現状認識のなさなんではないのですか。問題はアメリカよりも、日本国内にありそうだと言うことがこの記事を読んで分かりますね。

報道ステーションで寺島さんは、日米安保全体を見直すべきだと言っていましたよね。これをいい機会にすべきではないのですか。

「沖縄基地問題の真実は」

共和党右派の論客でハドソン研究所の日高義樹は普天間基地問題について次のように述べている。

「米国は北東アジアの軍事情勢が変化(北朝鮮が核武装化)したことにあわせや、最前線にいる米軍兵士の被害を最小限にするために在日米軍(陸軍、空軍、海兵隊)をグアムに移動させる計画を進めていた。

その際米国政府は「沖縄の基地周辺住民への配慮が必要との日本政府の要請と移転費用の半分を日本政府が出してくれる」ことを名目として議会から移転費用の承認をもらったようだ。

米国議会では当初、日本のために移転するのならば日本にもっと負担させればよいという反対意見もあったそうだ。従って普天間から辺野古への移設が進まなければ、議会でグアムへの移転費用が認められなくなり、米軍再編が進まなくなるということになる。」

そうであるならばグアム移転費用の全額(10億ドル)を日本が全額負担すれば辺野古の問題も全て片がつくように見える。しかし日本政府内でそのような論議がされていないのは何故だろうか。

毎年、思いやり予算で2000億円も米軍に支払っていたことや辺野古に滑走路を作る費用(3000億円)を思えば、10億ドルは安いような気がするが。やはり日本側の方に利権が絡んでいるのだろうか。

何故、日本の新聞やテレビがつまらないのだろう?
何故、欧米では足を組んで話すのだろう?
何故、中世ヨーロッパにクラウンがいたのだろう?
何故、何の力も無い庶民が自由を勝ち得たのだろう?
何故、田原総一郎のみが、あいての言葉を引き出せる事が出来、批判やリスクと背中合わせの言論の自由を理解していないのだろう?

今回のコメントを削除したジャーナル編集部の担当者の方へ

すみません。
やはり、今回はかなりがっかりしたのでジャーナルの発展の為に直接的に書きます。
何故、赤虎頭巾さんのコメントが削除されたのでしょうか?
何故、私のどうでもいいコメントが残り、どの国でも問題になっている間違ったナショナリズムを持った方達に反発なく受け入れられる問題提起した私のコメントが削除されたのでしょうか?
説明と復活を望みます。

>文闘春潮 編集長9/xさま

削除基準はすべて下記のURLに沿っています。
http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

記事に対する反論は受け付けていますが、記事内容と関係なく、具体的な事実を示さずに噂や風聞の類で特定の個人や組織を攻撃するようなコメントは削除しています。ここ数日、事業仕分け関連で急速に《THE JOURNAL》全体にアクセスが集まったこともあり、そういったコメントが他の記事にも多数寄せられていて、削除基準を一時的に厳しくしています。また、差別的表現が含まれているものは、内容にかかわらず削除しています。投稿したご本人としては最後に少し筆が行き過ぎてしまったのかと思いますが、一つそういった投稿が入ってしまうと、後の書き込みが連鎖的に殴り書きのようなコメントが入ってしまって匿名掲示板と同じになってしまいますので、申し訳ございませんが、ご理解・ご了承いただけましたら幸いです。もちろん、記事に対する反論はおおいにご意見をお寄せください。何卒よろしくお願い申し上げます。

御丁寧な説明を頂き納得いたしました。
有難うございます。

最近、削除されるコメントが多いのと、その事での不満・不信がちらほらと出ていたので、よい機会だと思いコメントさせて頂きました。

若林秀樹氏へ
興味深く拝読いたしました。「日米同盟堅持」は日本の国家戦略の根幹であり、鳩山首相はじめ民主党首脳部の意見はこの点において一致しております。戦略さえしっかりしておれば、戦術が少々ぐらついたとしても問題ありません。まして、個々の戦闘に至っては「勝った負けた」と騒ぐ程度の問題です。この点、マスコミは「普天間」という戦闘問題を戦略問題と誤報(意図的に?)し、国民を間違った方向に誘導しようとしています。
 多くの識者がネット上で指摘しているところでは、辺野古移設問題は米国の問題というより日本の問題であるようです。結局「箱物利権」で、八ツ場ダムと同じ構造と思われます。それゆえ民主党がその経緯を詳細に調べることは重要ですし、原点から交渉しなおすことで日米再合意も可能と考えます。英国のファイナンシャルタイムズ紙もこの問題では民主党政権の立場を支持しているようですし、政権が交代すれば前政権時代が締結したものであっても見直すことは世界の常識のようです。それを「とんでもない民主党」と騒ぐマスコミ・識者にはどれだけの利権が絡んでいるのでしょうね。
 国家戦略を危くしているのはこのような自称「愛国者」達であることは、昔も今も同じです。
 「愛国者とは悪者の最後の隠れ蓑」という警句を我々は十分理解しておく必要があると思います。

「追記」
田中宇氏のサイトに興味深い論考があります。
http://tanakanews.com/091115okinawa.htm
 やはり日本側の問題のようですね。ただ、単純な箱物利権ではなさそうで、「民主党対官僚組織」という構図との解説です。
 随分以前に私が指摘したことですが、民主党は官僚組織との全面戦争を終わらせるまではマスコミとの直接対決を避け続けるでしょう。しかし、マスコミは官僚体制の味方であることが徐々に明らかになりつつあります。今こそ民主党は政府機関紙あるいは民主党機関紙を通じた「政策解説(宣伝)」を活発にすべきだと思います。民主党が第2戦線を開くつもりはなくても、大手マスコミは戦闘モード全開ですから。

■旧体制の官僚機構の本質は権威主義■

自民党政治は政権の政治行為を官僚に依存して来ました.しかしこの実体を覆い隠すために,自らに権威付けが必要で,その権威をアメリカに求めました.即ち,アメリカを絶対視し,自らがアメリカに平伏す.その姿を国民に示し,この構図を国民と自民党政権(及びそれを仕切る官僚)との関係でも再現させてきました.即ち,国民が自民党政権及びその官僚に平伏す構図です.又マスコミも彼らに加担し,現在もそれが継続しているということでしょう.

私の理解では,この構図が明白に見えたのは,先日のテレ朝のサンデープロジェクトでの,自民党の石破元防衛大臣と福山外務副大臣との論争でした.

石破前大臣の発言は,結局「日米同盟とはアメリカを怒らせない,アメリカに文句を言わない,アメリカの心証を害さない」ということでした,自身が大臣の時にはそうしたんだから,後輩の民主党もそうすべきと言っているに過ぎませんでした.

この点で,
投稿者: BB | 2009年11月16日 14:02 さん
から紹介のあった,田中宇さんの論説は,私の思いと同じで,納得できます.

自民党は今回の政権交代でその権威を完全に失いました.しかし官僚は実質無傷です.そこで,対等な日米関係を主張することで,国内でのアメリカの「見せ掛けの権威」を一掃し,官僚の横暴の根源である「悪しきアメリカの権威」を消し去る必要が有ります.これにより,彼らを本来の官僚の姿に引き戻すことが出来ると思います.

しかし,この度の普天間問題,アメリカも一筋縄では行かない“強国”です.現状は,内外の政治勢力が入り乱れた錯綜状態,の様にも思います.鳩山政権が,首尾よくことを収めることを願っています.

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Profile

若林秀樹(わかばやし・ひでき)

-----<経歴>-----

1954年東京生れ。
1976年早稲田大学商学部卒業。
1979年ミシガン州立大学院農学部修士課程終了。
現在、08年3月からワシントンにある政策シンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)の客員研究員。
80年からヤマハ(株)勤務、労組役員を経て93年からワシントンの日本大使館1等書記官として政府開発援助(ODA)と日米協力を担当し米国際開発庁(USAID)から表彰を受ける。帰国後は電機総研副所長を務め、01年に民主党比例区で参議院議員に初当選。在職中は「次の内閣」経済産業大臣・財務副大臣、国際局副局長を歴任。さらにイラク、シリア、イラン等を訪問し安全保障、復興支援、核問題等幅広く国際問題に取り組む。08年はCSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員として活動し、09年1月より非常勤客員研究員。現在、(財)日本国際フォーラム常勤参与・主任研究員。

BookMarks

-----<著書>-----


『希望立国、ニッポン15の突破口』
2006年9月、日本評論社



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