これからの両国の政治を大きく左右する日米同時(期)選挙が現実味をおびてきた。
当然のことながら選挙では、どの政党、どの候補者に投票したらいいのか、判断できる材料が必要だ。しかし日本の有権者がいつも口にするのは、何を基準に投票したらいいのか、自民党や民主党の主張や政策に大きな違いがなく、どちらの政党の候補者に投票したらいいのかわからないということである。
しかしアメリカではどうであろうか。オバマとマケインに見られる大統領選挙の争点は、やはりアメリカ型のイデオロギーに根ざすものであり、大きな違いがある。建国の歴史でも明確なように、基本は国の権力から個人の自由を守るという体制的リベラリズム、自由主義的政治信条を共有しながらも、「リベラル」と「保守」という違いがある。
わかりやすく単純化すれば、社会的な障害を取り除くための政府の介入は必要であるという「大きな政府」か、政府の介入を極力少なくする「小さな政府」か。有権者層としては、マイノリティを含むミドル層以下か、白人を中心にミドル層以上か。税制関係としては、勤労者優遇減税、所得再配分機能強化か、税負担軽減、ブッシュ富裕層優遇減税継続か。またプロ・チョイス、堕胎の自由を認めるのか、プロ・ライフ、堕胎反対か。同性愛では、結婚や法的権利を認めるのか、反対か。銃の保有では、規制賛成か反対か。イラクについては、16ヶ月で撤退か、必要なら駐留か。 安全保障では外交努力や国際協調重視か、軍事力重視か。通商政策は、国内勤労者を意識した保護主義的な政策か、自由貿易重視か。エネルギーでは、新エネやクリーンな石炭技術開発重視か、沿岸の石油堀削規制解除、原発重視か。
これだけ争点の違いがあると、一見わかりやすいのだが、現実としては保守の立場を取る民主党支持層がおり、共和党支持者でも政策によってはりべラルな立場を取る人もおり、単純にリベラルと保守に分けることはできない。つまり民主党支持層でも伝統的な価値観を重視する人もいれば、共和党支持層でもプロチョイスの人は多いのである。だから候補者支持も拮抗するのである。そして政権を取れば、過去の政策に基づく現実に立ち往生し、結果としてキャンペーン程には政策に大きな違いが出なくなるのである。
この点について、日本はどうであろうか。もちろん政策の違いはあるのだが、アメリカのような伝統的な政策の一貫性はなく、確かにわかりにくさは否めない事実である。しかしそれ以上に政権政党が代わり、政権を担う人が代わることで社会に活力をもたらし、二大政党制が定着する過程で政策の違いがより一貫性をもって明確になるものと思われる。