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飲酒年齢は下げるべきか

アメリカは、基本的に「自由」を尊重する国ですが、一方でその裏返しでもある「責任」、「ルール」、「法律」を重んじる国でもあります。また日々の生活で他国より厳しい基準を課していることも多く、その象徴が「飲酒年齢」ではないでしょうか。

飲酒できる年齢は、州ではなく連邦の法律で「21歳」と決まっており、「バー」に入る際に若い人は必ず写真付きの身分証明書の提示を求められます。特に日本人は若く見られるので、30歳過ぎても提示を求められることは普通なのです。それで「私って若く見えるのかしら」と、一寸勘違いしている人も多いとか(笑)。

もともとアメリカはピューリタン(清教徒)の影響で酒に対する批判が強く、当初は第一次世界大戦の影響もあり、1919年に酒の製造・販売等を禁止する憲法の修正条項、翌年にいわゆる「禁酒法」が成立しました。これは結局「ザル法」で、カナダ等からの持込が増え、密造業者や密売にかかわる「アルカポネ」を代表とするギャングやマフィアがはびこり、当初の目的とは違う方向に社会が変化しているとして1933年に法律は廃止されました。

しかし「禁酒法」は廃止されても、今でも南部を中心に酒を販売しないDry County(郡、市等)が非常に多いのが実情です。またワシントン地域もそうですが、Hard Liquor 、いわゆるウィスキー等の度数の高い酒は、特定の店舗でしか販売できない州も多いようです。

そこで今、この飲酒年齢を21歳から18歳に引き下げるべきとの議論が巻き起こりつつあります。 その中心的主張者は、全米の大学の総長、学長という教育者であり、現時点で100名以上の名前を連ねている「アメジスト・イニシアティブ」というグループなのです。彼らの言い分は、むしろ21歳という飲酒年齢により、大学生は飲酒に対する接し方がわからず、隠れて21歳未満でお酒を飲む学生も多く、結局、大酒をくらって騒ぐなど、問題を悪化させているというものです。

一方でこの動きに対し、既にヘルス関連の団体、政府運輸部門の関係者等から批判の声があがっています。今でも飲酒による自動車事故が多く、18歳に引き下げれば、さらに事故が増えるという根強い反対意見が多く、政治的にその実現は難しいようです。

アメリカでは16歳で普通運転免許証が取れ、18歳で選挙権の付与、本人の意思での結婚、軍への入隊が認められるのに、飲酒だけが21歳というのも説得力がなさそうです。もちろん健康上の理由はありますが、それも程度問題でしょう。飲酒と交通事故との関係は、年齢が主な原因ではなく、もっと日常的な教育など、別なところにある気がします。アメリカは自由と自己責任原則を前提として成り立つ国ではありますが、やはり宗教国家としての側面が強い国なのでしょうか。

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コメント (2)

現在オバマ と マケインが同等の支持率で。 そこで提言オバマはゴスペル音楽をもっと多用すればアップするですな

現在アメリカに駐在中のものです。私もアメリカにおける、飲酒に対する考え方には驚かされました。公共の場所や屋外での飲酒は制限が厳しく、日本では当然の「お花見」は、アメリカではまずできませんし、私の住む州では、日曜の午前中は酒を売ってくれません。デーゲームを観に行って最初の1杯を、正午まで待たねばなりませんでした。文化の違い、宗教観の違いを実感させられました。

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Profile

若林秀樹(わかばやし・ひでき)

-----<経歴>-----

1954年東京生れ。
1976年早稲田大学商学部卒業。
1979年ミシガン州立大学院農学部修士課程終了。
現在、08年3月からワシントンにある政策シンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)の客員研究員。
80年からヤマハ(株)勤務、労組役員を経て93年からワシントンの日本大使館1等書記官として政府開発援助(ODA)と日米協力を担当し米国際開発庁(USAID)から表彰を受ける。帰国後は電機総研副所長を務め、01年に民主党比例区で参議院議員に初当選。在職中は「次の内閣」経済産業大臣・財務副大臣、国際局副局長を歴任。さらにイラク、シリア、イラン等を訪問し安全保障、復興支援、核問題等幅広く国際問題に取り組む。08年はCSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員として活動し、09年1月より非常勤客員研究員。現在、(財)日本国際フォーラム常勤参与・主任研究員。

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