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2010年11月17日

守るべき日本の農業とは何か

 TPP(環太平洋経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の議論が起こるたびに、日本では農業関係者から「絶対反対」の気勢があがる。既得権死守にしがみ付き、国益などおかまいなしで自己保身にだけ走る農業関係者たちのいつもの光景だ。なんの驚きもない。

■既得権益にしがみ付く農業関係者

 だが世界中が先を争って貿易自由化による自国産業の競争力強化にしのぎを削っている時代状況になど目もくれず、ひたすら自己保身にだけ走る農業関係者は醜悪であるばかりか、国益に対してその無責任さは犯罪的ですらある。

 そもそも彼らが言う「守るべき日本の農業」とは何なのか。

 低廉な外国産の農産物の大量流入で農家が立ち行かなくなり、ただでさえ低い食料自給率も急落、食料安全保障の上からも関税撤廃など断固として受け入れられない、と彼らは主張する。

 農業の実情に疎ければ、上記の字面を眺めていると、それなりにもっともらしい印象を与えるかもしれない。だが、これほど中身の無い、古色蒼然とした反論はない。

 いま日本では米余りで米価が下がり続けている。かつては1俵(60キログラム)あたり2万円だった米価が、需要の減少から下がり続け、昨年は1万2000円まで下がった。コメ農家の窮状を見事に「票田」と見た当時の小沢民主党は、「農家への戸別所得補償」で政権交代実現の一助としたが、米の流通業者はそれを見逃さなかった。激しい値下げ要求が起こり、今年の米価は1万円を割り込んだ。地域によっては8000円台まで落ち込んでいる。要するに戸別所得補償分をまるまる値切られたようなものである。

 減反政策をやらないよりもましなのだろうが、減反政策が米価下落の歯止めとして機能していないことだけは明白だ。

>>日経BPnetにも原稿アップしました。続きはこちらからご覧下さい!
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101115/251720/?P=2

2010年11月 9日

マレーシア取材に行ってきました

 12年ぶりのマレーシア取材から帰国しました。

 人口わずか2800万人の小さな国ですが、この国には新興市場で惨敗続きの日本のエレクトロニクス業界が、韓国勢を圧倒して、奇跡の逆転につなげる鍵が隠されています。

 端的に申し上げましょう。

 新興国でサムスン、LGとストリートファイトをしかけた日本企業はただ1社、パナソニックだけです。インド、インドネシアという人口大国で韓国勢に惨敗を喫している日本勢のなかで、唯一パナソニックだけが韓国勢に宣戦布告をしました。ここで陣地を取り返せなければ、その先の成長市場である中近東、アフリカでもサムスン、LGの後塵にまみれ続ける他ありません。

 そんななかでマレーシアは特異な市場です。人口2800万人と市場規模が小さいことも無関係とはいいませんが、マレーシアでは30年前から現在にいたるまでパナソニックが韓国勢を圧倒し続けて今に至っている稀有の市場なのです。

 インド、インドネシアでパナソニックが目指す打倒サムスン、打倒LGとはいったいどのような状況を創り出すことなのか。その具体的なイメージをマレーシアで掴むことができました。

 次週から詳細にレポートしていきます。

Profile

財部誠一(たからべ・せいいち)

-----<経歴>-----

1956年、東京生まれ。
1980年、慶應義塾大学法学部卒業。同年、野村證券入社。
1983年、野村證券退社。
1986年、出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。
1995年、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」設立。「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。

-----<出演>-----

『財部ビジネス研究所』 (BS日テレ、土曜23時〜 再放送:日曜9時〜)

『報道ステーション』
(テレビ朝日系/平日21:54〜)

BookMarks

オフィシャルホームページ
http://www.takarabe-hrj.co.jp/

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