『わが「打倒サムスン」の秘策』
上記のタイトルで文藝春秋7月号に掲載されたパナソニックの大坪文雄社長の原稿は衝撃的だった。
大企業の現役経営者が、一般誌にこれほど赤裸々に思いのたけを綴った例を私は知らない。日本のエレクトロニクスメーカーは束になってもサムスン1社の利益に追いつけず、白物家電にも強いLGにも新興市場で徹底的にやりこめられている現状に対する危機感からだろう。
■インド市場で韓国メーカーに戦いを挑む
新興市場を取材すればするほど、豊富な資金力と強靱な精神力で日本企業を圧倒する韓国勢の凄みに、辟易とさせられてきた。世界中どこの国にいっても、入国審査を終えた後、真っ先に目に飛び込んでくるのはサムスンのモニターだ。
資金力にものをいわせた大量宣伝、いかなる僻地にも飛び込んでいく行動力、そしてローコストを背景にした段違いの価格競争力。もはや日本企業には韓国勢の背中がはるか彼方に霞んでいた。巻き返しは不可能だろう。そう思うよりほかなかった。
そんな折、パナソニックが全社をあげて韓国勢からアジア市場を奪還しにかかるという話を聞き、6月中旬に予定していたアジア取材のなかで、パナソニックがいかに韓国勢を追い上げていこうとしているかを見に行くことにした。実は離日直前に文春にくだんの原稿が掲載されたものだ。
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http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100625/233673/?P=2
先ほど、ニッポン放送のラジオの収録をしてきました。『財部経済研究所』という特番です。
テーマは4つ。「新エネルギー」「農業」「就職活動」そして「日本経済」です。久しぶりにラジオに出演したのですが、プロのアナウンサーの方が良い聞き手となってくれたこともあり、楽しくお話させてもらいました。
それにしても、この国はどうしてまっとうな議論が起きないのでしょうか。
今日も驚くべきニュースが飛び込んできて、思わずツイッターでつぶやいてしまいました。未上場株の詐欺が後を絶たないので、企業は上場前に個人投資家への資金を集めをしてはならないというものです。あきれ果てます。
ちなみにニッポン放送の特番放送は7月4日(日)の20時からです。 是非、ご視聴ください。
■4年で4人の総理
「お隣の中国、韓国には世界的にみても素晴らしいリーダーシップを発揮している政権があるというのに、日本の体たらくはどうなっているんだ」
鳩山由紀夫首相が民主党両院議員総会で辞意を表明した前日、ある財界人は深いため息をついた。
「中国の胡錦濤―温家宝コンビは、賢人政治の象徴です。国民から信任を得て誕生した政権ではないけれど、彼らは13億人の民をまとめていくことの難しさをすべて了解したうえで舵取りをしています。韓国の李明博大統領はもともと優れた経営者であり、強いリーダーシップで国をマネージしている。鳩山さんは辞めないようですね」
ところが周囲の予想を裏切り、6月2日午前、鳩山首相は小沢一郎幹事長とともに辞任する意向を明らかにした。ポスト小泉の自民党政権時代、総理大臣は毎年交代した。3年で3人の総理の誕生だ。政権内での総理のたらい回しを強烈に批判してきた民主党政権が誕生したというのに、1年1総理の連続記録はこれで「3」から「4」へと塗り替えられた。まことにお粗末きわまる、不名誉な記録である。
政治の本質は権力闘争であり、政治家の関心事は政局しかない。鳩山首相に辞意を促したのは、選挙を目前に控えた民主党の参院議員たちだった。先の衆院選で大惨敗を喫した自民党でも強烈な麻生降ろしの嵐が吹き荒れたが、なんてことはないその理由は「麻生じゃ、選挙は戦えない」だった。今回もまったく同じ構図だ。
「鳩山じゃ、参院選は戦えない」。
これでいいのか。
国民もマスコミも鳩山首相とその政権の無能ぶりを糾弾する一方となり、「世論調査」なる"国民の声"が求めてきた通り、鳩山―小沢ダブル辞任が実現した。民主党参院議員はほくそ笑み、自民党や新党は深くため息をついて落胆していることだろう。
しかし、1年交代で国権の最高責任者がコロコロと替わる国をいったい誰が信用してくれるだろうか。
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