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2008年11月27日

公務員制度改革を忘れるな

次官や局長、審議官など官僚の最高幹部の人事権を内閣が一元管理して、公務員のあり方に抜本的な変化を打ち込もうと立ち上げた「公務員制度改革」が頓挫しかけている。

政権交代のたびに冷え込んだ改革への熱意――

体調不良があったとはいえ、突然の政権放り投げの衝撃があまりにも強すぎたために、安倍内閣にはていたらくなイメージだけが残ってしまったが、安倍元首相が取り組んだ政治課題には、重要なものがいくつかあった。

なかでもおおいに評価されてしかるべきは「公務員制度改革」だ。
次官、局長、審議官など、省庁の最高幹部に対する人事権を内閣が掌握することで、日本の公務員制度を抜本的に塗り替えようとする政策だった。
その実現を目指した渡辺喜美元行革相もきわめて意欲に取り組んだ。

私は『サンデープロジェクト』に出演した渡辺元行革相に「手ぬるい」と厳しい言葉をぶつけたこともたびたびあったが、それはよりよい改革をして欲しいからに他ならなかった。
渡辺元行革相自身は安倍政権崩壊後も「公務員制度改革」には相当の執着をもってのぞんできたが、福田内閣、麻生内閣と移り変わるプロセスで、「公務員制度改革」は骨抜き同然になってきた。

組織は人事とカネがすべてである。
人事権と予算編成権を握り続けることが権力の源泉だ。
したがって各省庁が最高幹部の人事権を容易に手放すわけがない。
あの手この手で役人が切り崩しにかかることは自明の理で、それを押さえ込むには、強力な政治のリーダーシップが不可欠だった。
だが福田、麻生と政権交代するたびに、公務員制度改革への熱意は急速に冷え込んだ。


日経BPnetにも原稿アップしました。どうぞご覧ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081126/115315/?P=2

2008年11月11日

金融恐慌より恐ろしい日本政治の実情、処方箋を北欧に学ぶ

世界を恐怖に陥れた金融恐慌はまだ始まったばかりだ。
パニックに陥った金融システムが落ち着きを取り戻してから、欧米金融機関の本格的な不良債権処理が始まる。厳しい査定により、不良債権の全貌が浮き上がってから、厳しい合理化と苛烈な社会的批判にさらされながら不良債権処理は進んでいく。

日本は「多極」の中の「一極」になれるか――
ベルリンの壁崩壊後に世界秩序は一時的に米国一極を軸とした時代を迎えたものの、すでに時代は米国一極時代から多極時代へと移行しつつあった。米国の金融崩壊はこの流れを一気に加速させる。日本にとっては世界の中で主要なポジンションを獲得するまたとない好機だ。「多極」の中の「一極」に日本がなれるか、どうか。今ほど戦略的な外交が求められている時はない。

もっとも外交と同等以上に、内政も歴史的な転換点を迎えている。フローの景気も重要だが、日本の苦しさは足元の不況を克服した先に青空が見えないことだ。不況というフローの経済問題を解決したところで、少子高齢化にまったく対応不能に陥ってしまった日本の構造問題は置き去りにされたままである。

1億2600万人の人口が2050年には9000万~9600万人に減少するという予測は何も変わらない。漫然と時を過ごせば、日本の国内市場はひたすら縮小する。しかも既に、年金、医療、介護の社会システムは崩壊している。単純な楽観論など入り込む余地すらない。

日本にとって本当に恐ろしいのは「金融恐慌」などではない。人口減少社会に突入していながら問題解決の具体的なメニューすら示せないという日本固有の事情の方がはるかに深刻だ。

日本にとって最重要な政策は、足元の景気回復に最大限の目配りをしつつ、人口減少社会を乗り切るための具体的なメニューを示すことである。

そんな問題意識から北欧取材にでかけた。

日経BPnetにも原稿アップしました。どうぞご覧ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081105/110147/?P=2

2008年11月 5日

農業が日本を救う

昨日、ある政治家の支援者を集めた勉強会で「農業」の話をしてきました。

じつはこの手の依頼が急増しています。株式市場がやや落ち着きをみせてきたこと、常軌を逸した急ピッチの円高を続けてきた為替市場にも速度調整色が見えてきたことから、世の中の空気も少しはやわらいだようです。もっとも政治は混迷を深めるばかりで総選挙の日程が棚上げ状態のまま、麻生総理は「100年に一度の暴風雨」に耐えうる景気対策が必要だという名目のもとに、2兆円の定額減税に象徴される「選挙対策」をバラマキ続けています。

一方で米国の経済統計をみれば、第3四半期(7~9月)の経済成長率がマイナス0・3%と昨日発表されました。暴力的ともいえる株式市場の大暴落によって急速に冷え込んだ米国の個人消費を考えると、第4四半期の成長率もゼロないしはマイナス成長となる見込みが高い。米国には明確がリセッション(景気後退)の定義があります。「第2四半期連続でゼロ成長もしくはマイナス成長に陥る」ことです。その影響が世界経済、日本経済に今後どのような影響をおぼしていくのか。過度な悲観にも過度なに楽観にも陥らず、冷静、客観的に見ていきたいと思います。本レポートでも景気については随時、発信を
していきます。

こういう情勢ですから、マスメディアではあれほど危機的だと騒がれた「食糧自給率」も「耕作放棄地」も、そして「食の安心・安全」を脅かす諸問題も、すっかり影をひそめてしまったようですが、世界的な金融市場の大崩壊はいずれ解決にいたります。時間の問題といっていいでしょう。しかし世界の金融システムが再び安定をとりもどしても私たち日本人が直面している問題は何ひとつ解決しません。目前の危機への対応とともに、日本という国が抱え込んでしまった年金や医療、そして食の問題等々、構造的かつ致命的な問題解決に対峙して行く執着を失ってなりません。

11月の20日過ぎにPHP研究所から『農業が日本を救う』を出版することになりました。

サブプライム問題とはまったく無関係に日本の地方経済は壊滅的な打撃をうけています。
ただでさえ高齢化が進み、地方では過疎から限界集落へという厳しい現実が進行しています。本書出版の目的は沈み行く一方の地方経済再生のためには農業の活性化いがいに選択肢がないことを明らかにしつつ、過疎から限界集落へと転落しつつある地域をもう一度再生させうる農業とはいったいどういうものなのか。そのための具体策にまでふみこんだものです。

Profile

財部誠一(たからべ・せいいち)

-----<経歴>-----

1956年、東京生まれ。
1980年、慶應義塾大学法学部卒業。同年、野村證券入社。
1983年、野村證券退社。
1986年、出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。
1995年、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」設立。「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。

-----<出演>-----

『財部ビジネス研究所』 (BS日テレ、土曜23時〜 再放送:日曜9時〜)

『報道ステーション』
(テレビ朝日系/平日21:54〜)

BookMarks

オフィシャルホームページ
http://www.takarabe-hrj.co.jp/

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