"配当非課税"の魅力
麻生太郎自民党幹事長が景気対策のとして「株式配当の非課税化」を提唱しました。
「貯蓄から投資」という大きな流れのなかで、この数年、銀行や郵便局などによる投資信託の販売が急激に拡大しましたが、その多くはBRICsなどの新興国の株式や先進各国の債券に投資するファンドなどに人気が集まってきました。
その一方で、日本国内の株式市場にはいっこうにマネーが流入してきません。
1500兆円もの金融資産をもちながら、日本人は日本の株式市場にはいっこうに興味をしめしていないのです。
日経平均は今年はじめから大きく下落し、1万3千円台で低迷したままですが、ここまで株価が下落してくると、配当利回りが3%を超える銘柄も少なくありません。
定期預金の利回りは限りなくゼロに近いのに、株を買えば、3%もの配当利回りを得られることも珍しくありません。
もしその配当収入が非課税になったらどうでしょう。
大きく値下がりした内容の良い上場企業の株式に投資をし、年利回りが3%にも達しようという配当を手にすることができたうえで、それが非課税となれば、日本株への投資の魅力が大きく高まります。
しかも現在の株価水準はきわめて低く、こうしたタイミングで日本株に長期投資をすれば、将来、キャピタルゲインを得る確率も非常に高い。
日本の問題は1500兆円もの個人金融資産が国内投資に振り向けられず、成長性の高い新興国にばかり向かっていることです。
ここにメスを入れるのが配当非課税化です。
政争の具にせず、一日も早く実現してもらいたいものです。