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高野孟の遊戯自在録024

6月6日(月)

 早稲田のゼミでは、先週から「インテリジェンス原論」ともいうべき講義を始めていて、今日は脳と皮膚と内臓という話をした。よく言われる左脳・右脳論というのは俗説で、別に左と右で機能がパッカリ分かれているということではないらしいが、いずれにせよ今の若い人たちが左脳偏重的であるのは疑いもなく、それでは想像力も直感力も沸いてくるはずもないので右脳を鍛えなければならないが、そのためには脳と皮膚や内臓が直結していることを自覚しないとダメなんだ、と。
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 夜は丸の内の寿司屋で、水素エネルギーの専門家=槌屋治紀さんと懇談。水素社会の意味とその必然性について理解が深まった。来週土曜日のFM東京系全国ラジオ番組にゲストとして来て頂くことをお願いした。「たる善」という札幌が本店のこの寿司屋は、鈴木宗男が贔屓にしていて佐藤優もお気に入り。牢屋にいる宗男さん、寿司が食べたいだろうなあ。


6月7日(火)

 早稲田大学高等学院の同級会のゴルフに参加。ゴルフも最近は年に1度か2度程度でさっぱりだが、千葉県山武郡大網町の東急系「季美の森ゴルフクラブ」で懐かしの級友たちと遊んだ。

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 夜、茂木健一郎『ひらめき脳』(新潮新書)を読む。正解のある問題を早く解くには人間はコンピューターにかなわないが、現代の時代状況で正解のない問題に対処するには人間の脳にしかできない能力、すなわち「ひらめき」が重要で、ひらめきは決してコンピューターから生まれることはない、と。

 もう1カ所、「感情の中枢は扁桃核や中脳といった進化的に古い脳で、これらの部位は原始的であるという意味で『爬虫類の脳』とさえ言われることもあった」。その爬虫類の脳による衝動や欲望といった感情を、理性を司る大脳皮質が抑え込むことで人間は社会生活を営むことが出来る----つまり「理性で感情を抑え込んで情緒を安定させる」のが人間らしさの指標であるというのが今までの考え方だったが、感情研究の新潮流では、理性と感情は一体で、感情は理性を含めた脳の認知過程のすべてに不可分な形で関わっていると考えるようになった、という。

 爬虫類の脳で思い出したので、もう1冊、ポール・D・マクリーンの『三つの脳の進化』
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(工作舎)を引っ張り出して斜め読みした。爬虫類脳=反射脳、前期哺乳類脳=情動脳、新哺乳類脳=理性脳は、構造的にも化学組成の上でも、また進化の歴史かいっても、まったくかけ離れているにもかかわらず、人間の脳の中でそれぞれ独自の重い役割を果たしながら、三位一体となった神経組織を形成している。うーん、自分の脳内に爬虫類だった時の反射脳が棲んでいるというのは楽しい話だ。来週、この図を学生らに見せてやろう。

6月8日(水)

 終日シトシト雨。溜まった新聞を半日がかりで一挙に整理してさっぱりした。槌屋治紀『エネルギーのいま・未来』(岩波ジュニア新書)を読む。夜、原稿執筆。

6月9日(木)

 岐阜で政策金融公庫の融資先経営者に「大震災をこえて/日本再建の方途」と題して講演。長良川の鵜飼いの火を遠くに見ながら、iPadの使い勝手をよくして何とか重いMacBookを持ち歩かないで仕事が出来るようにするための設定に取り組む。講演や授業でプロジェクターに接続して資料をスクリーンに映し出すことにやや問題があり、解決策を見いだすのに少し時間がかかった。今の第2世代のiPadだと問題がないのだが、私のは第1世代なので、それ用のアプリを探し出してインストールしなければならない。

6月10日(金)

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 駅で買った石原結實『男が病気にならない生き方』(WAVE出版)を読みながら帰京、帰宅。人間の体重の40%は筋肉で、その筋肉の70%は下半身にあるので、下半身を意識的に鍛えることが健康維持の要である。ウォーキングが一番だが、それを続けるのもなかなか難しいという人は、スクワット運動、踵の上げ下げ運動、ダンベル体操など簡単なメニューを毎日こなせばいい。これなら、毎日とは言わないが、いままでも心掛けていることで、少し努力すれば出来そうだ。ま、私の場合は、薪割り、草刈り、畑仕事などヘビーな作業がいろいろあって、スクワットなどより余程激しい鍛錬になっているのだが。

6月11日(土)

 午後、ジャズ・ピアニストの坂口三代次さんがミュージシャン仲間2人と共に来訪。坂口さんは昭和19年生まれの「一休会」のメンバーで、30年ほど前から鴨川の海沿いに別荘を持っていて、第一線を退いたこの頃は半分ほどはそこで暮らしている。仲間の2人は、定年を過ぎてからジャズ歌手になったTさんと、鴨川のラーメン屋のご主人で元プロのベーシストのYさん。明日はそのYさんの店で3人によるジャズのライブがある。

6月12日(日)

 朝8時半に橋のたもとに集合して、地元の「地滑り防止組合」の年に1度の草刈り作業と総会・懇親会。30人ほどが集まって、男衆は草刈り機、女衆は鎌で地滑り防止用に敷設されたU字溝の周りの草を刈ったり竹を切ったりゴミを除いたりするのだが、何せ範囲が広いので、午前中2時間半ほどでは一部しかやり切れない。私は、自分の家の隣にある不在地主の土地の草ボウボウを刈る作業を分担した。11時半に八雲神社に再集合して、簡単な総会のあとは宴会。作業で汗をかいた後の昼間のビールは効きが早い。

 夜は家内や友人とラーメン屋でのジャズ・ライブへ。自由闊達、変幻自在の坂口さんのピアノを堪能した。

6月13日(月)

 早稲田デー。午後の大隈塾授業は朝日新聞の星浩さんの新聞の使命と将来についての講義。星さんもすっかり朝日を代表する政治記者となって、田原総一朗に言わせれば、この先、編集局長か主筆になること間違いなしとか。ジャーナリズム大学院の「新聞の読み方」演習では、いくつかの新聞・雑誌から3つの記事をピックアップして、それを活用しつつ1本の記事を書くという練習をした。

6月14日(火)

 昼過ぎに羽田を出て青森へ。今日の夜は青森市で、明日は弘前市で日本生命青森支社の講演がある。講演まで少し時間があったので、ホテル近くの青森県郷土資料館へ。県の自然と文化を要領よく展示していて面白かった。

 講演と簡単な懇親会のあと、日生の担当の方に案内されて居酒屋「いし乃」へ。獲れたてのホヤが美味しかった。

6月15日(水)

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 午前中バスに乗って三内丸山の縄文遺跡を訪れる。もう6度目か7度目で、ほとんど三内丸山フリークと言ったところだが、ここは来るたびに新しい発見があって飽きない。出土物の展示室が移転・新装なって一層充実していて嬉しかった。バスで市内に戻り、昨日から読んでいた石森愛彦『多賀城/焼けた瓦の謎』(文芸春秋)を読み終える。

 ヤマトが律令国家形成から早々の724年にエミシを征圧するための前進拠点として多賀城を築いたものの、780年にはエミシ
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の反乱で陥落、大炎上する。以後20年余り、ヤマトは5万、10万の大軍を繰り返し送り込んでエミシの制圧を図るが度々敗退、最後は英雄=アテルイ率いるエミシ連合軍と征夷大将軍=坂上田村麻呂の朝廷軍との胆沢大決戦でようやくアテルイを降伏させ、京都に連れ戻って斬首、飛鳥時代から奈良時代にかけて約150年続いた第1期ヤマト・エミシ戦争は終息に向かう。が、その後もエミシとその後継アイヌのヤマトに対する武装反乱は断続的に1000年以上にわたって繰り返され、最終的に明治政府が1869(明治2)年に開拓使を設置、99(明治32)年に「旧土人保護法」を制定してアイヌを囲い込んだことでその抵抗の歴史を終えた。

 夕方、弘前市に移り講演。夜は津軽三味線奏者として知られる渋谷和生さんの店「あいや」で郷土料理を頂きながらライブ演奏を楽しんだ。近海マグロの中落ちが800円で、スプーンで掻き取りながら食べるのだが、余りに巨大で3人で食べきれないほどだったのには驚いた。

6月16日(木)

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 朝早く、弘前城を散歩。ここの桜は見事だが、それが咲いていないと何もない。昼に青森空港を出て帰京、事務所と近くのホテルで打ち合わせや取材など3件をこなした後、18時半から白金台の八芳園で「東京高野塾」。今回は高野塾の常連メンバーと「日本元気丸」プロジェクトの若手経営者の皆さんとの共同開催ということで、「原発はもうやめよう」という話をした。22時に上野で、NYメトロポリタン・オペラを観終わった家内をピックアップして帰宅。

6月17日(金)

 今夜は、私の早稲田のゼミOBでプロのミュージカル歌手になった辛源がミュージカル「ミツコ」の主役級を演じるというので、家内共々、青山劇場に行く。辛は、イギリス人を父に在日韓国人を母にロンドンで生まれ、中学・高校を神戸で過ごし、高校3年の時に1年間韓国に留学した後、06年に早稲田大学に入って私
の学生となった。が、すぐに米ペンシルバニア大学に留学して学問と舞台芸術を探究、08
singen.jpegのサムネール画像年にはオーディションを経てブロードウェイ・ミュージカル「レント」に準主役で出演、その東京公演の時にもゼミ生らと共に応援に行った。「ミツコ」は、日本で最初の国際結婚でしかもオーストリアの貴族に嫁ぐということで話題となったハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギー伯爵夫人=青山光子の生涯を描いた作品で、彼女が生んだ5人の子供のうち次男のリヒャルトが後に欧州統合の夢を熱く説いて「EUの父」と呼ばれるのだが、そのリヒャルトが辛の役なのだ。彼のマルチナショナルな出自と風貌が役柄とマッチして、歌も演技も前作の時より格段に巧くなって、すっかり主役の1人としての存在感を出していた。

 「ミツコ」東京公演は6月29日まで続くが、ダブルキャストのため辛君の出演は今日が最後だ。


6月18日(土)

 夕方、東京FM系の全国放送JFN「ON THE WAY JOURNAL/高野孟のラジオ万華鏡」の録音で赤坂のスタジオへ。ゲストは槌屋治紀さんで原発と将来の水素社会への移行の段取りについて40分間話し合った。この番組は、毎週火曜日の朝5時半から30分間で、誰が聴くんだろうと思っていたが、昨秋から始めたJFNホームページでのポッドキャストで好きな時間にダウンロードして聴いてくれる方が10万人も20万人もいて、なかなかバカにならない。ラジオもこうやってネット経由で多様な端末で聴くことができるようになって、可能性が大きく広がっているのだろう。

 これ、サイトの構成がちょっとおかしくて、行き着くのが難しいんですが、
★JFNトップページ:http://www.jfn.co.jp/jfn_top/
 →「番組一覧はこちら」をクリック
 →「ON THE WAY ジャーナル」をクリック
 →「高野孟のラジオ万華鏡」をクリック
 →さらに右下の「高野孟のラジオ万華鏡」をクリック
 ......これでようやく私の担当分の一覧が出てきます。トップページから検索をかけても辿り着かないのでご注意を!

6月19日(日)

 終日、原稿書き。夜、開沼博『「フクシマ」論/原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土
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社)を読み始める。東大の博士課程在学中の気鋭の社会学者が、5年前から福島の原子力ムラに通い詰めて、そこに暮らす人々が実は「原発を半世紀近くにわたって抱擁し続けてきた"幸福感"」に満たされているという「外から見ている限り決してつかみきれない」現実に直面する......。福島をフィールドにしていてこの事態に遭遇したのは偶然には違いないが、深いところからフクシマを見つめる眼差しにたじろぐほどだ。

6月20日(月)

 早稲田デー。ゼミでは、岡田英弘『世界史の誕生』を素材に世界史的想像力について。先々週は地球生物史的想像力、先週は日本史的想像力で、今日はこれだからね。学生も目を白黒しているが、付いてくる奴だけ付いてくればいいという基本方針だから構うことはない。そのかわり、最後まで食らいついて来る奴には、上記の辛源もそうだが、凄いのが一杯いて面白い。午後の200人授業で
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は本学出身のメディア・ジャーナリスト=津田大介さんをゲストスピーカーにデジタル・メディア、とりわけツイッターが「動員のメディア」となる可能性について。若い学生にとって身近なテーマなので、質問も活発で、終了後、津田氏が「早稲田の学生をちょっと見直しましたよ」と。▲

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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