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« 高野尖報・地元=鴨川でも被災者支援の活動が始まった
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高野孟の遊戯自在録018 »

高野尖報・今は物資でなく資金を送って下さい

 早稲田大学の高野ゼミのOBで、今は大手問屋で働いているA.O.から次の便りがあった。現場で不眠不休で物流復旧に取り組んでいる者の現実感覚がよく表れていると思うので、本人の許可を得て要約・転載する。
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 問屋で物流=ロジスティクスを担当しているA.O.です。円滑に物資を供給するように物流を管理する泥臭いお仕事です。地震発生以来、不眠不休で物流復旧に努めておりますが、皆様には大変ご迷惑をおかけしております。

【復興支援と物流について】

 さて、支援と物流の話を少しだけ述べます。

 支援に関して私の考えを結論から述べさせていただきますと「今は物資ではなく資金を送ってください」と言わせていただきます。個人、もしくは小規模の団体の支援物資は、物流現場側からすると、混乱要因にしかならないといっても過言ではありません。物流現場が混乱すると本来届けるべき物資の物流も止めてしまう恐れがあります。

 昨年、「日通ペリカン便」と「日本郵政ゆうパック」が統合したときの混乱を覚えておりますでしょうか。平時でも、物流は混乱するとモノが届きません。有事ではどうなるか想像に難くないと思います。現実に起きている通りです。

 膨れ上がる受注件数⇒膨れ上がる入荷⇒在庫スペースがない⇒荷捌きする人が足りない⇒荷捌きする場所もない⇒出荷できない。

 あて先不明品の仮置場所がない...。アブラが確保できない...。小型or大型トラックがない(荷物の性格に合わせた仕様のトラックが必要です)...。伝票(受領書)が発行できない...。配達人員が確保できない...。この「負のスパイラル」がメーカー、問屋、小売(個人配送センター)、でそれぞれおきていたら----物流現場は混乱し、運営できなくなります。

 そういう中でも物資を円滑に届けるように管理するのが「ロジスティクス」のもともとの意味なのですが、やっぱり難しいですね。精度の高い日本の物流ですが、精度の高さが足かせになっている部分が出てきてしまいました。まだまだ成熟しなければならない市場です。

 大手企業のさまざまな支援や国際支援もあり、現地には食料をはじめかなり多くの物資が届いていると聞いております。最終配送のところで上述の問題で届けられないのが問題となっているようです。モノがあるのに届けられない・・・。物流マンとして非常に歯がゆい思いです。

 というわけで、「支援物資はもう少し落ち着いて物流網の復旧を待ってから、送ってあげてほしい」というのが、物流管理側からのお願いです。

※被災地以外の被災者受入れ先は自分の足でも届けられますので別です。

 それまではあらゆる物資に交換可能な「資金」を「日本赤十字社」など信頼をおける団体を通して送付してあげたほうが集める効率も送付の効率も圧倒的に良く、結果論、一番現地のためになるわれわれの出来る活動かなと思います。

 みなさま、周りの個人もしくは小規模の団体が被災地に「支援物資」を送ろうとしている場合は、もう少し待つか、資金送付に変更するように説得できる場合は説得してください。もちろん、おすすめはしませんが自分の足で届ける場合は別ですよ。


 水道水が飲めない??という報道後、またもや物流現場は混乱しています。電池、米、カップめん。みなさま。モノはあります。どうか「買いだめ」はしないでください。

 日本の物流に何が起きたか、追って皆様にご報告できればと思っております。(そんな中、新聞だけは翌日から欠品することなくコンビニにも並んでいました・・・独自の単品物流網とはいえ、すごいですね。)

【ボランティア活動について】

 さて、いろいろと議論が交わされているボランティア活動についてです。ボランティア活動は元来独善的であるので、その点を考えるとすぐに矛盾にぶちあたります。ですので、その点の議論には参加しません。

 深いことは何にも考えずに、震災2日後の日曜日には募金活動をボーイスカウトにて実施いたしました。翌週も全隊の予定を変更させ、募金活動を実施いたしました。仕事との折り合いがつかず、私は1日だけの参加となってしまいました。私の隊の統括は副長に任せました。こういう時、組織の強さが出ますね。

 結果、延べ4時間で約410,000円。驚きました。わずか4つの小売店の駐車場での募金活動でこの金額。赤い羽根共同募金では2時間で1万円も集まりませんが、今回は無言で「1万円」を入れてくれる方もいらっしゃり、みなさまの熱い想いをひしひしと感じました。

 ボーイスカウトという組織に対する信用を前提に募金してくれた多くの八王子恩方地区の方々の想いは「日本赤十字社」を通して現地に送付いたしました。最適な物資になって被災者のみなさまの役に立っていることを心の底から祈っております。

「ボーイスカウトとしてやるべきことをやった」と自負していますので、この行為が売名であると周りからいわれても否定はしませんし、気にもしません。

 本当のことを言うと現地で炊き出しなど物理的なボランティアをしたいのですが、「余震や二次災害に巻き込まれるおそれがある」などとして人の支援は断っているようです。現実的にさまざまな調整を考えると、素人の人的支援は受け入れ側の行政府に非常な負担をかけますので、私は正解だと思います。▲


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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

高野先生、これこそまさに物流の現場で今、起っていることを伝える生の声ですね。かくいう私も今は違いますが、かつては営業の仕事と物流ドライバーの両方の仕事を経験しました。次工程はお客様という大変有名はセリフがあります。特に頭を受け持つ営業は、一番最後の物流部門の苦労をすっかり忘れてしまうことがあるのです。そして、末端の物流ドライバー等は本来自ら責任をとりようもないことまでも現実は押し付けます。福島原発最前線の現実で起きていることも同じですね。物資を被災地域に届けたいという気持ちはとてもありがたく大切なことだと思いますが、最初から最後まで自ら貫徹するラインがある方にもしくはそのような組織集団に限るかもしれません。自分達で物資を車や燃料を調達し、被災地域を混乱させずに最後まできっちり被災住民に必要な物を届けられ方に限定なのでしょうね。私も今は義援金として可能な限り募金活動を非力ながらしています。また、お弟子さん達の現場の生の声が届きましたら、是非聞かせて下さい。

送られた資金がすぐに被災者に届けばいいのですが、以下のような報道もありました。小沢さん問題では評判よくなかったzakzakですが。

目の前で苦しんでるのに“400億円の善意”渡せないワケ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110328/dms1103281220008-n1.htm

公平性は後回しでも、すぐ被災者に届く方法を紹介して下さい。
よろしくお願いします。

被災地に直接、即行で募金を届ける良い方法はないものでしょうか。
約2000箇所ある避難所に募金受け入れ口座を設ける。
マスコミに各口座リストを公開し直接募金を募る。
各避難所に募金代表責任者を置き、避難者の世帯数、総人数を公開し各避難所への、毎日の募金入金状況、配分金額を公開する。

これらの事を避難場所責任者が出来なければ、これらをボランティア組織またはNPOが責任を持って代行するのはどうだろうか。
こうすると募金をするほうも何処に幾らお金が届いているか分かりやすい。
思いつくまま書いてみました。

各国からたくさんの支援物質、支援者、支援金が送られている。

アメリカの地道な目立たない援助は流石に、手馴れたものであり、目を見張るものがある。

今日は多人数の救護のスペシャリストであるイスラエルの方々の活躍される姿が報道されている。

フランスからは原子力災害のスペシャリストが来日するようである。

タイからは、貧しい人々が今までの日本人の厚意に報いようと、わずかな金額であるが、皆で出し合い90万円集めたとの報道があった。

加えて、タービン発電所を2セット日本に無償貸与するとのことである。24万世帯の電力をまかなえるとのこと、日本製であることなどを聞くと、自然と涙がわいてきた。多くの方々の暖かい善意には頭の下がる思いです。

然るに菅政権は矢継ぎ早に次から次へと何をするのか分からない役職を乱発任命無責任化を推し進めており、菅氏の社会観、人間観が全く分からない。唯物権威主義にたつ独裁社会主義者から本質的には脱皮しておられないようだ。

自分は、福島県いわき市に物資が届かないとの情報を知り、いわき市で支援活動を開始する某NPOに寄付金を送りました。

高野孟さん、コメントご参加の皆様
以下、ご存知の情報があればお教え下さいませ。

最近、哀しい哉、物事を信じ切れなくなっている。
特にカネに関しては、「かも知れない運転」に若くはないと。誤解があっては困りますが、以下は大局を意識してのことであって、ヒステリックなことではない点、ご認識下さいませ。

【社会の公正:国民の善意が裏切られないために。】
大仰な標題ですが‥、眼前の危機に善意の災害寄付金を募る機関が急増しています。この応募金は、善意であり、募金期間は1-2年を超える長期間になる、累積額は巨額になると予想しています。
各募金機関が受け取る寄付金は、その善意の趣旨に寄り添って公正に、概ねが災害救助に充てられているというルールが何処かにあるのでしょうか?
新しい募金機関も多数現れているが、彼らにも其の公正なルールが適用され確っりと監視されているのでしょうか?

嘗ての宝くじの様な「高額の胴元料」(※注1)が勝手に抜き取られて、巨大な善意の陰で、不埒にも焼け太っている輩はいませんか?
現状では特に旧来型の募金組織(※注2)は疑念が大きい。
TwitterやGoogleなど新興の有力企業は、相対的に疑念は小さい?‥根拠薄弱ですが(笑)。

(※注1)固定費は従来の収益構造で賄えている筈。
此処での災害寄付金は、限定的な変動費増加分を除いて、全額が災害救助に宛てられるべきだろうと。
(※注2)UNICEF疑惑の例もある。
赤十字も不安は拭えない。皇后陛下が会長?で居られるが名誉職であり、実務はナイチンゲールさんが遣っている筈はなく官僚が全て取り仕切っている筈で疑念は消えない。
最後に、重ねて「個人的興味ではありません」、念の為。
「かも知れない運転」です。
草々

ツィッターで、世界中の人々の好意を知って感動した息子は、給料の半月分を送ったそうです。サラリーマンには、痛みを感じるに充分の額かと思います。

大震災によって世界(世の情勢)は一変しました。私もささやかながら義援金を送らせていただきました。

さて4月に入って新年度になりましたが国民の注視の下、政治はどう変わったのでしょうか。
以前提起した”金はない、人は減る、足の引っ張りあいばかりで物事が進まない”という現下の事態に光明はみえたのでしょうか。

結果はギリギリの所で次への進展はみれたというところでしょうか。

国債発行特例法案など一部に不安を残すものの、予算案を始めとして多くは譲歩しつつも通過しました。ガチンコの国会でさまざまな問題や実態を露呈し、課題もでました。

しかし、旧与党現野党と、旧野党現与党のあり方というのは大震災という現実を目の前にして歩み寄りをせざるを得ない、まさに国家的危機をどう乗り越えるかと言う問題に直面しています。
足の引っ張りあいやメンツを盾にした議会運営やら個人攻撃で相手を追い落とすということがあたかも政治であるかのような”政局中心主義”とでも言うべき唾棄すべき旧政治が露呈したのは歓迎すべきことです。(マスコミ関係では未だ払拭されておらず、この場でも菅ではだめで小沢をだせだの、石破がいいだの、バカもいいかげんにしろといいたい。刻々と事態が変わる災害に対処している時に司令部をかえる話をするとは傍観者とはほめすぎで社会の中の寄生虫的役回りだろう)

そこで今後の政治の方向は”国難”に与野党がどう取り組むかの建設的な競争関係を作り上げていくことです。「それは反対」ではなく、「こうしよう」という主張をどれだけ有効に社会や国に提起できるかです。これを我々国民が評価することに重点を置き、非難合戦にはダメ出しをしていきましょう。

今後復興資金をどう捻出するか、大問題ですが多くの国民の気持ちは”私にできることを何かしたい”ということです。企業や組織体にもこの気持ちを拡張して”できることをする”がしやすい制度を確立させること、たとえば援助金提出会社に社会責任実行賞のような名誉を与え一つのステータスにすることで競わせるなど。こうした工夫が必要です。

税金にしても概念が変わります。今まではどうしても支配者に収奪されるものとして税金が捉えられていました。しかし、使い道を我々が監視するということは、こういうことに使ってくださいということにつながります。それが可能になっている現在は(不十分ではありますが)増税にたいしても復興のためならある程度は許容できるという機運は生まれてきていると思います。

自治分権について。従来の国が、県が、と指示待ちでは事は進みません。自分達でコミュニティを形成し、町の復興計画を発案し、政府はそれを促進させるための資金を提出する、道路や瓦礫の排除やインフラ整備資金の提出。新しい自治分権社会(従来の縦割り行政下の3割行政ではなく)の先進的役割をになって頂きたい。

国際社会のあり方も大きく変わっています。アジア地域ではこのような自然災害が多く起きて、一国だけでは手に負えない事が多いです。支援体制を構築することが”国を超える”基本的概念支柱にすべきで、TPPはともすれば経済的利害のみで語られますが、お互いのwinーwinの関係構築を基盤とすれば乗り越えられることは多いと思います。

以上大震災は多くの犠牲を出しましたが、教訓を明日に向かって確実に生かしていくことが犠牲者を弔う最大の道であると考えます。

いわき市 平競輪場で大量に滞留している救援物資
http://www.youtube.co/watch?v=ntXtBzWWzpU

菅某は此の海外メディアが報じる「冷徹な事実」を抱いて寝るべきだ。そして自らの不徳と未熟に慙愧の涙を流すべきだ!
今更遅いのだが、そしてその涙があるのならだが、従来とは違う何かを決意させるだろう。
http://on.wsj.com/i8CaEu 【Kan Visit to Disaster Zone Brings Muted Response】

【福島原発災害:その後の推移】
発災から3週間余りを経て、今は単なる「東電被害」から情報統制と誤情報が発せられる悍ましい「腐敗政官民による大本営被害」または「未熟政権被害」に変質拡大しつつあるようです。今更、此の日本で「大本営発表」など許される訳はない!激しい怒りを感じます。
此処で踏ん張るべきは政治なのですが、今の政権与党は事態の困難さに負けて旧勢力に逃げ込み取り込まれて、其の未熟が愚かさや卑劣に劣化拡大しつつあるようです、意図も認識もないかも知れないが。

党利党略の権力争奪は見苦しいが、今は国家の命運や国益を賭けた「善き政権争奪」だけが国民と国家の生命を繋ぐも手段だと思う。勿論、その手続きは平時の選挙ではなく、非常時だけかつ健全な政治家だけに許される政変になる。非常時には手続きは重要ではないだろう、冷徹に良い結果だけが重要だと思う。
此の「良い結果」を継続することが、国家国民の誇りを生むのだと確信しています。
草々

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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