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高野尖報:北朝鮮にも波及?中東ネット革命 »

高野尖報:イエメンの「大統領制」の実態

 近着の米MEMRI(非営利独立の「中東報道研究機構」)緊急報告No.3584は、スエーデン在住のイラク人ジャーナリストがリベラル系サイトに投稿した、アラブ各国の政権にはびこる汚職や親族支配を批判する記事を紹介している。その中で特に凄いのは、イエメンのサレハ大統領が一族郎党をどんなポストに就けているかのリストで、改めてこれらの国々の親族支配とはどういうもので、それに対する民衆の怒りの深さがどれほどのものなのかが理解できる。なおイエメンは、先の高野論説に付した「中東・北アフリカ主要国データ」では、一応、曲がりなりにも選挙による大統領制を採っている国に分類してある。が、実態はこうなのだ。しかも、リストはまだ続くが全部は書ききれないと著者は付言している。

《サレハ大統領につながるイエメンの官公吏リスト》

・アリ・アブダラ・サレハ(父)
 イエメン共和国大統領

・アーマド・アリ・アブダラ・サレハ(息子)
 共和国防衛隊および特殊部隊司令官

・ヤヒヤ・ムハマッド・アブダラ・サレハ(甥)
 治安部隊司令官

・タレク・ムハマッド・アブダラ・サレハ(甥)
 私兵部隊司令官

・アンマー・ムハマッド・アブダラ・サレハ(甥)
 国家治安維持機関司令官

・アリ・ムーセン・サレハ・アル・アフマル(異母兄弟)
 第一師団司令官

・アリ・サレハ・アル・アフマル
 空軍および第六航空連隊司令官

・タウフィク・サレハ・アブダラ・サレハ(甥)
 国家タバコ・マッチ会社会長

・アーマド・アル・カハラニ(第四夫人の父)
 首都の市長、知事、長官などを歴任

・アブダラ・アル・ラーマン・アル・アクワ(第三夫人の兄弟)
 大臣、知事などを歴任後、現在首都の市長

・オマール・アル・アルハビ(義息の兄弟)
 イエメン石油会社の統括部長

・アブダラ・アル・カリム・イスマイル・アル・アルハビ(婿のおじ)
 副首相、企画大臣、社会開発基金理事長

・カーレド・アル・アルハビ(義息)
 大統領官邸監督官

・アブダラ・アル・ワハーブ・アブダラ・アル・ハジリ(第二夫人の兄弟)
 駐米イエメン大使

・カーレド・アブダラ・アル・ラーマン・アル・アクワ(第三夫人の兄弟)
 外務長官

・アブダラ・アル・カーレク・アル・カードヒ(従兄弟)
 イエメン航空社長

・アブダラ・アル・カーヒ
 在タイズ・アル・マジド軍司令官

・マーディ・マクワラ(大統領の出身地より)
 南部軍司令官

・ムハマッド・アリ・ムーセン(大統領の出身地より)
 東部軍司令官

・サレハ・アル・ダーニン(大統領の出身地より)
 前カーレド軍司令官

・アリ・アーマド・ドウェイド(義息)
 部族問題庁長官

・ヌアマン・ドウェイド(義息の兄弟)
 サヌア州知事、前はアムラン地区知事でアムラン・セメント工場長経歴10年

・ジュブラン・ムジャヒド・アブ・シャワリブ(義息の兄弟)
 アムラン地区知事

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高野孟さん

ご連投、有り難うございます。凄い筆量(私の造語です)と速度ですね、意欲回復!凄い!大歓迎しお慶び申し上げます(笑)。

日本の某シンクタンクの中近東専門家がこんなことを言っていました。まあ、穏やかさは欠けていますが、「尖っていて」見識の高い観方だと、一つの情報としては意味があると思っています。
1.アラブ(中近東+北アフリカ)では、過去必要悪として専制政治が行われる土壌が有った。
2.その土壌とは、
一つは、多民族性、多層に亘る階級性、一部エリート層の存在、多数の極度の貧困、多数(一部?)の教育レベルの低さ、大量の失業を生む経済状況の悪さ(単純な経済構造と古さ)など。家庭内売春(亭主が妻娘を‥)でさえ行われている!
二つは、上層階級が此れらを奇貨として、ご指摘の忌まわしい極度の専横(汚職、着服など)を繰り返している。
3.最近のアラブの騒動の原因には、元々イスラム教が教える「富者は貧者に分け与えるのは当然だ」という行為が、今回の世界不況の結果行われることが少なくなったことへの不満がある。

煎じ詰めれば、「一方の極度の貧困と絶望、他方の極度の悪辣さ、両者のギャップの大きさ」でしょうか。
先日の田原牧さんの現地報告(私の理解です、念の為)でも、エイジプトの騒乱も必ずしも「民主化の要求」ではなかった由、皆無ではないだろうがと。

此れらを総合すると、私には「現状打破だ!貴奴らを倒せ!」「食べ物と住まいと若干の豊かさを!」であって、先進国が考える「民主化」とは違うような気がする、
当然に現場から遠く離れた日本で狭く浅く考えていることなので、正しいかどうかは全く解りません。
現時点での一つの観方として。
草々

高野孟さん

閑話休題
日経【先進国、老いが止まらない、先頭ひた走る日本】
日本問題の少子化も然ることながら、高齢化は世界の多くの国が共通して抱えていて彼らは日本が創る問題解決策に熱く「注目」している。日本が解決できると「期待」しているかどうかは解らないが。

私見では、「へたれ日本」が世界での存在意義を回復する絶好の機会でもある。日本が其の課題に正しい方向性を見出して発信する知見を産み出せば、確っりとした強力なSoftPowerを生む(筈=其の時の外交力如何による)。JapanPassingやJapanNothingなどと二度と言わせない!と。
税制、社会保障制度、霞が関文化、産業構造などなど改革する必要は多岐多様に亘るが、最も喫緊の課題は「知見に富んだ強い政治」を造ることだと。此れが無ければスタートラインにも着けない。
今の民主党にも況や菅政権にも出来ることではない。蛇足を付せば、現状の自民党にも、旧世紀の老醜を抱えたままのどの政党が連立を組んでも出来ることではないだろうと。

持論はくどいので、省略(笑)。
草々

高野 様

中近東は、仕事の関係で、30~25年前何度か出かけたことがあります。今考えますと貴重な体験でした。どの国も石油で立派な建築中の建物があちこちに見られました。

工事現場で働く労働者は、フィリピン人、韓国人が多かったように覚えています。皆さん出稼ぎに来て、殆どの稼ぎを自国に送金していたようです。

他国人は別にして自国人は、医療費、教育費など公的費用は殆ど無料でした。

日本の王室、特に封建制度には興味を示していました。自国の制度にできないか検討することが、主目的のようでした。

各部族に石油の利権があり、部族に属する人々が利権に預かれるわけで、王族ともなると、政府の要職を独占し、主要な産業は実質的支配をしていました。アメリカとの関係は殆どの国が友好的であり、アメリカ石油資本と石油利権を共有していました。

高野様の論説を読んで感じることは、現時点にあっても、国が立派に発展しても政治的体制は変わっていないようですね。

高野孟さん

(日本人を止めた)無国籍人 2月27日 17:33 に追い書きさせて戴きます。 【アラブの民主化】

先日来日した仏シンクタンクIRISトップの曰く【歴史上、革命の後に新たな独裁が来たケースが少なくない。フランス革命然り、イラン革命然り】と。
私見でも、民度(国民の成熟度)が低ければ、真に然りだと思います。「新たな独裁」でなければ群衆政治に塗れよう。私の前稿での【過去必要悪として専制政治が行われる土壌が有った】という認識に立てば、新たな独裁であれ、群衆政治であれ、「昔の独裁専制政治より格段に良くなった」という想いを以って善しとするのが良いのではないかと。
アラブには(恐らく)、単なる欧米流直輸入の民主制は馴染むまい。低民度用の民主制構造が必要だと思う。
アラブ版民主制とか、中国版民主制とか。
草々


追伸:日本でも先の政権交代後暫く経った時期に、このTheJournalで「革命は一度では完成しない」という極めて的確で炯眼に富んだコメントがありました。改めて敬意を表している次第。HNで推測して女性だったという記憶がある。
草々

事がアラブに関する情報収集なら、此れ↓AmongOthersがお薦め。但し、情報の理解と分析結果は自己責任で。

東京財団佐々木良昭さん
http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2011/03/post_173.html

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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