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高野尖報:米国がアフガニスタンで無人機爆撃を止めている訳

 今週のニューズウィークが巻頭コラムで、パキスタンで米国が無人機によるパキスタン北西部への攻撃を停止していると報じている。私の知る限り、日本の新聞ではこのことは報じられていない。

 無人機攻撃は、アフガニスタンでの戦局膠着と米兵殺傷被害の増大(米兵死者数は昨年1年間で436人で過去最悪)に音を上げた米国が、オバマ政権になってから一段と重視している戦術で、ワシントンのCIA本部に通勤する若年兵が画面を見ながら遠隔操作でアル・カイーダ戦闘員がいそうな村々をゲーム遊びでもするかのように爆撃する作戦で、当然にも一般市民の巻き添えが甚だしく、米シンクタンクの推計で04年からの6年間で1734人のパキスタン人が爆殺され、少なくともその2割が罪のない民間人だった。パキスタンのネットでは「米国の心ないテロリズムが人々を虫けらのように殺す」といった言葉が飛び交っている。

 その無人機攻撃がこのところ1カ月も行われておらず、ニューズウィークによると、パキスタン人は当初、天候のせいだと思っていたが、そうではなくて、米人で元特殊部隊員で今は現駐パキスタン大使館員のレイモンド・デービスなる人物が1月末にラホールで、強盗と見られるパキスタン人2人をピストルで射殺、本人と米側は正当防衛を主張しているものの、パキスタン警察は殺人罪での起訴を求めていて、両国の対立問題となっている。米政府としては、この状況で「パキスタンの法律や主権を踏みにじる米国の傲慢」とパキスタン側から見られている無人機攻撃を続けるとますます反米感情を煽ることになると見て、攻撃を控えているという。

 しかし、無人機攻撃というものそれ自体が文明論的な立場から見てどうなのか。2月17日付毎日の「記者の目」欄の大治朋子記者による「オバマ大統領の無人機戦争」によれば、米国だけでなく「40カ国以上が開発競争を繰り広げている」というが本当なのか! 日本は「無人爆撃機の製造禁止を国連に働きかけるべきではないか。▲

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

初めて投稿させて頂きます。
高野様、どこかで見た情報だと思い探したらasahi.comにありました。

パキスタンで米無人機攻撃停止 拘束米国人へ影響懸念か
http://www.asahi.com/international/update/0217/TKY201102170569.html

よろしくお願いします。

高野孟さん
(ご連投、多謝申し上げます。)

巷間にThinkGlobal, ActLocalという。この尖った尖報は価値あるActLocalだと敬意を表しつつ、 ThinkGlobalがない処が一寸気懸りと云えば気懸りな処。

引用【日本は、無人爆撃機の製造禁止を国連に働きかけるべきではないか】
このご提案は決して意味があると思いますが、現実の成果や効果を重視すれば、今の世界で安全保障専門家が具体的に進めている目論見との比較では、明らかに狭く小さ過ぎると。
世界の国防安全保障の先端軍備は、宇宙が中心を占めつつある。然も、宇宙戦争時代の準備に血道を上げているのは、私が知る限りで米露中に印=安保理3カ国プラス1。即ち、無差別大量殺戮防止の観点では、今の国連は既に機能できない状態にある。

蛇足を付せば、
小沢さんの「国連主義」は、世界の現実の前には美し過ぎるし浅すぎると。
また、先程のNHKTVがアメリカの宇宙開発を「宇宙観光が現実的になっている」と報じていた。「お目出度い国営放送振り」が許されて良いのか?は全く別のお話。

無人爆撃機にせよ宇宙戦争にせよ、前時代の航空機爆撃や地雷などなどは、全てが技術進化が進む程に、自陣の犠牲を避けるという目的と同時に、「自分が殺人を犯している」という忌まわしさに直面する場面から遠ざかるという目的も持っていた(に違いない)。
その忌まわしさから解放された人間は、重要な現場から離れて机上(又は頭脳内)だけで躊躇なく平気で人を殺せるように「進化」している。

主として糾弾されるべきは、無人爆撃機や宇宙戦争や航空機爆撃や地雷やピンポイント爆撃などの殺人「手段」ではなく、
無感情に「何処かの誰かが遣ったのだ」という「現実味のない殺戮」を是とする「意識」だと思います。
仮想的Virtualに簡便に多くの人々を殺戮するのではなく、手間も時間も掛けて一人一人の返り血を浴びながら遣れ!と。人間が進化し賢明になるには、現場に帰ることが肝心だと。

誤解なきように!
私の論点は、複雑な社会では、「彼れか此れか」の二者択一ではなく、「彼れも此れも。但し、賢明な重点配分が重要だ!」です。
草々

【日本は「無人爆撃機の製造禁止を国連に働きかけるべきではないか。】
に大賛成です!!

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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