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格差は小泉のせいだというのは本当か?
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格差は小泉のせいだというのは本当か?

昨日のサンプロでは久しぶりに竹中平蔵が出演し、「年収200万円以下の人が増え、非正社員も増えている。このように格差が広がっているのは、小泉=竹中の規制緩和路線のせいだという声が日本中に充ち満ちている」との田原総一朗の問いかけに対して、(1)小泉政権は例えば不良債権処理に関しては金融に対する規制を強化したのであり、規制の何を強化し何を緩和したのかを具体的に見なければならない、(2)失業率は減っていて、所得ゼロの人は減っている。所得ゼロの人を減らす過程で所得の低い人が増えるということはありうる、(3)非正社員の中には、自分の都合で派遣で働くことを選ぶ人もいるので、一概に悪いことだとは言えない、などと反論していた。

私は時間が限られていたので口を出さなかったが、格差の問題をこのようにドメスティックにだけ論じるのは、もう止めにしたほうがいいと思う。日本に限らず先進国で格差が広がっている根本原因は、冷戦終結によって旧ソ連・東欧、インド、中国など旧社会主義圏の30億人以上の、教育水準が高く、1日12時間でも働いて豊かになろうとする意欲に溢れた人々が一挙に市場経済に参入してきたことによって、例えば日本の労働者は、10分の1の賃金で働く中国人労働者や20分の1で働くベトナム人労働者などと、世界労働市場で直接の競合関係に入ったというグローバルな状況にある。

様々な障壁に守られた中で、世界トップ級の高賃金を謳歌していた日本の労働者は、ある意味では、第3世界に対する搾取や収奪の上に立って特権的な待遇を得ていたのだが、それが許されなくなって、ということはつまり、中国人やベトナム人と同じ仕事をして10倍や20倍の賃金を受け取ることができなくなった、という問題なのだ。

日本はじめ先進国の労働者は、自らの労働力の質を高め、より高度の知恵を発揮するような知的労働者になるよう励むことなしには、このグローバル労働市場の中でそれなりの地位と収入を保つことはできない。このことは、クリントン政権第1期の労働長官を務めた経済学者ロバート・ライシュが『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ―21世紀資本主義のイメージ』(91年)で明確に指摘していたことである。

日本の賃金は世界基準から見てこれまで高すぎたのではないか、それが維持されていたのは第3世界への搾取・収奪に基づいていたのではないか、そのことに対する第3世界からの“報復”がいま始まっているのではないか——と胸に手を当てて考えてみる想像力が求められている。

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コメント (15)

全てが屁理屈。
日本が散々儲けて来た?
とんでもない。
一部の人間だけであって、今のような大企業中心、輸出依存にしてきたのは、国の指導であることは、紛れもない事実だ!
財界人に操作され、政治家・官僚が「手助け」したから、現在の状況になったのであって、政府が関係しなければ大企業の繁栄があるはずも無い。
日本人は散々努力してきた。
その努力した人達が、劇的な変化に対応できず苦しんでいる。終身雇用を否定され、前年対比の暗示に掛けられ、どこまで伸ばせばいいのか・・。若いうちはいいが、常に努力努力では、精神的に参ってしまう人間が出ても不思議ではない。
その上、もっと努力しろと言う政治家・評論家の発言が、彼らを苦しめているのであって、現場に居合わせない、あなた方評論家は世間を解っていない。いや、米国経済が正しいと教育された事を認めているということになる。
精神病が増え、自殺者が増えている事に対し、どんな気持ちでいているのか?
結果が出ていなくても、何のお咎めも無い政治家・官僚・マスコミは、日本人にとって最悪の人間だと思う。

格差問題はまったくの国内問題ではないでしょうか。
明治初期、日本が低賃金国で貿易赤字の時代でも、格差はありました。当時は名実ともに官尊民卑で、糸引きの女工さんと高級役人とでは時給にして100倍くらい違っていた(うろ憶えですが)みたいです。
国際競争力が国内経済を決定するという説は、ポール・クルーグマンが反論しているように、根拠の曖昧なところがあるように思います。

昨年米国を旅行しましたが、米国の格差はすさまじい。ある都市の表通りには数千万もする車が何台も駐車し、丘の上に見える邸宅は円換算で200億円と聞きましたが、一歩、裏通りに入るとホームレスが裸で寝そべり、10m先からでも臭いがするような状況でした。とても先進国の都市で起こっている光景とは思えませんでした。日本をこのような国にしてはいけないと思いました。
高野氏の見解は、真実の一面があります。グローバル化が現在の状況を作り上げた原因のひとつであることは間違いない。ただ、考察のひとつに入れなくてはいけない事項に(古典的な考え方かもしれないが)エンゲル係数的問題があると考えています。つぶさに語れるデータは持っていませんが、諸外国を旅して、皮膚感覚で感じることは、基本的な生活に関する物価がかなり安く感じるということです。米国でも食料品やガソリン、住居費は日本と比較にならないほど安い。
日本は各種の規制でがんじがらめになっており、生活をする上での諸物価が高すぎ、高止まりしている。そこにグローバル化による賃金水準の低下がもたらされたのが現在の状況を招いた原因のひとつだと個人的には考えています。本件は感覚で語りましたので、引き続きデータを使って検証してみたいテーマです。

格差問題の大きなファクターとして、社会構造の一番底辺部分から規制緩和し、富裕層には社会的負担の軽減を大幅に認めた為である。
その中で公共セクターの構造改革・不採算部門の廃止を小泉改革では、改革ポーズだけで全く手をつけなかった事が大きな需給ギャップを生んだのではないでしょうか。
番組視聴していましたが、高野氏が竹中氏の意見に同意のコメントをして居たのには、私は大いに失望しました。

論理のすり替えです
賃金の安い発展途上国と比較するのはナンセンスです 小泉+竹中が導入し アメリカで破綻した新自由主義の名のもとに 弱者ばかりに負担を求めた構造改革と 格差を生み続けた 無差別な派遣業種の認可など わざわざ外国と比較しなくても 国内だけでみても格差を産み出しことは明白だ その反省もせずに竹中発言を容認するなどは 高野氏とも覚えない発言です

ボブゲルドフ がライブエイド バンドエイド で世界にアピールしてきたことを真摯に受け応える時代だな

冷静じゃないコメントが多いなあ。

●経済のグローバル化が賃金の国際格差を解消する方向で働く

ことは否定できない。同時に,

●日本において経済のグローバル化が中間層を解体し,格差を拡大させた

ことも否定できない。高野さんが いっているのは,そういうことですよね。ちなみに,竹中氏は,しっていても それは いわない。

ちなみに,経済のグローバル化が賃金の国際格差を解消する方向で働いたとしても,労働力賃金は低いほうに平準化され,先進国であれ途上国であれ,少数の べらぼうな金持ちが生まれることになるから,

●経済のグローバル化により途上国における格差は先進国以上にもなる。

だから,

> 日本の賃金は世界基準から見てこれまで高すぎたのではないか、それが維持されていたのは第3世界への搾取・収奪に基づいていたのではないか、

は,そのとおり。でも,わたしがヘンだなと思うのは,

> そのことに対する第3世界からの“報復”がいま始まっているのではないか

という部分。そうじゃないでしょう。第3世界への搾取・収奪に基づいて金もうけしていた先進国の金持ちが,それが限界にきて,先進国の労働者からも搾取・収奪するようになったと いったほうが いい。そのおかげで,第3世界に少数の金持ちが うまれたけど,第3世界の国家に,その金持ちのお金を国民に分配する意思も力もない。だって,なんたって,先進国だって それが なくなってグローバル化しているのだから。

むしろ,これからの世界こそが,史上はじめて,万国の労働者が搾取されるもの同士の関係で団結できる「はず」なんじゃありません? そうならないからこそグローバル化が すすんでいるのだとしても。

教育水準の落ちている今の日本に未来はない。
一部の優秀な人たちはどんどん海外に出て行っている。

私は20年前に資本主義経済は終焉していくのではないかと感じていました。
その思いが年々強くなっていっている気がします。

日本は本当は貧しい国だって事に気づきました。
国民の預貯金もこれから減り続けるでしょう。
預貯金が減ったらアメリカ政府も日本政府も立ち往生です。
資源もありません。
せめて国民が生きていけるように食料自給率を上げなければなりません。
経済の停滞は、つつましい国家樹立の始まりではないでしょうか。
年収200万円でもそこに笑顔があればいいのです。

「mos.さんの意見への感想&“THE JOURNAL”サイトへの投稿について」
mos.さんの意見に共感します。日本における“各種規制ならびに不自由さ”はまさしく日本の頭脳流出を招いています。資本主義経済の終焉についても同感ですし、日本の貯蓄性向が世界に及ぼす(自国にも)影響も考慮すべき事項です。
ところで、この“THE JOURNAL”サイトは従来にない“優れもの”です。
感情を丸出しにし、無責任な2ch的な書き込みは自粛すべきではないでしょうか。真摯に意見を聞き、考え、咀嚼し、意見を発信させていただく機会を得ているのだと認識すべきでしょう。
発言は十分“THINK”(熟慮)をしたうえで、推敲し、感情に走らず、論理的な発言をすべきだと思いますが如何でしょうか? 変換ミスなどはもっての外、麻生氏の“新KY:漢字読めない”を笑えません。しっかりとしたコメントを読み、発信をしようではありませんか。
それが、このような場所を与えてくれた高野氏への最低限のマナーだとも思いますが、皆さん、如何でしょうか?

年収がそこそこあって、毎日楽しくて、つつましく堅実な国家を樹立し、国民が生きていける食料自給率を保ち、こつこつ貯金をして・・・きっといい国になりますね。
>この国ではまだほとんど誰も踏み込んでいない独立不羈のブログ・ジャーナリズムの歴史が、ここから始まります。(ジャーナル宣言よりコピペ)
始まった!こうして参加させていただけることに感謝いたします。

40年前、30年前、少なくとも20年前には世界経済の構造変化とグローバル化にともなう格差の問題が懸念されてきたにも関わらず、日本企業、政治、政府、国民が対応しきれずに来てしまったツケがいまの格差問題となって顕現化してきているだけです。内向きな話にこだわり続けても出口は見えません。子どもたちの世代にいい時代を迎えさせてあげたいです。

高野さん、気は確かなのでしょうか?
「第3世界からの〝報復〟」ですって?!
ブラジル、ロシア、中国、インドなどによる陰謀とでも言いたいのでしょうか?
グローバル化が進み、食料と資源の争奪戦争が激化した結果、第3世界はますます搾取されています。
現実をふまえない〝想像力〟など、無いほうがましだ・・・。
「グローバル化によって旧社会主義圏の低賃金労働者と競合関係に入ったことが格差拡大の一因」なんて主張も、もっともらしいけれども、なんら根拠がないのでは?
こうした主張を裏付ける具体的な報告があるのでしょうか?

グローバル企業の内部に身をおいて見たと考えて下さい。

北京空港から30分の所に、工場があり、英語のペラペラな生産技術者が、本社品川に派遣されてきます。

彼らと区別できる本社社員には高級を支払えますが、それ以下の社員に(北京工場勤務さえ命令できない人に)北京工場の中国人生産技術者を遥かに超えた給料を支払う事が、グローバル企業にとって倫理的でしょうか。

グローバル企業はそれなりの努力をしている部分もあります。

グローバル企業の内部に身をおいて見たと考えて下さい。

北京空港から30分の所に、工場があり、英語のペラペラな生産技術者が、本社品川に派遣されてきます。

彼らと区別できる本社社員には高級を支払えますが、それ以下の社員に(北京工場勤務さえ命令できない人に)北京工場の中国人生産技術者を遥かに超えた給料を支払う事が、グローバル企業にとって倫理的でしょうか。

グローバル企業はそれなりの努力をしている部分もあります。

高野論説は的を得ている部分も有ると思います。
しかし小泉・竹中政策の問題点を併記すべきだったと思います。

私が問題点だったと思うのは。

①規制緩和・改革と言いながら『グリーンスパンマジック』を一時的にでさえ実現できなかった。

②セイフティーネットの破壊ばかりを先行させた。

③頭脳流出(例えば中村修二氏)に殆んど何も介入したかった。

④海外から(特に中国)の頭脳誘致の施策が何も見られない。
(国立大学院の留学生増加はありますが)

諸賢のご意見を自分なりに総括すれば、このテーマに対する施策は難しくないと思います。

『万国の労働者が搾取されるもの同士の関係で団結できる「はず」なんじゃありません』とのコメントがありました。
これも『社会企業家』『Corporate Social Responsibilityの追求』等を通じて実現して行く道は残っていると思います。
その意味では『立て万国の労働者』は決して乗り越えられた課題では無いと痛感します。

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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