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2008年12月13日

無添加・天然素材の「かまぼこ」を探せ!

朝日新聞の土曜日別刷に藻谷浩介(地域経済アナリスト)が書いている「意外に強い地域の実力」シリーズはなかなか面白くて、地方の持っている思いのほか優れたパワーに光を当てていて勉強になる。13日付は神奈川県で、人口で大阪府を抜いて2位、工業出荷額で愛知県に続き2位、スポーツ愛好度で1位だという。

本題とは直接には関係ないが、この中で著者が小田原名物のかまぼこについて触れている。「箱根方面に行った際に小田原で必ず買い求めるのが、老舗の化学調味料未添加のかまぼこだ。親をさしおき子供がペロリと食べてしまう。添加物に敏感な子供のほうが違いがわかる」と。

かまぼこの老舗と言えば江戸・慶応年間創業の「鈴廣」のことだろう。ホームページ(www.kamaboko.com/)にも「化学調味料も一切使用しておりません」「天然素材化100%を実現」と明記している。鈴廣に限らず全国各地のかまぼこの名店は近頃は天然素材・無添加を競い合っていて、一昔前のような添加物の固まりのようなかまぼこは、余程の安物でない限りお目にかからなくなった。とは言え、ここでもやはり、それなりの知識を備えて、本物を選ぶように心がけなければならない。そこで、私の古い取材ノートから「かもぼこ」の項を見ると……。

(1)化学調味料——論外でしょう。入れていれば「アミノ酸」と表示している。「魚介エキス」という何で出来ているかよく分からない非化学(?)調味料を使う場合もある。

(2)リン酸塩——魚のすり身に粘りと弾力性を出す結着剤としてリン酸塩や卵の白身が使われる。リン酸塩は魚肉練り製品だけでなくハム・ソーセージなど食肉練り製品、惣菜、清涼飲料水など多くの加工食品に使われてきた最もポピュラーな添加物の1つだが、近年はその使いすぎ・摂りすぎでカルシウムの吸収が阻害され骨粗鬆症の危険が増すということが問題となり(一品ごとには極微量でも非常に多くの食品に使われているので累積では相当量を摂らされていて害があるかもしれないという意味)、例えばセブンイレブンでは同社オリジナルのサンドイッチのハム・ソーセージにリン酸塩を使用してないことを宣言している(が、オリジナルでないものはどうなのかは触れていない)。すり身にリン酸塩が入っていても「加工助剤」扱いとなって表示義務がないので、「使っていない」と宣言しているメーカーのものを選ぶしかない。卵白はもちろん天然素材だが、卵アレルギーの人がいるので使用を控える傾向にある。

(3)ソルビン酸——保存料として一般的だが、動物実験では成長抑制、精巣縮小、肝臓肥大、染色体異常などの危険が観察されている。しかも亜硝酸(ハム・ソーセージなどの発色剤)と反応して発ガン物質に変成するので、かまぼこだけでなくハム・ソーは気を付けないと。

(4)赤色着色料——赤いかまぼこには赤色3号、106号などの合成着色料が使われるのが普通だが、これらは発がん性や染色体異常を引き起こすことが指摘されている。天然素材で赤を出しているところもあるが、よく分からなければ赤はやめたほうがいい。

(5)デンプン——リン酸塩や卵白を使わない場合、デンプンを繋ぎに使う場合が多い。高級なものはデンプンを使わずに魚肉の練り方に工夫を重ねて粘りを出しているが、安物はデンプンが多く、食感も風味も劣る。少量使うのは問題がないが、その場合でも、小麦デンプンだとアレルギーが出る人がいるので、良心的なところは馬鈴薯デンプンを使うようだ。

そもそもかまぼこをはじめちくわ、はんぺん、薩摩揚げなどの魚肉加工品は、漁港の町で、そのままでは市場に回らない雑魚を有効利用するために、その日に獲れた新鮮な魚をその場で加工するのが本来の姿で、それを大手メーカーが大量生産するようになって「冷凍すり身」が半製品として流通するようになっておかしくなった。そのようなすり身半製品には、「生」「全糖」「加塩」「無塩」の4種類があって、主流を占めるのは「無塩」。この名称は素人が聞いても何だか分からずどうかと思うが、「無塩」はリン酸塩、砂糖、ソルビット(砂糖より安価な甘味料)などが入っているもので、日持ちがいい。「加塩」は「無塩」からリン酸塩を抜いたもので塩で日持ちを図るもの。「全糖」は砂糖だけ加えて日持ちを図るもの。「生」はもちろん何も入っていないがその日に加工しないとダメになってしまうもので、ほとんど流通はしない。「生」が本来だがそれにこだわっては商売にならない。全糖を使うのが良心的な店ということになるらしい。

かまぼこもなかなか奥が深いのである。

2008年12月12日

麻生首相が国会で「ゴルゴ13」を賛美!

11日の参院財政金融委員会で麻生太郎首相は、民主党の大塚耕平議員の質問に答えて「あれ以上、国際情勢が分かっている漫画はそんなにはない」と「ゴルゴ13」を絶賛した。

2年半ほど前に私が参画して『ゴルゴ13・世界情勢裏ナビ』という本を出した。

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巻頭にさいとうたかおさんと私の対談による総論があって、以下、ゴルゴ作品のいくつかを素材にして国際情勢を裏読みするという趣旨のもので、当時外相だった麻生が“大のゴルゴ13ファン”だと聞いていたので1冊進呈した。早速、礼状が届いたのだが、その達筆に驚いた。「読み」のほうはイマイチだが「書き」のほうは相当なものだ。ここに公開する。

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2008年12月 5日

明日、大阪・大手前大学で講演!

明日6日13:30から、大阪・夙川の大手前大学で、「不思議な国・ニッポンの政治」というタイトルで講演があります。入場無料ですが、事前申し込み制で先着200名まで。

2008年12月 1日

格差は小泉のせいだというのは本当か?

昨日のサンプロでは久しぶりに竹中平蔵が出演し、「年収200万円以下の人が増え、非正社員も増えている。このように格差が広がっているのは、小泉=竹中の規制緩和路線のせいだという声が日本中に充ち満ちている」との田原総一朗の問いかけに対して、(1)小泉政権は例えば不良債権処理に関しては金融に対する規制を強化したのであり、規制の何を強化し何を緩和したのかを具体的に見なければならない、(2)失業率は減っていて、所得ゼロの人は減っている。所得ゼロの人を減らす過程で所得の低い人が増えるということはありうる、(3)非正社員の中には、自分の都合で派遣で働くことを選ぶ人もいるので、一概に悪いことだとは言えない、などと反論していた。

私は時間が限られていたので口を出さなかったが、格差の問題をこのようにドメスティックにだけ論じるのは、もう止めにしたほうがいいと思う。日本に限らず先進国で格差が広がっている根本原因は、冷戦終結によって旧ソ連・東欧、インド、中国など旧社会主義圏の30億人以上の、教育水準が高く、1日12時間でも働いて豊かになろうとする意欲に溢れた人々が一挙に市場経済に参入してきたことによって、例えば日本の労働者は、10分の1の賃金で働く中国人労働者や20分の1で働くベトナム人労働者などと、世界労働市場で直接の競合関係に入ったというグローバルな状況にある。

様々な障壁に守られた中で、世界トップ級の高賃金を謳歌していた日本の労働者は、ある意味では、第3世界に対する搾取や収奪の上に立って特権的な待遇を得ていたのだが、それが許されなくなって、ということはつまり、中国人やベトナム人と同じ仕事をして10倍や20倍の賃金を受け取ることができなくなった、という問題なのだ。

日本はじめ先進国の労働者は、自らの労働力の質を高め、より高度の知恵を発揮するような知的労働者になるよう励むことなしには、このグローバル労働市場の中でそれなりの地位と収入を保つことはできない。このことは、クリントン政権第1期の労働長官を務めた経済学者ロバート・ライシュが『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ―21世紀資本主義のイメージ』(91年)で明確に指摘していたことである。

日本の賃金は世界基準から見てこれまで高すぎたのではないか、それが維持されていたのは第3世界への搾取・収奪に基づいていたのではないか、そのことに対する第3世界からの“報復”がいま始まっているのではないか——と胸に手を当てて考えてみる想像力が求められている。

Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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