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「モンゴルの子供たち&オオカミに出会う旅2008」へのお誘い

 日本・モンゴルの音楽交流の第一人者である創樹社の山川泉氏をコーディネーターとする私たちのユニークなモンゴル旅行は、10年前に三枝成彰(作曲家)、林真理子(作家)、矢内廣(ぴあ社長)、それに私の4人でモンゴルのオペラを観に行ったことに端を発して、その後私が団長を務める形で、オペラを観るだけでなく夜のウランバートルでディスコやジャズライブをハシゴしたり、モンゴル政財界要人やジャーナリストに面談したり、郊外のゲル村に泊まって馬に乗ったりする、「音楽&乗馬ツァー」として回を重ねてきましたが、今年はやや趣を変えて、表題のような趣旨で8月18〜25日に実施します。これまでの参加経験者の皆さんだけでなく、モンゴルに一度は行ってみたいと思っていた方々、同国のの子供たちやとりわけ一時期「マンホール・チルドレン」問題として盛んに報道された孤児たちに関心のある方々、そして姜戎の話題の小説『神なるオオカミ』(講談社)を読んでオオカミを頂点とする過酷な自然生態系の下にある遊牧民の暮らしぶりに関心を抱いた方々、等々にも広く参加を呼びかけます。

 夏のハイ・シーズンであるため、宿泊や国内交通手段の手配の関係で最大25名で締め切らせて頂きますので、お早めにお申し込み下さい。

 今回、なぜ子供たちとオオカミなのか。きっかけは、私が上記『神なるオオカミ』を読んで感激してしてしまって(添付の参考資料=インサイダー誌上での書評)、山川氏に「モンゴルでオオカミに会いたい。すべての動物の中で、オオカミほど人による飼育を絶対的に拒否する誇り高い生き物はなく、にもかかわらずウランバートルのサーカス団(かつて国立で今は朝青龍財閥に買収された)には檻に飼われた狼がいて、それは前にも見せて貰った。それが芸をするのをもう一度見たいが、それ以外にはオオカミを見ることは出来ないのか」と無理な注文をしたことにあります。それで彼が調べたところ、ウランバートルから400キロ離れた同国第2の都市=エルデネットにある「エネレル孤児院」で子供らの教育の一環としてオオカミを飼育していることが分かり、「それならば、孤児院の子供たちへの激励をしつつそこで飼われているオオカミにお目にかかろうではないか」ということになり、さらには(これはオオカミとは関係なく、子供つながりということで)ウランバートルから1時間のナイランダルにある「国立子供センター」を訪れて、そこで子供らと交流しつつ乗馬や野外コンサートを一緒に楽しもうじゃないかということになったのです。

●期間:08年8月18日(月)〜25日(月)

●日程 

8月18日(月)
夕方成田発(モンゴル航空)→ウランバートル深夜着 
市内ミシェルホテル泊

8月19日(火)
午前中ウランバートル発→約1時間でナイランダル国立子供センター着
世界各国の子供たちの交流を見学、乗馬、野外コンサート
ナイランダル・キャンプ泊
 
8月20日(水)
朝ナイランダル発→約2時間でドガンハト・キャンプ着
終日乗馬等 
ドガンハト・キャンプ泊

8月21日(木)
朝ドガンハト発→約3時間でアマルバイスガラント・キャンプ着
エネレル孤児院サマーキャンプ訪問、狼の飼育見学
アマルバイスガラント・キャンプ泊

8月22日(金)
エネレル孤児院訪問、子供たちと交流、乗馬な
同上泊

8月23日(土)
朝アマルバイスガラント発→約5時間でウランバートル着
午後 サーカスのオオカミ見学、調教師、猟師との懇談会
市内ミシェルホテル泊

8月24日(日)
終日自由時間 市内観光、買い物等
モンゴル著名人との懇談
同上泊

8月25日(月)
早朝ウランバートル発(モンゴル航空)→成田昼過ぎ着

●参加費用:27万5000円

    ■費用に含まれるもの
    ・成田~ウランバートル航空運賃
    ・モンゴル国内バス代
    ・宿泊代(ホテル1室2名、ゲル1室3~4名)
        (ホテル3日間個室希望の方はプラス1万円=先着8名)
    ・食事代(全行程3食)
    ・サーカス観劇代、コンサート実施代
    ・懇談・講演謝礼
    ・子供たちへの土産品代

    ■費用に含まれないもの
    ・海外傷害保険代
    ・レストラン等の飲み物代
    ・乗馬代(1時間5ドル程度)


●申込期限:6月10日(火)

●旅費振込み期限:6月30日(月)
●振込先:三菱東京UFJ銀行 青山支店
    口座番号 4805731
    口座名  株式会社創樹社(そうじゅしゃ)
    TEL    03-3499-0217

●企画・コーディネート&問い合わせ先

    ㈱創樹社 山川泉
         携帯 090-7832-3812
         〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-47-10
TEL 03-3499-0217 FAX 03-3498-7458

●参考資料「君はオオカミになれるか?」(INSIDER No.425より)

 姜戎『神なるオオカミ』(講談社)が凄い。小説というものを余り読まない(というより読む暇がない)私だが、タイトルに強烈に惹かれたのと、中国全土で昨秋までに240万部、海賊版を含めると3000万部近くが売られ、25の言語に翻訳されて世界中でも読まれているというその評判が気になって、邦訳で上下巻計1000ページ超える大著を2日ほどで一
気に読み、幕切れのクライマックスでは最後まで王者の誇りを失わないオオカミの生き方に感動して不覚にも身を震わせて泣いた。

 文化大革命の時期には、都市部の頭でっかちの青年・学生を叩き直すために地方の農村に送り込んで過酷な労働に従事させる所謂「下放」が盛んに行われ、1600万人もの若者が辛酸を嘗めたが、著者の分身である主人公の漢族青年=陳陣は、内モンゴル辺境の高原で昔ながらの遊牧生活を営むモンゴル族の中に飛び込んでいく。そこでの11年間の生活を通
じて彼が思い知るのは、オオカミを頂点として、一方では野ネズミ、野ウサギ、タルバガン、黄羊などの野生動物、他方では主要な生産手段であり価値の源泉である羊と牛、それらを防護・管理するための馬と犬などの家畜が、大草原を舞台に織りなす「生態系」と言ってしまっては余りに奇麗事すぎる食うか食われるかの壮絶な闘争であり、遊牧民たる人間もまたその狭間で食ったり食われたりしながら生きるしかないという赤裸々な現実である。

 遊牧民は知恵の限りを尽くして大事な家畜を守ろうとするけれども、地勢、天候、風向き、植生ばかりか家畜や人間の心理まで読み込んで戦略と戦術を駆使して最終的な目的を達成するオオカミの軍略にはかなわない。それでいてオオカミはただ単に凶暴一本槍なのではなくて、野生動物や家畜や人間と共存しなければならないギリギリの限度も心得てい
て、それによって酷薄な環境の下で草原の自然は辛うじて守られている。故にオオカミは、草原の循環的なロジックの核であり、だからこそ神なのである。しかし、その辺境にもやがて支配的な農耕民のロジックが押し寄せてきて、オオカミは無惨に殺され、草原動物は片端から食われ、そのために草原は荒れ果て、従って家畜は遊牧されずに囲い込ま
れ、遊牧民の数千年の生活文化は破壊されていく。

 昼夜を分かたぬ羊飼いの仕事に携わりながら、しかし羊油ランプの下で読書と思索を怠らない主人公がやがて行き着いていくのは、中国は穏和な農耕民族の国であってそれを時折外部から侵略して破壊したのがモンゴルはじめ遊牧民族であるという中国史の通念の虚偽性である。中華民族の始祖とされる伝説的な炎帝と黄帝がそもそも西北の遊牧民族の勇
将であり、中原に出て半農半牧生活を営んだ。漢族が遊牧民を軽蔑しているのは祖先を忘れ本分を見失っているためであり、漢族もまた一面では遊牧民の出身なのだ。以後、今日に至る中国の歴史は、遊牧民族と農耕民族の対立と統一の歴史であり、中国人が肥沃な農耕環境の中で羊性を強めて軟弱になってくると、天が遊牧民族の狼性を解き放ってその荒々しい血液を輸血するということが繰り返されてきた。近代中国の立ち遅れも羊性に傾きすぎたためであり、今こそ勇猛進取の狼性を取り戻さなければならない。

 このような中国史に対する転倒的な捉え方は、岡田英弘『世界史の誕生』が提起してすでに我々にはお馴染みのものだが、それと近似する史観がこの小説を通じて何百万、一千万の中国人の間に広まっているというのは驚きである。さて、あなたはオオカミ的に生きるのか羊的に生きるのか。1905年にニホンオオカミを絶滅させてしまった日本人に狼性は残っているのだろうか。

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コメント (2)

TATOO刺青を彫ってあるサーファーに狼性が宿ってくる 波乗りと脳ホルモンの関係とで いいよー

ツアー中止になったんですな、ミヤねや出演の後先の日程で多忙だし熱中症の季節だし、モンゴルの情勢不安はかなりこわい。

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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