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私も自衛隊情報保全隊の“監視対象”だった!

共産党の志位和夫委員長が6日午後の記者会見で、陸上自衛隊の情報保全隊が作成した、自衛隊のイラク派遣に反対する全国の市民団体・宗教団体・ジャーナリストなどの動向を調査した内部文書を入手したとして、計11部166ページの資料を公開した。発表に当たって同党は、個人名を黒く塗りつぶしていたが、どういうわけか私、辺見庸、山田洋次などの名は消し忘れ?ていて、私の場合は、平成16年2月7日に旭川市内のホテルで開かれた民主党と連合の共催による「イラクへの自衛隊派遣を考える集会」の項に「講演:高野孟(インサイダー編集長)今のイラク現地の状況は、レジスタンスという段階にある。アラブの人々は元々親日的で同じアジアの日本人と位置づけている。その日本人がアメリカの側につくことは、アラブの人々を裏切ることになる」と講演要旨が記載されていた。それで日刊スポーツ、朝日新聞、TV朝日・報道ステーションなどから電話がかかってきて感想を求められることになった。

報ステは10分くらいしゃべった中のほんの数秒、一言を放映しただけだったし、今日の朝日朝刊も「会場にもぐりこんでメモや録音をしていたのだろうから、一種のスパイ行為。自衛隊に『高野』のファイルがあるかと思うと不愉快極まりない。以前から国民監視活動をしていたのか国会で追及してもらいたい」というだけの引用だったので、各紙・各局にお話ししたことを再現しておこう。

●私個人としては、このことに別に驚いてはいない。権力というのはいつも国民に脅えているもので、大変な予算と人員を投入して国民の動きを監視しようとする。私らは60年代後半の学生運動の時代に、警察=公安にさんざん付け回されて、ある時は、早稲田の文学部キャンパスの下の電話ボックスから電話で本庁に報告している刑事を取っ捕まえて暴行にならない程度に締め上げたりしたこともあるくらいで、権力とのお付き合いの仕方はそれなりに知っている。後に、知り合いの警察官僚から「公安の高野さんについてのファイルは結構分厚いですよ」と言われ、「そうでしょうね」と答えたこともある。米CIAの東京ブランチにも「高野」ファイルがあるらしい。権力から嫌がられるのは、ジャーナリストにとって勲章のようなもので、皮肉を込めて言えば、名誉なことである。

●それにしても、イラクへの自衛隊派遣について、これだけ大がかりな調査をするということは、小泉政権と自衛隊が、いかにイラク派兵政策に自信がなかったか、後ろめたい思いをしていたかを示すものである。情報保全隊というのは、本来、自衛隊員による情報漏洩をチェックする組織なのではないか。それが、国民や言論界の監視までやっているということは、今回初めて明るみに出たことで、イラクに限らずもっと以前からそういうことをやっていたのかどうか、これは税金の使途に関わることなのだから、きちんと情報開示するよう、国会でも追及してもらいたい。

●そもそも、当時の小泉政権は、安易にブッシュ政権に追随してイラク派兵を決めて、それが本当に正しいのかどうか、国民にきちんと説明し説得することを怠って、陰でこんなことをコソコソやって反対論を抑えようとした。今も、アメリカでさえ議会やメディアで「我々はなぜこんな間違いを犯したのか」について真剣な検証が行われつつあるのに、日本では、なぜそんな判断をしたのか、その結果、日本とイラク国民、アラブ世界との関係はどうなったのか、あるいは日米同盟大事はそれでいいとして、何でもアメリカの言いなりでいいのか、といったことを総括しようともしていない。「失敗の研究」をせずに何でも水に流してしまうのが日本の伝統だが、こんなことでは、何度でも同じ間違いを犯して、それに対して異議を唱える者を陰険に抑え込もうとするようなことが繰り返されるのではないか。▲

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コメント (15)

東京新聞社会面には、そのファイルのコピーが掲載されていて、ちょうど高野さんの箇所が出ていて驚いていたところでした。

新聞記事を見ました。なにより気になったのが「反自衛隊」という文言です。まるで自衛隊の敵のような認識をされているかのようで、気分が悪かったです。
みんな、自分の住処である日本に憂いをもっているだけの、民主主義国家では当たり前の国民です。それを敵扱いかのような扱いは、自衛隊の存在意義をも否定しかねないです。

こんなの、自衛隊の上の人も知っていたはずです。偉い人レベルでこの程度です。まったく頭痛のネタです。

有田さんが昨日、「新しい日本のために(2)」で

>6月5日(火)安倍政権に年金問題ではない新たな「爆弾」ありとの情報。本当かな。

と書いていたのはこのことだったのでしょうか?

まさにむき出しの「暴力装置」ですね。

>kaiですさん
情報提供ありがとうございます。
さきほど東京新聞を見てみたらありました!

高野さんについての記述部分を黒塗りにしなかった共産党もフシギですが、100ページ以上もある文書の中からわざわざあの部分を選ぶ東京新聞にもビックリです(笑)

内部文書は「こもんず特捜隊」の欄にもアップしておきました!

「コレが高野孟が自衛隊に監視されていた証拠文書だ!」
http://www.the-journal.jp/contents/news/2007/06/post_100.html

>高野さんについての記述部分を黒塗りにしなかった共産党もフシギです

高野と共産党の関係を考えればわざとって気もします。
「情報保全隊」ってのはあんまりなじみがない団体なんですが、どんなことをする目的の団体なのでしょうか。日本陸軍(通称リクジ)の組織ではどの辺りに位置するのでしょうか。んで、どのくらいの予算と人員なのでしょう。内調など他のスパイ組織との関連は?
しかし、つまらないことに国民のゼーキンを使う人たちですなあ。

しんぶん赤旗3面には、

>このほか、情報誌『インサイダー』の高野孟編集長が〇四年二月七日、旭川市内であった集会で、派兵に批判的な講演をしたことを、内容とともに記録。

とありますので、共産党には(というか赤旗には)他意はなかったのではないでしょうか(WEB版にも掲載)。

「文書B」131ページには、私も仲間と参加したペースパレードの写真が出ていて、赤旗2面にも掲載されています。文書には「キャンドルナイトで防衛庁前を通過する4650名のP系団体」とタイトルがついていますが、勝手に「P系」呼ばわりするなっつうの!

しかし、情報漏洩を防ぐはずの「情報保全隊」の情報が漏洩してしまうってのもナサケナイことではないですかね。

訂正:ペースパレード(誤)→ピースパレード(正)

この権力は大日本帝国憲兵のDNAをもっているのな

保全隊の国民を敵視した監視活動については『基地はいらない、どこにも』という米軍再編に関するドキュメンタリー映像を作っている小林アツシのブログ,米軍再編ってどうよ?に詳しく載っています。
そこにも書かれていますが、こちらのブログに保全隊の成り立ちなど詳しく記されています。

こんな活動がありなら、それこそなんでもあり、恐ろしい社会になってしまったものです。

>どのくらいの予算と人員なのでしょう

西日本新聞の記事によると、情報保全隊の隊員は約900人いるそうです。
http://www.nishinippon.co.jp/news/wordbox/display/4944/

自衛隊1人当たりの人件費は約1000万円といわれていますので、年間約90億円のゼーキンが情報保全隊の人件費に割り当てられていると推測されます。
もちろん、その他にも設備費などの経費がたくさんかかるわけで、毎年ケッコウな額が情報保全隊に費やされているのは間違いありません。

高野さんの講演を聞いて、2行程度のレポートを書いて、「マル秘」のハンコを押す。(流出するぐらいだからマル秘ハンコは押してないのかな?)
諜報活動は地味な仕事だとは聞いていましたが、これほどまでとは。

つまらない計算ですが、年間250日出勤するとして、自衛隊の一日当りの平均給与は約4万円。この仕事の対価としてこの額がふさわしいかどうかはみなさまのご判断におまかせします・・

平和的なパレードに参加してくらいでいちいち監視対象となっていることにびっくりですが(公安は知ってましたが、自衛隊までもとは)、諜報予算でもタウンミーティング並みにザルのようですね。こちらは電通には頼んでないんでしょうか(笑

6月10日テレビ朝日昼の番組でテリ-伊藤氏、黒がねひろし氏、が自衛隊がこのような調査をするのは当然だと言っていた、調査内容が漏れて共産党にわったったことのほうが問題だと言っていた、武装集団が調査した危険性にはふれていなかった、もう一人の新聞みせの人はそうかなあーと首をかしげていた。

共産党が資料公表に当たって私はじめ何人かの名前を黒塗りにしなかったことについては、去る日曜日のサンプロに同党の志位委員長がたまたま(前々から決まっていて)出演した際、番組開始前に控え室ロビーでコーヒーを飲んでいた私を見つけて「あ、そうそう、これだけは高野さんに説明しておかなくては」と言いながら前に座って、次のように言った。

「この発表に当たって、私たちなりに一定の基準を設けて、国会議員などの公人、それに高野さんのようにメディアを通じて公然と自分の考えを主張してきた言論人などは、名前を伏せる必要がないと判断して、黒塗りにしないで発表した」と。

私は、「ま、私ら準公人というか、逃げも隠れもしようがないということですね」と言ってこれを了承した。

そこへ田原さんが寄ってきて、「僕も名前があるんじゃないかと思って期待して見てみたんだが、なかった」とガッカリした様子。志位が「これは、たまたま入手した6週間分のデータですから、他のところには田原さんも出ていたかもしれませんよ」と田原氏を慰めていた。

ブッシュが戦争はじめた時 インターネットの反戦アピールバーナーを載せているサイトは検索上位からはずされたな 言論統制化。

これが問題になるなら自衛隊の駐屯地開放時に色々と情報を嗅ぎ回る共産党員や社民党員、平和団体職員は何でしょうね?
何処の会社でもライバル会社の情報を収集していると同じで例え自衛隊でも情報収集するのは違法でも何でも無いのは明白ですよね。
何故共産党が問題にするのか、そして問題として公表しておきながら裁判として訴えることをしないでいるのか。
自分らにやましいことがあるから裁判という形に持ち込めないのか、それとも法に照らして違法でないのが明白だから裁判に持ち込まないのか。

多分その両方でしょうね。
所詮は共産党という腐った組織がやることですからね。

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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