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石津謙介は「人生四毛作」を生きた!

私は常々「人生二毛作」と言っているが、宇田川悟さんの新著『VANストーリーズ』(集英社新書)によると、VAN王国を築いて日本ファッション界の“神様”と呼ばれた石津謙介は、何と「人生四毛作」を生きたのだという。「人生を米の生産にたとえてみると、大変よくわかる。土地が肥え、気候がよければ、米も四度を限度に収穫することができ、人生もまたうまく過ごせば、四度の収穫期があるということである」と書いている(『人間的な』)。人間、百歳まで生きると仮定して、それを25年ごとに区切る。すなわち一毛作目は25歳までの人格形成期、二毛作目は50歳までの必死に働いて生活を形成する時期、三毛作目は75歳までの新しい人生を楽しむ時期、最後の四毛作目はもうけものの人生で思うままに生きる時期、だと。

それは直接には、戦時下で岡山の生家の紙屋を閉め、戦後大陸から命からがらで引き揚げ、そして67歳の時にVANを倒産させて、人生で3度、無一文になってそれからもなお「悠貧」を自称して、05年に93歳で亡くなるまで、まさに自由闊達に生きた彼自身の人生に根ざしたことではあるけれども、「25年区切り」と一般化して説かれると、なるほど、そういう構え方もあったのかと感心する。私なんぞはまだ三毛作目に踏み込んだばかりの人生半ば過ぎということになる。

私たちが社会に出て、石津の言う二毛作目を歩み始めた頃が、VANに代表されるアメリカン・トラッドの時代で、紺のブレザーにボタンダウンのシャツを着て派手目のネクタイを結んだ。それは、上の世代のドブネズミ色の背広ファッションに対する、「ただのサラリーマンなんかになるもんか」という粋がりの象徴でもあったのだろう。

40歳前後からテレビによく出るようになって、最初のうち私の女友達グループがスタイリスト集団を作ってほとんどボランティアで衣装の面倒を見てくれていたが、今から15年ほど前だったろうか、1週間に2度続けてアサヒビールの当時社長だったか会長になっていたか、樋口広太郎さんにお目にかかることがあって、たまたま私が2度とも紺ブレ姿だったのを見て、樋口さんが「高野君はいいねえ、いつもトラッドでビシッとして」と言った。それで私は「あ、そうか。俺たちの世代はいつもこれでいいんだ」と思い至り、以後、テレビはもちろん普段のほとんども紺ブレとグレーのズボン一本槍にして、Yシャツとネクタイだけでバリエーションを付けるだけに切り替えた。そう決めてしまうと誠に気が楽になり、今日は何を着ていこうかと迷うことがなくなった。

そうなってから気が付いたのだが、これはソニー・ミュージックエンターテインメント元社長、ソニー・コンピューターエンターテインメント元会長のマルさんこと丸山茂雄さんの真似だったのだ。彼は年がら年中、紺ブレに白のポロシャツ、ジーパンに白のスニーカーというスタイルで、改まったパーティであろうと決してそれを崩さないので有名。ソニーを辞めて03年にインディー・レーベル「に・よん・なな・みゅーじっく」を設立して東京と沖縄を往復する今もそれは変わらない。あそこまで徹することは出来ないしその必要もないけれども、マルさん流を自分なりに応用させて貰った形になっている。ちなみに、マルさん関連のサイトは次の通り。▲

に・よん・なな・みゅーじっく http://www.247music.co.jp/
ダウンロードサイト「247mf」 http://www.mf247.jp/
ブログ「丸山茂雄の音楽予報」 http://d.hatena.ne.jp/marusan55/

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コメント (1)

ロングボードサーファーでもある高野さんと、テレビで紹介されている処を想像してみてください、billabonを着てサーフボードと一緒に局入り、政治を語る。こんないい生活がやるきしだいで鴨川で手に入る。いいなー 

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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