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2007年1月28日

今日のサンプロは「そのまんま東」!

今日のサンプロは、そのまんま東=宮崎県知事がメイン。彼は00年に早稲田大学第2文学部に入学、4年生の時に田原総一朗塾長、高野補佐の「大隈塾」授業を200人の学生に混じって受講した、言うならば田原・高野の教え子。大隈塾は学生の中から次世代のリーダーとなるような人材を育成しようというのが趣旨なので、その意味で彼は早速、同塾生の中から出現したリーダー第1号ということになる。

卒業後、さらに政治経済学部に入って2年間在籍し、その間に政治や地方自治を熱心に勉強し、また大学院の公共経営科を指導する北川正泰=元三重県知事の下にも通って、自治体経営やマニフェスト選挙について学んでいて、並みのタレント知事とはちょっと素養が違う。彼が県知事選出馬を決意してから2週間で作り上げたマニフェストも、全文を改めて読めば、なかなか良く出来ていて、これが他の2候補に差をつける一因となったことを窺わせる。今日の朝日新聞第2社会面に出ていた記事によると、このマニフェストは、東自身が骨格を書いて、早稲田の公共経営を通じて知り合った大学院生やその仲間の主として団塊ジュニアの政策研究者や各分野のプロ15人のチームが無償で協力して作り上げたものだという。早稲田での体験は決して無駄になっていないどころか、大いに役立っていて、彼が志を持って早稲田に入り、大隈塾を受け、着々と準備してきたことが分かる。

とはいえ、保守の牙城である宮崎で、県庁の役人や議会の古狸らとこれからどうやり合っていくのかが問題で、早速いくつもの試練に見舞われているようだ。彼が今日の番組の中で言っていたところでは、就任早々に鳥インフルエンザ問題が勃発、「すぐに現地に行きたい」という新知事に対して役人は「前例がない(から行かなくていい)」「公用車の手配は手続きに時間がかかる」とか言って行かせたがらない。「じゃあ自分の車で行く」と言うと、「いや、それは困ります」ということでようやく片道3時間かけて、ともかくも現地に出向いた。帰ってから「県の防災用のヘリコプターがあるのに」と人に教えられ、役人にそれを言うと、「いえ、いま修理中で使えないので、敢えて知事には申し上げませんでした」と。こうやって何だかんだ言って知事に面倒な動きをさせないで自分たちの管理下に押し込めることに役人は全力を注ぐわけで、それと闘いつつ道を開いていくのは大変だ。1つ間違えば、田中康夫=前長野県知事のように県庁全体を敵に回して身動きがとれなくなるし、逆に転がれば、青島幸男=元都知事のようにいとも簡単に取り込まれて選挙民の視野から消えてしまうことにもなる。

まあとにかく頑張って欲しいですね。サンプロとしては、今後も節目ごとに東知事の奮闘ぶりを伝えていくことにした。▲

2007年1月26日

8年間書き綴った『乗馬ライフ』コラムが最終回を迎えた!

『乗馬ライフ』というのは、隔月刊のほとんど日本で唯一の乗馬雑誌で、私はそこで足かけ8年間、コラムを連載してきた。このほど同誌が編集体制を一新して月刊化に踏み切ることになり、その機会に連載を終えるになった。最終回に次のような原稿を書いた。47回に及んだ連載の内容は、近々、私の個人サイト「高野孟の極私的情報曼荼羅アーカイブ」に収録する。

8年間の乗馬人生記録にお付き合い頂き
ありがとうございました

 この連載は、以前の「十勝森林警備隊馬日記」から通算すると足かけ8年47回も続いてきたが、今号をもって最終回を迎えることになった。私が帯広のリバティ・ファームで初めて野外乗馬の楽しみに出会ってたちまちその虜となり、年に数回は帯広はじめ北海道各地に通い詰めながら、岩手、神奈川、山梨、長野、福岡、熊本、鹿児島、さらにはモンゴル、タスマニアへと足を伸ばして、トレッキングで遊び、エンデュランスを競い、あるいはフランスの騎馬オペラ「ジンガロ」の日本誘致に取り組んだり、「NPO神奈川馬の道ネットワーク」の設立に奔走したりもした、私の馬との関わりのほとんどすべてがここに記録されてきた。このような機会を与えていただいた本誌編集部と読者の皆様に改めて感謝の意を表したい。

日本人は慌て者?

 この連載の底に一貫して流れていたのは、日本人の暮らしの中に馬を取り戻したいという私の切望だった。私が子供の頃は、東京・世田谷あたりでもまだ荷馬車が走っていて、祖母からは「馬糞はいい肥やしになるから拾っておいで」と言われたし、農村に行けばどこの家にも馬がいて、家族同様に人と一緒に暮らしていた。ところが昭和30年代になってトラックや耕耘機が普及し始めると、日本人は馬をまるで前近代の象徴であるかに忌み嫌って、たちまち暮らしの中から追い出してしまい、後に残ったのはギャンブルとしての競馬と一握りの人のための馬場馬術だけだった。
 ところが欧米では、自動車時代が来ても馬は人類数千年の友であり文化であるという認識を基礎にして、馬のいる暮らしをしっかりと守り抜いた。前に書いたことがあると思うが、西ドイツと呼ばれた頃のドイツの田園地帯では、タイヤの轍の分だけ舗装して真ん中に草を生えさせた農道があり、「どうして?」と訊くと「真ん中は馬が走りますから」と言われて驚愕した。馬と言ってもそれは牛乳運搬用の馬車の通り道で、その地方では今も、牛乳の流通は馬車で配送できる範囲までという伝統を守っている(ので加熱処理をしたり防腐剤を入れないで済む)のだそうだ。フランスでは、どこの村にも馬のいる農家民宿があって、それを借りて森や古城を散策することが出来るし、隣の村まで行って別の馬に乗り継いで旅を続けることも出来る。米国では、中西部の壮大な景観に不可欠の“景観動物”として馬の飼育に観光予算から補助金が出ているとも聞いた。もちろんどこでも、学校教育や障害者セラピーに馬を役立たせてもいる。
 それが成熟先進国らしい心のゆとりというものであり、それと比べて日本は目先の効率ばかり追い求めて大切なものを見失っていることに気付かない、まだまだ発展途上国並みの文化水準なのである。東北地方の寒村では、「年老いた馬の処理に困って屠場に送り、厩を急いで軽トラックの車庫に改造した家もあった」という古老の話を聞いたことがある。そんなに慌てて馬を捨てることもなかったろうに、その頃の我々は金稼ぎに必死で、文化に想いを寄せる暇などなかったのだろう。要りもしないダムや河口堰をやたらに作り川をコンクリートで3面張りにして自然の生態系を破壊したり、大規模団地の開発のために貴重な古代遺跡を掘り起こしたりして平気だった荒々しい時代の風潮の中で、馬もまた無惨に日本社会から抹殺されたのである。

暮らしの中に馬を

 しかし、日本的発展途上国の最後の徒花としてのバブルが弾け、その後の10年、15年に及ぶ暗中模索の末に今ようやく我々はまともな成熟先進国の住人として、もっと落ち着いた、安部総理のスローガンを借りれば“美しい”暮らしぶりを築き上げていくその入口にようやく到達した。そういう時だからこそ、単にスポーツやレジャーのためだけでなく、我々の自然への畏怖や生きものの命への愛の象徴としての馬を暮らしの中に復権させる必要がある。
 今年から本格的に活動を開始する予定の「神奈川馬の道ネットワーク」は、神奈川の湘南海岸や相模川河川敷や丹沢・箱根の山中の林道のどこにでもいつも馬がいるような県が首都圏の一角にあったらどれほど楽しいだろうかという発想から始まった。また私は今春、安房鴨川の山林に家を建てて移り住むが、すぐには無理でもいずれそこにも馬を飼って、近所の居酒屋まで馬に乗って飲みに行くことを夢見ている。私は私なりに出来ることをする。皆さんも是非、馬文化の復権のために何か1つでも出来ることを試みて頂きたい。長い間のご愛読、ありがとうございました。▲

2007年1月25日

國貞陽一著『寿 [kotobuki] 魂』を読んで懐かしかった!

國貞陽一さんという未知の方から『寿 [kotobuki] 魂』という本を贈って頂いた。何気なく開くと第1章が「発火点『エストニア・ロック・サマー』」で、私の名前も出てくる。えっ、あの「寿」か! うぉー、懐かしい! まだ頑張っているのを知って嬉しかった。
kotobuki2.jpg

「寿」は、沖縄出身のギタリスト=宮城善光(ナーグシクヨシミツ)が作ったオキナワン・ロックのバンドで、彼が85年に東京の音楽専門学校でナビィというサックスを吹く女の子と出会って参加を求め、やがて彼女がメイン・ヴォーカルを務めるようになって、今も年100回ほどのライブを中心に息の長い活動を続けているのだという。まだ彼らがほとんど無名に近かった91年、旧ソ連支配下(と言ってももう独立直前)のエストニアのロック・サマーに京大理工学部出身のテクノバンド「ボ・ガンボス」と共に“日本代表”として私が引率して連れて行ったのだ。

私は、愚弟=津村喬の手引きで88年頃からエストニアの独立運動にコミットして、取材と支援を兼ねて年に1回程度、エストニアはじめバルト3国に通っていた。KGBの厳しい監視下で、少人数の集会1つ開くことも、エストニア語をしゃべることすらも、禁じられている中で、ユーリ・マカロフという山っ気たっぷりの青年が組織者となって首都タリン郊外の巨大な野外音楽堂で「ロック・サマー」を開いて、その時だけは堂々とエストニア語で歌を唄ってそこに独立と民主化への願望を滲ませるという試みを始めた。私は89年7月の第2回ロック・サマーを取材し、さらにその年8月にはバルト3国の首都を100万人が手を繋いで独立と民主化への願いを表現した「人間の鎖」も取材してその模様をドキュメンタリーにして放送した。欧米からそこそこの有名バンドも駆けつけて、3日間延べ30万人の聴衆を集めて大いに盛り上がった後の宴で、ユーリが「来年は日本からバンドを出してよ」と言う。それで、帰国してすぐに当時ソニー・ミュージックの社長だったマルさんこと丸山茂雄さんに相談して、ボ・ガンボスともう1つスターリン(名前が受けるだろうということで)を参加させる準備を開始したが、翌90年は旧ソ連との緊張が高まってロック・サマーが中止になってしまった。それで91年の第3回で、もう一度巻き直して、ボ・ガンボスと寿という取り合わせで行ったのである。寿はまだデビュー間もない頃で、元気いっぱい、弾けるような歌でたちまち会場の人気者となってしまった。

その時のことをINSIDER No.256(91年8月1日号)で次のように報告した。

●エストニアの首都ターリンで7月19〜21日開かれた“ロック・サマー1991”には、日本から「ボ・ガンボス」(エピック・ソニー)と「寿」(レコード未デビュー)の2バンドが初参加、3日間累計で25万人(推定)の聴衆から大喝采を浴びる成功を収めました。88年、89年に続いて第3回になるこのフェスティバルには、15カ国から32バンドが集まり、一杯に詰まれば15万人入るというメイン・ステージ、森の中のサブ会場であるグリーン・ステージ、それにビア・ガーデンになっているビア・ステージの3カ所で、それぞれ1〜1時間半の演奏を繰り広げました。日本以外の主な顔ぶれは、ボリス・グレベンシコフ(ロシア)、セクセピル(ハンガリー)、レニングラード・カウボーイズ(フィンランド)、カオマ(ブラジル)、ファビュラス・サンダーバーズ(アメリカ)、ハート・ルージュ(カナダ)、ザ・ストゥラングラーズ(イギリス)といったところで、一番最後はエストニアの人気フォーク・グループである“イエロー・サブマリン-G”が「今は苦しいけれど……」という歌を唱って締めました。89年の前回は、ちょうどエストニアの人々が50年に及ぶソ連の占領・支配から脱する光明をようやく見い出した段階で、このような催しを自由に開けること自体への歓喜が会場に満ちていたのですが、2年経った今では自由はもう当たり前になっていて、シラケとは言わないまでも、聴衆の動員も盛り上がりの度合いも、一昨年に比べるといまひとつという感じがしました。とはいえ、これがソ連で最大の、しかも初めての純民間の自立したロック・コンサートであって、主催者が企図したとおり「東西の音楽の掛け橋」の役目を果たしたことは疑いもありません。音楽が世の中を動かしている——というとちょっと言い過ぎかもしれませんが、少なくとも、音楽が世の中のうねりと一緒になって息づいているのを全身で感じ取れるというのも、そう滅多に経験できることではなくて、そういう意味では、日本から行った2つのバンドも大変な刺激を受けて帰って来たようです。ボ・ガンボスのリーダーであるドントの手記が『朝日ジャーナル』に、インタビューが『週刊プレイボーイ』に近く出る予定ですのでご覧下さい。またテレビでは東海TV中心のネットで8月20日に放映予定です。

私がエストニアのロック・サマーに首を突っ込んだのは翌92年までで、その時は「東京スカ・パラダイス」のブンチャカブンチャカ・バンドを連れて行った。楽しい思い出だ。▲

2007年1月23日

安部内閣支持率が40%を割った!

今日の朝日新聞に出た世論調査結果では、安部内閣の支持率は前回12月の47%からまた大きく落ち込んで39%となった。政権が発足した9月から10月が63%、11月が53%だったから、10月以降、−10、−6、−8という落ち様である。普通、30%台に入ると「危険水域」と言われるので、黄信号点滅状態に入ったということである。

不支持の理由としては、「政策の面(が不満)」58%、「頼りない内閣」67%もさることながら、何と言っても松岡、伊吹ら閣僚の政治資金疑惑の実態が「解明されていない」85%が大きい。郵政造反組の復党、道路財源問題での後退、本間政府税調会長や佐田行革相のスキャンダル辞任、いくつかの重要法案の放棄などと重ね合わせて、安部がリーダーシップを発揮できないままズルズルと後退を重ねつつ「古い自民党」の復活を許しているというイメージが定着しつつあると言える。朝日2面の解説によると、自民党内には早くも「安倍政権も死に体になってきた」との声が出始めているという。

安部自身は22日夜の会見で「支持率を回復させようという気持ちで政治をやっていては正しい政治はできない。正攻法で政策を実行して評価を得たい」と言っているが、その正攻法とは、安部本来のタカ派路線を遠慮せずに打ち出して保守層の期待を裏切らないようにするということであり、つまりは参院選の中心争点を「憲法」に定めるという路線だが、朝日調査では改憲を争点化することを「妥当」とする者は32%にとどまり、「そうは思わない」が48%と半数近くあって、これが裏目に出る可能性を暗示している。

にもかかわらず、安部自民党が参院選で「勝てる」と見る者は44%で、「勝てない」の28%を大きく上回った。これは裏返せば小沢民主党が頼りないことへの失望感の表れで、事実、小沢民主党が参院選で「勝てる」と見る者はわずか13%、「勝てない」が61%にも及んでいる。民主党が野党第1党の役割を果たしているかの問いには、69%が「果たしていない」と答え、「果たしている」は17%に留まっている。民主党にとっても深刻な結果である。

このような状況は、21日の宮崎県知事選でそのまんま東が、無党派層の圧倒的支持を得て自民・公明推薦の元経産省課長、自民一部・民主相乗りの前林野庁長官を破ったことにも表れている。官製談合で前知事が逮捕されたのを受けた選挙に、どちらも官僚出身者を候補にするということ自体が選挙民をなめていることを示していて、そのような2大政党のどちらにも県民はNOを突きつけたのである。両党とも参院選に向けての無党派層対策を迫られることになる。

なお、同じく今日の読売の調査では、やはり「内閣支持続落」で48.4%だった。読売では、10月70.0%、11月65.1%、12月55.9%だったので、−4.9、−9.2、−7.5という下がり方である。▲

2007年1月19日

突然の「納豆品切れ」に見る日本人の馬鹿さ加減!

昨日の『日刊ゲンダイ』が「TVもTVだが、信じる方も信じる方/空前・納豆ブームのアホらしさ」という記事を掲げていた。フジテレビ系の「あるある大事典」で7日、「大豆に含まれるイソフラボンがDHEAというホルモンを増やすので、納豆を朝と晩に2パック食べると痩せる」と紹介したところ、全国のスーパーでいっぺんに納豆が品切れとなる馬鹿騒ぎが起きた。同紙は、『ウソが9割、健康TV』著者であるお医者さんの「イソフラボンはあくまでDHEAの原料に過ぎない。インスリンを摂取するために原料のアミノ酸を取り入れても意味がないのと同じ」というコメントを載せ、「それにしてもTVを盲信し、納豆売り場に突進する日本人はどうかしているんじゃないか。日本人特有の群集心理」と書いているが、その通りだ。

インサイダー読者である東北地方のローカル・スーパーの幹部のメールによると、実際に店頭から納豆が消えた店舗も出てきたため、納豆メーカー最大手の「タカノフーズ」と「ミツカンチルドカンパニー」は11日の朝刊に「納豆欠品」をお詫びする社告を掲載した。「TVの影響によるフードファディズム(食品に対する流行かぶれ)で社告まで出たのは初めてだろう」と彼も驚いているが、しかしスーパーの幹部ともなればそんなことを言って笑ってもいられない。必死で納豆メーカー各社と交渉を重ね、ついにはタカノフーズの工場へも直接電話をかけて商品の安定供給を働きかけた結果、同工場側が「工場にまで電話をかけてきたのはおたくだけだ」と評価してくれて、全国欠品という事態の中でも特別の配慮で商品を回して貰うことになったのだそうだ。そりゃあ、スーパーの立場としてはお客に「お前らどうかしているんじゃないか」とは言えないからねえ。

他方、アメリカではブッシュ大統領のイラク米軍増派に反対する超党派の決議案が提出され、来週にも可決される公算が大きくなって、メディアでも「増派反対=早期撤退」論が強まっている。『NYタイムズ』18日付の論説欄にはレーガン政権やブッシュ父政権で経済政策を担当して今は著述家となっているブルース・バートレットが、戦争前に書いたコラムではイラクに大量破壊兵器が存在するとの政府が流した情報を疑うこともなく信じたが故にイラク侵攻に賛成を表明したが、今はそれを恥じていて、もはや一刻も早く撤退するしかない、ブッシュの嘘のためにこれ以上米兵に犠牲が広がるのを許すことは出来ない、と書いている。それに対する読者の書き込みに、こういうのがあった。「私は開戦直後から大量破壊兵器は見つからないと主張し、戦争支持者の友人に対して自分の家屋敷を賭けてもいいとまで言った。あなたをはじめ多くの人々がブッシュ政権の大量破壊兵器についての主張を信じたことは、あなたがいかに騙されやすく(gullible)、またメディアがいかに我々を欺いているかを示すものだ」と。まあ、納豆くらいでガリブルなのはかわいらしい話で、ガリブルさのために戦争を熱狂的に支持したりするよりマシだとは思うけれど。

ちなみに自慢じゃないが私は、9・11から1周年を過ぎた02年9月30日にも、イラク侵攻開始の直前の03年2月17日にも、大量破壊兵器はない可能性が強いし、仮にまだ残っている疑いがあるとしても、それは強制査察をすればいいだけのことで戦争を始める理由にはならないと述べていた(『滅びゆくアメリカ帝国』参照)。ガリブルではジャーナリストは務まらない。▲

2007年1月16日

石津謙介は「人生四毛作」を生きた!

私は常々「人生二毛作」と言っているが、宇田川悟さんの新著『VANストーリーズ』(集英社新書)によると、VAN王国を築いて日本ファッション界の“神様”と呼ばれた石津謙介は、何と「人生四毛作」を生きたのだという。「人生を米の生産にたとえてみると、大変よくわかる。土地が肥え、気候がよければ、米も四度を限度に収穫することができ、人生もまたうまく過ごせば、四度の収穫期があるということである」と書いている(『人間的な』)。人間、百歳まで生きると仮定して、それを25年ごとに区切る。すなわち一毛作目は25歳までの人格形成期、二毛作目は50歳までの必死に働いて生活を形成する時期、三毛作目は75歳までの新しい人生を楽しむ時期、最後の四毛作目はもうけものの人生で思うままに生きる時期、だと。

それは直接には、戦時下で岡山の生家の紙屋を閉め、戦後大陸から命からがらで引き揚げ、そして67歳の時にVANを倒産させて、人生で3度、無一文になってそれからもなお「悠貧」を自称して、05年に93歳で亡くなるまで、まさに自由闊達に生きた彼自身の人生に根ざしたことではあるけれども、「25年区切り」と一般化して説かれると、なるほど、そういう構え方もあったのかと感心する。私なんぞはまだ三毛作目に踏み込んだばかりの人生半ば過ぎということになる。

私たちが社会に出て、石津の言う二毛作目を歩み始めた頃が、VANに代表されるアメリカン・トラッドの時代で、紺のブレザーにボタンダウンのシャツを着て派手目のネクタイを結んだ。それは、上の世代のドブネズミ色の背広ファッションに対する、「ただのサラリーマンなんかになるもんか」という粋がりの象徴でもあったのだろう。

40歳前後からテレビによく出るようになって、最初のうち私の女友達グループがスタイリスト集団を作ってほとんどボランティアで衣装の面倒を見てくれていたが、今から15年ほど前だったろうか、1週間に2度続けてアサヒビールの当時社長だったか会長になっていたか、樋口広太郎さんにお目にかかることがあって、たまたま私が2度とも紺ブレ姿だったのを見て、樋口さんが「高野君はいいねえ、いつもトラッドでビシッとして」と言った。それで私は「あ、そうか。俺たちの世代はいつもこれでいいんだ」と思い至り、以後、テレビはもちろん普段のほとんども紺ブレとグレーのズボン一本槍にして、Yシャツとネクタイだけでバリエーションを付けるだけに切り替えた。そう決めてしまうと誠に気が楽になり、今日は何を着ていこうかと迷うことがなくなった。

そうなってから気が付いたのだが、これはソニー・ミュージックエンターテインメント元社長、ソニー・コンピューターエンターテインメント元会長のマルさんこと丸山茂雄さんの真似だったのだ。彼は年がら年中、紺ブレに白のポロシャツ、ジーパンに白のスニーカーというスタイルで、改まったパーティであろうと決してそれを崩さないので有名。ソニーを辞めて03年にインディー・レーベル「に・よん・なな・みゅーじっく」を設立して東京と沖縄を往復する今もそれは変わらない。あそこまで徹することは出来ないしその必要もないけれども、マルさん流を自分なりに応用させて貰った形になっている。ちなみに、マルさん関連のサイトは次の通り。▲

に・よん・なな・みゅーじっく http://www.247music.co.jp/
ダウンロードサイト「247mf」 http://www.mf247.jp/
ブログ「丸山茂雄の音楽予報」 http://d.hatena.ne.jp/marusan55/

2007年1月10日

襟裳は今年初めての真冬日、烈風が吹きすさんでいた!

今朝は5時起き、風呂に入りコーヒーを飲んでタクシーで大船駅に行って6時の電車に乗って羽田空港へ。7時55分発の帯広行き第1便で雪の帯広空港に降り立つと、迎えに来てくれたのは旧知の兼田紀幸さん。これがまた面白い因縁で、NHK「飛び出せ!定年」の取材・制作を請け負っているパオ・ネットワークというプロダクションの稲垣綾子ディレクターとカメラマン、音声アシスタントの3人は、一昨日に帯広でチーズ工房を取材した後、その近くに泊まってさらに周辺取材を続け、昨日のうちに襟裳に入っていた。それで、今朝になって再び帯広空港に着く私を迎えるために「日交ハイヤーえりも営業所」に前日電話して、「高野孟というのが明日帯広空港に来るので迎えに行ってもらいたい」と言った。その電話に出たのが、同営業所の2人しかいない運転手さんの1人である兼田さんで、彼は「エッ、高野さん、私知ってますよ。4年前に襟裳で一緒に一晩酒を飲んだんですよ。是非私に迎えに行かせて下さい」と言った。稲垣ディレクターは大いに訝って、私に電話して来て「そう言っているんですが、兼田さんてご存じですか?」と聞く。私は分からず、「うーん、確かに4年前に襟裳に友達と一緒に馬に乗りに行って、プライベート牧場を持っている神主さんやその馬仲間の方々と痛飲したけれども、襟裳のタクシー運転手の方はそこにいなかったと思うけど」と言ったのだった。

空港に降り立つと、その兼田さんが迎えに来ていて、襟裳に向かう1時間20分ほどの道すがらいろいろお話しをして、ようやく事情が判明した。4年前、正確には03年6月のその時、私は帯広での馬仲間というか私の馬の先生であるガンちゃんこと岩村和太一さんに連れられて襟裳に行った。岩村さんは帯広に住む航空自衛隊員で、前は根室レーダーサイト勤務だったが、5年前に襟裳のレーダーサイトに転勤になっていた。襟裳に行ったら、そこに自分の牧場で馬を飼って乗り回して遊んでいる手塚さんという馬好きの神主さんがいて、面白いから一緒に行こうと言うので、日程を組んで初めて襟裳を訪れた。元は牛の放牧場だった広大な原野や太平洋に面した百人浜の海岸をさんざん馬で走り回って夕方から牧場で宴会になると、そこへ東隣の浦河から別の牧場の馬仲間数人が交流に来て合流し、一層盛り上がった。兼田さんはその浦河グループの1人だったのだ。当時、兼田さんはまだ自治体の職員を辞めて馬の仕事をしようとしていた頃で、ところがその後、ひょんなことから「日交ハイヤーえりも営業所」の運転手が1人辞めて空きが出来たので来てくれないかという話が舞い込んで来て、彼は襟裳に移り住んでその仕事に就いた。だから、私が「兼田さんというタクシーの運転手さん」と言われて分からなかったのは当然だったのだ。その兼田さんが、たまたまプロダクションのディレクターが電話帳で調べて「高野を迎えに行ってくれ」と電話したその電話を受けるなんて偶然がありうるのか。これは本当にビックリした。

襟裳の取材相手は、えりも町の外れの庶野地区にある道立診療所のお医者さんである清水公男さんだった。長野県で大病院の部長を務めていながらそのポストを投げ打って、1年半ほど前に無医状態だったその診療所の医師として単身赴任で飛び込んできた赤ヒゲ先生で、その生き方には共感するところが多かった。取材の合間にちょっと時間があったので、兼田さんの車で航空自衛隊襟裳レーダー基地に岩村さんを訪ねた。岩村さんは突然現れた私に大いに驚き、兼田さんと一緒だったことになおさら驚いた。「せっかく来たんだから隊長に会って行ってよ」というので、正式名で言うと航空自衛隊襟裳分屯基地・第三十六警戒隊長、二等空佐、川口正志さんを表敬訪問して、コーヒーをご馳走になって四方山話をした。それにしても襟裳の寒風は凄まじく、鼻水が止まらなくなった。聞けば、昨年末までは暖冬気味で大して雪も降らなかったのが、ここへ来て急に寒くなり、昨日今日が今年初めての真冬日なのだという。

そんな訳で、人の縁の不思議を改めて感じた一日だった。それからまた兼田さんの車で帯広空港に走り、20時20分発の羽田行き最終便で帰った。岩村さんも今年5月で定年退職だという。岩村さんがいる間にもう一度襟裳に行って馬に乗らなければならない。

あ、今思い出した。私は4年前に襟裳に行った時の話を、『乗馬ライフ』03年8月号の連載コラムに書いていた。その全文は次の通り。

6月に帯広市の隣の清水町で講演の仕事があったので、仲間を誘って久しぶりに帯広の牧場を訪れて馬と遊んだ。そのあと今回は特別に襟裳岬に行って馬に乗ろうということになって、ガンちゃんの案内で100キロ余り車で走って「えりも森の騎馬隊」の本拠地に乗り込んだ。ガンちゃんは帯広在住の馬仲間・酒仲間で、鹿討ち名人にしてアウトドア万能の遊び上手だが本職は航空自衛隊員。昨年、勤務先が根室から襟裳に替わったのだが、そこで早速すばらしい馬仲間たちに出会ったので、一度遊びに来てくれと前々から言われていたのが、ようやく実現したのである。

着いたのは、えりも町苫別のゆったりとした森に囲まれた牧場。大きなストーブのあるクラブハウスに隣り合って馬具小屋があり、その横の大木の上にはいかにも手作り風のツリーハウスがあってハシゴで登っていくようになっている。向こうには2階建てのログハウスがあり、その前に「えりも森の騎馬隊」の看板が誇らしげに立っている。一目見て「うわあ、いいなあ」と声が出てしまう、大人の遊び心にあふれたスペースである。

ここの主は、手塚裕紀さんご夫妻。2人とも颯爽たる乗馬服姿がよく似合う、道内各地のエンデュランス大会にも揃って出場したりもしているライダーだが、ご主人は何と、由緒ある「えりも総鎮守・住吉神社」の宮司を務めておられるれっきとした神主さん。「私は神主ですが、カトリックの教えを守っていまして」と言うから何のことかと思えば、産児制限なしの8人の子だくさん。子どもを1人授かったら馬を1頭飼おうということで飼い始めたらいつしか8頭になり、それがまた子馬を生んだりポニーを買い足したりして十数頭に増えたので、牧場を作ってしまったという変わり者である。

週末になると、えりも町や近隣の仲間20人余りが集まって、国有林・道有林や、環境保護のための植林活動で知られる百人浜の海岸をトレッキングしてはバーベキューで宴会というプライベートの乗馬クラブとして運営してきたが、それが昨年、道の「日高森づくりセンター」から「えりも森の騎馬隊」として認定を受け、その称号を貰った。これは、道が昨年4月に「北海道森林づくり条例」を制定、役所と道民が協同して森林愛護の運動に取り組み始めた中で、日常から森の中で乗馬トレッキングやキャンピングをしている乗馬クラブに道有林を開放する代わりに、山火事、盗掘、ゴミの不法投棄の防止や野生動植物の生息調査のための巡回活動をして報告して貰おうという趣旨で始まった仕組み。ここが道内の認定第1号である。

さっそくガンちゃんと隊員の吉田忠喜さん、それに私の3人で山に入った。そこは見渡す限りの広大な道有林で、谷を渡り丘の牧草地を越え次第に高い山の上に登っていくと、遠くに襟裳岬とその先の海が見え、反対側には日高山脈の峰々が迫る。草地を走っていると、蹄の音に驚いた20頭ほどの鹿の群れが林から飛び出して目の前を横切る。「鹿だーっ、追えーっ」と叫んで競争になるが、やはり人の乗った馬よりも鹿のほうが速い。1時間ほど走り回って、山を下りて今度は百人浜に出て海岸トレッキングを楽しんだ。

基地に戻ると、隊員たちが「今朝、ウチの前の海で採ってきたんだ」と言ってウニを持ってきたり、「鴨鍋を作ってきたから」とまだ湯気の立つ大鍋を抱えてきたりして、明るいうちから大宴会である。中には、日高サラブレッド銀座の一角にある「聖心台ライディング」牧場のオーナーやスタッフたちのご一行もいる。自分のところが乗馬クラブなのになぜここまで来るのかと問えば、「ここは自分らにとって心の安まる奥座敷なんです」と言う。乗馬クラブの人たちが遊びに来る乗馬クラブというのも珍しい。

ちょうどその日は、日高地方の乗馬施設が作る「ひだか路ホースネットワーク」の主催による2泊3日150キロのホーストレッキングが行われていた。今年で3回目になるこの催しは、浦河町の「優駿ビレッジ・アエル」から三石ダム、静内キャンプ場を経て北大農学部静内牧場まで、急坂や川渡りもある厳しいコースに13人が挑んだ。来年はえりも町まで達するルートを開発する予定だとのことで、そうなると襟裳から様似、浦河、三石、静内、新冠と6つの町を横断する壮大なトレッキングコースが出来て、やがてここが道内のトレッキングやエンデュランスのもう1つのメッカになるかもしれない。北海道で馬に乗る楽しみがまた広がりそうである。▲

2007年1月 9日

私の初詣は安房神社、御神籤は大吉でした!

1月3日に家内と女友達を連れて3人で安房鴨川の自宅建設現場を見に行って、その夜は鴨川のプチホテルに泊まって、翌日南房総の海沿いに走るフラワーラインをドライブして、ついでに館山市の「安房神社」にお参りした。御神籤を引くと「大吉」で、「最初は危うく心配なことがありますが、神代さながらにお詣りすれば決して迷うことはありません。後には何事も平和に収まります」と。「転居」は「よし。支障なし進めよ」とあるので、今春の安房鴨川の新居への引っ越しは問題なし。「願望」は「初心に返り励めば万事順調」、「事業」は「他に手を出すと失敗する」なので、《ざ・こもんず》の事業は初心を忘れず脇目もふらずに追求すれば成功するということだろう。

安房神社http://www1.ocn.ne.jp/~awajinja/は、鴨川市を含む安房国の一之宮で、天照大御神の側に仕えた天太玉命(アメノフトダマノミコト)が主祭神。この天太玉命は古代日本の生産技術者集団=忌部氏の祖で、その孫に当たる天富命(アマノトミノミコト)が阿波(徳島県)で麻と穀(カジ=紙などの原料)の栽培を行い、さらに新たなフロンティアを求めて阿波忌部氏の一部を引き連れて黒潮に乗って房総半島最南端に上陸、開拓を進めたので、この地が阿波→安房と呼ばれることになった。その意味で、安房の原点に当たるのが安房神社で、そこで新年早々「お前、安房に引っ越してきていいよ」と言われたのは有り難いことではある。暁玲華さんが「初詣は地元で」と言っているが、図らずもそういうことになって、まずは順調な新年の滑り出しである。

昨日は帯広に飛んで、NHK「飛び出せ!定年」の取材で、中札内のチーズ工房「十勝野フロマージュ」の赤部紀夫さんを訪問。夕方帯広を汽車で出て札幌泊、今日はホテルでラジオ2本に電話出演してから関西空港に飛んで夕方、大阪読売テレビの「情報ライブ・ミヤネヤ」に出演、宮根キャスターらと新年会で天下一品の焼肉を頂いて深夜帰宅し、今これを書いている。明日は5時起き、もう一度帯広に飛んで上記NHKの取材の続きで襟裳岬に行って日帰り帰宅。明後日はまた5時起きで成田経由で台湾へ。まあ忙しいことだ。▲

2007年1月 7日

今日のサンプロは芸能番組っぽい乗りで、果たして?

今日の今年第1回の「サンデー・プロジェクト」は、新春スペシャル「2007年問題」で、(1)「団塊世代」の名付け親=堺屋太一さんの「これから黄金の10年が始まる」、それを受けて(2)もろ団塊の舛添要一、菅直人、穀田恵二、高橋三千綱、吉永みち子、山本コウタロー、沢田亜矢子という豪華顔ぶれによる討論、(3)老いてますます盛んな渡辺淳一さんと映画「愛の流刑地」に準主役で出演した女優の長谷川京子さん——という、ほとんど芸能番組じゃないかと思わせる珍しい構成で、さて果たして視聴率は吉と出るか凶と出るか。

堺屋さんの「黄金の10年」説には私も基本的に賛成で、団塊世代700万人が企業や組織の呪縛から自由になって「好きなこと」を始めれば、社会のあり方を変えるような大きなうねりが生まれるだろう。ただその場合に留意しなければならないのは、(a)大企業のサラリーマンで定年後も企業年金を合わせると月40万円くらいの収入があって、本当に好きなことが出来る人たち、(b)今日集まった政治家や作家やミュージシャンや女優のように元々フリーランスであったり、また自営業者であったり、収入は不安定でも最初から好きなことをやって生きて来て、これからもそうだろうという人たち(私もその部類)、(c)退職金もないか、あってもわずかで、年金も最低限だし、再就職の機会にもなかなか恵まれないで不安を抱える人たち——という具合に、3極分解が起きつつあることだろう。そうそう楽観論ばかりを言っているわけにはいかない。

60年代の学生運動時代の評価をめぐっては、堺屋さんが「戦後、経済大国・軍事小国という方向性を作ったのは自分や田原さんの世代で、団塊世代はそれに沿って爆発を起こすエンジンの役割を果たしたが、しかし新しい方向性を打ち出すには至らなかった」と言ったが、それはそのとおりだろう。とはいえ、その根底に、菅が言ったように「近代文明の行き詰まり」に対する異議申し立てがあり、そしてコウタローが言ったように、それに対して(感性レベルではあるけれども)ヒッピー的な「自然回帰」とか何か新しい文化をオルタナティブとして対置しようとし、しかも多くの人たちがその時代に自分で発見したことをやめずに今もこだわって引きずって生きているのは事実であり、そこに堺屋さんの言う「好きなこと」の花盛りが起きる可能性が秘められていると言うべきだろう。

渡辺淳一さんは味があってよかった。田原さんが盛んに「今も“現役”なのか」にこだわるのに対して、渡辺さんは「あの部分が立つか立たないかだけにこだわるのがおかしいんで、肌を寄せ合っているだけでも十分に性愛は成り立つ。エロスは文化なのだ」という趣旨のことを言っていた。そうだよね。田原さんが私に「どう?」と挑発するので、私は「渡辺さんがエロスは文化だというのは正しい。日本は、『源氏物語』以来、大昔からそういうことに誠におおらかだった訳で、その伝統が明治になって富国強兵のために完全な男性社会を作らなければならなくなって歪んでしまった。21世紀はそれを元に戻すことが課題だ」というようなことを言った。実際、広い意味のエロスは、文化の1ジャンルなのではなくて、文化の根源にあるもので、それなくしては文学はもちろん絵画も音楽もおよそ芸術とか文化というものは無味乾燥なものとなってしまう。だから、団塊が「好きなこと」をやって世の中を賑わすにはエロス的衝動の発露が必要なのである。

渡辺さんが口にした「鈍感力」というのも面白い。人の評判などでウロウロしない奴が伸びるということだ。番組後の昼食には渡辺さんも参加して、その席で今年の年末にはサンプロで「鈍感大賞」授与式をやろうということで盛り上がった。私の提案は、審査委員長は小泉純一郎にしようということだった。

そのあと、高校ラグビー決勝戦をテレビで観て、6時からはNHKホールで小椋佳の「未熟の晩鐘」コンサート。小椋さんは昭和19年生まれの「一休会」で一緒で、人生に晩鐘が鳴るこの年になってもまだ未熟というそのコンセプトが面白くて駆けつけた。「シクラメンのかほり」で始まったコンサートの第1部の終わりは「流されはしなかった」、第2部の終わりは「愛燦々」。彼のコンサートはいつも愛と生きる勇気に満ちていて心地よい。「流されはしなかった」を歌う前に彼は、2007年問題に触れ、団塊世代が時流に流されることなく自分の夢を追って欲しいという趣旨のことを語った。その歌詞はこんなふうだ。

「速い流れ 急な流れ 若さを抱え 僕らは ボートを降ろし 敢えて挑んだね 川下から 川上へと 流れに逆らい 決して 楽は望むまい それを誓ったね」
「流れに 乗って下った者たち 海に放り出されて 漂うと 聞いた」
「信じてみるんだ 自ら生み出す 夢を」

さて、今はもう夜中。私は明日は5時起きで帯広に飛んで、NHKの「飛び出せ!定年」シリーズの取材で中札内のチーズ工房を取材。そのまま帯広にいられればよかったのに、その日の内に札幌に出て9日早朝はホテルからは東京FMと東海ラジオのコメンテーターを果たしてから大阪に飛んで、読売テレビの「情報ライブ・ミヤネ屋」出演、そのあと宮根キャスターらと焼き肉屋で新年会。深夜に帰京して10日はまた早朝から帯広に飛んで、長野の大病院を早期退職して襟裳町に移り住んだお医者さんを取材。日帰りで戻って、11日は6時に家を出て成田から台湾へ。まあ凄い日程ですよね。「好きなこと」やるってのは楽じゃないんですよ。▲

2007年1月 3日

2007年の予定・改訂版

「2007年の予定」を大幅に改訂した。

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《1月》
1日 所得税の定率減税廃止
http://www.soumu.go.jp/czaisei/czaisei_seido/zeigenijou2.html
9日 安倍首相が欧州4カ国とフィリピン訪問(〜15日)
9日 防衛省が発足
21日 山梨、愛媛、宮崎で県知事選挙、宮崎でそのまんま東が立候補
http://www.sonomanmahigashi.net/
21日 六本木に国内最大の国立新美術館が開館
http://www.nact.jp/
22日 マグロ資源管理で5国際機関が初の合同会議(神戸)
25日 通常国会召集(〜6月23日)
http://www.asahi.com/politics/update/1223/003.html?ref=rss
30日 米マイクロソフトが新OS「ウィンドウズ・ヴィスタ」を一般向け発売
http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/
■  経済政策中期指針「日本経済の進路と戦略」決定
■  KDDIが東京電力の光ファイバー通信事業を買収
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/1207b/index.html
■  JR東日本とNTTドコモが電子マネーSuicaと携帯電話クレジットiDを共通利用する小売店向けシステムを運用開始
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20060927.html

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1日 ブルガリア、ルーマニアがEUに加盟、EUが27カ国に
http://jpn.cec.eu.int/home/news_jp_newsobj1898.php
1日 スロベニアが欧州通貨ユーロを導入
15日 東アジア首脳会議(フィリピン)
23日 ブッシュ大統領が一般教書演説
24日 世界経済フォーラム年次総会(スイス・ダボス、〜28日)
http://www.weforum.org/en/index.htm
■  北朝鮮核問題の6カ国協議、再開?
■  ジョン・ボルトン米国連大使辞任(上旬)

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《2月》
4日 愛知県知事選挙、北九州市長選挙
7日 国際水素・燃料電池展(〜7日、東京ビッグサイト)
http://www.fcexpo.jp/jp/
15日 H2Aロケットで情報収集衛星打ち上げ
18日 アジア最大の市民マラソン?「東京マラソン2007」
http://www.tokyo42195.org/
■  全日空が中部国際〜中国天津路線を開業
■  日本版国家安全保障会議についての有識者会議最終報告

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8日 ベルリン国際映画祭(〜18日)
11日 トルクメニスタン大統領選挙
16日 北朝鮮の金正日総書記誕生日
21日 国連子どもの権利条約第11回締結国会議(ニューヨーク)
22日 クラスター爆弾規制のための国際会議(オスロ、〜23日)
25日 アカデミー賞発表

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《3月》
3日 サッカーJリーグ開幕
10日 出雲市に「県立出雲古代歴史博物館」オープン、古代史に新たな視点?
http://www2.pref.shimane.jp/kodai/about-kodai/minzoku.html
18日 首都圏の私営・公営の電車とバスがIC乗車券PASMO導入、Suicaとも相互利用
http://www.pasmo.co.jp/
22日 東京国際アニメフェア(東京ビッグサイト、〜25日)
http://www.tokyoanime.jp/
24日 プロ野球パ・リーグ開幕
30日 六本木防衛庁跡地に「東京ミッドタウン」と外資系高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」開業
http://www.tokyo-midtown.com/
http://www.ritzcarlton.co.jp/
30日 プロ野球セ・リーグ開幕
31日 産業再生機構が1年前倒しで解散
■  ホリエモンのライブドア事件判決
■  米軍再編関連法案を国会提出
■  首相直属の「教育再生会議」が中間報告
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/index.html
■  芝浦の埋め立て地で最大の再開発計画「芝浦アイランド」オープン
http://www.shibaura-island.com/shima.html
■  北海道・夕張市が財政再建団体に指定
http://www.city.yubari.hokkaido.jp/
■  団塊世代の大量退職が始まる(2007年問題)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2007年問題

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25日 香港行政長官選挙
■   米のイラク侵攻4周年
■   中国全国人民代表大会

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《4月》
1日 離婚夫婦の年金分割制度スタート、定年離婚激増か?
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1003.html
1日 フリーターなど短期就業者からも個人住民税徴収開始
1日 住宅金融公庫が独法・住宅金融支援機構に衣替え
http://www.jyukou.go.jp/news/topics/topics_houan.html
1日 レジ袋削減の「推進員」制度施行
http://www.env.go.jp/recycle/info/stop_ya/
1日 新潟市と浜松市が政令指定都市に
http://www.city.niigata.niigata.jp/
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/dmc/index.htm
1日 東京都が都立高校でボランティア体験活動を必修に
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/houshi/houshi_leaf.htm
8日 統一地方選挙(東京はじめ13知事選、4市長選)
22日 参院補選(福島、沖縄)、統一地方選(市長選など)
24日 文科省が小6と中3の全員を対象に全国学力テスト
24日 経済同友会代表幹事に桜井リコー社長が就任
27日 新丸の内ビル開業
http://shin-maru.mec.co.jp/
■  セブン&アイ・ホールディングスが電子マネーnanacoを導入
http://www.iy-card.co.jp/corp/nanaco.html
■  スカパーとJSATが経営統合
http://www.skyperfectv.co.jp/
■  中国・温家宝首相訪日?

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22日 フランス大統領選挙の第1次投票(5月決選投票)、初の女性大統領か?
30日 核拡散防止条約再検討会議第1回準備会合(ウィーン、〜5月11日)
■  インドの第11次5カ年計画がスタート
■  ナイジェリア大統領選挙
■  クラスター爆弾に関する赤十字国際委員会専門家会議(スイス)
■  アップルが次期OS「Mac OSX レパード」発売(春頃)
http://www.apple.com/jp/news/2006/aug/08leopard.html

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《5月》
1日 親会社の株式を対価とした「三角合併」解禁、外国企業による買収増加?
3日 日本国憲法施行60周年
15日 沖縄の本土復帰35周年
21日 天皇・皇后、スウェーデン、バルト3国、英国を訪問(〜30日)
■  政府のアジア・ゲートウェイ戦略会議が第1次報告
■  政府の教育再生会議が第2次報告
■  トヨタ自動車がレクサスの最上位機種LSにハイブリッドモデル投入
http://lexus.jp/models/hybrid/index.html
■  イオンが「イオン銀行」設立
http://www.aeon.info/aeonfp/
■  チリとの経済連携協定が発効
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/k_hapyo0611.html

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6日 アジア開発銀行年次総会(京都、〜7日)
16日 カンヌ国際映画祭(〜27日)
28日 国際捕鯨委員会年次会合(アンカレジ、〜31日)
■  英ブレア首相退陣(〜9月までに)、ブラウン政権へ
■  トルコ大統領選挙

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《6月》
1日 住民税の定率減税廃止、一律10%に
20日 国際バイオEXPO・フォーラム(〜8日、東京ビッグサイト)
http://www.bio-expo.jp/
28日 東京おもちゃショー(東京ビッグサイト、〜7月1日)
http://www.toys.or.jp/
■  「骨太方針2007」を閣議決定
http://ja.wikipedia.org/wiki/骨太の方針
■  青森県知事選

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6日 ドイツのハイリゲンダムで主要国首脳会議(〜8日)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハイリゲンダム
10日 フランス総選挙
23日 世界遺産委員会(ニュージーランド、〜7月1日)、石見銀山の登録決まる?
http://www.pref.shimane.lg.jp/sekaiisan/iwami_ginzan/
24日 世界経済フォーラム・東アジア会議(〜26日、シンガポール)
http://www.weforum.org/
■  EUが約3万種の化学物質の安全性評価・登録を企業に義務づけ

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《7月》
7日 川崎市でアメリカンフットボールW杯開幕(〜15日)
http://wc2007.info/
22日 参議院選挙
31日 イラク特措法期限
■  東京都がIOCに2016年夏期オリンピック立候補
http://www.shochi-honbu.metro.tokyo.jp/
■  松下電器が尼崎に世界最大規模のプラズマ・ディスプレー第2工場
■  群馬県知事選

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1日 EU議長国がドイツからポルトガルに
4日 APEC貿易相会議・財務省会議(オーストラリア)
7日 慮溝橋事件70周年
9日 サッカーアジア杯(〜29日、ベトナムなど)
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/schedule/jp-schedule.html
10日 米大リーグ・オールスター戦(米サンフランシスコ)
11日 世界最大のゲーム見本市「E3」開催(米サンタモニカ、〜13日)
http://www.e3insider.com/portal/
■  AU首脳会議(ガーナ)

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《8月》
2日 関西国際空港の2本目の滑走路、使用開始
6日 広島原爆の日
8日 北京五輪まであと1年
9日 長崎原爆の日
15日 全国戦没者追悼式
■  政府税調が中長期的な税制改革の方向を示す答申
■  「金融商品取引法」施行
■  東京証券取引所が持ち株会社化
■  JR東海とJR西日本が新幹線の新型車両「N700系」運転開始、全席禁煙に?
http://jr-central.co.jp/co.nsf/CorporateInfo/co_0H80
■  六ヶ所村で日本原燃の再処理施設が稼働
http://www.jnfl.co.jp/business-cycle/3_saisyori/saisyori.html
■  埼玉県知事選

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22日 サッカー北京五輪アジア最終予選(〜11月21日)
29日 ベネチア国際映画祭(〜9月8日)

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《9月》
17日 日朝平壌宣言から5年
21日 東京ゲームショー(幕張メッセ、〜23日)
http://www.fujispeedway.jp/
■  東京・日比谷に高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」開業
http://www.peninsula.com/tokyo_jp.html
■? auと三菱東京UFJ銀行が「モバイルネット銀行」設立

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5日 APEC閣僚会合(シドニー、〜6日)
7日 第6回ラグビーW杯、仏サン・ドニを中心に開幕(〜10月20日)
http://www.rugbyworldcup.com/
8日 APEC総会・首脳会議(〜9日、シドニー)
http://www.apec2007.org/
9日 北朝鮮建国記念日
15日 世界華商大会(神戸、〜17日)
http://www.wcecjapan.org/japanese/japanese-top.html
18日 第62回国連総会開幕

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《10月》
1日 日本郵政公社を民営化、4事業会社を統轄する持ち株会社に
http://www.japanpost.jp/index.html
1日 HOYAとペンタックスが合併、マルハとニチロが合併
14日 世界最大級の「鉄道博物館」が大宮にオープン
http://www.railway-museum.jp/top.html
15日 北朝鮮拉致被害者帰国から5年
20日 東京国際映画祭(〜28日)
27日 第40回東京モーターショー開幕(〜11月11日)
http://www.tokyo-motorshow.com/
27日 プロ野球日本シリーズ開幕

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28日 アルゼンチン大統領選挙
■  第17回中国共産党大会(or 11月)
■  欧州エアバスが世界最大の旅客機「A380」1号機をシンガポール航空に納入
http://www.airbusa380.com/

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《11月》
■  改正都市計画法が全面施行、大型店の郊外出店規制
■  NTTドコモがPHSのサービス停止
■  有楽町駅前再開発で丸井有楽町店がオープン
■  ソニーとサムソンの第8世代液晶パネル、本格生産へ
■  羽田空港の国際線本格導入のための工事開始

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4日 トルコ総選挙
12日 気候変動に関する政府間パネル総会(スペイン)
■  第3回東アジア首脳会議(シンガポール、or 12月)

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《12月》
1日 BSデジタルハイビジョン放送が本格開始
■  政府の教育再生会議が最終報告
■  銀行窓口での保険商品の販売が全面解禁
■  トヨタの販売台数がGMを抜いて世界N0.1に
■  トヨタのサンクトペテルブルグ工場が稼働
■  日本初の有人宇宙施設「きぼう」打ち上げ(08年にかけ3回)
http://www.jaxa.jp/index_j.html

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2日 ロシア下院議員選挙
3日 地球温暖化防止条約締約国会議(インドネシア・バリ)
19日 韓国大統領選挙
■  台湾立法院選挙(上旬?)
■  ケニア大統領選挙

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《2008年》
3月 福井俊彦日銀総裁任期満了
6月?日本で主要国サミット(関西か横浜・新潟か?)
9月 小沢一郎民主党代表任期満了
10月 政府系金融機関の再編統合

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5月 ロシアのプーチン大統領任期満了、大統領選挙へ
8月 北京オリンピック
http://en.beijing2008.cn/
http://www.arachina.com/news/2008/
11月 米大統領選挙
■  中国が有人宇宙船「神舟7号」打ち上げ
■  ドバイに世界最高800メートルの超高層ビル完成

2007年1月 2日

高野孟&蓮舫と行く最新台湾を見る旅4日間!

日程が迫っているが、標記のツァーが定員にまだ若干のゆとりがあるので、参加者を募集する。高野が長年月1回の講師を務めている中日新聞・栄中日文化センターの講座「最新世界地図の読み方」のフィールドワークとして、一般公募も含めて海外の政治経済事情を知る旅をしようということで、昨年は韓国に行ったが(《ざ・こもんず》にて全記録DVD発売中)、その第2回は蓮舫(参議院議員)にもコーディネーターとして参加して貰い、台湾に行くことになった。今回の目玉は、李登輝元総統との面談がようやく直前になって実現したことで、名著『武士道解題』(小学館文庫)に象徴されるように、日本人よりもよく日本を理解しているこの哲人政治家に日本の混迷についてのご意見を伺いたいと思っている。

taiwan.jpg

陳水篇総統が夫人の公費横領疑惑で辞任要求を突きつけられている中、それを追求する側の国民党主席で台北市長の馬英九にも経費流疑惑が浮上して、台湾政界は大揺れ。他方、大陸との経済関係は抜き差しならないところまで深まって、台湾から大陸中国への投資は1000億ドルを超え、中国は日本を抜いて台湾の最大の貿易相手となっているというのに、依然、台湾海峡の軍事的緊張は続いている。

この矛盾に満ちた台湾を、単なる観光でなく一歩突っ込んで知るために、台湾の有力政治家や駐在日本人記者にレクチャーを受け、また最新の工業団地も見学する。

1月11日〜14日、16万8000円。詳しくは「中日旅行社」(052-231-0799)長谷川までお問い合わせを。▲

2007年1月 1日

明けましておめでとうございます!

行ってきましたよ、ベートーベンの交響曲1〜9番をブッ通し聴きながら年を越すコンサート。昨日書いたように、04年と05年は岩城宏之さんが1人で振り、彼が亡くなった今回は9人の指揮者が順に振って、指揮者のコンテストのようになった。オケは、コンサートマスターがN響第1コンマスの篠崎史紀、第1ヴァイオリンのうち篠崎を含む6人までがどこかのオケのコンマス、弦や菅や打のすべてのパートの首席はすべてどこかのオケの首席という超豪華臨時編成で、まあ日本のオケでもここまで音を出せるのかというほどだが、それでも指揮者によってまるで鳴りが違う。誰とは言わないが酷いのもあったが、私は(6番は知人たちと上野駅周辺で一杯飲んでいてパスしてしまった——ご免!)高関健が振った4番と小林研一郎の7番がよかった。こうやって比べられると指揮者もツライだろうなあと思う反面、これを9曲をまるで1つの組曲のようにして1人で振った岩城さんの凄さが改めて偲ばれる。会場にも来ておられた奥様の木村かをりさんによると、06年6月13日、全身の癌はじめ数々の病と闘った末に心不全で亡くなるその15分前まで、この日のコンサートに備えてベッドでベートーベンを振っていたという。岩城さんの「やっぱり、僕が1人で振った方がいいなあ」という声が聞こえてきそうだった。

さて、そうして迎えた新しい年である。

●榎福

《ざ・こもんず》トップページに掲げたブロガーたちの年賀状には「偽」「惨」「怒」「迷」「溶」と昨年の酷さを嘆きつつそこからの反転を期するものが多かったが(岸井の「代」って何だ?)、私は、それこそ極私的に、「榎福」と書いた。この文字は篆刻用の古文字で、私がずいぶん昔に台北の古本屋で何の気なしに買った『古篆文大字典』から2文字を探して私流にアレンジした。この字典は、中国古来からの篆刻文字を収集したもので、それこそ昨年惜しくも亡くなった白川静先生お得意の殷代亀甲文字に発する漢字の象形性を継承しつつ自由奔放に発展させた様々な字形が並べられていて、デザインとして漢字を捉えつつ想像力を広げるのに大いに役に立つ。

なぜ「榎福」なのかと言うと、今年2月末には私の新居が安房鴨川の山林に完成して転居するのだが、その敷地に「榎(えのき)」の大樹が群生していて、それが気に入ったのでその土地を手に入れたのだ。ずっと前にINSIDERでは何度か書いたことだが(No.155、200、202)、当初は見た目で気に入っただけだったのに、調べてみると榎は、欅(きやき)の親戚のような落葉高木広葉樹であって、さして目立つこともないようなものではあるけれども、実はなかなか大変な木で、柳田國男によると古代神道の発生と発展に関わるご神木というのがそもそも榎だったのではないかとさえ考えられる。この木にまるわる伝説や怪奇談も数知れず、今でも敷地内に榎があると「福が来る」と言い伝えられていて、「福榎」とか「榎に福来たる」とか「榎に金が成る」という言葉があるという。そういう榎の50〜60年ものの大樹が何十本も中に住むことになったのは何かのお導きかと有り難く思っていて、それで、この終の棲家を「榎福亭」か「福榎庵」と名付け、なおかつ昨年に大山千枚田や鴨川自然王国の田んぼの一部で酒米「五百万石」を栽培して貰ったので、それを千葉県御宿の名門「岩の井酒造」に委託して「榎福」もしくは「福榎」(どちらにするかまだ迷っている)と書いたオリジナルのラベルの日本酒を作って、新築祝いにお出で頂く皆様と一献傾けようというのが、何と言っても今年早々の最大の取り組みなのである。

そこから、鴨川の山中を拠点として、必要に応じて東京やその先の地方に出撃しつつ、主には《ざ・こもんず》を新しいメディアとして発展させていくことが、今年の目標である。公(《ざ・こもんず》)私(田舎暮らし)共に忙しい年となりそうだ。

●メディア

『サンデー・プロジェクト』は、今年も月2回程度の輪番での出演が続く。当面決まっている出演日は、1月7日(本年第1回)、28日、2月4日、25日、3月11日である。大阪読売テレビの「情報ライブ・ミヤネヤ」は1月9日から毎週火曜日で、4月以降は曜日が変わる可能性もある。東京FMと東海ラジオの毎週火曜日朝7時台の電話出演、JFNの第4日曜日「POEPLE/高野孟のラジオ万華鏡」も続くだろう。

●大隈塾

早稲田大学「大隈塾」は、今年も毎週月曜日、午前の全学部200人対象の授業と午後の高野ゼミ(並行して岸井ゼミも今年から通年で)、それに月1回の社会人ゼミを担当する。さらに、早稲田に本格的なジャーナリズム大学院を創設したいという構想を描いて大学に提案していて、今年はその成否を賭けた一勝負があるだろう。

●台湾

海外旅行の今年最初は「高野孟&蓮舫と行く最新台湾を見る旅」(1月11〜14日、中日旅行会主催)、何と!土壇場になって(蓮舫の努力で)憧れの李登輝先生との面談がOKになった。参加者には必ず名著『武士道解題』(小学館文庫)を読んで、李先生の今の日本に対する苦言・諫言をお聞きしたいので心して臨むようにと言っている。あ、このツァー、まだ若干空きがあるのでご関心ある向きは急ぎお申し込みを(明日、詳細を出します)。

●下関

イベントで面白いのは、文化戦略会議「エンジンゼロワン」に集う文化人・経済人が年1回、大挙して地方に出張して行うオープンカレッジ。昨年の会津若松に続いて今年は2月10〜12日、山口県下関市の海峡メッセ下関で開かれる。大会委員長=三枝成彰、実行委員長=奥谷禮子で沢山のプログラムが組まれるが、私は「クオリティ・オブ・ライフ」(安藤和津ナビゲーター)、「政治家通信簿」(奥谷禮子ナビゲーター)の分科会に出させられるらしい。福岡方面の《ざ・こもんず》サポーター企業の皆さんも是非大挙参加を。問い合わせはこちら。http://www.enjin01.org/ ▲

Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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