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2006年12月31日

大晦日はベートーベンの交響曲で!

今年もいよいよ終わり。今日は、午前中は昨日の大掃除の続き、昼に保土ヶ谷の蕎麦店「九兵衛」から届けて頂いた蕎麦を先日鴨川自然王国で抜いてきた辛味大根で食べて、3時に上野・東京文化会館へ。三枝成彰プロデュース「岩城宏之追悼コンサート/ベートーベンは凄い!全交響曲連続演奏会2006」に行く。6月14日と29日の本欄で書いたように、一昨年と昨年は岩城さんが1人で1番から9番までを振った。その岩城さんが亡くなって今年はどうしようかということになったのだが、三枝が1番から9番までを9人の指揮者が振るという形式に切り替えて、秋山和慶、井上道義、岩村力、ジャン=ピエール・ヴァレーズ、大友直人、小林研一郎、下野竜也、高関健、外山雄三を招集した。9番のソリストは、ソプラノ釜洞祐子、アルト坂本朱、テノール佐野成宏、バリトン福島明也。管弦楽は特別編成のイワキ・オーケストラ、合唱は晋友会合唱団。豪華な顔ぶれだ。8番が終わった辺りで年を越して、9番が終わると25時。横浜の家に帰り着くのは元旦の2時半だろう。9時に起き出して、団地の賀詞交換会に顔を出す。来年3月には鴨川に引っ越すので、30年間ほぼ欠かさずに出てきたこの会もこれが最後になる。

首都圏の方でこのコンサートに行きたい方は、たぶんまだチケットはあると思うので、今からでも遅くない! 三枝サイトhttp://www.saegusa-s.co.jp/con061231.htmlを参照の上、お問い合わせ下さい。

今年もいろいろなことがあった。金平さんは「イヤな年だった。早く忘れたい」と言うが、私はそれほど酷くはなかったな。楽しいことだけ思い出すことにしよう。

《海外》ロンドンでフランスを代表する“ストリート・アート集団”=ロワイヤル・ドゥ・リュクスのイギリス初公演「スルタンの象」を観て、それからイスタンブールに飛んで、これまたフランスが世界に誇る馬と人と音楽が織りなす“騎馬オペラ”=ジンガロの新作「バットゥータ」の初演を観たのが、最も印象的な海外の旅だった(5月、本欄5月14日付、INSIDER No.353)。ジンギス・ハーン戴冠800周年のモンゴルを訪れて、オペラ『ジンギス・ハーン』を観て、郊外のゲルに2泊して草原で馬に乗ったのも面白かった(7月、本欄7月18日付)。韓国には「高野孟と行く最新韓国を知る旅」を引率して行って、中日新聞のカルチャースクール「栄中日文化センター」の新しい試みとしてまずまずの成功だった(5月、本欄5月30日付、INSIDER No.356)。来年1月には私と蓮舫で台湾に同様の旅を企画している。

《博物館・美術展》
博物館では、長崎歴史文化博物館が出色だった(2月、本欄2月2日付)。美術展では、写真家にして瓦職人の「山田脩二の軌跡」が何と言っても不思議な体験だった(1月、INSIDER No.340)。藤田嗣治生誕120周年を記念する東京国立近代美術館の展覧会では、彼の戦時中の従軍画家としての作品が実は極めて反戦的だったことを知って驚き、そのことを岩城宏之さんとの最後の会話で話題にしたのだった(5月、本欄6月14日付)。

《コンサート》
自分が出たコンサートでは、六本木男声合唱団倶楽部定期演奏会@サントリーホールが冷や汗と共に思い出される(2月)。聴きに行ったコンサートでは、イスラム圏のトップ・ミュージシャンが結集した「ラマダンの夜」@東急文化村がベストだった(9月、本欄9月12日付)。

《食》
モンゴルのゲル村で100ドルで特別注文して、生きた羊を目の前で丸ごと捌いて、旧ソ連軍式の圧力鍋で蒸し焼きにして貰ったのが、“食の原点”を思い知らされて衝撃的だった。国内では、北川正泰=前三重県知事、インスパイア=成毛真らと作っている遊び仲間グループで行った福井県三国町の「川㐂」の蟹のフルコースが至福だった(12月)。もう1つ、久しぶりに帯広の超有名レストラン「ランチョ・エルパソ」を訪れて、豚の飼育に命を賭けているオーナー=平林英明が作る「豚ステーキ」が凄かった(11月)。平林の豚肉・ハム・ソーセージはhttp://www.elpaso.co.jp/でネット注文することが出来るし、首都圏の方なら東京ディズニーランドに近い「アパホテル&リゾート幕張」48Fのレストラン「aprecio」がランチョ・エルパソ製品を全面的に導入しているので、そこで味わうことが出来る。

《農》
鴨川自然王国の活動は相変わらずで、今年も田植え・稲刈り、イモや大豆作り、それに塾長を務める年5回の「帰農塾」などに通い詰めた。いつもは7〜8人の帰農塾の今年第5回(11月)が17人の参加者で賑わい、しかも20歳代6人、30歳代3人と、若い人たちが過半を占めたのは嬉しかった。今年も農と食に関わるすばらしい人たちとたくさん出会ったが、中でも、高知県で有機無農薬の山下農園を営み、また土佐自然塾の塾長でもある山下一穂さんとの交流が深まったのは貴重だった。日本農業の先行きに希望を持たせて頂いた。妙高市では「妙高みらい塾」が発足し、塾長に任命された(8月、本欄9月5日付)。

《馬》
あちこちで馬に乗ったが、岩手県遠野で吹雪の中を乗ったのがよかった(3月、本欄3月16日付)。神奈川県馬の道ネットワーク研究会は今年NPO法人の資格を取り、「NPO神奈川馬の道ネットワーク」となって私が代表に就任した。来年は、湘南海岸から相模川河川敷を経て宮ヶ瀬湖に達する「馬の道」の開発と、その基地となる乗馬倶楽部の建設に取り組む。隔月刊雑誌『乗馬ライフ』へのコラム執筆は今年も続いた。

《ゴルフ》
今年はゴルフは余り出来なかった。その中では、千葉県の大原御宿ゴルフコースが素晴らしかった(1月)。故・井上誠一設計の最後期の傑作であるにもかかわらずパブリックで、1万円弱でプレーできるのに感動した。

《パーティ》
奥田瑛二監督の新作映画『長い散歩』がモントリオール映画祭でグランプリ他2賞を獲得したお祝いが、奥さんの安藤和津さんがプロデュースする南青山のレストラン「Mama's Kichen ごはんや」http://www.5han8.com/で開かれ、その2日後には漫画家/イラストレーターのわたせせいぞうの代表作「ハートカクテル」が大人向けの絵本になって発売されたのを記念する、まさにハートカクテル・パーティが東京都庭園美術館で開かれた(11月)。2人とも六本木男声合唱団の仲間。どちらも賑やかでいい集まりだった。12月には忘年会が13回もあったが、その中では、昭和19年生まれの会「一休会」と《ざ・こもんず》の忘年会をどちらも青山表参道の加藤登紀子さんの店「テアトロ・スンガリー」で開いた。一休会では、メンバーのデキシーランド・ジャズの大御所=外山喜雄のバンドの演奏に特別メンバーの加藤登紀子(昭和18年生まれだが、亡くなった夫の藤本敏夫が会の創始メンバーだった縁で特別会員になっている)、メンバーの小椋佳、メンバーの奥さんである天知総子などが次々に飛び入りで歌うという大変な騒ぎになってしまった。《ざ・こもんず》のほうは、岸井(彼も一休会メンバー)、二木、金平、天野、暁、石渡、有吉、リード、甲斐、山崎、田中らブロガーとサポーター企業の皆さんが集まって、来年を《ざ・こもんず》爆発の年にすることを誓った。「テアトロ・スンガリー」は演奏も出来る素晴らしいスペースだったが、事情で今年一杯で閉鎖となったのは残念。

《田舎暮らし計画》
還暦を機に、と宣言していた安房鴨川での田舎暮らし計画は、いろいろの事情で遅れていたが、遂に新居の着工に漕ぎ着けた(8月)。来年3月には完工し転居する予定なので、その折にはまた報告する。

《こもんずその他》
少しは仕事の話もしないと…。《ざ・こもんず》はまだ長く続く「実験運用中」段階にあるが、今年後半からようやくシステム面と営業面で体制が整い始めて、さあ来年には爆発するぞ!という予感と共に新年を迎える。現在は(1)各ブロガーのブログを(ほとんど無秩序に)並べ立てているが、それはそれとしてさらにブロガーを増強していきながら、来春には(2)ざ・こもんずニュースとでもいうような論説・分析を中心とする編集部記事を真ん中に据え、態勢が整うに連れデイリーで発信する、(3)特集コーナーを設け、例えば(私が関心を持っていてやりたいことの1つとして)「アンチ・エイジング」をテーマに専門家に連続インタビューする——という3本立てで内容を発展させていきたい。東京FMはじめ全国FM38局のネットであるJFMの毎週日曜日午前5時から1時間の「PEOPLE」の枠で第4日曜日に「高野孟のラジオ万華鏡」が暁玲華さんのアシストを得て始まった。《ざ・こもんず》とラジオとの連動を図る試みで、それ専用のHPから番組の要所をダウンロードできるので、是非ご参照下さい。http://www2.jfn.co.jp/people/scope/voicecommons/index.html

東京FMではこれとは別に毎週火曜日の朝ワイドの枠で午前7時頃に5分ほど電話でコメンテーターを務めている。また同じく毎週火曜日の7時半過ぎには東海ラジオに7〜8分ほど出ている。これは去年始まって今年もほぼ欠かさず続けてきた。

テレビは毎週日曜日午前10時の『サンデー・プロジェクト』に相変わらずほぼ月に2回というペースで出ている。今年新たに始まったのは大阪読売テレビの夕方ワイド『情報ワイド・ミヤネヤ』の毎週火曜日コメンテーター(8月〜)。ワイドでも政治や社会の問題を正面切って取り上げるコーナーがあって面白い。

《本》
9・11の5周年を期して、にんげん出版から『滅びゆくアメリカ帝国』を出版した。INSIDERで書き綴ってきたテロ、アフガニスタン、イラク関連の記事をほぼそのまま時系列に並べて、前後に解説を付け加えたもので、それを通じてイラク事態の内に20世紀的帝国としてのアメリカの滅びの始まりを嗅ぎ取ってほしいと思って出した。小学館からは『ゴルゴ13(で読む)世界情勢裏ナビ』を出したが、どういう訳か監修者でありメイン執筆者である私の名前は表紙にも目次にも出て来ない。何でも小学館では私はタブーなのだそうで、そんなら協力なんぞ求めなければいいじゃないか。ふざけた話で、もう小学館では仕事はしない。読んだ本で面白かったのは数限りがないので、今日はやめておく。

というわけで、いろいろ楽しいことのあった2006年だった。▲

2006年12月30日

PLAYBOY別冊「アメリカ&アメリカン・カー」が面白い!

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2006年12月、集英社

月刊PLAYBOY2月号増刊「丸ごと一冊、アメリカ&アメリカン・カー/蘇る。夢のアメリカン・スタイル」が発売された。「今のアメリカがどうであれ、かつてぼくらが憧れたアメリカは永遠だ」という扉の言葉に始まって、180ページ強にアメ車を中心としたアメリカ文化の話と写真が満載。巻頭特別寄稿は池澤夏樹「アメリカは眩しかった」、コラム欄「私が愛したアメリか」には鳩山由紀夫、都はるみ、宇崎竜童、高野孟、マッド・アマノが並んでいる。実は……

このコラム欄をコーディネートしたのは当《ざ・こもんず》編集部で、それでマッドと高野がいて、後の3人は高野のお友達という訳である。

特集1「アメリカン・カーとの素晴らしい生活」は、アメ車ビッグ3の最先端モデルの紹介。この部分をはじめ主要な写真は全部NYで撮り下ろしというから凄い。特集2「カタログが語るアメリカン・カーの黄金時代」は、50年代キャデラックの伝説の最高級モデル“エルドラド”はじめ、いやぁ〜懐かしい車の絵や写真が一杯。特集3「アメリカン・カーを愛した伝説のアメリカン・セレブたち」は、マリリン・モンロー、エルビス・プレスリー、ジョン・F・ケネディほか著名人と車の話……と延々と続いて飽きない。

またアメリカを旅したくなった。が、ブッシュがいなくなるまでアメリカに行かないと決めているので、もう少しの辛抱だ。▲

2006年12月16日

ブッシュが歴史に名を残す方法!

今日の『ニューヨーク・タイムズ』のコラムでトーマス・フリードマンが「風はどっちに吹くのか?」と題してブッシュ大統領に問いかけている。

「クイズの時間です。アメリカの州でどこよりも多くの風力発電をおこなっているのはどこか。答え:テキサス。次の質問。これはたぶん答えられないだろう。どの政治家がテキサスの風力事業を興したか。答え:前州知事で現在は大統領のジョージ・W・ブッシュ」

「そう、ブッシュ大統領に関しては首を傾げざるを得ないことが多々あるけれども、同じ人物が一方ではアメリカで最も効率的な再生可能エネルギー計画のイニシアティブをとりながら、他方で政権に就いて以降のこの6年間には代替エネルギーに関してもたもたして地球温暖化問題で砂の中に頭を突っ込んだようになっていることほど奇妙なことはない。……私が出来るアドバイスはこうだ。もし大統領が後世に残る遺産を作りたいのであれば、それはイラク問題ではない。あそこには涙しか残っていない。そうではなくて、遺産を残す唯一の道は、あなたのグリーン・テキサスのルーツに立ち戻って、残りの任期をアメリカの石油中毒を終わらせることに捧げることである」

イラクを片付けて、地球温暖化問題への姿勢まで大転換するには残り2年間は少なすぎると思いますけどね。でも悪くないアドバイスだ。リック・タナカさん、NYTの記事をメールで送っておきます。▲

食品添加物の空恐ろしい内幕!その3

このシリーズの第1回で脂肪を注射した業務用のニセ霜降り肉について触れたが、今週の『週刊プレイボーイ』は「食品専門家も驚いた!仙台名物“味付け”牛タン、ここまでやるの!?」と題して、「最近、仙台牛タンは“水の打ち込み”をやって柔らかくしているから、水っぽくて、味が落ちてしまっている」というイヤ〜な噂の真相を追跡している。

肉に水を打ち込むなんてことがあるのか? 食品ジャーナリストの解説。「“インジェクション”という、食肉加工に使われる加工技術のことでしょう。スーパーの特売品などで売られている安いハムなどによく見られます。肉の塊に、剣山のような何十本という注射針の固まりのような機械を差し込み、そこから“調味液”を注入するのです。すると液でパンパンに膨らむので、ひどいものになると30%くらい“水増し”ができるのです。しかし、ただの水を打ち込んでも、切ったときにドリップ(肉汁)として流れ出るので、それを防ぐために、イモやトウモロコシ由来の澱粉、卵白や乳由来の蛋白、糊のような役目をする粘着剤、舌触りをよくする増粘剤、酸化防止剤やpH調整剤などを溶かし、さらに化学調味料やアミノ酸を加えて味を調えた調味液を作る。それを打ち込んだ肉を加熱すると、見事に固まるわけです。でもそんな原材料で作れば肉の本来の旨味も当然薄まる。ブヨブヨして味も水っぽいので、業界内では“プリンハム”と呼ばれています。肉よりも調味液の原価のほうが断然安いわけですし、まったく違法ではありません。ですからメーカーにとって“おいしい技術”なんです」

パックから出した牛タンに重しをかけてどれだけドリップが流出するかを大手5社について編集部で実験したところ、「10店舗以上のレストランと、50店舗以上のお土産品販売店を出店し、年商50億円以上、仙台牛タン業界大手の1社である」A社の製品が一番ドリップ流出量が多い。A社に聞くと、インジェクションはやっていないが、食感を柔らかくし調味液を浸透しやすくするためにテンダライズ[肉叩きをして柔らかくすること]という筋切り処理をほどこしてから、牛タンを丸ごと1本調味液に漬け込んでいて、その調味液には、ドリップの流出を少なくするために粘着剤としてカゼインNaを混ぜているという。インジェクションではないとはいえ、肉に剣山の針で穴を開けて、そこに調味液を染みこませているのだから、結果的には同じことなのだ。こういう牛タンのパッケージには「原材料名:牛タン、食塩、澱粉、カゼインNa、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、茶抽出物)、原材料の一部に乳成分を含む」などと書いてある。実験でドリップ流出が一番少なかったE社の場合は、表示が「牛タン、食塩、こしょう(大豆を含む)、調味料(アミノ酸等)」と、相対的にシンプルである。

そういうわけなので、仙台に行って牛タン屋に行ったり、その暇がないので駅でパックをお土産に買って帰るについても、よく店を選び、パックの表示を確かめないと、摂らなくてもいい食品添加物を大量に摂ることになるので、注意が必要だ。

仙台牛タン発祥の店は「味太助」。初代の故佐野敬四郎さんが昭和23年に仙台の中心部に牛タン専門店を開いたのが始まりという。HPを見ると「牛タンの硬い皮を包丁でむいた後、ハムを切るように手のひら半分大にスライスし、塩・コショウで味付け、一晩寝かせて炭火で焼けば出来上がり」。一見単純そうだが、スライスした一枚一枚にお客さんが食べやすいように表面だけをそっと包丁で筋を入れるのがコツで、下ごしらえに使う塩とこしょうの混ぜる割合や食べる時に振り掛ける唐がらしにも工夫があるらしい。このやり方では添加物の入る余地はない。他にも、HPを見る限り、「べこ正宗」は「添加物や化学調味料は一切使用せず」と宣言しているし、「喜助」も「昔ながらの手造りと天然素材にこだわり続ける」と明示している。

味太助 http://www.aji-tasuke.co.jp/
べこ正宗 http://www.geora.co.jp/top.html
喜助 http://www.kisuke.co.jp/
仙台牛タウン http://www.gyutown.com/

とすると、A社ってどこなんだ。仙台の食と農のドン=結城登美雄さん、知っていたら教えて! いずれにしても牛タンの本物・偽物マップが必要だ。▲

2006年12月15日

ブッシュ政権はイラクの泥沼から脱出できるのか?

12月6日に注目の超党派「イラク研究グループ」の政策転換勧告が出されたのを受けて、ブッシュ大統領はクリスマス前にも国民向けの大演説を行ってイラクの泥沼状態からの脱出策を明らかにするはずだったが、政権内部も議会もメディア・世論もこれをめぐってさらに四分五裂に陥り、大演説は「たぶん1月中」に先延ばしされた。

この状況の分析と、イラク研究グループの報告書の冒頭部分の仮訳を「インサイダー&アーカイブ」のほうに載せたので参照して頂きたい。

15日付の『ヘラルド・トリビューン』によると、ブッシュは、ロバート・ゲイツ新国防長官が省内を掌握して考えをまとめるまで待ちたいという気持ちのようで、その間にも、イラクのマリキ首相に対して「スンニ派の取り込み」に力を入れるよう促す意向だという。これは、ホワイトハウス内でチェイニー副大統領の発言力が低下してライス国務長官の考えにブッシュが傾いていることを示唆している。チェイニーは、シーア派を助けてスンニ派を徹底的に叩くことを主張しているが、ライスは、そもそもチェイニーやラムズフェルドが最初からスンニ派を丸ごと敵に回したことが間違いの始まりだと認識している。▲

2006年12月 6日

秋吉敏子さんにインタビューした!

デビュー60周年、渡米50周年、そしてシングル盤「HOPE」発売記念のチャリティコンサートのため帰国した世界的ジャズ・ピアニスト=秋吉敏子さんにインタビューした。フジTVでの番組収録の合間を縫って、今朝8時から9時まで同TVの会議室を借りて、JFN(ジャパン・エフエム・ネットワーク)の今月24日朝5時放送の「高野孟のラジオ万華鏡」向けの収録である。

akiyoshi.JPG

若いよねー、76歳、12月12日で77歳の喜寿ですよ。今週の『AERA』の表紙にもなっていたけれども、この写真なんぞ「かわいい」って感じだもんね(失礼!)。実物もそうだった。

「HOPE」は、2001年8月6日に広島市で初演された「ヒロシマ——そして終焉から」の第3楽章として書かれた曲で、原爆の悲惨の中からも希望を持って逞しく生きようとする被爆者の心を描いた作品で、それに今回初めて、谷川俊太郎が詞を付け、秋吉さんの一人娘の満ちるさんが日本語と自ら訳詞した英語とで歌ってシングル盤とした。

私はインタビューを、「9・11の当日は、どこにいたんですか?」と切り出した。「それがね」と彼女は語り始めた。「その年の8月6日に『ヒロシマ』を演って、アメリカに戻って5回も6回もコンサートがあって、時差ボケも治らないままクタクタになって、その日はようやく寝付くことが出来て寝ていたの。そしたら、娘から電話があって夫が別室で電話をとってしゃべっていて、『せっかく寝ているのにうるさいわね』と。それで起きてテレビを見たら、もうWTCのビルは崩れ去っていた。ああ、あのてっぺんのレストランにはもう行かれなくなっちゃったんだ、と」。そんなふうにして、45分ほどお話しをした。詳しくはオンエアをどうぞ。

別れ際に、私の著書『滅びゆくアメリカ帝国』を贈呈すると、「へえー、面白そうね。興味津々だわ」と言って、お返しに「HOPE」シングル盤のジャケットに(普段は余りしないらしい)サインをしてくれた。「高野孟様、秋吉敏子、2006.12.6」と。お宝です。▲

2006年12月 5日

本分はわきまえないといけない!

先週末、知人と一緒に伊豆半島・川奈近くの牧場に馬に乗りに行った。135号線で熱海から網代を過ぎて伊東市に入った辺りの沿道に変なものを見つけた。

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これ、ラブホテルですよ。「各種お食事プランもございます」はまだいいとして、「外出もOK」というのはやや本来の趣旨と違う。2人で閉じこもって濃密な時間を持ちたいわけだからね。ビックリ仰天は「お子様もご一緒にどうぞ!」。こんなところに子連れで行ってどうするんだ。回転ベッドで子供がトランポリンでもするのか。思うに、ラブホだけでは経営が苦しいのでファミリーにリゾートホテル風に使って貰おうというラブホのホテル化を狙った苦心の策なのだろうが、ラブホはラブホとしてプライドを保たないといけないんじゃないか。

ちなみに「アイネ」は北海道から鹿児島まで約140店をネットするラブホの大手チェーン。他の店を見ると、「18歳未満は利用できません」と明示しているところもあるから、グループ全体の方針ではないらしい。

他方、都市型ビジネスホテルでは最近、「デイユース」プランが目立つ。三井アーバンホテル系では「宿泊だけじゃもったいない!ホテルの賢い使い手に!」と称して、11時〜17時の間を7000円から1万円で売っている。これはホテルのラブホ化だ。相互乗り入れ…。

ホテルはホテル、ラブホはラブホ、本分をわきまえずに形(なり)振り構わなくなると商売は荒れる。▲

Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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