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いよいよW杯、私は中田英の“爆発度”に注目! »

昨日のサンプロはなかなか面白かった!

 昨日のサンプロの注目点、その1。村上ファンドを巡る議論の中で、佐山展生=一橋大学大学院教授が「村上ファンドの投資の仕方がニッポン放送から変わってきた」と言ったが、それがどういう意味か、聞いていたほとんどの人は分からなかったと思う。実は、後の財部誠一の質問がその解説になっていたのだが、その関連性も分かりにくかったかもしれない。少し補足しながら改めて言うと、こういうことだ。

 村上ファンドが30億円程度の運用規模だった時代には、株価が安いが資産を持っている企業に狙いをつけて株を買い進め、覆面を脱いで大株主として経営にモノ申すというやり方は、収益を上げることの出来る投資モデルだったし、また社会的にも積極的・建設的な意味を持っていた。3日付日経3面の「変質した村上ファンド」という囲み記事が言っていたように、それを通じて村上ファンドは「利益を社内に溜め込み、株主への配分も、将来への投資もしない上場企業の経営姿勢が、いかに株主の利益を損ねているかをあぶり出し」、その意味で「日本の企業統治に規律を与える希望の星」とさえ評価されたのである。

 ところが、それで行けるのは、財部によると、運用規模300億円が限度で、村上ファンドがさらに世界中から資金の預託を受けて3000〜4000億円にまで膨らんでしまった時には、それだけの巨額の資金を投じて株価と資産のギャップをこじ開けて大きな収益を上げることが出来るような対象企業は日本市場に存在しなくなって、運用が出来なくなってしまった。反面、米国の機関投資家など大口出資者の要求はますます厳しく、焦った村上は、放送、鉄道など典型的な規制産業であるがゆえにそのギャップが大きいニッポン放送や阪神に手を染める。ところがそれらの産業では、公共性の名の下に政府の規制と裏腹の保護が被せられているが故にそのギャップが甚だしいのであって、規制と保護そのものを何とかしない限り、一企業の経営姿勢を変えればすぐに株価が上がるというものではない。だから、村上が阪神への役員派遣を要求し、しかし彼が頼んで歩いたプロ経営者からは断られ、最後は村上ファンドの役員ばかり7人を送り込むと言わざるを得なくなった時には、すでに彼の戦略は完全に破綻していたのである。

 昨日のサンプロの注目点、その2。安倍晋三が出て、「福田、麻生、谷垣は靖国に行かないと言っているが」と問われて、「戦争に命を捧げた方々にお参りするのは当然のことで、それを理由に中国が首脳会談も開かないなどというのはおかしい」という趣旨のことを言った。それで私は質問して、(1)靖国に、一般国民にせよ政治家にせよ、参拝すること自体には、中国も含め誰も反対していないし、次期総裁候補4人の間でも何ら争点ではない、(2)中国も国内批判者も「A級戦犯が合祀されているところに日本のトップ指導者が行くのは止めてくれ」ということだけを言っているのであり、それに応えて、麻生は「分祀」と言い、福田は「別の追悼施設を」と言っていて、これこそが争点だ、(3)安倍の案はどうなんだ——と訊ねた。が、司会の田原さんは「ちょっと待って」とさえぎって、別の切り口で質問した。

 これはさえぎってほしくなかったんだけど、昨日の田原さんは、いろいろな計算があって、「安倍は別にゴリゴリの戦争肯定のタカ派ではない」という印象を作り出そうという演出を考えていたようで、私の質問で安倍のホンネがポロリと出るのを避けたかったのではないかと推測される。が、安倍は後で、「先ほど高野さんが言われたのは冷静なご意見で……」と、靖国参拝それ自体と、A級合祀の靖国に日本の政治指導者が行くのがどうかという問題とを、区別して論じるべきだという私の趣旨に賛意を示した。そうなら、「A級戦犯合祀のままの靖国に参拝するのは当然だ」とホンネをちゃんと言ってくれれば面白い論争になったのに。

 昨日のサンプロの注目点、その3。特集は、重村智計=早大教授のレポートで「韓国大統領選」。私も統一地方選挙の投票直前、ソウルに行っていてその知見に基づく予測を「インサイダー」のほうに書いたが、私と重村さんがちょっと違うのは、彼はこの敗北にもかかわらず盧武鉉大統領のウリ党はまだまだ可能性があって、同党の大統領候補の筆頭だった鄭東泳(チョンドンヨン)議長は引責辞任したものの、盧の子飼いである党内きっての左派=柳時敏(ユーシミン)保健相が台頭して若者たちの支持を集めて巻き返すかもしれないという見通し。私は柳は左過ぎてなかなか難しいし、それ以前に鄭東泳がウリ党の大勢を引き連れて党を割って出て、金大中(キムテジュン)派や無党派で人気のある高建(コゴン)元首相らを巻き込んで政界再編を仕掛け、その結果、ウリ党は左派だけになって先細りになる可能性が高いと見ている。▲

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まじめなのは インサイダーで読んでますから。

一ファンより。

発射の兆候強い」 北のミサイル実験で韓国

 【ソウル9日共同】韓国外交通商省高官は9日、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射実験の動きが指摘されていることについて「発射の兆候を強く感じる」とした上で「(懸念を)北朝鮮に伝えた」と述べ、北朝鮮側に自制を促したことを明らかにした。
 北朝鮮では5月に入り、咸鏡北道にある長距離弾道ミサイル「テポドン」の発射基地周辺で、大型トレーラーによる頻繁な機材の移動が確認されている。同高官は「韓国との関係や北東アジアの安定、核問題をめぐる6カ国協議に悪い影響がある」と指摘した。
(共同通信) - 6月10日0時43分更新

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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