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MLBは「ワールド・シリーズ」を改名しろ!

 大阪の読売TVの金曜日15時50分から2時間「激テレ金曜日」というニュース・バラエティ番組があって、この3月から月に1〜2回というペースでコメンテーターとして出演している。朝日放送出身のフリー・アナ=宮根誠司と俳優・タレントの大竹まことの司会で、入れ替わりのパネラーとコメンテーターと様々なニュースを取り上げて論じるもので、ナマの場合と前日収録の場合とがある。昨日収録、今日放映の同番組では、冒頭、WBCでの王ジャパンの優勝の話題ひとしきりで、当然にもアメリカの悪口になった。私は持っていった22日付「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」を取り出して、「アメリカのメジャー・リーグの秋の決勝戦を“ワールド・シリーズ”と言うじゃないですか。私は前から、何でアメリカ国内のNo.1を決めるのにワールド・シリーズなんだ、おかしいじゃないか、そこにMJB(メジャー・リーグ・ベースボール)帝国の傲慢が現れていると言っていたんだが、この新聞でNYタイムズのスポーツ記者が『もう金輪際、あれをワールド・シリーズと呼ぶのは止めよう。フォール(秋の)クラシックとかMLBチャンピオンシップとかに改名すべきだ』と書いている」と言ってその記事を紹介した。

 ウィリアム・ローデン記者のその記事をもう少し詳しく紹介すると、こうだ。月曜日の夜に日本はキューバを10対6で破って初代チャンピオンに輝いた。両チームに米メジャー・リーグのプレーヤーは2人しかいなかった(いずれも日本チーム)。米チームは、慌てて寄せ集められ、コンディションはお粗末で、まったくみっともない有様で、先週にトーナメントから脱落した。これは問題だ。…MLBは今や国際的な野球世界における自らのポジションを再吟味しなければならない。とりわけ、秋のMJBチャンピオンシップである“ワールド・シリーズ”の名称を変える必要がある。毎秋行われる米国内シーズン最後のイベントはドラマティックでエクサイティングであるけれども、それはワールド・シリーズではない。MJBのバッド・セリグ=コミッショナーは月曜日の決勝試合の最中に「ワールド・シリーズは、名前がどうであろうと、依然としてワールド・シリーズだ。しかし、野球の国際化がもっと進んでWBCがどんどん大きくなれば、そのことは興味深いディレンマとなる。が、それは私にとっては喜ぶべきディレンマだが」と語った。…WBCは微調整が必要だろう。試合の時期をどうするか、世界中から審判を呼ぶにはどうするか。しかし最大の調整は、MLBの決勝を何と呼べばいいのかということである。それをフォール・クラシックと呼ぼう、MLBチャンピオンシップと呼ぼう。金輪際、ワールド・シリーズと呼ぶのは止めよう。

 こういうのがアメリカン・リベラリズムのいいところだ。ブッシュのアメリカ帝国は「ルールを決めるのはアメリカだ」——というよりも「アメリカが正しいと思って行動したこと(例えばイラク戦争)が世界のルールとなるべきだ」という飛んでもない傲慢に陥って破滅の道を歩んでいる。MLBがその相似形にならないよう、コミッショナーの采配が注目される。▲

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コメント (6)

まったくその通り。政治もスポーツも米国の傲慢さには辟易とさせられます。遠く東洋の片隅の日本でオダをあげるだけではなく韓国、中国(ちょっと頼りないが)そしてメキシコなども引き込んで抗議のひとつもやったらいい。
ところで、こういう話は玉木正之さんの出番じゃないんですかね。1月16日以来、まったく更新されていないのはいかにも残念です。

まさに アメリカが おのれを
ルールブックだ と 言っているようで 頭にきます。

高野孟氏の一文を興味深く拝読いたしました。が、
高野氏のお説ならびに記事中に紹介されているウィリアム・ローデン記者の主張に関して、私は若干の違和感を禁じえません。
スポーツの国際大会で、自国の代表チームがふがいない敗北を喫すれば、どこのジャーナリストでも、厳しく批判するものです。メジャーリーグのチャンピオンシップを争うシリーズの呼称にまつわる主張も、その延長上にあるものでしょう。
最も重要な問題は、やはり野球の国際大会のあり方です。いかなるスポーツであれ、国際大会を開催するのは、当該スポーツの国際組織です。それがまっとうな姿です。何故、野球だけが一国の国内リーグが取り仕切って行なわれたのか。
少なくとも開催前には、大会のフレームそれじたいについて賛否両論、それなりに議論が行なわれたのに、大会後には、米国一国が仕切ることの是非を論ずる声が、あまり聞こえてこないのは何故でしょうか。今後の大会運営について、「微調整」でも「大きな調整」でも、現行の開催形態を前提した議論は、私には何の説得力をも感じることができません。
たしかに、キューバやアジア諸国で、人々がこれだけ今大会に熱狂する姿を見たMLBが、今後、開催権を国際組織に移管したり、大会の仕切り直しを国際組織にはかったりすることは、99%あり得ないでしょう。しかし、たとえ現実的には困難であっても、最低限の原則論を愚直に主張するのも、ジャーナリストや言論人の務めだと思うのです。現実に追随するだけなら、ジャーナリズムは要りません。
真に野球を愛し、幅広い普及を念願する者なら、今後の大会開催については国際組織に移管すべき、という提言くらいすべきではないですか。ワールドシリーズの呼称をどう変えようと、それは所詮米国の国内リーグの話です。
ウィリアム・ローデン記者の記事原文を、私はあいにく読んでおりませんので、即断は避けなければなりませんが、高野氏の要約を前提にすれば、私は、その論旨に「リベラリズム」よりもアメリカ人の「ナショナリズム」を嗅ぎ取ってしまいます。(そのことを全面的に批判しようとは思いません。スポーツの国際大会に接した時、人は多かれ少なかれナショナリストになるものですから)
世界中の多くの人々が実感しているように、米国の傲慢さは、政治であれスポーツであれ、目にあまります。それならなおのこと繰り返し強調しなくてはなりません、「ワールド・ベースボール・クラシック」を、真にワールドワイドなものにするために、国際組織が全面的に運営にあたるべきである、と。今大会における米国関係者の労をねぎらいつつも、そう思うのです。

今回のWBCは、スポーツの国際大会としての形をなしていない。王監督も、誤審問題だけでなく大会運営について、注文をつけるコメントを述べている。日本が敗れていたのでは、負け犬の遠吠えになるが、優勝監督の発言ともなれば重みが違うはずだ。そして、お隣の韓国。日本に2勝1敗としながら準決勝敗退であるから、大会の運営に納得していないだろう。

準優勝のキューバ。カストロ首相は、賞金などどうでもいい、決勝戦に進んだことに意味があると述べ、アメリカ政府とアメリカの大会運営に批判的だ。そして、次回はキューバで開催したいと名乗りを上げている。

吉本さん
確かにこの記者の論説に「国際組織への移管」という主張はありませんが、米国内決勝を“ワールド・シリーズ”と呼ぶことを再検討しようという謙虚さ(?)が米国内で広がれば、それが本当の国際大会への発展の1つの契機になるのではないかと思います。

高野さん、わざわざコメントありがとうございます。おっしゃるように、ワールドシリーズの再検討が、国際大会への発展の一つの契機になる、という御見解には賛同申し上げます。
私は、日頃、あまりテレビは観ないのですが、時折、拝見しております高野さんの冷静沈着なご発言や当ページでの幅広い関心に基づく記事につきまして、いつも知的刺激を受けております。これからも、楽しみにしております。長文のコメント、失礼いたしました。

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Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

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