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2006年2月28日

Livedoorニュースが“自己批判”特集を始めた!

 Livedoorニュースが、識者100人に(1)企業としてのライブドアについて、(2)ライブドア事件について、(3)堀江貴文という人物について、という3項目でアンケート的な原稿執筆を依頼して、着いた順から「ライブドアにもの申す」特集として掲載している。私も依頼を受けて、当然にも本サイト「インサイダー」で述べたのと同じ趣旨であるけれども、書き送って、すでに掲載されている。

http://blog.livedoor.jp/ld_opinion/

 担当編集者によると「先週も弊社熊谷史人が東京地検に逮捕されるなど、まだまだ事件を総括する時期でないとというご意見、そして当事者である弊社自身がこうした企画をすること自体が間違っている、といったご意見も数多く頂戴しております。こうした意見も勿論参考にしながら、今後もメディアとしての役割を果たすべく努力して参りたいと考えております」とのことだが、「こうした企画をすること自体が間違っている」といった意見はどういう方面から出てくるんだろうか。お上の手に掛かったのだから黙って謹慎していろということなんだろうか。こういう連中が日本をダメにしているんだと思う。

 現時点で約20人の回答が掲載されていて、それぞれに面白い。中でも、浅羽通明、吉田望、永沢徹のは学ぶところが多かった。▲

2006年2月21日

丹下健三も困ったもんだよね

 今日の『朝日新聞』夕刊トップ「都庁舎、雨漏りに泣く/完成わずか15年/修繕試算1000億円」の記事には笑ってしまう。丹下健三設計の建物って、昔の(今は建て替えた)戸塚カントリーのクラブハウスはじめ、みんな格好ばかりで使いにくくて、雨漏りがするので有名なのだ。朝日の記事でも、都の担当者が「デザイン優先で、ランニングコストは考えてつくられていない」と嘆き、目地材の更新費や清掃費など維持費に年18億円もかかることを告白している。

 デザイン優先というけれど、そのデザインがそもそもおかしい。完成が15年前と言うから1990年前後だと思うが、私はルーマニアのチャウシェスク大統領夫妻が処刑されたというので、TVのクルーを連れてブカレストに飛んだ。そこには、チャウシェスク最後の夢だったという巨大な「人民宮殿」というオープン間近のまま凍結されたスターリン様式の超権威主義的なビルがあって、どのくらい巨大かと言えば、その日は雨で、上部3分の1ほどが雲に隠れて見えないほどだった。その正面の大通りは、大統領が「パリのシャンゼリゼ通りよりも1メートル広くしろ」と言ったとかで、両脇のゲタ履きマンションの1階にはシャンゼリゼと同じ高級ブティックが入店する予定だったという。

 それを見て、独裁者の末期は悲しいものだと思いながら帰ってきて、しばらくして出来たばかりの都庁で「男女共同参画」についてのシンポジウムがあって、私は初めて都庁に行って、その姿がチャウシェスクの「人民宮殿」と余りにも酷似しているのに驚いた。それでそのシンポでの冒頭発言では、「この建物に初めて来たが、先週ルーマニアで見た独裁者の趣味のビルと余りに似ているので驚いた。どうして建築家には女性がいないのか。女性が建物を作ればこんなおどろどろしい建造物を見なくて済むのではないか」というようなことを喋った。それでしかも雨漏りじゃあねえ。都庁舎の総工費が1570億円で、雨漏り対策費が1000億円になろうかという。世も末とはこのことである。▲

2006年2月20日

安易な“中国脅威論”に反対する!

 昨日のサンプロは、(1)堀江の送金指示メールは本物か?、(2)日本にとって中国は脅威か?、(3)北朝鮮・大物工作員の正体、の3本立て。(3)はTVジャーナリスト集団「ジン・ネット」の取材ディレクター=高世仁さんによる近頃出色の追跡ドキュメンタリーで、拉致に関わった謎の大物工作員「朴」の足跡を追ってそのすぐ配下で働いていた在日朝鮮人の証言を引き出したのはお見事。普段はあんまり「特集」を誉めない田原さんも終了後「よく取材したねえ」と感嘆していた。山谷あたりで身寄りのない日本人を捜して戸籍を乗っ取るという手口もさることながら、北朝鮮に家族がいる在日朝鮮人を脅して秘密工作に協力させるという汚いやり方には腹が立った。ところが、それをやっている工作員自身も、本国の家族を“人質”にとられているからスパイの仕事を離れることが出来ないという構図がなおさら悲しい。

高世仁『北朝鮮の国家犯罪・拉致』(講談社文庫、02年9月刊)
ジン・ネット http://www.jin-net.co.jp/

 (1)は、民主党のライブドア問題追及チーム会長の桜井充と自民党幹事長補佐の世耕弘成のやり合い。メールが「本物である可能性が極めて高い」と言いながらも、桜井の発言は恐ろしく歯切れが悪く、その理由を彼は「情報提供者を守らなければならない」と繰り返したが、私が「守らなければならないのは当然として、それは命が危ないのか、仕事を失うのか、どういうレベルの話なのか」と聞くと、どうも「仕事が続けられなくなる」という程度のことらしい。田原さんが言ったように、このメールが本物だったら武部辞任では済まず小泉政権が潰れる。偽物だったら永田議員の辞職では済まず民主党そのものが壊滅する。生きるか死ぬかの勝負なのだから、命が危ないならともかく、仕事を失う程度のことであるならば、民主党がその情報提供者を一生面倒見ることにして国会で堂々と証言させればいいではないか。何をごちゃごちゃ言っているのか。それでも桜井は「振込先の口座番号は掌握している。今週の国会で明らかにする」と明言していたので、それに期待しよう。この国会中継は視聴率が上がるだろう。番組後、田原さんも「NHKの視聴率を上げちゃったな」と苦笑。

 (2)は、麻生外相が「かなり脅威」と言い、前原誠司=民主党代表が「現実的脅威」とまで言った中国の軍拡をどう見るかをめぐっての田岡俊次(朝日ニュースター・コメンテーター/前『AERA』編集委員)、志方俊之(帝京大学教授/元自衛隊北部方面総監)、石破茂(元防衛庁長官)の3人の専門家による討論。田岡さんは中国の軍事費が急増していると言ってもインフレ率を考えればそれほどのものではなく、また例えば2000機以上あることになっている中国の空軍・海軍の戦闘機・攻撃機のうち1000機は1950年代のミグ19など使い物にならない全く旧式のもの、960機はミグ21など「相当旧式」なもので、実戦に足る新型はスホーイ27など245機にすぎないなどと、中国軍は張り子の虎であるという持論を展開した。志方さんが反論するかと思いきや「田岡さんの言うのは正しい」と断言、しかし近年(96年以降)の増強だけでも大変なものであることに注意を払うべきだと言い、また石破さんはその増強の中身について「96年の台湾海峡危機の際に米空母が海峡に進出して中国を牽制したことが北京にはショックで、それ以後、対艦ミサイル能力と対潜水艦能力に特化した増強に励んでいる」と正確な分析を述べた。つまり、最近の中国軍拡は台湾有事に米空母艦隊が介入した場合にそれを(少しでも?)抑えることが出来るようにすることが主な狙いであって、それ自体は日本にとっての脅威ではない。専門家は左右の立場を超えてその点で一致するのである。

 とすると政治家が“脅威”を騒ぎ立てるのはなぜなのか。志方さんがやんわり指摘していたように、軍部は予算が欲しいからわざと“脅威”を強調するのが常で、政治家は意図的=イデオロギー的にか無知ゆえかそれを拡声器にかけて騒ぐという構図である。私が発言したことを補足を加えて再現すれば次のようである。「冷戦時代の旧ソ連の“脅威”でさえ潜在的脅威に留まっていたというのが軍事的常識である。極東ソ連軍の存在は強大であり、それがいざという時に北海道に上陸侵攻する可能性があって、それに第1次的に対処することが志方さんが司令官だった北部方面隊の任務だったが、しかしそれが潜在的脅威であったのは、例えば、ウラジオストク港にはソ連機械化部隊を渡洋させるだけの輸送船がいなかった。それがもし輸送船が集結を始めたということになると、現実的脅威、すなわち我が方が部隊を戦闘配置に切り替えるとか、何らかの軍事的対応を開始しなければならない重大な段階に転化する訳で、そのように潜在的脅威と現実的脅威は厳密に判断しなければ国の存亡に関わる。そういうことも判らずに、安易に“現実的脅威”を口にした前原代表は、軍事・外交のド素人であることを露呈したのだ」と。この点は3人の専門家にも田原さんにも同意して頂いたと思っている。

 この“中国脅威論”の虚妄については、インサイダーで詳しく再論したいと考えている。▲

2006年2月19日

清宮監督、5年間楽しませてくれてありがとう!

 ラグビー日本選手権準決勝、早稲田大学vs東芝府中は早稲田の完敗だった。先週のvsトヨタは勝てると思っていたが、今週は勝てないまでもギリギリまで迫るような闘いを期待していたのに、ゼロ敗ではどうしようもない。寝転がってテレビで観ていようかとも思ったが、早稲田ラグビー再興のために5年間尽くした清宮克幸監督の最後の采配になるであろうこの試合に敬意を表さない訳にはいかず、サンプロ出演の後、昼食もそこそこに秩父宮のスタンドに駆けつけて見守った。帰ってから清宮にはのようなメールを送った。

┌─────────────────────────┐

5年間、お疲れさんでした。今日は大敗で、私はもうちょっとドラマティックな負け方——先行されて、それでもしがみついて付いていって、最後あわや逆転かというところまで迫りながらやっぱり突き放される——を予想していたのですが、前半の決定的なところでの2つのノックオンで流れに乗れなかったのが残念でした。前半は内容的には互角だったですものね。
まあとにかくご苦労さん。あなたのお陰でこの5年間、ラグビーを観るのが楽しかった。次は、サントリーもさることながら、W杯のジャパンを面白くしてください。落ち着いたら一杯飲みましょう。たかの

└─────────────────────────┘

 清宮は天才的リーダーである。だらしなかった早稲田のラグビーを預かって、その年から5年間大学選手権常勝というのは凄いし、それだけでなく、部の運営にアディダスや三共など企業パートナーを導入して経営を改善し、また大学総長を説得して大学の施設や人材を活用して子供からお年寄りまでが様々なスポーツを楽しむことの出来る地域スポーツクラブ「NPOワセダクラブ」を創設してどんどん発展させているし、さらにイラクで戦死したラグビー部の先輩=奥克彦大使を記念する「奥・井ノ上イラク子ども基金」を作って啓蒙的な講演会やイラクの子どもに本を贈る活動を進めてもいる。この世界には単なるラグビー・バカが多い中で、それとは明らかに異質の、スポーツを文化の一形態と捉えて社会との関わりの中で色々なことを発案し実現していく力を持つ企画者であり組織者であり経営者である。彼がラグビー界の“川淵三郎”になるのでなければ、日本ラグビーの再生はない。

早稲田大学ラグビー部 http://www.wasedarugby.com/
NPOワセダクラブ http://www.wasedaclub.com/
奥・井ノ上イラク子ども基金 http://www.oku-inoue-fund.com/

「高野孟と最新韓国を見る旅」の参加者を募集中!

 「高野孟と最新韓国を見る旅」を5月26〜28日、2泊3日で企画している。韓流ブームもいいけれども、もうちょっとシリアスに、韓国の政治・経済事情をかいま見るお勉強ツァーである。定員30名なので、お早めにお申し込みを。

 私は長年にわたり、名古屋の中日新聞主催の「栄中日文化センター」で「新・世界地図の読み方」という月1回の講座を持っていて、このほど、それをベースにして「書を捨て街に出よう」という感じで、私が引率して韓国を旅してみようということになった。

 詳細は、リーフレットが出来上がったらまたここに掲載するが、概略を言えば、5月26日(金)〜28日(日)で中部国際空港発着、11万8000円。サムソン工場の見学、38度線視察、反日教育のメッカ「独立記念館」見学を中心に、高野及び在韓の経済評論家や軍事専門家のレクチャーを交えて、と言ってもお堅いばかりではなくて夜はソウルの裏町体験も用意して、楽しいアナザー・コリアを味わおうという狙い。申し込み・問い合わせは「中日旅行会」の長谷川裕子さんまで(TEL:052-231-0800、E-mail:tour@chuunichi-tour.co.jp
)。▲

そして...今日「サンプロ」出ます!
『サンデープロジェクト』(TV朝日系/日曜10時〜)

2006年2月10日

田中真紀子は西太后の生まれ変わりだった!

 先日、長崎の博物館で清朝文化の展示を見たら、田中真紀子は西太后の生まれ変わりだったことが分かった、と書いた。「早く見たい!」という声も届いたが、ここ数日「ゴルゴ13の読み方」の原稿に追われて暇がなかったので、遅くなったがここにその写真を(無断です!すいません)公開する。

 今日はこれから、日本馬術連盟で「神奈川馬の道ネットワーク研究会」についての会合——あ、そうそう、同研究会のホームページを私が作成中なのでご関心ある方はご覧下さい(http://www.smn.co.jp/kg-umanomichi/index.html)、午後都内で講演、それから会津若松へ飛んでエンジン01の「オープンカレッジ」に2泊3日で参加、日曜日に戻ってラグビーの早稲田vsトヨタを観戦です。▲

2006年2月 8日

高野孟氏に突然取材


『2月8日(水)高野孟氏に突然取材を試みた』
320×240
3分5秒(21.1MB)

どうなる皇室典範改正案!

秋篠宮妃の懐妊が7日、明らかになった。
これによって、今国会での皇室典範改正案を先送りすべきだとの、政府・与党内にある慎重論が強まり、今後の動向が注目される。
一方、今国会での改正案の提出を明言している小泉首相は、同日の衆院予算委で「天皇制が今後も安定的に継承されるためには女性天皇、女系天皇も、認めたほうがいい」と語った。
皇位継承者の順位を男女を問わない「第一子優先」とする改正案を、秋篠宮妃の懐妊が明らかになった今、改正すべきなのかどうか。
日本人の象徴としての新しい皇室のあり方まで、高野孟氏に本音を聞いた。

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サムネイル(ムービーの画像)をクリックするとQuickTimeムービーが見られます。
表示しない場合はアップルホームページから最新のQuickTimeをダウンロードしてください。

2006年2月 5日

2月のイベント情報

●ENJIN01文化戦略会議「オープン・カレッジinあいづ」、2月10〜12日に会津若松市“貸切”で!

 ENJIN01(エンジンゼロワン)は樋口廣太郎代表、三枝成彰=幹事長、矢内廣=事務局長のいわゆる文化人の集まりで、私も創始メンバー。年に1回程度、100人前後の東京人が大挙してどこか地方都市に出かけていって「オープン・カレッジ」を開くことを中心に、様々な研究活動やイベントを繰り広げている。今年は会津若松で、2月10日午後にオープニングのセッション「福島県の経済再生」(田原総一朗、佐藤栄佐久=県知事、堀江貴文=ライブドア前社長[逮捕されたのでたぶん欠席]など)、「ロックの力」(三枝、秋元康、布袋寅泰=ギタリスト)と前夜祭、11日に会津大学を舞台に約40コマのセッションとワークショップ、夕方から市内飲食店20を貸し切って、東京人が散って、地元の方々と一杯飲む「夜楽」、12日午後にクロージング・スペシャルで「戊辰戦争と今」(筑紫哲也、菅家一郎=会津若松市長、早乙女貢ほか)というプログラム。私は、「日本人はなぜ日本人論を語るのか」「自分の弱点学」の2つのセッションと「夜楽」の1つに参加する。チケットはまだ残っているのかどうか分からないが、下記HPの「ニュース」欄を参照のこと。

エンジンゼロワン http://www.enjin01.org/

●里山帰農塾フォーラム、2月16日に東京大手町JAビルで!

 鴨川自然王国とNPOふるさと回帰支援センターの共催による「里山帰農塾フォーラム/ここに農的生活という生き方があります」が開かれます。加藤登紀子「鴨川自然王国と私」、高野孟「世の中の流れと私の農的生活」、甲斐良治=現代農業増刊編集長「全国の“地元”を訪ねて」、石田三示=鴨川自然王国代表「都市農村交流から見えるもの」の各スピーチとセッションのあと懇親会。参加費2000円。詳しくは下記HPから。

鴨川自然王国 http://www.k-sizenohkoku.com/ →「里山帰農塾」参照
ふるさと回帰支援センター http://sv38.bestsystems.net/~daxpy000/ →「イベントカレンダー」2月の項を参照

●「まむろがわ食と器の文化祭」が2月16日に山形県真室川町「イベントハウス遊楽館」で!

 上のイベントと重なって私は行けなくて残念なのだが、これは畏友=結城登美雄さんのコーディネートによる郷土食とそれに相応しい器、それに伝統芸能を結びつけた楽しそうなイベント。テーマは「足元の豊かさを生かすもてなしの形/真室川の正月」で、ゲスト・スピーカーは結城登美雄(民俗研究家)、時松辰夫(木工デザイナー)、島村奈津(作家、「スローフードな人生」著者)。「山菜寿司」「漬物50選」など郷土食の展示と木工ワークショップも開かれる。会費2000円。詳しくは下記HPを。

まむろがわ・ゆめねっと http://www.yume-net.org/ →「ニュース」の項を参照

●すずかん「政策フォーラム」で鈴木寛、蓮舫と私で討論、2月15日に青山ダイヤモンドホールで!

 民主党参議院議員の鈴木寛さんが久しぶりに活動報告と懇親のための「政策フォーラム」を開き、ご本人、同じく民主党の東京選出参議院議員=蓮舫、そして私で最近の政治事情を1時間ほど語り合う。私は彼とは、彼が通産官僚だった頃からの付き合いで、六本木男声合唱団でもお仲間。彼は歌は東大時代に六大学合唱団連盟の委員長を務めたセミプロで、この日もピアノ伴奏で3〜4曲、テノールの披露があるらしい。ご関心ある方は、鈴木寛事務所03-3508-8635へ電話を。▲

さいとう・たかを先生に会った!


『ゴルゴ13』

 そうだ、これを報告するのを忘れていた。先週の火曜日に、劇画の大御所で『ゴルゴ13』の作者であるさいとう・たかを先生にお目にかかった。何のためかと言えば、まさにその『ゴルゴ13』の全作品の中からとりわけ国際情勢のダイナミズムを活写していると思われる作品を選び出して、それを素材にしながら「日米経済戦争」「資源戦争」「メディア支配」「パレスチナ問題」「激動の中国」など13のテーマを立てて図解入りで解説するという本を作っていて、春には小学館から出版される予定なのだが、その巻頭に載せるさいとうさんと私の対談を収録するためだ。

 事前の想定では、各作品の取材や構成の苦労話を聞いて、そこから国際情勢の裏表のナマナマしい話に入っていこうかというつもりだったが、「あんなの“ウソ八百”を描いているんだから、それで国際情勢を勉強したいと言われても困っちゃうんだよね」という先生の一言で流れが変わってしまって、人間論・文明論みたいな話になっていって、その展開に編集者はいささか戸惑ったようだったが、私はそれが面白く、闊達なさいとうさんのおしゃべりを大いに楽しんだのだった。もっとも、“ウソ八百”という先生の謙遜に対しては、私はこう述べた。「いや、ストーリーや登場人物そのものがフィクションだというのは分かり切ってますが、その背景になっている国際関係の敵対構図や表も裏もある駆け引きなどは物凄いリアリティがあって、ジャーナリストである私が読んでも、うーん、こんなことが本当にあったのかもしれないなあと思ってしまうところが面白いんですよ」と。それはそのはずで、原案提供者は海外経験もあるジャーナリストやその分野の専門家ばかりであって、彼らとの議論を通じて形作られるしっかりとした骨組みの上に、先生自身の独特の感性に従って目一杯、想像力を働かせてストーリーを走らせていくわけだから、先生が言うように「こんなことは絶対ありえない(という荒唐無稽な)ことは描いていない」のである。

 『ゴルゴ13』の連載が『ビッグコミック』で始まったのが38年前の1968年、私が大学を出てジャーナリストの道に踏み出した年である。その時から今日まで欠かさず読んでいるのだから、私もゴルゴの最良の読者の1人と言えるだろう。2年前に還暦を迎えて、何かけじめを付けなければいけないと思って、『ビッグコミック』を毎週キオスクで買うことは止めた。しかしゴルゴだけは気になって、単行本が出れば買って読んでいる。さて、どんな本が出来るのか、楽しみなことであるけれども、原稿を書かなくては始まらない。今日明日はその執筆に没頭の予定。▲

2006年2月 2日

長崎は今日は晴れだった

 今日は長崎で日本電信電話ユーザ協会長崎支部で中小企業経営者の皆さん100人余りを前に景気についての講演。インサイダーで書いたホリエモン事件の捉え方を前振りにして、日本経済がなぜ「改革」なしにはこれ以上前進できないのかというお話をした。

 夕方、昨年11月にオープンしてなかなか評判がいいと聞いた「長崎歴史文化博物館」に行って、2階の常設展と3階の企画展「清朝末期の宮廷芸術と文化」を観てから、中華街に行って1月29日から2月12日まで開かれている「長崎燈会(ランタンフェスティバル)」を堪能し、それから通りがかりの銅座町の「吉里吉里屋」という居酒屋で一杯飲んで、ホテルに戻って、冷蔵庫のチュウハイを飲み継ぎながらこれ(とさっきの原稿)を書いている。

 博物館の常設展は、一番古い国際都市=長崎の中国、朝鮮、そしてヨーロッパとの交流と貿易の歴史を豊富な文物で表したもので、当時の日本人がそれら外国の文化に接してどれほどワクワクしたか、その新鮮な驚きがそのまま伝わって来るようで、楽しかった。清朝展もなかなかの優れもので、北京故宮博物院の所蔵品を巧く配置して、西太后やラストエンペラー溥儀の暮らしぶりを描いていて興味深い。非常にビックリしたのは、初めてマジマジと見た西太后の写真数点。田中真紀子にそっくりなのだ。なるほどねえ、真紀子を西太后の再来だと思えば理解できることが多々ある。今日は旅先なのでスキャナーがないから、後で写真を載せる。これは誰でもビックリするはずだ。

長崎歴史文化博物館  http://www.nmhc.jp/

 ランタン祭は、本来は中華街の華僑たちの旧正月の祭。中華街の脇の湊公園でささやかに営まれていたものを、15年ほど前から市や地元市民も一緒になって日中共同で大きな祭にしようという努力が始まって、今では半月近い期間中に全九州のみならず本州からもバスで観衆が集まって80万人が訪れる一大イベントになった。中華街=湊公園を主会場に市内6カ所の拠点にいかにも中国流の赤色の様々な形をした張りぼて提灯が飾られて、時に応じて中国風のパレードや演舞や獅子舞が行われて、ここだけ見ていれば小泉のせいで日中関係が険悪化していることなど嘘のように感じられる。小泉もここへ来て、日本が中国の文化的な弟分なのだということを実感すれば、もう少し刺々しさが取れるのではないか。

長崎ランタンフェスティバル  http://www.nagasaki-lantern.com/index_2.html

《ざ・こもんず》のブログがだんだん面白くなってきた!

 まだ実験運用中の《ざ・こもんず》ではあるが、各ブログがだんだん面白くなってきた。

田原総一朗の「タハラ・インタラクティブ」でようやく映像が入り始めた。田原さんがサンプロが終わったあとに、番組では言い切れなかったちょっと際どいことをしゃべっていて面白い。元インサイダー社員のKディレクターがジャナ専(ジャーナリズム専門学校)から集めてきた若い衆4人を面接して、《ざ・こもんず》の映像ブログ要員としてアルバイト採用、2人ずつの2チームを編成して、タハラを追っかけ回す態勢で動き出したのだ。私も週に1〜2回、インタビューに応じろと言われているので、そのうち私の映像も出てくることになるだろう。

リック・タナカの「南十字星通信」は、ほとんど毎日のように書いていて偉い。シドニー郊外と言うのも気が引ける飛んでもない山の中でナチュラル・ライフを営んで、これから大学に入り直して農業の勉強をするとか言っている半ば仙人暮らしでありながら、そこから日本のみならずパレスチナあたりまで見渡しているという自由闊達さが、私がこのサイトに求めている“ブログ・ジャーナリズム”の1つの形を作っていると思う。彼が1月17日付で書いた「ブログ初心者の告白」は、大事なことを言っているので、特に執筆者のみなさんは必ず読んでおくこと。

葉千栄の「リアル・チャイナ」が急にテンポがよくなって、このところの中国のGDP統計をめぐる分析は面白い。これを読んでいて1つ気が付いたのは、金融・経済関係の世界的に有名な金融機関や研究所の要所要所のアナリストに必ず中国人がいるという時代なのだということ。これって、我々では想像もつかないヴァーチャルな情報ネットワークになっていて、葉さんもそういう一角で仕事をしているのかな?と思った。

有田芳生の「情報の裏を読む」もなかなかいい。「ハーレム男の古典的手法」は、なるほどと思った。若い女性たち(に限らないが)の“豊かさの中の寂しさ”の深みとでも言うのか、自分の生き方を見つけることの難しさなのか、考え込んでしまった。

マッド・アマノの「The Parody Times」のアメリカ講演旅行の話も凄いなあ。やっぱり私は、ブッシュが大統領の間はアメリカに行かない方がよさそうだ。

 これらをはじめとして、だんだん各ブロガーのみなさん、リズム感が出てきて、私が期待した感じが少しずつ出てきた。反面、なかなか始まらない人、始まったが思うに任せない人もいて、それは(岸井成格だけだが)パソコンもネット環境も持っていないという人もいれば、持っていても自分では難しいことは一切やらないという人もいれば、自分はやらないけれどもやってくれるアシスタントがいるという人もいれば、そのアシスタント忙しくてまだ手が着かないという人もいて、様々なので、時間差が出てくるのは仕方がない。読者のみなさんも、我慢強く見守って頂きつつ、今始まっているブログにどんどん意見を言って叱咤激励する共に、読者が増えるとブロガーも励みになるしサポーター企業も増えるので、このサイトをあちこちで宣伝して読者を増やして頂きたい。読者もこの実験の参加者。よろしくお願いします。▲

Profile

高野 孟(たかの・はじめ)

-----<経歴>-----

1944年東京生まれ。
1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。
通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。
同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。
80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。
94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊したほか、PC-VAN・NIFTY-Serve・MSN、富士通ブロードキャストその他電子メディアのコンテンツ創造、講談社・小学館・集英社その他出版社のウェブサイト開設、『インサイダー』のメルマガ化、などを次々に手掛け、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者と呼ばれた。
現在、それらの経験を活かして、独立系メディアの総合サイト《THE JOURNAL》に取り組んでいる。
2002年に早稲田大学客員教授に就任、「大隈塾」の授業「21世紀日本の構想」、ゼミ「インテリジェンスの技法」、社会人ゼミ「ネクスト・リーダーズ・プログラム」を担当している。

-----<出演>-----

『サンデープロジェクト』
(TV朝日系、日曜10:00~)

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日系、最終金曜25時頃~)

『たけしのTVタックル』
(TV朝日系、月曜日21:00~)

『情報ライブ ミヤネ屋』
(読売TV系、月~金曜21時~)

BookMarks

東京万華鏡:TOKYO KALEIDO SCOOP
http://www.smn.co.jp/

INSIDER:インサイダー
http://www.smn.co.jp/insider/

大阪高野塾
http://www.osaka-takano.com/

-----<著書>-----


『滅びゆくアメリカ帝国』
2006年9月、にんげん出版


『ニュースがすぐにわかる世界地図(2006年版)』
2005年、ポスト・サピオムック


『最新・世界地図の読み方』
1999年、講談社現代新書

『情報世界地図 98』
1997年、国際地学協会

『地球市民革命』
1993年、学研

『21世紀への世界時計』
1991年、集英社

『入門世界地図の読み方』
1982年、日本実業出版社

→ブック・こもんず←



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