映画『るにん』について・続
「るにん」
2006年1月14日〜
シネマスクエアとうきゅう他
『週刊現代』1月28日号に「スペシャル対談/松坂慶子×奥田瑛二「オトナの性愛は激しく美しい」/流刑島での「究極の愛」を描く問題作「るにん」が公開」という記事が出ている。
奥田 主人公の豊菊は、過酷な島に流されて、苦しみ喘ぎながら生きるために身体を売る。でも彼女は、男たちに愛を注ぐ菩薩のような存在でもあるわけです。そうした女性を、五感と肉体をもってガッチリと表現できる女優は、日本には松坂さんしかいないと最初から思っていました。
松坂 光栄です。初めて脚本を読んだ時、私、いままでいただいた本の中でいちばん嬉しいと思った。この役を私にくださったことに、すごく感激したんです。豊菊は吉原に反発して火をつけているわけですから、一人の女性として、そして一人の人間として扱ってもらえない悲しみや怒りを強く持っていたんだと思います。
奥田 そうだね。
松坂 でも、やはり身体を売ることでしか、島では生きる術がない。あんなに嫌だったのに、吉原と同じことをしなくちゃいけない。必死に今日を生き抜いて、明日も生きようとするんだけど、心の底では「自分は地べたを這いずり回る虫けらみたいな人間だ」と思っている……。
奥田は対談の最後の方で愛についてこう言う。「いまの若い人たちにいちばん足りないのが、真実の愛だと思うんです。肉体の結びつきで安価な愛を獲得したと錯覚しているわけ。本当はコツコツ高め合って、愛の持つ強さをお互いに確認して、初めて恋人になるんじゃないの? それがいまは観覧車に乗るみたいにセックスして、20代とかで肉体がリタイアしちゃう感覚がある。自分の五感が打ち震える悦び——つまり本当のエクスタシーを知らないままにね。オトナの性愛はもっと美しく、激しいものです。お前ら、この映画を見て感性をシンクロさせろよ、と言いたいです」。そうね、若い人たちこそ、この映画を見るべきだ。▲
コメント (1)
高野氏もこの映画に出演するやに聞いています。
是非見て 役者高野を拝見したいです。
投稿者: don | 2006年1月15日 15:26