麻生内閣は1月が限界!?(前編)
12月某日、田原総一朗氏とTHE JOURNAL主幹・高野孟による年末政局対談が行われた。
日本の政治のウラも表も知り尽くした2人が、テレビでは語ることのできないギリギリトークを展開。永田町の生々しい権力闘争を大胆に解説する・・・
高野:今年を象徴する漢字は「変」でした。
田原:チェンジですね。
高野:チェンジだったのか、変な年の「変」なのか。おそらく両方かけてるんでしょうね。
田原:日本は「変」な年かもね。アメリカはチェンジの年だった。
高野:日本の「変」な年の最大の理由が、福田さんが突然辞めて、麻生さんが総理になった。それですぐに選挙をやるのかと思ったら、やらない。となるとこのまま年越しとなるわけですが、いったい麻生内閣は来年どうなるのでしょう?
田原:麻生さん自身もよくわからないんじゃないかな。もともと麻生内閣は選挙をやるための内閣だったんで、閣僚も党三役もいいかげんなんですね。
高野:軽量ですね。
田原:軽量というよりも、すぐに解散するつもりだった。解散のつもりが長くやってる。官房長官の河村さんなんて、とても長く務める人ではない。麻生さんも秘書ぐらいにしか思ってないんじゃないかな。もともといいかげんな内閣だった。
高野:それが長くやってるから、余計にボロが出ちゃう。
田原:福田さんがそもそも何で辞めたかというと、理由は一つ。福田さんはジェントルマンだから。ただし、闘志がまったくない。だから、選挙が嫌い。
高野:嫌いなの?(笑)
田原:嫌い。でも、選挙をやらなきゃいけない。そこで、森喜朗さんが福田さんに「選挙やるのか」と言ったら、「私、嫌いです」と答えるから首相を辞めて、選挙が好きな人に代えることにとなった。そこで、選挙が好きな麻生さんが総理大臣になった。だけど、なってみたら意外に選挙が嫌いだった。
高野:なってみたら、できなくなっちゃった。
田原:僕は、麻生さんはもっと度胸がある人だと思ったけど、度胸ないね。
高野:あのベランメエ調だから「エイヤ!」でやるかと思ったけど。
田原:本人も解散をやるつもりでいいかげんな内閣を造った。解散をやらなかった理由は、彼が内閣を造ってすぐアメリカの株価が1日で777ドル下がった。その後に自民党内部で世論調査したら、公明党と両方あわせて定数500のうち200程度しか取れないという結果だった。これで選挙したら負けるに決まってるから、景気回復に全エネルギーを集中すると言い出した。
高野:そこからだんだん辻褄が合わなくなってきた。じゃあ、第二次補正予算もサッサとやるのかと思えば、それを持ち出せば野党からつつかれるからやらない。
田原:つつかれるだけじゃなく、第二次補正予算をやろうと思っていたのに、10月の下旬に2回目の世論調査したら、1回目より悪かった。10月ごろまでは第二次補正予算を国会に今年中に出し、衆議院を通す。そして参議院でモメたら解散、というのが常識だった。
高野:そうですね。
田原:ところが、負ける選挙がイヤなので解散をやめたら、もういつやるか目処がつかなくなった。
┃麻生内閣は1月が限界!
高野:これで年が明けて次の調査をやったら、もっと悪くなってるかもしれない。
田原:1月いっぱいは持たないと思う。
高野:そうですか。
田原:民主党にグイグイやられてね。
高野:国会は1月5日に始まる予定ですが、開会すればまず第二次補正予算の審議があります。そこで、例の評判の悪い定額給付金が焦点になりますよね。定額給付金は、世論調査で約70%の人がいらないと言ってるわけだから、野党は強気で行きます。
田原:野党は定額給付金だけじゃなくて、麻生いじめの材料をいっぱい持ってる。
コメント (2)
ああ、田原様、やっと以前の、ボクが好きだったころの田原様に戻りつつあるのでしょうか?先輩に対して(年上って意味ですが)失礼ながら、田原様の最大の魅力は「言説の格闘技家」にあるのです。ズツキ・ケタグリ・キンゲリをもいとわず、対象に肉薄していく!そのダイナミズムこそが魅力なのです。世論を誘導しようなどとは、クレグレモお考えにならないように…。高野様は田原様の最も良き理解者ではないかと想像いたします。お互いに、擦れ合いながら(触発しながらという意味です)2009年もユニークな切り口で、情報とその解析を提供してくださる事を切に望んでおります。
投稿者: hal2001 | 2009年1月 1日 06:56
全く、その通りになった。
久しぶりに国会中継にみいった。
それにしても、民主党は迫力があった。自民は似非文句にしてた政権担当能力?もぶっとんだ。こりゃー、自民は消えるなぁー。
投稿者: 津田 祐司 | 2009年1月11日 19:59