株価が乱高下する理由
株が乱高下するのは当然だ。
10月10日に金融恐慌を避けるためのG7が開かれた。その前に、アメリカは銀行が保有する不良債権を買い取るための処理機構をつくることにした。ところが、アメリカ国民は税金の投入に大反対しているため、肝心の処理資金の財源がいまだに決まってない。金融市場が安定しない理由はここにある。
税金を投入できないとなると、アメリカは国債を発行するしかない。だが、国内だけでの調達は難しいので、アメリカ以外の国がアメリカ国債を買うしかない。
実は、国債の買取先として、アメリカは日本に期待している。サブプライムローンの損失は200兆とも300兆とも言われていて、アメリカもヨーロッパも大きな損失を出しているが、日本の損失は約1兆円でほとんど無傷だからだ。
そのため、中川昭一財務・金融大臣がアメリカに行ったとき、世界は大歓迎した。アメリカもヨーロッパも日本に期待している。しかし、裏を返せばこれは「日本から金をむしりとってやろう」と考えているにすぎない。
中川大臣はワシントンで大歓迎されながらも、相手の魂胆が見えているから表情が暗かった。中川大臣は民族主義者だから、本心ではアメリカの損失をかぶるのは嫌に違いないが、今の世界の状況からすると日本は10兆円ぐらいは受けざるをえないかもしれない。25兆円を捻出する資金源が決まらない限り、株価の安定がないからだ。