リーマンの社員には、野村證券の5~6倍の給料を貰っている人間がたくさんいる。
だか、アメリカの金融業界では失業者があふれていて、辞めろと言われてもリーマンの社員には行く所がない。
ここを野村はチャンスとみた。野村はリーマンの社員の給料を大幅に下げて雇うだろう。これができるから野村はリーマンを買収した。
このように、今回の金融危機を通じて世界は一つのマーケットになりつつある。
モルガンスタンレーとゴールドマンサックスは銀行化され、証券と銀行の垣根もなくなった。銀行になるとFRBが金を貸してくれるからだ。これで証券と銀行の垣根も、そして国の垣根も全部吹っ飛んでしまった。
裏を返せば、そこまでしないといけないほどアメリカは行き詰まっているということだ。
(文責:THE JOURNAL運営事務局)
アメリカの財務長官であるポールソン氏くは、ファニーメイとフレディマックは約22兆円の公的資金で救済したが、次に破産した金融機関は救済しないと言っていた。その結果、リーマンブラザーズは本当に救済されなかった。
だが、リーマンが救済されなかったら、その損害額は約200兆円とも言われている。なので、現段階ではリーマンを5~6つに解体し、公的資金の注入やアメリカ金融機関による買収ではなく、世界の金融機関が買収するのではないかと言われている。買収者の候補には、野村證券の名前も挙がっている。
野村證券が本当に買うかどうかはまだまだわからない。だが、買収した場合「積極的な判断」との評価もできるが、裏を返せばこれはアメリカの押し付けでもある。
これが日本の苦しいところで、リーマンが倒産して200兆円以上の損害を出したら、世界経済は無茶苦茶になる。だから、結局は日本やフランスなどの他国がある程度リーマンの負債を負担せざるをえない。負担せざるを得ないという苦しいところに、アメリカは逆にそれを押し付ける。
これから先の対処方法が世界の同時経済危機を防ぐことになるのか、それとも世界がアメリカの戦略にそのまま乗ってしまうのか、ここを注意して見なければならない。
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戦後、東京出身で首相になったのは鳩山一郎だけだが、今回の自民党総裁選は与謝野馨氏、小池百合子氏、石原伸晃氏と3人が東京出身だ。
その理由は、東京では地方に比べて自民党に対する危機感が強いことにあるだろう。だが、もう一つ大きな理由があって、自民も民主もすでに総選挙に活動の照準を合わせていることにある。
もう、この時期は政治家は地元に張り付いて必死に活動をしている。だから、地方選出の議員は総裁選に出る余裕などない。一方、東京が選挙区であれば、東京で総裁選の運動をしていれば、それが同時に総選挙の運動にもなる。こういうことも今回の総裁選が安っぽく見えてしまう理由だ。
今回の総裁選は「自民党大売出し総裁選」。国民は、2年続けて政権を放り投げた自民党に対して「なんでこんな人を総理大臣にしたのか」と思っているのに、次がこんな自民党大売出しでいいのか。出たい人が出るのは悪いことではないが、全員が本気で総裁になる気があるとは思えない。実際、すでに2人(山本一太氏、棚橋泰文氏)が脱落してしまった。
今の時代の流れはすでに「政権交代」である。官僚べったりで問題が噴出する自民党に国民はあきれ果てていて、ここまでくると民主党に任せたほうがいいと思っている。
それが、自民党大売出しの総裁選で流れを逆転できるのか。立候補を表明した7人は、自民党を「こう変えるんだ!」と説得する力量、もっと言えば“真剣さ”があるのか。祭の人出のように気軽に出てきているようでは、国民はさらにシラけるばかりだ。
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総裁選は麻生さんのワンサイドゲームと報道されているけれども、僕は違うと思う。
もし麻生さんのワンサイドゲームになったら、総選挙は民主党が勝つ。安倍前首相に続いて福田首相も政権を投げたしたことで、国民は自民党政権に完全にシラケているからだ。
自民党は、そのシラケを熱狂に変えなければならない。だから、今度の総裁選は実力伯仲、スリル満点の“お祭り”にして国民を熱狂させる。そこに自民党は賭けるだろう。
では、いったい誰が総裁選に出るのか。麻生さんが一人だけ出るのでは何も面白くない。私の予測では、小池百合子さんが出る。それから、石原伸晃さんも出る。
となると、石原、小池、麻生で相当いい勝負になるのではないか。ワンサイドゲームで麻生さんが勝つのではなく、もしかすると逆転の可能性もある。
もちろん、総裁選という大祭りがうまくいっても選挙で勝てるとは限らない。だが、この総裁選は、自民党が国民に訴える“最大にして最後のチャンス”となるはずだ。
そして、22日の総裁選以降に国会が再開したら、早めに解散するのではないか。祭りの熱が冷めたら、自民党には何も残らない。熱狂をそのままで、下手をすると9月中の解散もあるだろう。
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