田原総一朗さんは10月からJFNデジタル703chで、『タブーに挑戦』という新番組を開始しました。
今回のテーマは「地球温暖化問題」。
アル・ゴア氏のノーベル平和賞受賞から今年6月のハイレンゲンダムサミットで行われた環境問題に関する討議の内幕まで、田原総一朗さんが地球温暖化問題を二酸化炭素大放出で語りつくします!
【番組URL】
http://www.jfn.co.jp/tahara/
(文責:《ざ・こもんず》運営事務局)
* * * 番組の内容を一部紹介 * * *
2005年にカトリーヌなどの巨大ハリケーンが相次いでアメリカ本土を襲い、アメリカ国内で地球温暖化が大きな問題となりました。すると、ブッシュ大統領はそれまでの「EUの温暖化対策(京都議定書)は科学的根拠のないインチキだ!」との主張を転換するようになり、「環境問題でもアメリカが主導権を取る」ということになった。アメリカは、軍事や金融政策のように、どんなことでも世界の主導権を握りたいからです。
ところが、ブッシュ大統領は主導権を握るといったものの、どうすれば主導権を握ることができるのかわからなかった。
そのとき、環境問題対策の新しいアイデアを出したのが、現在、日本で評判の悪い安倍前首相です。
そのころ、安倍さんもブッシュ大統領と同じく環境問題で苦労していて、日本が京都議定書で課せられたCO2の6%削減の実現に困っていた。
そこで安倍さんは、EUが8%の削減を実現したとしても、それは世界のCO2の3%を減らすだけでたいした意味はない、京都議定書に参加していない中国・インド・オーストラリア・その他の途上国もみんなひっくるめたCO2削減の枠組み実現に努力しようとアメリカを説得しました。
ここには安倍さんの思惑もあって、アメリカ・中国・インド・オーストラリアらの国々を新しい温暖化対策の枠組みに抱えることによって、京都議定書の6%削減義務がなくなればいいと思った。この提案に、ブッシュ大統領はのってきた。
また、その前に安倍さんは、温家宝首相が来日したときにも中国に同じ提案をしていました。
実はいま、中国は空気が汚くなって困っている。あるデータによると、1年に75万人が大気汚染が原因で死亡しているという。来年のオリンピックを成功させるためにも北京の自動車を100万台減らそうと考えている。なんといっても、中国は来年か再来年にはアメリカを抜いて世界一のCO2排出国になるかもしれない。中国国内でも環境問題が大変なんです。
そういった事情から、安倍さんの提案に温家宝首相ものってきた。中国もEUの8%削減という案には従えないと考えていて、アメリカ・インドやそういう国と一緒にサミットでEUに提案しようということになった。
その後、6月にハイリゲンダムでサミット(主要国首脳会議)が行われました。安倍さんは会議で環境対策を正式に提案しようと温家宝やブッシュに働きかけて、2人とも賛同した。実は、あの会議は安倍さんが仕切ったんです。
ところが、会議終了後、どこの国でも安倍さんの行動はどのメディアも取り上げませんでした。
その理由は、これがEUの凄いところなんだけれども、安倍さんの提案で会議がまとまると、ドイツのメルケル首相がいち早く自分で単独記者会見を開き、「私がまとめてこの方向になった」と言った。そしたら、ドイツの新聞やその他のEUの新聞は、翌日いっせいに「メルケルの勝利」と書いたのです。
日本の記者たちもサミットに同行しているのだから、「本当はそうじゃない、安倍さんがまとめたんだ」と書けばいいんだけど、当時は新聞・テレビ・ラジオも安倍バッシングが流行で、安倍さんの悪口はガンガン言うけど、「褒めるのは恥だ」と考えていたんですよね。
それで、日本の新聞記者はみんなその事実を知っているのに、誰も書かなかったのです。
世界は、まさに環境問題をどう解決するか考えている。
来年のサミットは洞爺湖で行われます。この洞爺湖サミットで、安倍さんは2050年までにCO2を半分にする提案をしようと考えていました。世界の国々が一緒にがんばろうということで、2050年に至るまでの道筋を今度の洞爺湖サミットで決めることになっていました。
本来であれば、どんなことがあっても安倍さんは洞爺湖サミットまで首相でいたかった。ところが、結局辞めてしまった。安倍さんは残念無念だろうと思います。