Calendar

2007年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      

« 小泉純一郎のすべてをお膳立てした秘書・飯島勲
メイン
23日(金)深夜は「朝まで生テレビ! ~田原総一朗 vs 12人の女たち!!~」 »

いま「改憲」して何が変わるのか?

好評発売中!
02250229.jpg
『憂国論』(朝日新聞社・刊)

■田原総一朗の蔵出しコラム!!
本日の「タハラ・インタラクティブ」は、2006年9月に発売された『憂国論』から珠玉のコラムを配信します!

-----------------------------------------------

いま「改憲」して何が変わるのか?

 2005年春、自民党と民主党が、それぞれの憲法草案のまとめの作業に入っている。表現は異なるが、いずれも現在の憲法を変更しようとしているのである。

 そこで、否応なく護憲か改憲かという話になるのだが、メディアに登場する識者たちの発言や論争などを見ていると、いずれの識者もいささか誤解をしているように思える。

 護憲というと、社民党の土井たか子や共産党の不破哲三などの顔を思い浮かべる人が少なくないだろうが、実は国民の多くの「護憲」は、土井や不破たちの「護憲」とはまったく違うのである。

 土井や不破たちは、自衛隊が存在することに反対で、日米安保条約にも、沖縄に米軍基地があることにも、全面的に反対している。もちろん、自衛隊のイラク派遣にも反対だ。つまり、たんなる「護憲」ではなく、本当はこうした「違憲行為」が犯せない、「非武装中立」からはみ出せない憲法に変えるべきだと考えているのだろう。

 だが、少なからぬ国民の「護憲」はもっと素直である。この点について、改憲を唱える人々も誤解しているように思える。

 国民の多くは、現在の憲法を実に使い勝手のいい、まことに重宝な憲法だととらえている。

 自衛隊の存在は認める。非武装中立ではこの国が維持できないことは百も承知している。日米安保条約も安全保障のために欠かせない条約で、組む相手がソ連や中国でなく、アメリカだったことは正解だと思っている。沖縄に米軍基地があることを、沖縄県民にはまことに申し訳ないが、やむを得ないと、困惑はしながらも認めている。

 そして、アフガン戦争に協力するのも、自衛隊をサマワに派遣するのも、すっきりしないが、国益のためにやむを得ないととらえている。憲法第9条がありながら、これほど伸縮自在に使える便利な憲法なのだから、何もいま「改憲」しなくてもよいと考えているのである。自民党も同じとらえ方だった。だからこそ「改憲」を本気には考えてこなかったのだろう。

 おそらく現憲法のままでも国連安保理の決議があれば、武力行使さえしなければ、反対はあるだろうが、「参加する」で通用するはずである。

 そのときは、たぶん「参加」ではなく「協力」という言葉が使われるのだろう。PKO法のときも「武力行使」は否定して「武器の使用」という言葉が使われた。サマワに自衛隊を派遣するときも「非戦闘地域」という前提がついている。だが、この程度の面倒臭さがあったほうが、国民に関心をもたせられていいのではないか。

 明治憲法も昭和憲法も、国民が参加してつくった憲法ではない、だから国民の手で憲法をつくるべきだというのが、改憲論者の主張の柱の一本になっている。だが、国民の手でつくると、どこにどんな変化が生じるのか。

 私は、天皇を元首にしても象徴とほとんど変わりはないと思うし、集団的自衛権は憲法に入れるべき項目ではなく、内閣法制局の解釈の問題だと思う。アメリカ、ドイツ、フランスなど他の国々で何十回も改憲が行われているのに、日本だけが憲法を「不磨の大典」のようにとらえているのは大錯覚だという声もある。しかし、日本では解釈改憲という事実上の「改憲」を繰り返しているので、「改憲」の必要はなかったのである。

(2005・3・18/週刊朝日「田原総一朗のギロン堂」より)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/2463

コメント (1)

私は基本的な幸福追求権を満たしてマリファナを吸っても逮捕されない憲法解釈がいい。

コメントを投稿

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

BookMarks

田原総一朗 公式サイト
http://www.taharasoichiro.com/

田原総一朗のタブーに挑戦!(JFNラジオ番組)
http://www.jfn.co.jp/tahara/

株式会社アスコム
http://www.ascom-inc.jp/

朝まで生テレビ!
http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/

サンデープロジェクト
http://www.tv-asahi.co.jp/sunpro/

早稲田大学 大隈塾
http://www.waseda.jp/open/attention/ookuma/ookuma_curriculum_2005.html

早稲田大学 大隈塾ネクスト・リーダー・プログラム
http://www.waseda.jp/extension/okumajuku/index.html

-----<著書>-----


『市場浄化』
2006年10月、講談社


『テレビと権力』
2006年4月、講談社


『オフレコ!Vol.2』
2006年3月、アスコム


『国家と外交』
2005年11月、講談社、田中均共著


『日本の外交と経済』
2005年9月、ダイヤモンド社


『日本の戦後(上)』
2003年9月、講談社


『日本の戦後(下)』
2005年7月、講談社


『田原総一朗自選集 1?5巻』
2005年7?10月、アスコム

『オフレコ!Vol.1』
2005年7月、アスコム、季刊

『日本の戦争』
2004年12月、小学館文庫

『日本の政治?田中角栄・角栄以後』
2002年10月、講談社

『日本の生き方』
2004年11月、PHP研究所

『日本政治の表と裏がわかる本』
2003年5月、幻冬舎文庫

『連合赤軍とオウム?わが心のアルカイダ』
2004年9月、集英社

『「小泉の日本」を読む』
2005年2月、朝日新聞社

『面白い奴ほど仕事人間』
2000月12月、青春出版社

『日本のからくり21』
朝日新聞社

『愛国心』
2003年6月、講談社、共著

『わたしたちの愛』
2003年1月、講談社

『日本よ! 日本人よ!』
2002年11月、小学館

『田原総一朗の早大講義録(1)』
2003年9月、アスコム

『田原総一朗の早大講義録(2)』
2004年3月、アスコム

『田原総一朗の早大「大隈塾」講義録 2005(上)』
2005年5月、ダイヤモンド社

『田原総一朗の早大「大隈塾」講義録 2005(下)』
2005年5月、ダイヤモンド社

『頭のない鯨?平成政治劇の真実』
2000年2月、朝日新聞社

『田原総一朗の闘うテレビ論』
1997年3月、文芸春秋

『メディア・ウォーズ』
1993年3月、講談社

『平成・日本の官僚』
1990年3月、文藝春秋

『警察官僚の時代』
1986年5月、講談社

『マイコン・ウォーズ』
1984年12月、文芸春秋

『原子力戦争』
1981年11月、講談社

-----<連載>-----

週刊朝日「田原総一朗のギロン堂」

SAPIO「大日本帝国下の民主主義」

プレジデント「権力の正体」

-----<映画>-----

『あらかじめ失われた恋人たちよ』
1971年、監督

→ブック・こもんず←


当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.

カスタム検索