大晦日の夜から元旦の朝まで、毎年恒例『朝まで生テレビ!元旦スペシャル』が放送されます。(31日深夜、25:30~29:55)
テーマは『激論!“北朝鮮” “激変する世界” 日本外交はナニができるのか?』
田原総一朗氏に今回の朝生のポイントを聞きました。(構成:事務局)
Q:北朝鮮がわざわざ孤立を進めるような政策をとる理由は?
北朝鮮は孤立しているように見えるけど、ヨーロッパのほとんどの国と国交がある。
ヨーロッパの主な国で国交がないのはフランスだけ。イギリスは大使館まである。
日本から見て北朝鮮が孤立しているように見るのは、それは日本人が間違っている。
北朝鮮は決して孤立していない。
北朝鮮が核を持った理由は2つあって、一つは金正日から軍隊へのサービス。
軍隊を手なずけていないと独裁者は自分自身が危うくなるからね。
もう一つはアメリカとの交渉カードを持つため。
僕はそう考えている。
Q:元旦の朝ナマではどのような議論をするのですか?
まずは北朝鮮問題。
核保有を宣言した北朝鮮に、国連は制裁決議を行った。
ところが、制裁は何の効果も生んでいない。
「いったい北朝鮮をどうするのか?」。
このテーマがまず一つ。
そこから「日米関係をこれからどうするか」という問題にも斬りこむ。
アメリカはいま、イラクでほとんど敗戦に近い状態。
イランとの問題も解決できていない。
しかも、アメリカ中間選挙ではブッシュ率いる共和党が上下両院で敗北。
「アメリカの裏庭」と言われる南米の国々では、アメリカが民主化と自由主義経済を推し進めようとした結果、反米一色になりつつある。
つまり、アメリカは世界から孤立しつつある。
日本はこういうアメリカとどう付き合うのか。
これも討論したい。
さらに、対中問題。
小泉時代には靖国問題で首脳会談ができなかったが、安倍は就任直後、いの一番に中国へ行って、首脳会議を実現した。安倍は今後、小泉とは違う対中政策をとるのか。
日中友好政策をとるのか。
靖国神社へは行くのかどうか。
大晦日の朝ナマでは、対アメリカ・対中国・対北朝鮮、もちろん対韓国も含めて、いつもより一時間半延長して元旦の朝まで徹底討論する。
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『オフレコ!別冊[永久保存版]昭和史のカラクリ「戦争」「天皇」「靖国」を徹底検証!』
2006年12月、アスコム
今回の別冊発行に寄せて、『オフレコ!』責任編集長である田原氏が本誌にかける“思い”を熱く語った!
ダウンロード(1分34秒)
* * 『オフレコ!別冊』の内容紹介 * *
靖国問題は、日本国民の問題だ。これを「神話」にしてはならない。
小泉純一郎・前首相は5年間、自民党総裁選公約に掲げたとおりに靖国神社参拝を続けた。中国と韓国はこれを強く非難し、北朝鮮問題で東アジアの緊張が高まるなか、日中・日韓首脳会談が開かれないままに首相は総裁任期を終えて退陣した。
その後に就任した安倍晋三首相はいち早く中国・韓国との関係修復に努めた。だから靖国問題は、一件落着したかのように見える。
しかし、じつは靖国問題は、対中問題でもなければ対韓問題でもない。それは私たち日本の、まさに日本国民の問題なのだ。そして、昭和9年生まれの私自身を含めたわが世代の問題でもある。
靖国問題を考えるには、昭和の戦争とは何だったのかを点検することが不可欠だ。だが、これまで私たちは昭和の戦争を「侵略戦争」と決めつけて、精緻な点検をしてこなかった。その結果、今や、昭和の戦争は侵略戦争どころか、日本の自存自衛のための正しい戦争だったという声が強まっている。「あの戦争を侵略や悪と見なすのは、日本人でありながら日本の歴史を否定することだ。そんな自虐史観を捨て、日本人の誇りを取り戻せ」と声高に主張する若い世代も増えてきた。
これには、昭和の戦争の点検を怠ってきたわが世代の責任が小さくないと私は考えている。このまま私たちが世を去れば、昭和の戦争も靖国神社も「神話」としてしか語られなくなってしまう。
だから、私たちが生きているうちに、昭和の戦争や靖国問題をもっと議論し、綿密に分析していかなければならない。
靖国問題を解くには昭和の戦争の議論が必要
そんな問題意識から、私はこの『オフレコ!別冊』を企画した。「朝まで生テレビ!」における靖国神社についての徹底討論に加えて、私より年上で昭和の戦争にめっぽう詳しい半藤一利氏に数々の疑問をぶつけたのである。
もちろん、昭和の戦争がすべて侵略戦争であり、何から何まで日本だけが悪かったと断言するのは杜撰すぎる話だ。「満州事変」「日中戦争」「太平洋戦争」というそれぞれの段階に原因があり、それぞれに解釈がある。これらを厳密に議論しなければ、靖国問題への解答を得ることができない。
ここで私自身の考えを簡単に述べておけば、三つの段階のうち、明らかな侵略といえるのは「満州事変」だ。ただし、これは戦略的には成功した。もっとも愚劣で無意味だったのは「日中戦争」だ。これは何のためにあんな馬鹿げた戦争をしたのかわからないというべきだ。
日本はその「日中戦争」の泥沼にはまりこみ、もがくうちにアメリカと衝突し、やれば負ける戦争に突入せざるをえなかった。これが「太平洋戦争」だ。
半藤さんには、このあたりの事情について詳しく解き明かしてもらった。また半藤さんは、昭和天皇の肉声を記したいわゆる冨田メモの分析を託された歴史家でもある。「朝まで生テレビ!」で議論した冨田メモについて、日経新聞が報じなかった点や疑問が残った点を私は徹底的に問うた。靖国論争の決定版になったと自負している。
(『オフレコ!別冊』巻頭言より)
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≪『オフレコ!別冊』目次≫
特別インタビュー
半藤一利 × 田原総一朗
●「後世の歴史家に昭和史を判断させる」のは間違いだ!
●昭和天皇の「不快発言」は本物か?
激論!昭和天皇と靖国神社
司会:
田原総一朗
パネリスト:
岡崎久彦(外交評論家、岡崎研究所所長)
香山リカ(精神科医)
姜尚中(東京大学教授)
草野厚(慶應義塾大学教授)
小森陽一(東京大学教授)
鈴木邦男(一水会顧問)
高橋紘(静岡福祉大学教授)
武見敬三(自民党、参議院議員)
細野豪志(民主党、参議院議員)
宮崎哲弥(評論家)
八木秀次(高崎経済大学教授)
山本一太(自民党、参議院議員)
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佐藤栄佐久(元福島県知事)・木村良樹(元和歌山県知事)・安藤忠恕(元宮崎県知事)と、収賄容疑による現職知事とその側近たちの逮捕が相次いでいる。逮捕後の取調べでは、知事自身が談合に積極的に関与した「天の声」の存在も明らかになってきた。
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県知事の談合事件が続いている。新聞もテレビも、逮捕された知事たちをまるで悪の権化のように語っている。
もちろん談合は悪である。しかし、テレビや新聞ではまったく報道されていないが、今回逮捕された知事たちには、談合をやらざるをえない事情がある。
知事の選挙には金がかかる。選挙中は県内全域にポスターを貼り、各拠点には事務所を設置しなければならない。集会を開く際には場所を借りるための経費もかかるからだ。こういった必要経費だけでも、1回の選挙で2~3億の金が必要だといわれている。
しかも、現在は企業による政治家個人への献金は全面禁止されていて、すべての企業献金は所属する政党に献金しなければならない。(※1)
自民党の復党問題もここに原因があって、復党すれば年間約2200万円の政党助成金を受けることができるが、無所属議員はゼロである。
造反議員たちが恥を忍んでまで自民党に戻りたがった理由は、無所属での政治活動、選挙活動は資金面での負担が大きいからだ。知事たちも無所属議員と同じく、資金面での不安をつねに感じている。
これが田中康夫(元長野県知事)や橋本大二郎(高知県知事)のように、スター性のある候補者であれば話は別である。抜群の知名度と、旧体制を打破することが目的の「改革、刷新」選挙では、経費はそれほどかからない。
だが、そのような候補者は稀である。多くの候補者はスター性など持ち合わせてはいない。
結果として、金に困った候補者は、企業に「借金」をして選挙活動をする。言うまでもなく、地方都市でこうした費用の捻出ができる企業のほとんどは、建設業者である。
こうなれば、後になって談合が発生するのは必然的とさえいえる。当選した知事は、談合による公共工事の落札、その利益供与で借金返済をするからだ。今回の一連の談合事件は、こういった構造的な問題でもある。
選挙資金のために「できない」ことを「できる」と支持者、あるいは有権者たちに言うのは、日本の政治家の悪い癖だ。後になって談合するぐらいなら、最初から「できない」とはっきり言わなければならない。
※1
現行の政党資金規正法では、企業・団体からの献金が、政党(政党支部を含む)、政治資金団体に限定されている。
また、資金集めに翻弄されない「政策本位の政治」を実現するため、1994年に政党助成法が成立し、一定の要件を満たした政党には国から政党交付金が配分されることになった。