当然の結果
沖縄知事選挙で野党統一候補が負けたのは、ある意味では当然だと私は思っている。
野党候補者が主張していたのは、沖縄にある在日米軍基地の国外移転だった。これはいかにも、非現実的である。すでに一部はグアムへの移転が決まっているとはいえ、すべての米軍基地を沖縄から他国へ移すことがどれほど現実感覚に欠けているか、沖縄の人たちは五感でわかっていたはずだ。
だから当然野党の負けだ、というのではない。
もちろん、沖縄に在日米軍が偏在している、バランスを欠いているというのは問題である。だが、問題だから沖縄からなくしましょう、というのが野党候補の本音での主張ではなかった。
沖縄から、日本から米軍基地をなくしましょう、というのは、民社党や共産党のアイデンティティだ。民社党や共産党の議員や職員の個人的なアイデンティティではない。組織としてのアイデンティティだ。
その組織アイデンティティを沖縄県民に押し付けようとしているのかどうなのか。
今回の選挙結果は、沖縄の人たちが基地問題を棚上げしようという意志の表示ではなく、組織アイデンティティ押し付けを拒否したものだった。野党は自分たち沖縄に住む人たちを見ているのではなく、自分たち政党の方を向いていた。だから、当然ながら選挙に負けたのだ。