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「新しい公共」サービスの一端に要介護高齢者の移動を

 公的介護保険制度には、まったく当てはまらない「介護旅行」を事業化しようという人には、民間でできる要介護高齢者向け運賃割引(親孝行割引)制度の検討を公共と名のつく取引先に協力を仰ぐようにお願いしている。

 日本には、「老後が心配だからお金は使わない」という人が少なくない。80才になっても90才になっても、である。

 毎日のように年金、医療、介護を三大高齢者問題としてメディアが扱うものだから、よくわからない人は、よけいに不安を煽られ、どんどん気持ちが萎縮してしまう。

 しかし、ここへきてこれまで我慢してきた人の様子が、少し変わってきたと感じる。

 そのきっかけとなった東日本大震災以後、介護旅行は一般旅行ほどに落ち込むことはなかった。むしろ、今だからこそ行っておかなければならないという雰囲気で、家族の後押しも積極的になったように感じている。

 介護旅行の中で、最近特に需要が増えているのが故郷への墓参りだ。中には縁のある寺をめぐる人もいる。それらを利用する人の声を聞くと、それがただの季節行事でないことがわかる。高齢で介護が必要な人にとっての墓参りは、故人との対話であるのと同時にご先祖とお迎えの準備を相談しているかのようだ。

 お墓参りは、日本人にとって大切な生活文化だと私は思う。

 介護が必要であるとかないとかに関わらず、誰もが行けて当たり前の世界にしなければいけないように感じる。だから、公共と名のつくものは、すべて利用できてあたり前にしなければいけないように思うのだ。

 今、高齢で介護が必要となった人は、普通に勤め上げ、普通に税金を払い、国を支え当たり前に暮してきた人たちだ。それが高齢や身体の不自由さを理由に、日本人が大切にしてきた生活習慣を続けられないというのはおかしいと思う。

 だから、公共と名のつく交通機関には、要介護高齢者の割引運賃制度を同じ移動に介助を必要とする人、障がいを持つ人に与えられた障害者割引運賃制度と同様に制度化してほしいとお願いしている。

 娘が父の死を記録した映画「エンディングノート」が話題だ。

 老後の心配をするより、死ぬまでに何をなし遂げるかを考える、父親の最期を記録したドキュメンタリーだ。若い人たちの中にも死を前向きにとらえようと考える人が増えているのだろう。

 高齢で介護が必要な人も、誰に気兼ねすることなく墓参りができる環境というのは、超高齢者社会を迎えた我が国の新しい公共とは、言えないだろうか。

 政権が変わる頃から、「新しい公共」という言葉に魅せられた議論が行われてきた。省庁の役人の中にも、何か自分たちで開拓できる新たな公共はないかと熱心だ。

 しかし、そこで語られるのは、税金を使った世界、公共制度の話であり、庶民の暮らしには及ばない。

 要介護高齢者の自由な移動を支える暮らしに目を向けるのは、民間目線での新しい公共サービスづくりだと思う。

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篠塚 様

新しい公共の概念は、行政が考えることではなく、公共交通機関が公益の概念を言葉ではなく、交通機関自身が主役となって実施することではないか。これからの時代は、NPOにたいする個人的寄付と同時に、企業が具体的に公共サービスの概念を実施できるかにかかっているような気がしています。

現在、優しい政府が歴代続いてきたので、国にぶら下がる人ばかり、国にぶら下がっていない人はいないのではないか。ぶら下がるのはよいが、ぶら下がりの程度に問題があり、国家予算の半分以上が借金によってぶら下がっているのです。

介護旅行も、人間として生きていくためには必要なことであり、人の手助けなくしては不可能なことであり、本来は障害者と同じように認められてしかるべきものと理解します。一方において、このような要求をすべて認めて行くと大きな金額となり財政負担が増えることになります。しかし、認めなければ不公平感はぬぐえず難しい問題であると思います。

皆が国家にぶら下がり、預貯金を膨大に増やしています。国民は裕福になり、国家は実質的に破産状態です。このような中で国民全体が現在の既得権益となっている「ぶらさがり」を削減放棄に応じれば、簡単なことですが、決してそのようなことはなく、あくまでも自己本位であり、他のことなど考えることは期待できません。

問題は、助け合いの精神がすたれ、権利意識ばかりが肥大化し、義務意識の欠如が、社会福祉の構造変換を阻害している面も大きいと考えています。

山田さま ご意見ありがとうございます。私もこの課題の中心にあるモヤモヤとしたものに対して、同様の印象を持ってきました。制度で語られることは、ごく一部の人の意見の反映でしかなく、また、影響力もなく、大半のおおよそそうした制度、政策では何にも変わらない人の生活は、やはり、自分たちで作っていくものだと思います。制度に頼めば10年かかってもできない、無意味な合意形成のためにいたずらに時間を費やすのみです。幸い日本国民、特に今のお年寄りは、税金も他国と比べればたくさんは収めていない分、国民は豊かになりました。この半世紀で国は貧しくなりましたが、国民一人ひとりはおおむね豊かになりました。自己が幸福感を味わいながら、社会のためにもなるお金の使い方を今、考えるべき時、世代が、自立した個人、大人ではないかと私は思います。次世代に何を残すか。現世利益だけでは、片付けられない今があるように思います。

小生が昔の人間なのかも知れないが、今の介護制度・医療制度は少し歪んだ方向にいっているのでは無いだろうか?確かに家で看病する事は家族に負担が大きくなかなか困難である事もわかります。

しかし、介護・医療の財源を考える時、同一世帯と子供達が別の世帯になっている時では扱いが異なる。これは相続の問題とも関係するが、子供の相続権は平等ではなく、親を看た子供には手厚くし、全く看ない子供は相続権がなくして、国が看た場合には、その財産は少なくとも医療・介護にかかった費用くらいは相続は国が取得する。

また、現在では家族が自宅で看ても介護料はいただけないが、施設では介護費用がかかる。少なくとも施設でかかる費用くらいを出してあげれば、外に出ないで家で収入が得られる。もちろん、強制ではないので、親の看病・介護をしたくない者はしなくても良い。ただ、相続分は少なくする。

今の制度は姨捨山の様なところが見られる。そういう自分ももうすぐ行く事になるだろうが・・・・。

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Profile

篠塚恭一(しのづか・きょういち )

-----<経歴>-----

1961年:千葉市生れ。
1991年:(株)SPI設立[代表取締役]観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。
1995年:超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。
2006年:内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー(外出支援専門員)協会設立[理事長]。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。
現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。

BookMarks

あ・える倶楽部
http://www.aelclub.com/

-----<著書>-----


介護旅行にでかけませんか──トラベルヘルパーがおしえる旅の夢のかなえかた(講談社)

問診による経営診断のすすめ方(共著)

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トラベルヘルパー養成講座・教本
 
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