Calendar

2010年8月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Recent Trackbacks

Category

« 2010年7月 | メイン | 2010年10月 »

2010年8月20日

再び青空の下へ ── トラベルヘルパーは頼まれ上手

shinozuka12.JPG

 寒さが和らぐころ、相談の電話が頻繁に鳴り始める。具体的な問合せもあれば、「いつか行かせてあげたい」という漠然としたものもある。

 90代半ばで去年、夫を亡くした母を古里に行かせて元気づけたいと相談があった。何とかしたいという息子の思いが電話から伝わる。「大丈夫。案内した最高齢は106歳、要介護度5でも京都を旅しました」と励ます。少し希望が出たのか、「お墓参りをしたら、温泉でゆっくりさせたい」「飛行機にも新幹線にも乗せたい」。次々と希望が飛び出した。

 相談は家族ばかりではない。施設、病院、役所、最近は後見人からの依頼も増えた。共通するのは「優しい気持ち」。高齢化が進み、地域ではさまざまな人同士が支え合って暮らしている。

 トラベルヘルパー講座に来る人は介護に携わってきた人が多い。わたしは、福祉の"多能工"になってほしいと伝える。制度で足らない所を何とかするよろず屋のようなものだからだ。

 介護旅行を仕立てるには、その人の体や気持ち、日々の暮らしを知らなければならない。ただ、磨くべき才能を一つに挙げるなら、「頼まれやすい人になること」と答えている。

 頼まれやすい人とは何のことはない、感じのいい人のことだ。難しい頼まれごとを引き受けることで、サービスの質が高まる。自分に解決できないことは得意な人に頼ればいい。違った能力を持ち、互いの困りごとを解決し合うことで、チームワークができてゆく。

 わたしたちは過去から未来へ、リレーのように移り変わる社会を生きている。次代に渡すバトンは地域の暮らし、現実の社会だ。いずれバトンを渡す日が来る。どんなバトンをどのように渡すか選ばなければならないが、日本人は協調性があり、穏やかで優しさも備えている。将来、アジアが高齢化する際にも大きな役割を果たすことができるだろう。

 行動に不自由があると、人はいつの間にか孤独になる。そんな人たちを青空の下に再び連れ出して支える大勢のトラベルヘルパーを、地域の中で育てていきたい。

Profile

篠塚恭一(しのづか・きょういち )

-----<経歴>-----

1961年:千葉市生れ。
1991年:(株)SPI設立[代表取締役]観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。
1995年:超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。
2006年:内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー(外出支援専門員)協会設立[理事長]。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。
現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。

BookMarks

あ・える倶楽部
http://www.aelclub.com/

-----<著書>-----


介護旅行にでかけませんか──トラベルヘルパーがおしえる旅の夢のかなえかた(講談社)

問診による経営診断のすすめ方(共著)

大人の脳活性訓練ガイド(入門編)監修

トラベルヘルパー養成講座・教本
 
介護旅行でいきましょう(時事通信・連載)
 
→ブック・JOURNAL←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.