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作家・柳美里さんが韓国での国際ペン大会を痛烈批判

 10月6日発売の月刊『創』11月号で、作家の柳美里さんが14ページにわたって、この9月に韓国で開催された国際ペン大会の内情を痛烈に告発しています。柳さんはそもそもこの大会にメインスピーカーとして招待され、「表現の自由」と題するスピーチを行ったのですが、主催者側との間に「不愉快な出来事が立て続けに起きました」。

 そのダメ押しとなったのは、最終日に、ペン大会に参加した世界中の作家らが慶州の「観光」に案内されたところ、それが何と原発施設の見学だったことでした。どうやらペン大会開催にあたって、原発企業が協賛となったようで、ペンクラブ韓国支部のおぜん立てで原発PR観光が行われたようです。柳さんはそれについてこう書いています。

〈「観光」と称して、世界114カ国から参加した文学者たちをバスに乗せて原発施設に連れて行く神経を疑ったのはわたしだけではなく、ドイツとフランスのペンクラブは抗議を行ったそうです。〉

 日本で昨年、福島第一原発事故が起き、柳さんを始め、文学者の間でも原発が大きな問題になっているこの時期に、隣国でこういう無神経なことが行われていたのには驚きを禁じ得ません。しかも、多くの作家やジャーナリストが参加したこの国際大会について、今回、柳さんが告発を行うまでほとんどこれが話題になっていないことも驚きです。

 原発「観光」は約3時間行われ、文学者たちはヘルメットに防護マスクという異様な格好で各施設を見学したようです。「写真撮影禁止」だったのですが、柳さんはちゃんと写真を撮影し、『創』誌上に公表しています。

 『創』での柳さんの連載は、毎月4ページだったのですが、今回の告発については、柳さんがどうしても書かずにはいられないとして急遽14ページの長文の手記を執筆。校了前日にそれが送られてきたのですが、編集部の判断で、予定していた他の原稿をペンディングして一挙掲載に踏み切ったものです。

 この春からは南相馬災害FM(現「南相馬ひばりFM」)にボランティアで毎週出演するなど、福島に通い、原発事故の問題に関心を寄せてきた柳さんには、絶句せざるをえない体験だったようです。

 なお柳美里さんは、先頃刊行した対談集『沈黙より軽い言葉を発するなかれ』(創出版刊)で、多くの表現者と原発問題をめぐって対談を行っています。

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コメント (1)

ジャーナルのサイト、久しぶりに拝見しました。私は金平茂紀さんの記事が読みたくて、
友人から久しぶりに投稿があったと聞いて開いたのですが、何と別の記事にコメントを
送らせていただきます。

教え子が韓国に戻ってから原発反対運動に孤軍奮闘しています。3月にソウルで
核サミットのあった時期、集会を催しても韓国メディアは完全にスル―。ソウルでは
「反原発、何それ?」「だってソウルは離れてるから大丈夫よ」などの反応。彼女が
言うには、原発への意識は日本の10年前、いや20年前かもしれない、と言います。
ところが先日、2カ所で原発が故障して止まりましたね。安全対策は万全なのかしら。

韓国を疑問視する一方、日本だって自民党体制の間はひたすら推進されて、いくつかの
事故があっても原発止めようという意識まではいきませんでしたね。福島を経験した
国民が、領土問題という村上春樹氏によれば安酒の酔いのような(朝日)勢いに、再び
原発推進政党が支持されているのは信じ難いことです。

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Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

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創出版
http://www.tsukuru.co.jp/

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-----<著書>-----


『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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