Calendar

2011年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Recent Entries

« 狂気の作家・見沢知廉を描いた映画「天皇ごっこ」公開!
メイン
福島第一原発敷地内取材をめぐるメディア選別の「脱力」 »

大阪ダブル選を前に橋下徹氏めぐる場外乱闘の報道合戦

 いやあ、すさまじい。橋下徹氏の「出自」を暴露するスキャンダル報道が『週刊新潮』『週刊文春』で吹き荒れていると思ったら、11月7日発売の『週刊ポスト』『週刊現代』がそれに対抗する論陣を張り出した。特に『週刊ポスト』は「橋下徹『抹殺キャンペーン』の暗黒」と題して、一連のバッシング報道は橋下氏の改革路線に怖れをなした既得権益集団の陰謀だ、といった感じの論調だ。これもすごい論法で、場外乱闘もここまでいくとまさに混戦としかいいようがない。

 『週刊新潮』『週刊文春』の橋下叩きについては、11月6日付の東京新聞特報面に以下の論稿を書いた(コラム「週刊誌を読む」)。

          ▼

 大阪ダブル選挙を前に、週刊誌による橋下徹バッシングが吹き荒れている。以前からあった「ハシズム」批判とは異なる、扇情的な「出自」暴きである。

 橋下氏が同和地区で育ったことは本人も公言していたが、それにとどまらず、父親がヤクザの組員であったこと、幼少時にその父親が自殺したことなどを『週刊新潮』と『週刊文春』が競うように暴きたてているのだ。

 きっかけは月刊誌『新潮45』11月号だった。橋下氏の叔父に取材した内容をもとに書いた出自の話が大阪で反響を呼び、売り切れ店続出で異例の増刷を行ったという。『週刊新潮』がそこに飛びついたのだった。

 同誌11月3日号の見出しは「『同和』『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」。橋下氏の独裁的手法や上昇志向は、ヤクザの父親が自殺し、母子家庭で育つという不遇な境遇からエリートになることによって抜け出ようとした生い立ちに秘密があったという趣旨だ。

 同日発売の『週刊文春』11月3日号も「橋下徹42歳書かれなかった『血脈』」と題して父親の話を書いた。

 橋下氏はこれらの報道に反発し、ツイッターに次々と感想を書きこんだ。「実父の出自も今回の週刊誌報道で初めて知った。僕は成人だから良い。しかし僕には子供がいる」「子供の友達の親も皆知ることになっているだろう。妹も初めてこの事実を知った。妹の夫、その親族も初めて知った」「メディアによる権力チェックはここまで許されるのか」
その批判に『週刊新潮』は翌11月10日号で「独裁者になるという為政者をメディアが監視するのは当然だ」と反論し、続報を掲載。『週刊文春』は「母の独白90分『疑いを持たれる人と一緒になった私が悪い』」と母親の証言を紹介。バッシングは収まっていない。
ヤクザの父親と不幸な生い立ちという出自暴きは、「のりピー」こと酒井法子騒動の時と同じだ。大衆の興味をかきたてることは間違いない。そして、この逆風が選挙にどう影響するかは微妙なようだ。えげつないとも言うべき週刊誌報道に反発して橋下氏にエールを送る声も目立つという。仁義なき戦いは今後、どうなるのか。

          ▼
 
 紙幅の都合で書ききれなかったが、『週刊文春』の橋下叩きは面白いことに、同じ誌面に文春新書から出た橋下氏の新刊の広告が載っている。この新書は明らかに橋下出馬にあわせて出版したものだが、その広告を載せた号が橋下叩きの特集というのでは、新書の担当者は「俺の立場はどうなるの?」という思いだろう。新書と週刊誌の編集部が互いに独立しているといえば聞こえはよいが、このチグハグさが何ともおかしい。

 それにしても心配なのは、『週刊新潮』の出自暴きキャンペーンで、これまで北大の山口二郎教授や中島岳志教授らがやってきた「ハシズム」批判、つまりもっと本質的な橋下批判がかすんでしまうことだ。まさにミソもクソも一緒になってしまったのだ。

 中島さんの「ハシズム」批判については、先日大坂のシンポジウムでの発言をほぼ全文、11月7日発売の月刊『創』12月号に収録した。その前のシンポでなされた山口二郎さんや香山リカさんらの「ハシズム」批判も、近々ブックレットが発売されるらしい。『週刊新潮』の暴露は確かにインパクトの大きさだけは認めざるをえないのだが、橋下批判を矮小化してしまった感は否めない。

 場外乱闘はいいが、議論するなら本質的で真っ当な論点でやった方がいい。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/8293

コメント (10)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。

一、コメント欄は匿名掲示板ではありません。投稿は本名(もしくは固定のペンネーム)でお願いします。

一、コメント欄は投書欄ではありません。記事と関係のないコメントや長文(400字以上)のコメントは、内容に関係なく削除する場合があります。

一、コメント欄は噂話を書く場所ではありません。ネット上とはいえ、公的な場である以上、事実関係に誤りがあるコメントは公開できません。情報元のソースはできるだけ開示してください。

一、コメント欄はフラストレーションの発散場所ではありません。感情的な非難や誹謗中傷は受け付けません。なお、最低限のマナーが守られている投稿であれば、記事に批判的なコメントでも削除することはありません。


そのほか、詳細は下記リンクにも掲載していますので、投稿前にご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

このコラムを読み真っ先に感じたことは、【政治も経済もメディアも欧米化】していると思えることだ。
しかも悪点のみ【模範】とし、よい面を取り入れていないことに尽きる。

篠田博之様

マスコミの低次元の争いは、日本の現実の姿ではないか。貴族武家社会なら分からないことはないが、現在は民主主義社会なのです。タイムスリップも酷過ぎると言える。
政治家は、いやしくも国民から選ばれた国民の代表者であり、求められる姿は国民の利益を確保する政策であり、争うのであれば、政策で堂々と争うべきなのです。

出自を問題にして、政策的課題が深まると言うのでしょうか。この問題を聞いて、小沢氏に対する異常な報道が連想されてしまう。政治家を批判するのであれば、出自とか利権誘導とか、数の論理とかが問題視されるのではなく、政治理念であり、実行力ではないか。

日本人の悪いところであるが、他国に極めて弱く寛大であるが、仲間内ではお互いに足の引っ張り合いをして、建設的な見方考え方が度外視され、前例とか、横並びとかおよそ社会の進歩を阻害することが重要視されるのです。

橋本氏も小沢氏と同じようなマスコミの攻撃を受けているが、仁徳なのか、理解者が多いのか、半分のマスコミからは支持を得ておられるので救われる気がします。

いずれにしろ、レベルが低すぎて、本来コメントすべきでないかもしれませんが、マスコミの低劣なことを再認識しています。

マスゴミと言われる所以であるが、何故此処までバッシングで雑誌を売らんとするのだろう。選挙を前にして、これも人格破壊の一つだろう。本人が何を言おうと、有権者には正しい判断の為の参考資料を与えるのが役目ではないのか?おやじがやくざで有ろうと、同和の近くに住んで居たからと、こんな内容は何の本人の参考になるのだろうか?売れれば良い、だからスキャンダルを探す、その下衆のやる事こそが間違いを起こすのだ。平松氏には何もないのか?これでは平松を当選させる意図を感じる。本当に日本のマスゴミは、出て行けと言いたい。

選挙妨害で週刊誌を訴える事は出来ないですか?


橋元さんは弁護士だから何らかの法的処置をとったらいかでしょうか?


それにしても根性が腐ったマスゴミだ!

篠田博之様

表現の自由と人権(家族も含めて)の問題として捉えることが必要ではないですか。

週刊ポストの論調が正しいと思います。
場外乱闘として、「ミソ」も「クソ」も一緒にしては言論人としての資質が問われます。


北大の山口二郎教授や中島岳志教授らがやってきた「ハシズム」批判、香山リカさんらの「ハシズム」批判。
「ハシズム」なんて、品位のない決めつけ、恥ずかしくないですか。
クソとクソではないですか。

 橋下 徹氏の出自 暴露することは、氏が府知事時節にやってきたの検証やらずに、売らんかなの週刊誌の扱いで不愉快です。こんなこと無視し、氏が大阪市長になりやろうとしていること市民にとって、いま以上に良くなるのか又どこが変わるのかです。普通の市民が殆ど知らない「地方自治法」など少しかじれば二重行政云々など言う橋下陣営であるから、目糞鼻糞になると思います。
  平松さんが、これに乗ったら終わりと思います。
 インターネット新聞に書いておきました。お読みください。
  ○ 大阪府知事と地域政党(橋下私党?)「大阪維新の会むの暴走
   http://www.janjanblog.com/archives/43852

○ 地方制度全般について市町村自治優先の原則に立ち議論を深めよう

 http://www.janjanblog.com/archives/44952

朝日、毎日、日経などの記者 自地制度に殆ど知悉しておらず、橋下氏が知事のとき 、知事の広報版に成り下がつていたことが問題です。
  

彼の出自を聞いて、「こんな環境で育って弁護士・知事になるなんて凄い奴だ」と思うか、それとも「自分も貧乏で公的支援を受けた人間なのに弱者を切り捨てる恩知らずな奴だ」と思うか・・・・・私は正直に言って後者です。
地位が人を作ると言いますが、残念ながら彼の心にあるのは今も昔も出世欲だけのような気がします。彼が戦っている平松さん・民主党・自民党・(一部)メディアというのは元々彼を支援していた勢力のはずです。そんなに毛嫌いするなら最初から頼らなければいいじゃないですか。利用するだけして不要になればポイ。私はこんな人に市長になって欲しくありませんね。
もちろん私の私見ですよ。ただ、私見は文春・新潮の報道によって形成されたわけではないと申し上げておきます。
橋下産が自分が今まで何をやってきたか言ってきたか反省する良い機会にしてくれたら幸いだと思います。間違いなく優秀な政治家ですから。

私は橋本さんのスタンスは支持しませんが、出自を暴き立てる週刊誌には一分の理もないような気がします。

父親がヤクザでも彼はヤクザデモないし、幼いころに死んでいる。同和地区の居住は、何を言おうとしているのだろうか、これこそ言論の自由の名を借りた差別の煽りではないだろうか、本人とは全く関係はない。

結局、我々の良心はこうした雑誌は買わないことではないだろうか。
これは、違う角度からも、未必の故意的に敢えて意図的に報道すべきものを報道しない既存のオートマチックに宅配される五大紙にも言えることで、新聞をとらないという勇気も必要で、ひいては、それが良心的なマスコミを育てることにも繋がるのではと思います。

そして、これは私の個人的な感情ですが、保身的で民意がほとんど反映されず、遅々として進まない国政を見ていると、ハシズム的な手法に魅力を感じてしまう心理が少し怖いです。

出る杭はうたれる。だが、そんなことにめげてはいないだろう。地方は橋下から、中央は小沢一郎が天下をとってこの国の仕組みをかえる。一般会計と特別会計をあわせて予算を組むといったのに、まだ概算要求でやってる。いくら高級官僚かなんかしらないが、天下りのし放題で国民の税金を一人で五億も十億も喰っていいのか、官僚になめられた政治家はいらない。橋下がんばれ。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

BookMarks

創出版
http://www.tsukuru.co.jp/

最新号
↓ ↓ ↓

詳細はコチラ

-----<著書>-----


『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.