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12月15日、性表現規制強化の都条例改定案が可決成立してしまいました。

 11月末に東京都議会に提出された性表現規制強化の都条例改定案ですが、12月13日の都議会総務委員会、15日の本会議と、あっという間に改定案成立まで突き進んでしまいました。

 この間、反対運動も盛り上がりました。前回春に反対声明を出している日本ペンクラブを始め多くの団体が改めて反対を表明しました。中野で開催された6日の集会は会場に入れない人が多数出るなど千人を超える規模となったのみならず、会場には漫画家はもちろん国会議員や都議会議員も参集。「春の段階では反対しながら今回はこの時点で賛成に傾いていた民主党都議からは、今回は賛成に回らざるをえない、などと率直な発言も。改定反対集会に参加してこの発言をするというのも異例のことですが、会場からは野次を飛ばすでもなく、みんな真剣に聞き入っていました。何せ、都議会の力関係が刻一刻と変化していくという流れに、誰もがこれからどうなるのか、と見守っているという切迫した状況。会場にも緊張感がみなぎっていました。

 その後、大きなニュースになったのが、石原都知事が実行委員長を務める東京国際アニメフェアに、マンガを発行している大手出版社で構成するコミック10社会がボイコットを表明したことでした。最初にその態度を表明した角川書店を始め、集英社、講談社、小学館など漫画出版界を代表する会社によるこの反対行動のアピール度は大きなものでした。新聞報道もこの前後から一気に大きな扱いになりました。その中で、紙面で読売・産経が規制は必要だとのキャンペーンを展開するなど、報道機関も二分されました。

 そして改定案が可決成立してからも、出版労連や劇作家協会などが抗議声明を発表するなど、動きは続いています。

 何といっても残念なのは、春には少なくとも3カ月様々な議論が行われ、結局否決された改定が、今回2週間ほどで成立してしまったことです。提出前に民主党への根回しが行われていたとも言われていますが、あっという間に通ってしまったという印象です。反対運動が拡大しないうちに短期決戦で可決をという戦略は明らかでした。表現に関する大事な問題をこんなふうに片づけてしまってよいのかと思います。

 表現に関わる人たちの間では改定が誤りなのは自明という雰囲気でしたが、考えてみるべきことは、一部PTAなど規制推進の人たちも同時期、陳情に動いていたことです。

 私も東京新聞でもこの問題について書いたりしましたが、翌日、それを読んだ母親らしい女性が反論の電話をかけてきました。本当は表現の自由を主張する側と、子どもを守るために規制は必要だと主張する側とで、もう少しきちんとした議論が行われるべきなのですが、それは今回皆無でした。

 私が今回の改定に反対したのは、表現に関わる社会的ルール作りが必要だとしても、それは行政や警察の介入を可能な限り少なくする形で行うべきだという理由からでした。お上からの規制という点では、現行条例で十分です。

 今回、見直したのは角川書店など大手出版社が石原知事という権力に明らかな形で叛旗を翻したことでした。これだけ鮮明にお上にたてつくということを大手マスコミはあまりしないという印象を持っていたものですから。

 表現規制をめぐる問題、これで終わったわけではなく、大阪など他の条例改定の動きもあるし、国レベルでの児童ポルノ法をめぐる動きもあります。やるべき議論もせずに議会の多数派工作で物事が決まっていくというあり方はやめるべきだと思います。

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» 東京都青少年育成条例 改定されて、今後は・・・ 送信元 WINDARIA
先週、都の本議会で可決成立した青少年育成条例。 約3週間ほどの期間しかなかったが思ったよりも色々な所で反対や賛成の声が上がった。 ほぼネット中継だが集会や... [詳しくはこちら]

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ネットにはもっとひどい表現があふれていますがね。条例で規制してなんの意味があるのでしょう。
殺人事件に起因して刃物に対する規制条例をつくったところもあったかに思いますが、効果なんてないでしょう

漫画だけでなく、映画もTVドラマも、どうでもいい作品があふれて、その中の一部がようやく芸術として評価されるものなのでしょう

第一、それ主に18禁同人誌の話でしょうが。一般の作品ではない。アンダーグラウンドの世界にどこまで条例が通じるのかね

上記の方に横レスします。デマかもしれないということをあらかじめご承知ください。来春の都知事選で規制推進派の人物が当選した場合には、規制強化の第二段として同人誌規制が予定されているそうです。内容的には同人誌印刷所・同人誌即売会主催者・同人誌を委託販売する書店などに厳しい規制を課す内容で、既に原案も作成済みとのことです。現時点ではあくまでも噂ですが、実現してもおかしくないと危惧しております。

表現の規制ではなく、「犯罪的性行為を肯定的に描いたコミック等を18歳未満に販売しない」というごく当然の条例でしょう。大人の一部マニアの趣味を子ども相手に商売の道具にするとは言語道断でしょう。日本では自主規制っていいながら守れないから仕方ないのでは。

この条例の上っ面だけで判断する人がいるのは残念。
この条例は、石原とPTA、とある宗教団体、警察のゴリ押しであって、まともな条例じゃない。
『子供に悪影響を与える』なんて大義名分で誤魔化しているだけ。
中身は、規制基準がとことん曖昧なんで、冤罪による検挙を正当化しようとするものに等しく、これに賛同できるのは検挙実績を挙げたい警察関係者だけじゃないの?


児童ポルノ改悪もそうだけど、『児童ポルノ』とか『青少年非行防止』なんていう言葉が最初に出てくるだけで、それを検証すること自体、悪だと勝手に決め付けて、中身を見ようとしない輩が多いのは虚しい話。
名前じゃなくて中身を見ないと、とんでもない悪法が罷り通る世の中になってしまうんだけどね。
もちろん、気付いた後じゃ遅いけど。

初めて書き込みさせて頂きます。

この改悪条例問題に関しては主に以下の点が目に付きました。

①NHKをはじめ大手マスコミが本来の問題点を伝えず、同条例が販売規制のみという印象を与える報道に終始していた
②一般人の賛成意見のほとんどがそのマスコミ報道に基づいたものとなっている
③中立寄りの意見にも②のように若干問題の内容を勘違いしているものが見受けられた

提出から可決までの流れに加えて以上から私が受けたのは、

「世論誘導の情報操作まで含めて全てが確信犯的に粛々と行われた」

という印象です。
現在某ポータルサイトでこの件に関する意見を募集するトピックスがあったのでその内容を見て来たのですが、賛成意見の割合が思いの他多く、その内訳は誤った報道の内容を前提にしたものがほとんどでした。それも、本文中にもありました読売・産経新聞の記事をそのまま鵜呑みにしたようなコメントがあまりにも多く、それらには常套句のように「幼児が残虐な性行為をさせられている云々~」の思考停止を起こさせる文言が入っていました。中には既に18禁に指定されているエロゲーを持ち出しているのもありましたし、問題を理解されていない方がほとんどだと感じました。

なぜ著名な漫画家さん達が記者会見まで開いて反対しているのか、販売規制だけの条例だけならわざわざこれほど騒ぐほどの記事でもないんじゃないのか。

日本人がいかに「新聞・ニュース様信奉主義」に毒されてるかをまざまざと見せ付けられた気がします。

 多くの人が「表現の自由の制限」に繋がるということで反対されていますが、「表現の自由を守る」ということは、規制が出てくると反対するといことなのでしょうか。それであれば、「表現の自由の範囲もしくは基本」を、常にお上に決めてもらうことになりませんか。

現実には、直視できないような猥雑な漫画や、平気で法を破り暴力を用いる漫画が氾濫しています。これに対し、規制が必要と思う人は少なくありません。石原知事の言「自分の子供に見せられるのか」に共感する人は多いのです。石原知事を支持しない人にも多くいます。その共感を持つ支持層がある限り、規制の要求は出てきます。

その結果、規制に「権力側の望む規制事項」が、含まれるとすれば、規制の口実を作った現在の出版や表現に係る人達にも、責任があるのではないでしょうか。

芸術とか表現を、条文で規定するにはそもそも無理があります。社会は、良識という基準で成り立っていますが、これも条文とすることは難しい。ですから、表現にかかわる人達自身は、社会と相対し、より良い社会をつくるための自分なりの基準を持つ必要があります。売れるから望む人かいるから、どのような表現を行って良いというのは社会が許さないと思います。

自由には、責任と義務が伴うことを自覚し、社会への影響に対する責任を意識している表現者もいるがどれだけいるか。どの対象に、どのような表現が許されるとの自律的な価値観なしに、「表現の自由」を叫んでも共感されません。

難しい法律論や将来の危機論を何度聞いても(それが正しくも)、幼い顔に大きな性器の少女がヌルヌルになっているようなカット一枚で、多くの大人は規制せよの気持になってしまいます。

今回の規制は、そんな規制が出てくるほど野放しになった表現にたいする反動です。お上が許す範囲だったらなんでもやり、規制が厳しくなったらに反対という意識をすて、自ら考えて基準(社会が受け入れる)を運用することが必要と思います。

規制を生んだ責任は、東京都議会にあるより、イべントボイコットを叫ぶ出版社に多くあると思うのですが如何ですか。この問題には興味がありますので、皆さんの反論を頂けたらと思います。

市民壱さんに同感です。子どもに悪いものは与えたくない、というのは、世界中の、子を持つ親の共通した願いです。子どもでも手にすることのできるスペースにエロ本が置いてある国は日本くらいと聞きます。商売のためなら子どもの性も商品化して社会的悪影響を考えず、反省、また責任も感じないのは今のテレビ、雑誌、新聞などマスコミ全体そのものです。日本社会を歪んだものにし世界に変な国と思われる日本。恥ずかしいですよ。

民主主義国家における表現の自由というものを全く理解していない人間が、今回の条例に賛成を示す、そのように見受けられますね。

猥褻の定義を警察が決めているなんてのは言語道断なんですが、民主主義の概念を官僚というフィルターを通して目に見えない官僚支配こそが民主主義と洗脳され、マスコミがそれを垂れ流すの構図を理解していない人間は、それが正しいと勘違いしているのでしょう。

憲法と言うのは、政治家、官僚、公務員達に対する国民による命令なのです。
憲法を侵す法律、条令は一切作れないのです。
不思議なことに、憲法の概念を政治家や官僚が勝手に解釈する。
国民が憲法で表現の自由を権力者達に認めさせているのに、権力者にその概念を委ねようとする愚かさ。

権力者というのはとにかく国民を支配したくて仕方が無い存在なのを理解していない人間が多すぎますね。
一つ制約を増やせば、更に制約事項を増やそうとしてくるのが権力者なんです。

制約事項を増やすのに一番効果的なのは、弱者を守れなくないよという囁きです。
それは子供であったり、マイノリティーであったり、あらゆる手練手管を使って自由を制限しようとします。

アメリカでは裁判所が政治家の力を押さえつける判決、確か表現の自由に関する制限を加える法律かが成立しようとしても、違憲判決が下った覚えがあります。

日本ではひらめ裁判官と呼ばれる連中が多くて、国に不利な判決が下ることは滅多にありません。
それどころか、裁判所の判決がどうしたと開き直る小泉なんてのも首相をやってた国で、それを拍手喝采して求めていた三権分立をも理解しない国民がネットで多く騒いでいるような有様でした。

石原都知事が噴飯物の発言をしていますよね。私は国民の味方だ、都民の味方だと。
権力者というのは民衆と相対するものなんですから、有り得ないことを言っているわけです。

コンビニではビニールテープで封をしてありますよね。
表紙は見えても中身は見えないようになっている。
さらに18禁の本を置いてないコンビニも相当増えてきています。
それを突っ込まれた都知事や担当者は、言いよどんでという報道もありましたよね。

大手出版社もその内容の危険性を察知したからこそ、一斉に声明を出したのです。

欧米からも日本の表現の自由って何なの?って発言が相次いでいると聞きます。

大多数の日本人は日本が民主主義国家だと思っていますが、実際は官僚による政治が行われ続けている社会主義国家であるというのが欧米の認識なのに、それを日本人だけが知らないのですから。

だから表現の自由を平気でお上に決めてもらおうなんてPTAなんてのが出てくるわけでして。

子供に良いか悪いかは、各親が決める、それで良いんです。
自分が絶対正しいと思うから、他の親は信用ならないとかバカなことを言わないで欲しい。
更に国やら都が決めることでは無いのです。

この手の規制を行おうとする輩は必ず正義の仮面を被って登場します。
今も昔もそれは変わりありません。

インターネットが発展した昨今、いわゆるエロ本の類の販売額は全盛時の1/10以下になったと聞きます。
規制すればそれで一安心と興味を失う連中が、規制を求めるんですよね。
それでまた問題が起こったら、にわかに騒ぎ始める。

いつになったら日本人は成熟した国民になるのでしょうか。
良いか悪いかは自分達で決める癖を付けないと、いつまでたっても一本立ちできません。

規制を求める連中は、このような認識もないのでしょう。

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篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

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『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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