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« 6月9日夜、〈映画「ザ・コーヴ」上映とシンポ〉報告
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6月21日「ザ・コーヴ」めぐるシンポジウムを弁護士会館で開催 »

映画「ザ・コーヴ」上映中止問題 専用ブログを立ち上げました。

 急速に社会問題化した映画「ザ・コーヴ」上映中止騒動ですが、経緯を教えてくれという問い合わせがたくさんきているため、専用ブログを立ち上げることにしました。
http://thecovejouei.blog133.fc2.com/

 中止騒動は連日緊迫の度合いを強めており、明日19日には大阪の上映予定の映画館に街宣がかけられます。また京都では上映を支援する会が結成され、本日会見が行われました。この間、15日には日本ペンクラブが上映中止を憂慮する声明http://www.japanpen.or.jp/news/cat90/post_236.htmlを、16日には日弁連会長談話http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/100616_3.htmlが出されました。

 一方で、17日に予定されていた明治大学の上映会が中止になるなど、自粛の動きもまだ止まってはいないようです。

 それから、「ザ・ジャーナル」で中継した6月12日の横浜映画館前での街宣ですが、映像だではあまりわからないので、一応報告しておきます。

shinoda100619_1.jpg
↑ 一人で抗議団体に立ち向かう鈴木さん(中央後姿)。手前に立っているのは長谷川支配人

 6月12日午後1時過ぎ、映画館「横浜ニューテアトル」前で「主権回復を目指す会」など約30人の右派グループが横断幕や日の丸を掲げ、街宣を行いました。東京の2館が上映中止を決めて首都圏での上映予定はこの横浜だけになったため、ここが攻防戦の最前線になったのです。

 この映画館は2年前、映画『靖国』の上映中止事件の時も右翼の街宣を30回も受けて陥落、中止に至ったところ。支配人の長谷川さんはそれを後悔し、今回は絶対に上映をやめないと言明しています。「ザ・コーヴ」上映予定といっても何週間も先の話で、この日は全く関係ない映画が上映中。午前の回を見終わって出てきたお客さんたちは、出入り口の光景を見てびっくりしたようです。危険も予想されるため、入り口はシャッターが降ろされ、午後の回のお客が入るつどシャッターがあげられるというとんでもない状況で、これ明らかに営業妨害です。

shinoda100619_2.jpg
↑ 鈴木さんが論争を呼びかける

 右派団体が演説を始めてすぐに、一水会の鈴木邦男さんがそのグループに向かっていったのですが、取材に来ていたマスコミを含めてそこに大勢が殺到し、もみあい状態に。警官隊の指揮者が指示を出して、待機していた部隊もそこに突進し、一瞬騒然となりました。鈴木さんは「君たちのやっているのは、ただの弱い者いじめの営業妨害じゃないか」などと叫んだのですが、何せ相手は大音量のスピーカーを使っており、「鈴木邦男帰れー」などと大声で叫ぶために、議論にならず。鈴木さんは「堂々と出てきて、ここで1対1で論争しようじゃないか」とも呼びかけましたが、右派団体は聞く耳を貸さず大音量でシュプレヒコール。興奮して「鈴木邦男は朝鮮に帰れー」とか、わけのわからないことを叫ぶ人もいました。鈴木さんも右翼、相手も右翼で、この衝突、周囲の人には事情がわからなかったと思います。動画を見てるだけの人にはよけいわからなかったでしょう。

shinoda100619_3.jpg
↑ 一時現場は混乱に陥った

 鈴木さんは警察の制止もあって、一時、車道の反対側に引き上げましたが、街宣行動の間に何度もその隊列に向かっていき、そのつど警官隊が割って入る緊迫した状況となりました。映画館の前の車道をはさんで片側が日の丸を掲げた右派団体、映画館側の歩道には、マスコミや映画関係者、市民などがやはり30人くらい群がり、まさに対峙状態。その映画館側の真ん中に毅然として立っていたのが長谷川支配人でした。こちら側にもマイクがあれば車道をはさんで議論ができたのですが、何せ大音量のマイクが右派団体側だけにあるという状態で、彼らは一方的に自分たちの主張を演説するばかり。

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↑ 市民がボードを掲げて上映妨害に抗議

 ただ、市民の中には、無言で「恥ずべきは上映妨害」などと書いたボードを掲げている人がおり、これがなかなか効果をあげていました。後で聞くと、その男性の掲げたボードを隣の女性が一緒に支えてくれたとのこと。こういう市民の無言の抗議がもっと目に見える形で広がっていくことが、この騒動の根本的解決の道です。

 この12日の街宣の模様は、16日のTBS「ニュース23X」が報道していましたが、この間の経緯を大変わかりやすくまとめていました。上映中止をめぐる報道は、朝日新聞とNHKがリードしていましたが、このTBSの取り組みもなかなかのものでした。ちなみに朝日新聞は14日の社説でもこの問題を取り上げていましたが、これも非常にポイントをよくついた社説でした。右派団体側はこれに抗議するとして16日に朝日新聞本社前で街宣を敢行。この日は代々木で行われた映画の主役リック・オバリーの講演会にも街宣がかけられたし、右派団体側も今が正念場として活発に動いています。

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頑張ってください。ご迷惑でなければ、東京近辺で上映する予定をお教えください。また、右翼が街宣かける日時などが分かったら、教えてください。 二見

「何せ大音量のマイクが右派団体側だけにあるという状態で、彼らは一方的に自分たちの主張を演説するばかり」というが、
世界的にみて大音量のマイクを独占しているのは「ザ・コーヴ」側ではある。
太地町の漁民の方々が自分達の主張を映画にしたくても難しい。
映画を作れたとしても「ザ・コーヴ」のように世界中で上映する力はない。この現実は認めなくてはならない。
言論の自由の圧倒的不平等。
「ザ・コーヴ」側は権力を持っている。情報をコントロールする権力。
日本での上映を阻止してもあまり意味は無いが、他にインパクトのある抗議の手段が無いのも事実。

太地町の漁民側に立った映画(ビデオ)も同時に上映してバランスをとる~みたいなことをしない限りだめじゃないの?
漁民側に立った映画が上映されないのなら「ザ・コーヴ」も上映させない、というのが平等かも。

「一方的な言論であっても自由だ」という主張は、他の一方的な言論にも自由が保障されている(現実に)場合においてのみ正しい。

~なんか双方とも自分達を弱者だと考えているもの同士の対立っぽいが、言葉という点では明らかに弱者の側で考えてみました。

元沢庵和尚さん

勘違い・論点すり替えをしないで頂きたい。
ここで問題になっているのは“自称市民団体”による、大音響での業務妨害です。
「コーブ」と町とどちらの声が大きいかなどという話ではありません。

篠田さん、やりましたね!
「ザ・コーヴ」全国22館で7月3日から公開へ(読売)
だそうです。
よかったです。篠田さんの迅速な行動のおかげで、大成功です。

また、鈴木邦男さんの勇気ある行動、ひとりの市民のプラカード、映画の支配人さんの毅然とした態度のおかげですね。

映画上演阻止に反対する賛同者があっという間に多く集まりましたね。

映画館への応援のメッセージもかなり寄せられたようですね。
このことも、映画館に大きな力になったようですね。

個人的にはこの映画の内容には関心がないのですが、右派団体の卑劣な抗議によって、上演を自粛することはあってはならないことであることは間違いのない事実です。これを放置しておくわけにはいきません。市民の力が試されています。

市民社会はこの会の件で、その成熟度の1つの面がどうであるか試されたものと思います。その結果は、擁護の声が圧倒的であったわけで、それが力となったために、上映続行となりました。

だいじょうぶですね。市民の力は。まだまだ行けます。

ともかく、よかったです。
篠田さん、今後のご活躍を強く期待しています。自分も一市民として、できる限り協力させていただきたいと思います。

今日22日の朝日に、上映する6館が報じられていました。

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Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

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2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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