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2010年6月22日

6月21日「ザ・コーヴ」めぐるシンポジウムを弁護士会館で開催

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 6月21日、午後5時半から7時半まで、弁護士会館で「ザ・コーヴ」めぐるシンポジウムが開かれました。主催は東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会。日弁連会長談話も発表されたし、これは弁護士会が全体でこの問題に取り組んだということを意味します。

 最初に配給会社から、7月3日からの上映を予定している劇場が発表されました。
http://thecove-2010.com/

 2館の上映中止で全滅した東京で、新たにイメージフォーラムが名乗り出て、再び全国公開の体制ができたことがポイントです。続いて、地方から会場に駆けつけた大阪、京都、名古屋、仙台などの上映予定館の支配人が現状説明。こんなふうに映画館が直接マスコミに出て発言するというのは、映画「靖国」の時にはないことでした。

 ただ残念なのは、今攻防戦の焦点になっている横浜ニューテアトルの長谷川支配人が来れなかったこと。実はこの日、同館には新たな右翼団体の街宣車が街宣抗議を行っていました。これまでの「主権回復を目指す会」でなく、既存の街宣右翼です。今回の騒動で初めて既存の右翼団体が街宣に乗り出したわけで、これは新たな局面といえます。

 前半は映画館の話を中心に展開し、その後「ニコニコ動画」の生放送に出演するために退場した鈴木邦男さんに代わって、後半、田原総一朗、崔洋一という論客が登場。ただその前に、上映の情報に関して質問があれば、と会場に質問をふったところ、最初に勢いよく手をあげた最前列の男性。「映画評論家の前田です」と名乗って、演説をぶったのが、「ザ・コーヴ」とシーシェパードの関係。収入が同会に流れているとか、右派団体がこの間主張していることを、客観的事実であるかに話すので、「それは配給会社が違うと言ってるのだから事実を確認してからにしては?」と司会の篠田から注意。でも、後でこの映画評論家の人に話しかけたら、出した名刺が何と「チャンネル桜」。うーん、チャンネル桜だとわかったら、皆がそういう立場からの質問だとわかって聞けたのに、それって名乗ったことになってないのでは? 

 でも、この人を指したのは、前半の司会を務めた日隅弁護士なのですが、日隅さんは映画「靖国」の制作側の弁護人で、チャンネル桜は最も激しくこの映画を攻めたところだから、両者は敵味方。それをそうと知らずに真っ先に指名しちゃったというのが、考えてみれば可笑しい。ああ、あれはチャンネル桜だよ、と気づいていたのは崔さんだけなのでした。

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 後半は、ほとんど田原さんと崔さんのかけあいでしたが、これが面白い! 集まったマスコミ関係者にだけ聞かせるのではもったいないやりとりだったので、22日夜から「ザ・ジャーナル」などのサイトで録画放映することにしました。でも、後で聞いたら、現場でニコニコ動画がネット中継していたとか。生中継は構わないけど、一言、言っておいてほしい。このシンポは、NHK、TBS、テレビ朝日など地上波から海外メディアまで様々なところが取材していたのですが、そのなかでネット系メディアも来るのが今や当たり前の光景となりました。

 なお、このシンポの場で、映画演劇労働組合連合会がその日発表した声明を読み上げ
http://www.ei-en.net/appeal/100621_cove.html)、横浜地元メディアが「『ザ・コーヴ』上映を支持する会・横浜」を発足させたことを発表しました。『創』が呼びかけた緊急アピールの賛同者も、今度「『ザ・コーヴ』上映を支持する会」と名乗ることにしました。上映予定の各地にこの会を立ち上げ、地元の市民や文化人が映画館を支えるという体制を作っていけたら、と思います。「支持する会・横浜」は、今後賛同者を募り、7月3日までに正式に発表したいとのことです。
http://portside-yokohama.jp/

 シンポの中で田原さんから「上映妨害をしている人たちも呼んでぜひ討論会をすべきだ。それをやるなら僕も出席する」という発言が何度もありました。7月3日の公開日の夜に、新宿ロフトプラスワンで上映とトークを予定しており、そこをそういう場にするという案も浮上していますが、これはなかなか簡単なことでないので、検討のうえ改めて告知します(上映とトーク自体行うことは既に決定)
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/schedule/lpo.cgi?year=2010&month=7

 終了後、飲み屋で崔監督や石坂啓さんらと痛飲。崔監督は「僕はこういう集会はほとんど出ないことにしているんだけど、映画の上映中止だけは許せないから出てきた」と言ってました。

2010年6月19日

映画「ザ・コーヴ」上映中止問題 専用ブログを立ち上げました。

 急速に社会問題化した映画「ザ・コーヴ」上映中止騒動ですが、経緯を教えてくれという問い合わせがたくさんきているため、専用ブログを立ち上げることにしました。
http://thecovejouei.blog133.fc2.com/

 中止騒動は連日緊迫の度合いを強めており、明日19日には大阪の上映予定の映画館に街宣がかけられます。また京都では上映を支援する会が結成され、本日会見が行われました。この間、15日には日本ペンクラブが上映中止を憂慮する声明http://www.japanpen.or.jp/news/cat90/post_236.htmlを、16日には日弁連会長談話http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/100616_3.htmlが出されました。

 一方で、17日に予定されていた明治大学の上映会が中止になるなど、自粛の動きもまだ止まってはいないようです。

 それから、「ザ・ジャーナル」で中継した6月12日の横浜映画館前での街宣ですが、映像だではあまりわからないので、一応報告しておきます。

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↑ 一人で抗議団体に立ち向かう鈴木さん(中央後姿)。手前に立っているのは長谷川支配人

 6月12日午後1時過ぎ、映画館「横浜ニューテアトル」前で「主権回復を目指す会」など約30人の右派グループが横断幕や日の丸を掲げ、街宣を行いました。東京の2館が上映中止を決めて首都圏での上映予定はこの横浜だけになったため、ここが攻防戦の最前線になったのです。

 この映画館は2年前、映画『靖国』の上映中止事件の時も右翼の街宣を30回も受けて陥落、中止に至ったところ。支配人の長谷川さんはそれを後悔し、今回は絶対に上映をやめないと言明しています。「ザ・コーヴ」上映予定といっても何週間も先の話で、この日は全く関係ない映画が上映中。午前の回を見終わって出てきたお客さんたちは、出入り口の光景を見てびっくりしたようです。危険も予想されるため、入り口はシャッターが降ろされ、午後の回のお客が入るつどシャッターがあげられるというとんでもない状況で、これ明らかに営業妨害です。

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↑ 鈴木さんが論争を呼びかける

 右派団体が演説を始めてすぐに、一水会の鈴木邦男さんがそのグループに向かっていったのですが、取材に来ていたマスコミを含めてそこに大勢が殺到し、もみあい状態に。警官隊の指揮者が指示を出して、待機していた部隊もそこに突進し、一瞬騒然となりました。鈴木さんは「君たちのやっているのは、ただの弱い者いじめの営業妨害じゃないか」などと叫んだのですが、何せ相手は大音量のスピーカーを使っており、「鈴木邦男帰れー」などと大声で叫ぶために、議論にならず。鈴木さんは「堂々と出てきて、ここで1対1で論争しようじゃないか」とも呼びかけましたが、右派団体は聞く耳を貸さず大音量でシュプレヒコール。興奮して「鈴木邦男は朝鮮に帰れー」とか、わけのわからないことを叫ぶ人もいました。鈴木さんも右翼、相手も右翼で、この衝突、周囲の人には事情がわからなかったと思います。動画を見てるだけの人にはよけいわからなかったでしょう。

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↑ 一時現場は混乱に陥った

 鈴木さんは警察の制止もあって、一時、車道の反対側に引き上げましたが、街宣行動の間に何度もその隊列に向かっていき、そのつど警官隊が割って入る緊迫した状況となりました。映画館の前の車道をはさんで片側が日の丸を掲げた右派団体、映画館側の歩道には、マスコミや映画関係者、市民などがやはり30人くらい群がり、まさに対峙状態。その映画館側の真ん中に毅然として立っていたのが長谷川支配人でした。こちら側にもマイクがあれば車道をはさんで議論ができたのですが、何せ大音量のマイクが右派団体側だけにあるという状態で、彼らは一方的に自分たちの主張を演説するばかり。

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↑ 市民がボードを掲げて上映妨害に抗議

 ただ、市民の中には、無言で「恥ずべきは上映妨害」などと書いたボードを掲げている人がおり、これがなかなか効果をあげていました。後で聞くと、その男性の掲げたボードを隣の女性が一緒に支えてくれたとのこと。こういう市民の無言の抗議がもっと目に見える形で広がっていくことが、この騒動の根本的解決の道です。

 この12日の街宣の模様は、16日のTBS「ニュース23X」が報道していましたが、この間の経緯を大変わかりやすくまとめていました。上映中止をめぐる報道は、朝日新聞とNHKがリードしていましたが、このTBSの取り組みもなかなかのものでした。ちなみに朝日新聞は14日の社説でもこの問題を取り上げていましたが、これも非常にポイントをよくついた社説でした。右派団体側はこれに抗議するとして16日に朝日新聞本社前で街宣を敢行。この日は代々木で行われた映画の主役リック・オバリーの講演会にも街宣がかけられたし、右派団体側も今が正念場として活発に動いています。

2010年6月11日

6月9日夜、〈映画「ザ・コーヴ」上映とシンポ〉報告

 かなり疲れましたが、6月9日夜、〈映画「ザ・コーヴ」上映とシンポ〉、盛況のうちに無事終了しました。ちょうど上映中止騒動が報道された直後とあって、7日から問い合わせが殺到。あっという間に定員を超えてしまい、9日には参加希望の問い合わせにはほとんどお断りの返事をすることになりました。

 夕方6時、いよいよ開場。会場の座席は550ですが、前売券購入者400人と予約のあった報道関係者に入場してもらって、さて残った当日席の数はとみると、何と16席! その時点で会館前には当日券を求めて100人以上の長蛇の列でしたから一瞬めまいがする思いでした。いったいどうすんの?という感じでしたが、会館側にお願いし、客席には入れないがロビーでモニターを見てもらうだけならあと30人OK、と許可を得ました(でも混乱していて結果的に60人くらいがロビーに入ったようですが)。

 モニターといっても音声は聞き取りにくいし、気の毒でした。帰ってもらった人はもっと気の毒で、ぜひ次回上映会をやる時はその人たちを優先したいと思いましたが、準備不足でその人たちの連絡先を聞いておくこともできず。まことに申し訳ありませんでした。

 定員オーバーの来場者をどうするか、数十人も訪れたマスコミ取材にどう対応するかなど、それだけでも大変なのに、もうひとつ大変だったのは、当日、上映中止を叫ぶ人たちが抗議行動や集会妨害に出る可能性があったことでした。自販機を使用不可にしたり、会場スタッフを多数用意したり、警備態勢をとったのですが、これが結構大変でした。映画館の場合も、たぶんこういうことが大変で上映中止してしまうのでしょう。だって最悪の事態を想定していくと際限なく警備態勢をとらないといけないわけですから。今回の集会も、急きょ、サプライズゲストで「ザ・コーヴ」の主役・リックオバリーさんに登場してもらったのですが、楽屋への出入りの時など緊張しました。

 で、上映中止を叫ぶ右派の人たちですが、結局、やってきたのは3人でした(最初からそうとわかっていれば警備態勢もやりやすかったのですが)。うち2人は前売り券を買っていて入りましたが、1人は当日券希望で結局入れず。入場したうちの1人が上映中止を訴えるビラをまきました。言論戦でくる限りは抗議の自由も認めるのが筋ですから、話しあいをしたうえでビラまきは許容し、その代わり暴力的なことはやめてほしいと要請。ビラはかなりさばけたようで、途中で刷り増しのコピーをしに行ったりしていたので、おいおいと思いましたが(笑)。

 映画を上映した後、休憩をはさんで8時50分から第2部。パネラーである森達也、綿井健陽、坂野正人、鈴木邦男、野中章弘各氏が並びました。冒頭に配給会社のアン・プラグドの加藤社長から経過説明を受けた後、突如、ゲストとしてオバリーさんを呼ぶと会場はおーっという歓声。今見たばかりの映画の主役が突然舞台に登場するということだからかなりサプライズだったはずです。で、オバリーさんは、上映中止は残念だという説明の後、持っていたフリップのようなものを掲げました。それには憲法21条の「表現の自由」の条文が書かれていたんです。で、彼は、日本は憲法で表現の自由が保証されているはずだ、と発言。私自身は隣で聞いていて、外国の人に憲法を説諭されるというこの光景が、日本の表現をめぐる情けない状況を象徴しているようで、ちょっとショックでしたね。

 さて次に森さんから順に発言してもらいました。綿井さんは前日まで和歌山県太地町に行っていたので、現地の様子を報告してくれました。坂野さんは、日本版の上映に大量にモザイクがかかっていることについての疑問を提示。鈴木さんは、こんなふうに映画を上映中止に追い込むことこそ「反日」じゃないか、と主張しました。それぞれの発言内容については、文字で書くよりも、生の動画を見てもらった方がよいので、ぜひそちらをご覧ください。

■前半 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/541
■後半 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/542

 終了は9時35分頃。シンポの時間が短かったのが残念で、その割には司会がしゃべりすぎたという声が多かったので反省。撤収に入ってからも、舞台ではパネラーに個別のインタビューが行われ、去っていくお客にもテレビや新聞のインタビューが行われるなど、会場は異様な熱気。全員が退出したのは10時頃でした。

 その後、打ち上げ会場へ行くと、大勢の人が来てくれていて、まだ熱気が続いていたのですが、驚いたのは、会場に入っていた右派2人が来ていたこと。おいおいと思いましたが、まあ来てしまったから仕方なく、上映中止要求の右翼の人たちと一緒に打ち上げで酒を飲むという、まさに「ありえなーい」光景でした(笑)。

 配給会社の加藤社長がたまたま打ち上げに出席できなかったので良かったですが、来ていたらどうなったか。だってあれだけ激しく対立している両者がいくら酒の席といっても和気あいあいというわけにはいかなかったでしょう。

 鈴木邦男さんもまじえて右翼の人たちと議論というのは、これはこれで楽しかったのですが、ただ本当はそこで集会の総括や今後の予定を話しあおうと思っていたのに、それができず。トホホ。鈴木さんは、ぜひ今度、右翼との議論をやって『創』に載せよう!と盛り上がってました。

 翌日、朝日新聞や東京新聞がこのシンポを報道、ネット系でも取り上げられていました。
http://portside-yokohama.jp/headlines/thecovesympo.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100610-00000004-flix-movi

 特にNHKが朝7時のニュースで報道したのは反響絶大。11日にも東京新聞を始め、取り上げられるようです。シンポ当日の会場アンケートでも、中止騒動の現実を会場に来るまで詳しく知らなかったという人が結構いましたから、議論はまだ始まったばかりです。

 さて中止騒動の行方はというと、全国の映画館への電話攻勢はいまだにやまず。しかも6月12日に横浜のニューテアトルに街宣をかけるという予告がさきほどアップ。東京の2館はこの予告におびえて上映中止を決めたのですが、上映予定の映画館にとってはいよいよ緊迫。まさに正念場です。
http://www.shukenkaifuku.com/info/main.htm

 言論報道機関がどれだけ報道や論評を行い、世論が高まるかが恐らく流れを決めるのだと思います。この1週間が勝負どころです。

 『創』編集部としても、この緊迫した状況を受けて、この間寄せられた意見を紹介する場もかねて、専用ブログを立ち上げようかと検討中です。

2010年6月 9日

映画『ザ・コーヴ』上映とシンポジウム」ネット中継のお知らせ

 直前に映画『ザ・コーヴ』上映中止事件が起きたため、6月9日のシンポジウムには参加希望者が殺到しています。定員は550人ですが、既にローソンでの前売券400は完売、予約のメールも定員を超えて届いており、あとは当日券を残すのみです。予約をしておいて欠席する人もいると思うので、当日、どのくらい当日席を確保できるかわからないのが実情です。ご不便をおかけして申し訳ありません。

 ただ、会場に来られない方のために、映画「ザ・コーヴ」上映時を除いたシンポジウムなどはネットで中継します。

 生中継を予定しているのは「THE JOURNAL」「ourplanet-tv.」です。

 冒頭の18時40分から19時、20時30分から21時半までのシンポジウムを中継する予定です。

 その集会で最終発表されるアピールはこちらです。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

〔緊急アピール〕映画「ザ・コーヴ」上映中止に反対する!

 アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」をめぐって、映画館が次々と上映中止を決めています。これを「反日映画」だとする一部の右派団体からの電話や街宣による抗議を受けての「自粛」措置と思われますが、2年前の映画「靖国」の上映中止事件とよく似た事態といえます。

 こういう事態が一般化すると、評価が分かれるような問題作というべき映画は上映できないことになってしまいます。そもそも海外では広く公開されているこの映画が、作品で描かれた当事国の日本で公開できないというのは、日本における「言論表現の自由」がいかに脆弱かを示す事柄といえましょう。

 この映画の内容や制作手法については、この間、批判も含めて様々な意見や評価が表明されています。そういう作品こそ、広く議論に供されるべきで、作品そのものを封印してしまうことは、その機会さえも奪うことになってしまいます。

 言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立するもので、映画館も表現活動の一翼を担う場であることは明らかです。私たちは言論表現活動に携わる者として、上映中止に反対します。

 また現在、全国の上映予定の映画館に中止を求める電話抗議がなされているようですが、それらの映画館が表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、そういう映画館を応援します。

●賛同者(6月8日現在、五十音順)
青木理(ジャーナリスト)/有田芳生(ジャーナリスト/民主党参院比例区第61総支部長)/飯田基晴(ドキュメンタリー映画監督)/飯室勝彦(中京大学教授)/池添徳明(ジャーナリスト)/池田香代子(翻訳家)/石坂啓(マンガ家)/石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(『放送レポート』編集長)/上野千鶴子(社会学者)/生方卓(明治大教員)/大谷昭宏(ジャーナリスト)/小田桐誠(ジャーナリスト)/桂敬一(立正大学文学部講師)/北村肇(『週刊金曜日』編集長)/國森康弘(フォトジャーナリスト)/是枝裕和(映画監督)/崔洋一(映画監督)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映画監督/津田塾大学教員)/坂野正人(映像ジャーナリスト)/坂本衛(ジャーナリスト)/佐高信(評論家)/佐藤文則(フォトジャーナリスト)/澤藤統一郎(弁護士)/篠田博之(月刊『創』編集長)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/下村健一(市民メディア・アドバイザー)/ジェイソン・グレイ(ジャーナリスト)/ジャン・ユンカーマン(映画監督)/張雲暉(映画プロデューサー)/白石草(OurPlanet-TV代表)/杉浦ひとみ(弁護士)/鈴木邦男(作家)/想田和弘(映画作家)/田原総一朗(ジャーナリスト)/土屋豊(映画監督/ビデオアクト)/土井敏邦(ジャーナリスト)/豊田直巳(フォトジャーナリスト)/鳥越俊太郎(ジャーナリスト)/中山武敏(弁護士)/七沢潔(ジャーナリスト)/野田雅也(ジャーナリスト)/野中章弘(ジャーナリスト/アジアプレス)/橋本佳子(プロデューサー)/服部孝章(立教大教授)/林克明(ジャーナリスト)/原寿雄(ジャーナリスト)/日隅一雄(弁護士)/日高薫(ジャーナリスト)/広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)/藤井光(現代美術家・映像ディレクター)/森達也(作家・映画監督)/森広泰平(アジア記者クラブ事務局長)/安岡卓治(映画プロデューサー)/山上徹二郎(映画プロデューサー)/山本宗補(フォトジャーナリスト)/豊秀一(新聞労連委員長)/李纓(映画「靖国」監督)/綿井健陽(ジャーナリスト/アジアプレス)
※賛同者はさらに増えており、6月9日の〈「ザ・コーヴ」上映とシンポジウム〉で、最終的な賛同者を発表します。またその場で、賛同者から何人かに直接発言をしてもらう予定です。
アピールについての問合せ先:月刊『創』篠田博之 電話03-3225-1413  メール mail@tsukuru.co.jp

2010年6月 5日

映画「ザ・コーヴ」が次々と上映中止に。深刻な事態です。

 3日昼までは上映はほぼ行けそうと予測されていたイルカ漁批判の映画「ザ・コーヴ」だが、急転直下、緊迫した事態に至った。配給会社への街宣抗議は裁判所の仮処分が出て止まっていたのだが、今度は映画館への抗議が始まったのだ。映画館はもともと、観客の安全と興行第一だから、攻撃には弱いと見られていたのだが、やはりというか、次々と陥落。既に東京のメインシアター2館が全滅、大阪も1館が上映中止となった。

 どんな抗議がなされているかというと、まず電話による集中抗議。いわゆる「電トツ」だ。そのうえにネットで今度は街宣の日時を予告する。そうすると映画館は耐え切れずに、予告された街宣予定の前夜に中止を発表する。3館とも全く同じパターンだ。街宣がある前に、おびえた映画館が「自粛」するという形である。

 既に東京は全滅なので6月26日の公開はなくなったが、横浜、さらに地方にも電トツが広がっており、今後も降りる映画館が出てきそうな雰囲気だ。2年前の映画「靖国」騒動の時は、一部大阪を除いてほぼ全滅になったが、このままいくとそれに近い状況になりそうだ。もちろん配給会社も手をこまねいてはおらず、近々対抗策を打ち出すようだ。

 3日夜の上映中止発表から新聞・テレビも大きな報道を展開している。朝日新聞は例えばきょう5日は朝刊で中止拡大をストレートニュースで伝え、夕刊で掘り下げた解説をさらに行うという具合。内容もかなり正確だ。NHKも第一報からかなりの扱いで経緯を報じている。

 こうした報道を受けて、事態に危機感を持つ人も増えており、上映中止の映画館には「中止に抗議」する電話も入り始めているという。「靖国」の時は、報道を受けて世論が盛り上がり、新聞・テレビもキャンペーンを張ったおかげで、途中から潮目が大きく変わった。今回も攻撃は全国の映画館に拡大しており、このままでは壊滅的事態となるが、事態がどうなるかは報道の推移や世論の高まりによるといえよう。事態は進行中であり、ここ1週間で流れが決まるといえる。

 こうした事態を受けて、6月9日の『創』主催の中野での上映会も申込が殺到している。http://www.tsukuru.co.jp/thecove.html 当日は、予定していた内容を変更し、冒頭で多数の表現者が顔をそろえて「上映中止に反対する会見」を行うことにした。悠長に作品の中身を論じている場合ではなくなったからだ。映画には批判的な論者も、上映を圧殺するのには反対だとしている。

 マスコミの取材依頼も殺到しているが、基本的に報道関係者も一般と同じ1000円を払って入ってもらうことにする。映画上映中はもちろん撮影不可だが、会見やシンポについては取材は自由で、ネットでの生中継も行いたいと思う。

 この日本の騒動は海外でも報道されているが、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞して海外ではほとんど上映された映画が、日本でこんなふうに封印されていくというのは、日本の「言論表現の自由」がいかに脆弱かを世界中に知らしめているわけだ。こんなことが前例になっていくと、問題作といえるような映画作品は事実上上映できなくなってしまう。

 まだ中止を決めずにがんばろうとしている上映予定の映画館は「ザ・コーヴ」公式サイトで公開されている。(http://thecove-2010.com/) 「上映をやめろ」という電話がかかっているが、今後は「がんばれ」という激励の電話も増えていくと思う。

 明日か明後日にはジャーナリストや映画監督らの抗議声明が出る予定だし、週明けには様々な言論団体も意思表示を始めると思う。この1週間は極めて重要だ。

2010年6月 2日

映画「ザ・コーヴ」6月9日上映&シンポへ向けて『創』6月号記事を公開しました。

 アカデミー賞長編度ドキュメンタリー賞を受賞しながら、日本では物議をかもし、なかなか公開できないでいた映画「ザ・コーヴ」だが、公開が正式に6月26日に決まった。といっても、先週あたりから劇場に抗議の動きがあるなど、2年前の映画「靖国」騒動と同じ状況になっており、無事上映されるかどうかは予断を許さない。

 この映画については発売中の月刊『創』が森達也、綿井健陽、想田和弘、是枝裕和さんらドキュメンタリー映画の第一人者による座談会を掲載しているが、主要な問題点はこの論稿に尽きているといって過言ではない。そこで今回、『創』では特別にこの座談会をネットで公開することにした。というのも、来る6月9日(水)夜、なかのzero小ホールで上映とシンポジウムを開催することにしており、限られた時間で凝縮された議論をするために、あらかじめ論点整理をしておきたいと思ったからだ。

 9日のシンポでは、映画を全編上映した後に、1時間余の議論を交わす予定だが、マスコミ関係者も多数来る予定で、言論表現に携わる人を含めて熱い議論をしようと考えている。日時・会場などは下記の通り。

●アカデミー賞映画「ザ・コーヴ」上映とシンポジウム
6月9日(水) 18時20分開場  40分~上映(90分)20時20分~シンポ 21時半終了
会場: なかのzero小ホール 参加費:1000円
登壇者:森達也(作家、監督)/ 綿井健陽(映像ジャーナリスト)/坂野正人(カメラマン・ディレクター)/鈴木邦男(一水会顧問)/司会:篠田博之(『創』編集長)
前売り券はローソンにて発売中(Lコード37359)
当日券の予約は創出版HPへ。
http://www.tsukuru.co.jp/thecove.html

 映画をめぐる『創』誌上座談会はこちらをご覧いただきたい。9日のシンポはこうした論点を踏まえて議論を行いたいと思うので、この座談会を特別に6月8日までネットで全文公開することにした。

 以下、創出版ホームページからとってください。
http://www.tsukuru.co.jp/tsukuru_blog/2010/06/post-120.html

Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

BookMarks

創出版
http://www.tsukuru.co.jp/

最新号
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詳細はコチラ

-----<著書>-----


『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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