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« のりピー・押尾学ら芸能人の薬物逮捕事件に思う。
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本質論議に欠けた裁判員裁判報道、これでいいのか »

週刊誌を読む:のりピー報道落差に呆れ 薬物汚染の実態伝えよ

8月10日にアップした「のりピー・押尾学ら芸能人の薬物逮捕事件に思う」にはたくさんの人が書き込みをしてくれて、いろいろ参考になりました。なかなか実りある議論だと思いました。そしてここにアップする「週刊誌を読む」の記事は8月8日執筆で、実はこちらの方が先に書いたものなのですが、東京新聞に10日に載り、北海道新聞などに12日に載るものなので、ここに転載するのが13日になるわけです。こちらでは報道の話に絞って書いています。
酒井容疑者に7日に逮捕状が出てから翌日逮捕に至るまで、情報番組は軒並みその番組の最高視聴率をマークしたようで、いかにこの問題が関心を呼んだかわかります。一般紙も大きく扱ったことも一因でしょう。報道のあり方、方向性についても考えさせられた事件でした。
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 のりピーこと酒井法子容疑者逮捕に至るこの一週間は、芸能マスコミもびっくりの展開だった。

 涙を誘う「泣き」でいくか、怒りを煽る「叩き」でいくか、物事を単純化して報じるのが大衆ジャーナリズムの特徴だ。私も関わった三田佳子さんの二男の薬物事件の時などは、三田さんへのバッシングは異常だった。方向がいったん決まると、ひたすら一方向の報道がなされるのだ。

 しかし、今回ののりピー騒動は異例の展開だった。最初は夫の逮捕に動転し自殺しかねない純真無垢な妻という清純派イメージを煽る「泣き」路線で走っていたのが、逮捕状が出るや突然、一転したのだ。デスクの指示で動いていたワイドショーの現場も、戸惑ったに違いない。その後は弟がヤクザの組員だったとか悪材料が出るわ出るわ。その落差には見ている方も驚き呆れるばかりだった。

 六日発売の『女性セブン』8月20・27日号を見ると「高相容疑者を逮捕した署では、共同所持の疑いが出れば、酒井さんからも事情を聞くつもりでいるようです」という関係者のコメントが載っている。夫が逮捕されたのに「後で署に行く」と言ったきり失踪した妻に対して、捜査側は早い段階から疑いを持っていたのだと思う。

 のりピーの夫逮捕と同じ時期に、タレントの押尾学容疑者の逮捕もあって、芸能界の薬物汚染が大きな話題になっている。私はこの何年か田代まさしさんの薬物事件に関わってきた。裁判では証人として出廷したし、先頃彼の著書『審判』を出版もした。だから薬物依存の問題には深刻な思いを抱いている。

 芸能人のケースだけが報道されるから芸能スキャンダルとして消費されてしまうことが多いのだが、一連の事件は、我々の社会に薬物汚染が浸透している現実の反映と見るべきだろう。
 今回ののりピー騒動では、山梨県まで中継車を走らせて道行く人に「酒井法子さんを見かけませんでしたか」と訊くという映像に失笑した (失踪中の人がそんな目立つようにしているはずがないでしょう)。そんな余裕があるならマスコミは、薬物依存とは何なのかという情報をもっとしっかり流してほしい。


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※『週刊誌を読む』は「創」編集長・篠田が毎週、東京新聞に連載(北海道新聞・中国新聞も転載)しているコラムです。

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» 異常なる酒井法子報道の『裏』 押尾事件隠蔽が狙いか 送信元 日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ
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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

大騒ぎし、煽り立てて、耳目を引くことで「経営」を成り立たせている、マスコミ業界。今やそれは芸能マスコミだけに限ったことではない。夕方7時のNHK「ニュース7」でさえ、ひたすらセンセーショナリズム路線。オープニングを見るたびに、「ああ、またか……」と思ってしまう。

「しょせん、その国民のレベルに合った政治家しか持つことはできない」というが、メディアも、「国民のレベルに合ったメディアしか持つことはできない」ということではあるのだろう。

メディアの劣化を少しでも喰い止めるには、結局、視聴者が自らの「質」を上げることしかないのだろうが、それにしてもしかし……。

このことに関するコメントを再び書くこととなるが、薬物問題はその使用者をことさら追求するのではなく、供給者に対する追求がもっとも必要なのではないか。

芸能人の薬物問題で、過去一度でも供給者(売人)を逮捕したという報道があったのだろうか?

テレビでは過去に放映された、イラン人の薬物売買の隠し撮りが再び放映されているが、末端も末端を放映して何を得するのか。

日本人暴力団も取り上げられているが、あれも単なる末端の売人。

より上流の、薬物を我が国に「輸入」している者、それを全国にリュ移させている者、これら「薬物ビジネス」について何故マスコミは報道しないのか。

警察も厚労省の担当部署も、これら大本を摘発しているとは思えない。

本筋に手をつけないで、たまに思い出したように世間に名の通った芸能人を泊って、真面目に仕事をしているように見せかけている捜査機関。
それに振り回されながら警察発表しか報道しないマスコミ。

麻薬組織の大本は笑いが止まらないだろう。
年間数トンとも言われる麻薬輸入を断ち切らない限りは、我が国は永遠に薬物に犯され、腐敗した社会のままだろう。

これらを摘発しないで末端の売人と購入者を逮捕するだけと言うことは、「実は麻薬取引のみかじめ料を上納金として懐に入れていました」と、何時しか捜査当局内部から内部告発されるのを待つという「百年河清をまつ」ことになるのか。

マスコミも薬物取引の利益の一部を還元されているのだろうか?

心あるジャーナリストよ、月40万の部屋を無料で貸していた、下着屋の実像や、その部屋に出入りしていたとされる政財界や噂に出ている大物政治家の息子どもを追求し暴かれることを願う。(東京湾に簀巻きされて捨てられないように身辺気をつけて)

小沢氏を辞任に追い込んだ例の『国策報道』と同じ匂いがする。
今回もソースの殆どが警察リークによるもので、
その度にマスコミは選挙担当のスタッフまで動員しては追跡劇を演じ、
『重要対象』から国民の関心を逸らす。
押尾如きの事件で某政治家の名前が出てきてしまったら選挙どころではなくなるし、
せっかく公示日直前を狙って植草一秀氏を収監した意味がなくなるということか!?
日本のマスコミの劣化は今にはじまったわけじゃないが、
これではバカ騒ぎを唯一の芸とする『笑われ芸人』以下だ。
マスコミとしては、りそな銀行国有化に関わる幾多の不審死事件や、
「日本がひっくり返ることになるかも」
との言葉を残し殺害された民主党石井紘基議員のことが頭にあるのだろう。

今回の衆議院選挙による政権交代がいよいよ現実味を増す中で、その国民的盛り上がりを何とか打ち消したいと自公政権、政府高官、一部の官僚たちが焦っている。このようなときに、権力側がいつも昔から使う常套手段の一つに、国民がおおいに騒ぐネタを用意して、そちらに目を向けさせるという方法がある。今回の薬物汚染事件もメディアの大騒ぎをねらったものであろう。タイミングが良すぎ、多くの人が何か胡散臭いものを感じていよう。あまりにも、ばかばかしい騒ぎようである。まともに騒げと言いたい。

これまで繰り返される薬物汚染に対し、当局の薬物取締りは常に対処療法のみに終始し、本質的な施策の実施は疑わしく、ある線まで捜査が及ぶとある筋からの指令でそれ以上は突っ込むな、手を引けとばかりに、肝心なところはわざと野放しにしているように見える。国民も馬鹿ではない、なんだ、権力は薬物の裏組織と通じていたのか、ならば、しかりであると解釈せざるを得ない。まさに「悪代官曰く、越後屋、お主も悪よのう」はお笑い昔話ではなく、形態は変わろうと、現在も類似のことが続いている。

それにしても、メディアは、質の低下は言うにおよばず、とにかく、体をなしていない。末期的症状である。またマスコミに出てくる、全部ではないにしても殆どのコメンテーター、報道番組の司会者、評論家、ジャーナリストといわれる人達の権力への擦り寄り、秋波にはうんざり、もっとも、マスコミがそういう人を選んで出演させているのだから、まともには聴けない。

プロのジャーナリストとしてのプライドが持てないなら、さっさと転職した方が自分のため、国民のためになると思える。

山中閑居様、皆様

飯山さんのHPに、大物首相経験者の息子の名前がでてます。

http://www.geocities.jp/o1180/

NHKの19時からのニュースで2日連続トップニュースにするわけだ。

ここにも同じ事が載ってます。

http://blog.goo.ne.jp/2005tora

TVメディアが芸能ネタで大騒ぎするときは必ず危ない法案が成立することが多かったので、裏に何かあるとは思っていましたがやはりそうなんですね。
亡くなった女性について早々と事件性がないと断定して火葬にしてしまっているのも腑に落ちません。

芸能界やスポーツ界の薬物汚染は今や常識です。私の知人の話では芸能人の半数以上が薬物汚染に犯されているとのことです。

またテレビの芸能番組で今回の事件を追及している大物司会者も薬をやっているという笑えない話もあります。

多分彼らは金はあるが仕事でストレスがたまるため、安易に薬物に頼るのでしょう。

ここはやはりスポーツ選手のドーピング検査のように、芸能事務所が率先して彼らに対し抜き打ちで尿検査を行うよう契約などで定めておくことが必要でしょう。

現在のような芸能界での麻薬の野放し状態が、今回のような悲劇を生んでいるといっても過言ではありません。

シンキロウの長男は、だいぶ前から薬やってたようですね。

http://www.rondan.co.jp/html/news/mori/index.html

酒井法子の報道には非常に違和感を感じます。報道の内容や質はもちろんのこと、それをそのまま受け入れ、まんまと煽られバッシングに加わっている人がちが、こちらにも多いことに辟易します。

「清純派だったのに」「タトゥーをしていた」「クラブやレイブに通っていた」「テンションが高い」「普通じゃない」と、そんなことまで理由にし、人格攻撃までしてそれをオカシイとも思わない世間の風潮に、病的なものまで感じます。
タトゥーを入れている芸能人やクラブに通う芸能人なんて珍しく無いし、芸能人だったらテンションが高いのは仕事のうちではないでしょうか。彼ら彼女らにとって当たり前のことを、さも異常行動のようにとるのはおかしくはないでしょか。

更には、「復帰をさせるな」という厳しい意見もあります。確かに酒井法子とその夫は法に違反しました。そのことについては罰をうけなければならないでしょう。しかしその上社会的制裁を与え、完膚なきまで叩きのめす必要がどこにあるのでしょうか。
「芸能人は模範的であるべき」という馬鹿な意見も聞かれます。なんでイメージを売り物にする芸能人が模範になるのでしょうか。彼ら彼女らは芸を売ってなんぼです。当然私生活と仕事とは別です。教祖でもなければリーダーでもない。イメージを崩されたからと言ってバッシングするのは筋違いです。

この報道のしかたはおかしい。このTHE JOURNALでの記事を読んでいる方達なら、バッシングするまえにそこのこと考えるべきです。

まつもとさん
 ノリピー報道に違和感があるのは当然です。どう見ても作られているっぽいですよね。何かの目くらましとして、できるだけセンセーショナルになるように報道しているように感じます。
 それに対して怒ったり、それに素直に反応する人に怒る気持ちもわからなくはないですが、ご自身の実体験を話されたほうが伝わりやすいのではありませんか?私を含めてほとんどの人は麻薬に対して無知なのですから、現場の意見ほど参考になる話はありません。そういう話でもないと、なかなか今の日本人の常識を覆すのは難しいかと。ここの筆者もノリピー自身のことをどうこう言っているわけではないので、冷静にいきましょう。

山和さん

まず誤解なきようお伝えしますが、私は覚せい剤をやってもいい、と言っているわけではありあせん。また、やっても問題が無いというわけでもありません。私の個人としての意見では、覚せい剤はやらないほうがいい、というものです。

しかしながら、多くの人は覚せい剤のことを知っているわけではありません。その使用を抑止するために、国は「威嚇」という手段でそれを抑止しようとしており、報道においても、取り締まり側や天下り先機関、ドラッグ全般を問題と位置づけている民間自助組織の言説だけを伝えるだけです。
そういった情報だけしか知らされていないということに、偏りがあると考えてほしいです。

さて、私が酒井法子夫妻や押尾学の事件報道に違和感を感じ、それを受ける側も報道に煽られている様子に落胆するのは、ドラッグの知識がないのに言われたままに批判していることを言っているだけではなく、「ドラッグをやった奴は人でなし、人生を破壊されて当然」という風潮を良しとしているところにあります。
確かに彼女彼らは法に反しました。罰を受けなければならないでしょう。しかし人生を破壊されて当然、あるいは、そうなっても仕方が無い、というところまで追いつめる必要があるのでしょうか。世間的に悪だと認定された者は、排除しても良いという理屈になるのでしょうか。

覚せい剤使用者による犯罪、すなわち、薬物の影響によって起こされる死傷事件は深刻であり憂慮されるものです。しかしながら、公認されているアルコールでも、その手の事件は多いです。「だから」と言いたいわけではありません。法規制を考えた場合、比較しきれないものになるということです。これを理由にアルコールも厳罰化したら、世紀の愚法である「禁酒法」の再現になるからです。
覚せい剤が個人に与える影響を基準に法規制するとしたら、その法律の主旨は「覚せい剤の健康被害から国民を守る」ということになります。となると、覚せい剤を使った人間は、犯罪者ではなく被害者ということになります。現に、覚せい剤を使う、という行為によって直接被害を受けるのは、自分であって他者ではありません。これは「被害者無き犯罪」と言われています。

犯罪者にだって人権はあります。犯罪者だからといって、人間扱いしなくていい、あるいは、人間としての尊厳を奪っていい、ということにはなりません(法施行による人権制約は含んでいません)。ましてやドラッグ事犯は、国の抑止政策の失敗による被害者でもあります。犯罪者として牢に入れ社会から排除すれば解決するものでもなく、社会復帰の道を閉ざされば、またドラッグを使用する可能性を高めます。だから薬物犯罪の再犯率は高いのです。

ドラッグの抑止のために、それを犯罪とするやりかたは破綻しています。それでは薬物犯罪は増え、使用者は少なくなりません。篠田氏も伝えている、「ドラッグコート」や牢屋ではない「ケア施設」が必要なのです。それは世界の趨勢でもあります。
にも関わらず、ドラッグ使用者を人間以下のように扱い、それを排除することで行政は目くらまししているのに、世間はその非人道的行為を追認し、あっぱれ取り締まり、いいぞバッシングニュースと、まんまと操られている。まるで「ジャンキーは人間以下だから、とことん叩いて良いんだ」かのような風潮です。そんなのは、私に言わせれば中学生のホームレス狩りと同じものです。

私たちは、醜く嫌らしい近づきたく無い人間であっても、その存在を守らなければならないのではないでしょうか。本気でドラッグを抑止したいと思うのなら、もっと真剣に問題に取り組むべきではないでしょうか。それを考えずに、ワイドショーの三流記者に乗せられて、一緒にやいのやいの言っている人などは、私には愚かで醜いものに感じます。

文章に半ば感情的な部分があることは認めます。しかしそれは、人間と言うもの、人権と言うものを軽々しく見ている人が多いことへの憤りでもあります。お見苦しい部分はお詫びします。

 本当にお優しいのですね、まつもとさんは。ただ私はまつもとさんが何かこういった方面の体験があったかに記憶していたのですが、どうやら勘違いでしたか。もっと「こういうことがあるんだよ!」といった切迫感ある現場の話を期待していたのですが、勘違いでしたら申し訳ありませんでした。
 私もいろいろ考えているうちに、いくつか思いついたことがありますので書きます。もうこのページでは議論も進まないでしょうけれど。。。
 まず、大麻と覚せい剤は違う、これはわかりました。麻枝氏はいまこそ大麻は覚せい剤とは違うんだ、という論陣を張るのかと思ったのに、どうしたんだろう?バイアグラなんかじゃなく覚せい剤と比べればいいのに。
 次に、本当に取り締まるべきなのは売人であることもわかりました。もうシンガポール並みに死刑でいいんじゃないですかね、麻薬の売人は。
 そして使用した人なんですが、たしかにまつもとさんがそこまで言われるならばもう少し寛容になってもいいのかもしれないですね。しかしひとつだけ気になることがあります。麻薬をやる人って、他人を勧誘しませんか?ドラマなんかでヤクザに無理やり覚せい剤打たれちゃう人とかいますけど、それは別にするとして、自発的に手を出した人は最初に勧誘に合ってるのではありませんか。そしてその人も他人を勧誘していませんか?押尾はホステスをその道に引き込んだのではありませんか?これは無関係に過ごす人からすればとても困ることです。勧誘は売人に等しい行為ですから、厳罰が与えられるべきです。
 無論そういう人ばかりではないでしょうが、散々ワルを自慢してきた押尾や、ラリったまま番組を収録してしまう酒井など、麻薬を宣伝しているに等しいのではないでしょうか。そういう彼らが他人の人権をどう考えていたというのでしょうか。
 彼らが執行猶予なんてありえないし、あってはならないと思います(但し報道されていることが正しいならば、ですが)。刑に服したあとのことまでどうこう言うつもりはありませんし、弱い者を守りたいまつもとさんの気持ちを酌むとしても、ここは軽い罪では済まされるべきでない、と私は思います。もちろん裏にいる巨悪こそが本丸ですが、だからといって許されるものでもないと思いますがいかがでしょうか。

山和さん

私がこの手の話しをすると、たいていは山和さんと同じように「やさしい人ですね」という感想を返してくれます。「やさしい」と言われて嫌な思いはしませんが、正確に読み取ってはいない、と私は感じています。私は「やさしさ」などでこの問題を語っているのではないのです。私としては、私にも山和さんにもある、そして酒井法子夫妻にも押尾学にもある「人間の尊厳の尊重」、すなわち人権配慮という側面からこの問題を語っているのです。「やさしさ」という、ある意味情緒的な部分を含む概念は基調としていないのです。

覚せい剤を他者に勧めた。それは他者の健康を脅かすことであり、他害に等しい、という意見には賛同するところもあります。たとえばアルコールの飲めない人に、あるいはアルコールに親和性が高い人に、それも嫌がる相手にアルコールを勧めるのも、同様に他害と考えることができ、最近ではそういった意見も認められてきているからです。
では、有害性が高いといわれているアルコールや覚せい剤を人に勧めたら、どの程度の罰が必要でしょうか。牢屋に入れ、社会的制裁を与えるのが等しいでしょうか。

酒井法子も押尾学も、第一級の芸能人であり社会的影響力があります。そういった人間が犯罪を犯すことで、社会に与える影響は大きいのは事実です。過剰なマスコミのバッシング報道を割り引いても、多くの人に心理的影響があります。ではそういった影響を社会に及ぼした場合、どういったことで罰せられ、また排除されることになるのでしょうか。理由は、「けしからん!」ということなのではないでしょうか。「けしからん!」という理由で、人の人生を台無しにしてもいいのでしょうか。

では彼女彼らの影響で、覚せい剤をやってしまった人がいたら。彼ら彼女らには道義的な責任があるかもしれません。覚せい剤をやってしまった人の人生を、間接的に台無しにしているかもしれません。しかしそれを考えて罰するというのは、一罰百戒、スケープゴートと考えられはしないでしょうか。そういうやり方は正しいのでしょうか。

麻枝氏は、以前から「覚せい剤と大麻は違う」ということを言っています。しかし、この事件に乗じて「あんな凶悪な薬と大麻を一緒にしてはいけない」というようなことを言い出したら、問題の本質が見えていないと私は考えるでしょう。
覚せい剤、ヘロインなどの薬物、そしてアルコールも強力なドラッグ、つまりハードドラッグです。そういう意味では、ソフトドラッグである大麻はそれらとは違います。しかしそういった理由で批判したら、ドラッグが良いか悪いかの話しになってしまい、本質的な「人権の扱い」から離れていきます。あまり意味の有ることではないと思います。


ちなみに、山和さんは死刑制度に賛成されているのでしょうか。言いにくかったらお応えいただかなくてもいいです。

 なるほど、了解です。まつもとさんのことをやさしいと書いたのは失礼だったのかもしれませんね。しかしまつもとさんを侮辱しているわけではないのでご容赦いただきたいと思います。
 私は押尾も酒井も社会の生贄にされているのだと思っていますが(そもそも日本の社会が荒んでいること、麻薬に手を出したくなる社会が問題という意味)だからと言って同情することはできません。他社の人間の尊厳を踏みにじったのが彼ら自身に他ならないと思っているからです。自分で選んだ道、その責任は取ってしかるべきでしょう。他者に影響を及ぼす覚せい剤の使い方は重罪に処すべきと思います。繰り返しになりますが、報道が真実ならば、ですが。
 私に死刑制度賛成か否かを問うということは、まつもとさんは死刑制度に反対なのですよね。そうなると死刑制度を肯定する人は悪魔に見えるのでしょうか。もしまつもとさんのお子さんが押尾と覚せい剤をやったホステスだったとして、まつもとさんは押尾に寛大な処置を求めますか?もしまつもとさんにお子さんがいま現実にいて、しかもそれができると言いきれる人ならば、私などは到底まつもとさんには及ばない下等生物、あるいは別の生き物と思ってください・・・私はそのようには生きられない・・・と、思います。

静かで、対話をするにはいい環境ですね。(笑) もうしばらくおつきあいください。

大丈夫です。別に侮辱されているとは思っていません。私も山和さん同様、彼の被疑者たちに同情しているわけではないのです。覚せい剤の使用も、抑止するべきと思っています。
ただ抑止する手段に、重罰を科し社会的制裁を与えるのは誤ったやり方だし、人権尊重の上でも間違っていると考えるのです。
被疑者たちを叩き社会から抹殺し、国民に恐怖を与えても、覚せい剤使用は減りません。

ところで

>他社の人間の尊厳を踏みにじったのが彼ら自身に他ならない

とはおっしゃいますが、事実、彼女彼らによって人権を侵害された他者が存在するのでしょうか。法で罰せられる違法行為である以上、その他害の事実が存在しなければ、彼女彼らの罪を追及できません。
そういった存在が居るやも知れない、といった憶測だけで、それを糾弾し罰を科そうと言うのは私刑ではないでしょうか。それが横行しているのが現状なのではないでしょうか。

さて、ドラッグを抑止しようとする動きは各国にあり、重大犯罪として扱っている国もありますが、それからさらに進んで、より合理的現実的な取り組みがされています。

アメリカから始まり世界にも広がっている「LEAP」という団体があります。この団体は退役警察官、現役警察官などが中心となっているもので、その団体は驚くことに「ドラッグの合法化」を訴えています。目的はドラッグ犯罪の抑止です。
LEAPの主張は、決して荒唐無稽と扱われていないようです。

http://www.cannabis-studyhouse.com/82_news/2008_5/080615_cole_kubby_letter/cole_kubby_letter.html

まつもとさん
 昨日はちょいと書きすぎました。多少酒を飲んでいたせいもあり、普通ならいろんな人に叩かれていた書き込みだったかもしれませんが、ここは静かでいいです。それにいろいろ教えていただいてタメになります(笑)逆に教えてあげられることがなくて恐縮ですが。
 LEAPのページ読みました。なかなか興味深い内容でした。合法化して規制管理する、という部分(特に「規制管理」がわからない)の具体的な説明があのページにはなく、英語30ページの論文なんてとても読めないので、どう考えればいいのかよくわからないのですが、私が重視する「現場の人」がそういうのであれば、そういうものなのかな、という感じはしました。それと「中毒は克服することはできる。だが、着せられた罪は決して克服できない。」という言葉は、何か響くものがありました。
 さて、まつもとさんのおっしゃる「抑止する手段に、重罰を科し社会的制裁を与えるのは誤ったやり方」という考えですが、すべての犯罪に対してそう思っていらっしゃいますか?私は抑止する手段として重罰はあるべきと思っています。無論、拷問にかけろとか、体に叩き込めなどということではなく、より長期に刑に服すべきという意味です。そうでないと社会の秩序が保てないと思うからです。強殺犯が数ヶ月で出獄なんてされたらまったく安眠できない世の中になってしまいますよね。そういう意味で刑の期間は法律で決められているのだと思います。
 では酒井の叩かれ方はどうか。もう世間でも噂になっているように酒井は犠牲者だと私も思っています。別の事を隠すための、ですね。政府御用達の大手メディアにわざとセンセーショナルに報道され、情報はすべて当局のリーク、真実なんてわかりゃしません。しかし悲しいかな、今の日本人は呆けていて、こんなくだらない政府のシナリオ通りのスキャンダルを大いに楽しんでしまう下品な国民に成り下がっているのです。そしてそういう国民性がある、目に見えない恐ろしい掟があることを、日本人の大人なら知っていなければなりません。逮捕されている人は皆大人ですよね。酒井は知っていたはずです。もし逮捕されたらどういうことになるのか、を。
 私は今回のバッシングに対してまつもとさんほど嫌悪感を持っていません。なぜなら「いつも通りの光景」だからですね。これが日本人または日本人のアイデンティティの一部なのかもしれません。情けなくなることもありますが、こればかりは自分の力ではどうにもならないことです。
 何が犯罪かは人が決めます。宗教に深く入り込まない限り、立法者が作った法律がルールです。日本では立法者は選挙で選んでいるはずですが、立法者とて人間。間違いもあるし、行き過ぎもあるかもしれない。時代とともに価値観が変わったり科学が進歩して間違いが判明したりすることもあります。しかし現状、覚醒剤は使用したら犯罪というルールになっていて重罪です。それを知っていながら、バレれば自分の人生も子供を含めた周囲の人の人生をも大きく狂わせるかもしれないということも知っていながら、逮捕されるまで続けていた。そのような未熟な大人がある程度の人生を奪われて更正を強いられるのは仕方ないと思います。それが大人としての分別というものではないでしょうか。

山和さん

>すべての犯罪に対してそう思っていらっしゃいますか?

「犯罪」に対して寛容であれ、ということではありません。覚せい剤の使用は、法で規制されているため違反すれば「犯罪」になりますが、覚せい剤の使用で直接誰かを傷つけたりするわけではありません。以前も書きましたが、そのような犯罪行為を「被害者無き犯罪」と呼びます。
たとえば車のシートベルトを着用していないと道路交通法違反になりますが、これは運転者や同乗者の命を守る為の規制であって、シートベルトをしないと他者に害を与えるからではありません。シートベルトをしていなかったからといって、牢屋に入れ社会的制裁を与えることは有りません。

重罰規制は、ケースによって必要だし抑止になる場合もあります。しかし薬物事犯などは、その効果が出ていません。現に重罰で規制されているのに、薬物使用者は減りません。逆に蔓延とか言われています。
ポイントは、薬物使用を犯罪とし社会から排除することで問題が解決するか、というところです。目的は犯罪者を作り出すのではなく、薬物使用を減らすことです。そのために必要なのは、威嚇ではないちゃんとした教育などによる「予防」と、薬物使用者や依存症患者への「ケア」です。それが現代では当たり前のことになりつつあるのに、日本にはそのような制度も機関も無く、それ以前に考えようとすることすらありません。薬物使用者を犯罪者として抹殺し、それで「ああよかったね」で済ましています。当然、そんなことでは減る訳有りません。だから「誤ったやり方」というわけです。

>私は今回のバッシングに対してまつもとさんほど嫌悪感を持っていません。なぜなら「いつも通りの光景」だからですね。これが日本人または日本人のアイデンティティの一部なのかもしれません。情けなくなることもありますが、こればかりは自分の力ではどうにもならないことです

「いつも通りの光景」は、私にとっても同じです。相変わらずの低レベルの光景は、毎度辟易しています。
しかしそれを日本人のアイデンティティとしてしまうのはどうでしょうか。仮にそれが日本人のアイデンティティだとして、それで良いと思われるのでしょうか。私はこの「いつも通りの光景」を見て、このままではいけない、と考えます。もちろん、私がそれを叫んだところで劇的に変化するわけではありませんが、放置してしかたがない、では済まないでしょう。自分の生きている社会です。間違ってたら正そうとするのが、民主社会ではないでしょうか。

>そのような未熟な大人がある程度の人生を奪われて更正を強いられるのは仕方ないと思います

それが社会的制裁を正当化するもっともらしい言説なのです。酒井法子は道徳に反するから逮捕されたのですか?逮捕されることで周りに迷惑をかけたことが、酒井法子の道義的責任であるのなら、逮捕されなければ彼女はその責任を負う必要はないことになります。「いずれ逮捕されて人に迷惑をかけることになる」などと考えながら覚せい剤をあぶっていたわけではないでしょう。
しかし結果的に周りに迷惑をかけたことにはなりますが、「周り」とは誰々でしょうか。スポーツ紙に、「酒井法子に違約金請求」ということが書かれていました。迷惑をかけられた人は、関係者としてその補填を求めますが、それだけで済むことです。無関係のやじうまがやいのやいの言うことではありません。当然、そんなことを理由に人生を奪われ更正を強いられるものではありません。酒井法子を裁くのは法であり、世間により裁かれるものではありません。

 まつもとさんの「酒井法子を裁くのは法であり、世間により裁かれるものではありません」に大賛成です。私もこうして議論しているとバッシングしているようですが、正直どうでもいいんです。救おうとは思わないけど、バッシングをする側に回りたいわけではない。内心では酒井らに対して思うことはありますが、それで誰かと協調しようなんて思いもしません。
 ひとつだけ言えるのは、政治が腐っているから国民も腐ってしまったということではないでしょうか。日本に民主社会がないのは承知しています。私は海外在住歴がありますから日本のことが日本にいる人よりもよくわかるつもりです。少なくとも海外に出る前の自分と比べれば格段に理解が深まっていることはわかります。そして外から日本を眺めたことのない人が、日本のメディアに騙されていく姿はかなり滑稽であり、また悲哀を感じざるをえません。寂しいことですが、この病気は簡単には治らないでしょうね。
 さて、この話はそろそろ終わりにしたいと思います。ちょっと話が過ぎましたが、おつきあいいただき感謝しております。またどこかでお会いしましょう。

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Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

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創出版
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-----<著書>-----


『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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