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2009年7月31日

週刊誌を読む:自らがネタ 大丈夫? 「くらたま」妊娠 相手は「だめんず」

「くらたま」こと倉田真由美さんが、七月七日発売の『週刊朝日』と『SPA!』を皮切りに、週刊誌や新聞の連載で、次々と自分自身の妊娠ネタを披露した(律儀にも東京新聞でも!)。

 たぶん『週刊新潮』とかでスキャンダルふうに暴かれるのを恐れ、それなら先に自分からギャグにしてしまえ!という戦法なのだろう。一歩間違うと「自爆」になりかねないパターンだが、週刊誌連載では二週にわたって引っ張るほどの盛り上がりようだ。

 『週刊朝日』の連載「フリドラ男」では7月17日号でページを拡大。「7月で38歳になる今年、第2子を妊娠した」で始まる一文で、結婚はするかどうか未定、相手の男性は「バツ3」で「ものすごい数の女と性的関係を結んできている」、しかも借金を抱えており、くらたまにも借金している......と、まさに「だめんず」であることを告白した。

 記事につけた四コマ漫画では、心配する友人にくらたまが「彼にとって私は特別だって思えるんだよね。だから大丈夫だよ!」と告げるのだが、「でもそれ過去の3人の奥さんたちも全員思ってましたよね」と返され、「ぐうの音も出ない」とつぶやく。

 そして翌7月24日号では、前回彼氏を「600人斬り」などと書いたために、大反響があったことを告白。彼氏のもとへ過去の女性から「私は何番目だったの?」といった電話やメールが殺到。でも本人は顔も名前も分からなくなっていたというオチをつけた。

 もちろん『SPA!』の人気連載漫画「だめんずうぉ~か~」でも二週にわたって自分の話を披露。さらに『AERA』7月27日号にも、その彼氏と二ショットで登場した。

「だめんずうぉ~か~」は、「だめんず」に籠絡され痛い目に会う女性を、作者のくらたまが距離を置いて見ながらツッコミを入れるという漫画だが、今回の自分ネタでは、ボケとツッコミを両方自分でやらないといけない。そこをきちんと作品として成立させているのはさすがプロ。

 でも『AERA』インタビューを見ると、どうやらくらたま、本気で今回の彼氏にホレてしまったらしい。大丈夫かなあ~。

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※『週刊誌を読む』は「創」編集長・篠田が毎週、東京新聞に連載(北海道新聞・中国新聞も転載)しているコラムです。

【バックナンバー】 http://www.tsukuru.co.jp/shukanshi_blog/

2009年7月23日

週刊誌を読む:ミスター、異例の抗議も 長嶋家「骨肉バトル」報道

 自民党の抗争ほど派手ではないが、この間週刊誌を賑わせたのが長嶋家の「骨肉バトル」騒動だ。    
 発端は『フライデー』7月3日号「長嶋茂雄に寄り添う『田園調布の女帝』の正体」だった。亡くなった亜希子夫人の妹が長嶋家に出入りし、ファミリーの資産や権利を管理する会社「オフィスエヌ」の代表のように振舞っていると非難する内容だった。

 この記事に激怒したのがミスター本人で、同誌発売の六月十九日に抗議文を公表した。「私はこれまで、多くの報道記事に対してかなり鷹揚と思われる対応をしてきたつもりです」「只、今回のように悪意に満ちた、全く事実と違う記事に対して、大変に憤りを感じています」。善意で尽くしてくれている義理の妹を「女帝」などと非難したことが許せなかったらしい。

 ところが事態を複雑にしたのは、時を同じくして長嶋茂雄名義の「ご通知」という文書が出回ったことだ。そこには「長嶋茂雄の肖像権管理、商品化権、広告宣伝活動及び出演活動」については今後オフィスエヌに一元化すると書かれていた。

 実は、息子の長嶋一茂氏も「ナガシマ企画」という会社を持っており、「長嶋茂雄ビジネス」をめぐって二つの会社がさや当てを起こす事態になっていた。特に五月に「長嶋茂雄」という名前の登録商標をナガシマ企画が取得したことが父を怒らせたらしい。

 週刊誌はこの一連の騒動を骨肉の争いと派手に報道した。「長嶋茂雄と一茂『骨肉のバトル』」(週刊文春7月2日号)「ミスター涙の肉声 法廷闘争辞さず『一茂を訴える!』」(フラッシュ7月21日号)。

 『フライデー』も7月10日号で「『長嶋茂雄』名義で出回る『一茂外し』の仰天文書」と続報。さらに『週刊文春』7月23日号は一茂氏を騒動の元凶と指弾する記事を載せた。

 そして『フライデー』7月31日号は「長嶋茂雄&一茂『和解の昼食会』」と題し、騒動後初めて父子が対面したことを報じた。果たしてこれを機に騒動は終息するのか。ちなみに昼食会を取り持ったのは、幻冬舎の見城徹社長と、芸能界のドン、バーニングプロの周防郁雄社長だった。

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2009年7月17日

週刊誌を読む:マイケルさん白人願望? 「思い」に触れぬメディア

 マイケル・ジャクソンに関する報道や論評を見ていて気になるのは、彼が黒人という自分のアイデンティティについてどう考えていたかという問題だ。

 例えばマイケルが薬を使って肌を白くしていたという指摘がある。いや肌が白くなったのは病気のせいだという説もあって、ネットでは議論が真っ二つに分かれている。

 それについて『週刊朝日』7月17日号に登場した"ロシア人主治医"エフゲニー・アクショーノフ氏は率直にこう語っている。「マイケル自身、『肌を白くするため、漂白する薬を常用している』と私に打ち明けたことがありました」

 『サンデー毎日』7月19日号「マイケルがオバマになれなかった理由」はこう書いている。
「マイケルが白人のロックスター、エルビス・プレスリーの娘リサ・マリー・プレスリーと最初の結婚をしたのもコンプレックスの裏返しか。一方のオバマが、奴隷の子孫である黒人のミシェルを選んだのと好対照だ」

 『SPA!』7月14日号の坪内祐三・福田和也両氏の対談では、マイケルの音楽との関わりでこの問題を論じているのだが、坪内氏がこう語っている。「黒人初のアメリカ大統領オバマが誕生した年に、『白人になりたかった黒人』のマイケルが死ぬっていうのは、すごくピタッとくる気がするんだよ」「やっぱりマイケルの音って、黒人のルーツ・ミュージック感がないんだよね。でもね、逆にそれが、70年代末期から80年代は新鮮だった」

 坪内氏は、マイケルがそうなった理由として、ちょうどアメリカで黒人解放運動が盛り上がった時期に彼がショービズの成功者になっていったという事情を指摘する。「黒人解放運動が盛り上がれば上がるほど、ショービズの世界では『お前ら黒人なのに白人よりカネを稼いで』と、激しい差別を受けるわけだから。そういうトラウマが『白人になりたい』という願望として、マイケルを捉え続けたんだと思う」

 冒頭に「気になる」と書いたのは、興味深いこのテーマについて、テレビの情報番組などがほとんど触れないことだ。差別がからむ微妙な問題だからだろうか。


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※『週刊誌を読む』は「創」編集長・篠田が毎週、東京新聞に連載(北海道新聞・中国新聞も転載)しているコラムです。

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2009年7月15日

北朝鮮制裁や新型インフルエンザ対策など日本国の最近の危機管理策は疑問だらけだ

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『創』2009年8月号

 東京税関から文書が届いた。創出版から北朝鮮に送った郵便物が制裁措置にひっかかって送れないとの文面だった。これは平壌にいる「よど号」グループが毎月購読している「創」のことらしい。「創」は獄中とか北朝鮮とか、特別なところに読者のいる雑誌なのだが(笑)、何と制裁措置の発動で、その「創」が平壌に入らなくなったらしい。「よど号」グループは「創」以外にも日本の雑誌などをたくさん取りよせて読んでいるはずだが、それらもダメになってしまうのか。でも、こんなふうに情報までもシャットアウトしてしまうのって、本当に北朝鮮への制裁になっているのだろうか。むしろ北朝鮮にいる人たちにこそ、国家からの一方的な情報に偏らぬよう日本の情報を送り込んでやるべきだと思うのだが。

 危機管理で思うのだが、最近、おかしいのは、東京拘置所へ面会に行くと、全員がマスクを着用させられることだ。面会室はアクリル板で隔てられているのに、そこでマスクつけて話すのだから、話は聞こえにくいし、しかも奇妙なことにマスクをつけるのは外から面会に行った側だけで収容されてる獄中者はつけていない。つまりこれは、拘置所の「水際作戦」というわけだ。外部から新型インフルエンザのウイルスが侵入するのを面会室で阻止しようということらしい。でも本当にこんなことで対策になっているのかどうか。そもそも今や外界では一時期のように皆がマスクをつけるのもやられていないのに、拘置所だけこんなふうにしていること自体がすごく奇妙な感じがする。

 一連の新型インフルエンザ対策のおかしさについては、厚生労働省の現役検疫官である木村盛世さんに詳しく話を聞いて、発売中の「創」8月号に載せた。木村さんの主張はテレビなどでも報道されているが、こんなふうに8ページもの分量でまとまって彼女の主張を展開したのは初めてだ。で、体系的に聞いてみると、木村さんの主張はいろいろなことを考えさせてくれる。4月28日からしばらく続いた「水際作戦」なるものの馬鹿馬鹿しさは後に明らかになるのだが、どうして政府がこういう時代遅れの危機管理対策をとったのか。しかもそれに対してどうして疑問の声がきちんと上がらなかったのか。木村さんは一連の政府の対策は、日本がいかに危機管理ができていないかを世界中に示したもので、逆に非常に危険なことだと指摘している。

 木村さんのこうした内部告発ともいうべき発言に対しては、当然ながら厚生労働省から圧力がかかっており、今はまだマスコミが注目しているので露骨なことはやりにくいだろうが、今後なんらかの力が彼女に加わる可能性は大といえる。本人もそのくらいは覚悟で内部告発に踏み切ったのだろうが、本当はこういう内部からの批判がきちんと受け止められるくらいでないと危機管理というのは機能しない気もする。

 秋からは新型インフルエンザの第2波が襲来すると言われる。春の大騒動がどの程度正しく教訓化されたのかが試されるわけだが、木村さんの話を聞いていると、この国の政治家や官僚たちに危機管理を任せておいて大丈夫なのかと思ってしまう。怖いのは、北朝鮮の制裁にしても、インフルエンザ水際作戦にしても、よくわからぬうちに国家が方策を打ち出し、しかも本当にそれが効果的なのか検証や議論が十分になされている感じがしないことだ。非常時といった言い方のもとに国家が有無を言わさず強権的にふるまう最近の日本のありようには空恐ろしいものを感じざるをえない。

2009年7月10日

週刊誌を読む:マイケルさんの「謎」に迫る 薬物関係?突然死の衝撃

 世界中に衝撃を与えたマイケル・ジャクソンの突然の死。週刊誌各誌がその謎に迫ろうとしている。

 表紙に本人の写真とともに「マイケル・ジャクソン死の真相」と大書したのは『週刊朝日』7月10日号。死をもたらしたのは鎮痛薬デメロールではないかという見方だ。

 記事によると、デメロールは「激痛の痛み止めとして処方される鎮痛薬で、常習性があり、量を間違えるなどすると突然死の可能性がある」。なぜマイケルがそれを服用していたかといえば、整形手術の後遺症によるものだという。

「マイケルはこれまでに50回にものぼる美容整形手術を重ねたといわれ、数週間に1度の頻度で形成外科医のもとに通う時期もあったという。数年前には、『これ以上は危険』と医師から手術を止められた、との報道もある」

 整形手術や舞台から転落しての怪我など満身創痍だったマイケルが服用していた鎮痛薬が、彼を死に追いやったのではないか、というわけだ。

 「マイケル『緩慢な自殺』」という見出しを掲げたのは『アエラ』7月6日号。鎮痛剤や精神安定剤の大量服用で中毒状態だったという説明の後、こう書いている。「本人が意識していたかどうかはわからない。しかし、マイケルの生き方は緩やかに『死』に向かっていた」
死因が薬物だったとしても、この時期の死にはもうひとつの背景があると指摘するのが『週刊文春』7月9日号だ。少年への性的虐待疑惑などスキャンダル続きだったマイケルが起死回生を賭けたのが、七月十三日から始まるロンドン公演だった。その期待とストレスがプレッシャーとなったのではないか、というのだ。

 検死結果が正式に発表されれば死因についてはもっと確実なことがわかるはずだ。そのほか黒人であるというマイケルのスタンスやその生き方についてなど、論評は様々だ。

 また『フライデー』7月17日号が表紙に「『臨終写真』カラー公開!」と大書し、病院に搬送されるマイケルのカラー写真を掲載したのは、写真週刊誌らしい報道だった。

 マイケル報道、まだしばらく続きそうだ。

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2009年7月 6日

漫画界に衝撃与えた「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰さんの告発

 「海猿」「ブラックジャックによろしく」などテレビ化・映画化された人気マンガで知られる佐藤秀峰さんのホームページ上の告発が、この何ヵ月かマンガ界で話題になっている。

 「ブラックジャックによろしく」は、元々講談社の『モーニング』で連載されていた作品だが、突然、連載が小学館の『ビッグコミック・スピリッツ』に移り、「新ブラックジャックによろしく」として今も続けられている。この移籍劇は当時、業界で大きな話題になったが、真相はわからないままだった。その真相を佐藤さん本人がweb上で告白したのだった。詳しくは下記URLにアクセスしてプロフィール欄、また「制作日記」のバックナンバーの「漫画貧乏」の項をご覧いただきたい。
https://satoshuho.com/index.html

 昨年も「金色のガッシュ」の雷句誠さんがwebで告発を行い話題になったが、こんなふうに人気マンガ家が、講談社や小学館といった大手出版社を批判するというのは、以前は考えられないことだった。というのも、マンガの世界は、集英社、講談社、小学館の大手3社で市場の60%を支配している圧倒的な寡占市場なのだ。大ヒット作品はほとんどがこの3社のマンガ雑誌で連載され、3社から出版されてきた。だから3社と対立したら、もうメジャー作品の発表の場がなくなってしまうことを以前は意味した。

 どうしてこういう寡占化が進行したかといえば、マンガは独特な作家管理システムによって成り立っているからだ。新人賞で若い新人を発掘し、編集部がマンガの作法を教えこんでいく。その代わり、著作権を含め、出版社がいわば丸抱えともいうべき形で漫画家を管理していく。そういうシステムができあがっているのだ。そうやって大手3社が市場分割をしてしまったのが実情だ。

 これはマンガが、ストーリー作りや作画などある種のチームワークによって作られていくことにも規定されている。作画自体がアシスタントによる共同作業を前提とするのはもちろんだが、特に「ブラックジャックによろしく」のような医療問題といったテーマの作品は、膨大な資料収集や取材を必要とする。マンガ家と編集部の共同作業によって作品が作られていくわけだ。問題はその共同作業において、マンガ作家と編集者がどういう関係を作っていくかということで、これまでは概ね、出版社がマンガ家を管理するという関係だった。

 雷句さんや佐藤さんのような告発が飛び出したというのは、その大手出版社の支配的なシステムが根底から揺らぎ始めたことの現れだ。どうしてそういう事態が生じたかといえば、第一にマンガがもっぱら紙媒体だった時代が終焉し、二次使用権の問題が大きくなってきたという事情がある。最近はテレビ化映画化などの二次使用について、出版社に全面委託していた慣習を見直し、エージェントと契約するケースも増えている。

 そして第2に、デジタルという新たな市場が生まれ、必ずしも大手出版社に頼らなくても作品を発表できる機会が増えたこと。また自分の意見をブログで発表するという発信の場としてもネットが使えるようになったことだ。佐藤さんのような告発は、ネットという自分の意見を自由に発信できる場ができたという事情も大きい。

 佐藤さんは今後、実験的に自分の作品のデジタル販売を、出版社に任せずに行うことも表明、その方法をマンガ家の間で共有することも提案している。

 これはまさに、マンガという注目ソフトがこれまでの紙媒体中心の時代から次の時代に転回しようとしている状況を象徴する動きだ。とはいっても現時点で彼のように講談社や小学館に自分の主張を突き付けていくことが大変なことであることは確かだ。大手出版社の支配体制に個人の表現者が対抗しようとしている、とあっては、やはり『創』としては、少数派の方につかざるをえず、7日発売の8月号でさっそく佐藤さんのロングインタビューを掲載している。
Webでは詳しく語られていない「作品に抗議があった事例」などを、佐藤さんはこのインタビューで詳細に語ってくれた。自分の作品が、出版社の自主規制によって書き換えられてしまうというのは、かの筒井康隆さんの「断筆宣言」で問題になったことだが、マンガの世界は活字以上にそれが日常化していることを、佐藤さんは具体的に語っている。

 この佐藤秀峰衝撃告発、佳境はこれからだ。注目してほしい。

2009年7月 2日

週刊誌を読む:部数回復へ大胆手法 『フライデー』リニューアル

 いやあ『フライデー』がすごい。編集長が替わったのを機に6月26日号で突然、白を基調にした表紙に変え、「フライデーは変わります!」の文字を躍らせた。ここまでなら過去多くの雑誌が使った手法だが、驚いたのは変身をアピールする表紙が翌週も翌々週も続いていることだ。

 特にリニューアル3号にあたる7月10日号は歌手hitomiの妊婦ヌード。書店店頭で見てそれが『フライデー』だとは誰も思わないような表紙になっているのだ。

 この号から田原総一朗の新連載が始まったが、リニューアルしてから目立つのが、連載の署名記事を増やしていることだ。もともと写真週刊誌の場合、署名といえばカメラマンの名前を載せ、記事は無署名が基本だった。あくまでも写真がメインというのが、基本コンセプトだったのだ。

 だからこれだけ署名記事を増やしていくのは、写真週刊誌のコンセプトを変えることにもなりかねない。長期低落に歯止めをかけるのが狙いであることは明らかだが、この変更がそれを実現することになるのかどうか。

 リニューアル第一号はほぼ完売と言われるが、それが浅草ロック座にストリップ転身した元グラビアアイドル小向美奈子の写真のせいであることは明らかだろう。覚せい剤で執行猶予判決を得た小向が、リスク覚悟でロック座の舞台に立ったのは大きな話題になったが、『フライデー』はその舞台を無断で撮影、堂々とカラーで掲載したのだった。

 『週刊ポスト』7月3日号によれば「ロック座は民事の損害賠償だけでなく、刑事訴訟も視野に入れている」という。他誌のようにイラストで再現などという腰の引けたやり方でなく、『フライデー』が抗議覚悟で確信犯的にカラー写真を載せたのが部数的に成功したのは確かだろう。

 リニューアル二号目の「長嶋茂雄に寄り添う『田園調布の女帝』の正体」も、長嶋本人から異例の激しい抗議を受け、三号目に反論記事を掲載している。

 今後部数回復につながるかどうかはまだわからないが、新編集長の意気込みが伝わってくるという点では、新生『フライデー』の誌面、しばらく注目していきたいと思う。

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※『週刊誌を読む』は「創」編集長・篠田が毎週、東京新聞に連載(北海道新聞・中国新聞も転載)しているコラムです。

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Profile

篠田博之(しのだ・ひろゆき)

-----<経歴>-----

1951年茨城県生まれ。
一橋大卒。
1979年より月刊『創』編集者。
81年より編集長。 82年同誌休刊に伴い、創出版を設立して雑誌発行を続ける。
現在は編集長兼経営者。
日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長、東京経済大学大学院講師など兼務。
東京新聞、北海道新聞などにコラム「週刊誌を読む」連載。
メディア批評のほかに、犯罪、死刑問題などについても新聞・テレビでしばしば発言。
著書『生涯編集者』(創出版)、『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)。共著は多数

BookMarks

創出版
http://www.tsukuru.co.jp/

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-----<著書>-----


『生涯編集者──月刊「創」奮戦記』
2012年6月、創出版



『ドキュメント死刑囚』
2008年8月、筑摩書房

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