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2011年7月21日

原発ルネッサンス応援団

『東電・原発おっかけマップ』(鹿砦社)がぼちぼち出版されるそうです。いくつか、本の中身を転載したところ、未曾有の原発事故を起こしたとはいえ、住所などを公開するのはどうか、という批判があるそうです。

しかし、これらの情報はこの本が出る前にすでに公開された情報です。たとえば、電力会社の役員の住所は、この本にも書かれているように、総務省の政治資金収支報告書からの引用です。見ようと思えば、誰でも見つけることができます。

最後にもう一つだけ、『おっかけマップ』から転載します。この記事の内容も、すでに公開されている情報であることを付け加えておきます。

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官民一体のオールジャパンで原発市場に食い込むことが日本経済の成長戦略に とって欠かせない、そのために必要な国内体制を整える目的で産業界、有識者、専門家を集めて設立された「シンクタンク」がある。フクシマのひと月前に立ち上げられた「原子力ルネッサンス懇談会」だ。会長は東大総長を務めた有馬朗人元文科大臣。座長が今井敬(元新日鐵社長・第9代経団連会長)、そして「原子力立国」の望月晴文が座長代理。メンバーを眺めると、日本経済の原発汚染度がよくわかる。フクシマ後にはさすがに強烈すぎると思ったのか、4月22日の2回目の会合で「エネルギー・原子力政策懇談会」と当たり障りのない名前に早々と改名している。

<メンバー>

勝俣 恒久 ・ 東京電力会長
張 富士夫 ・ トヨタ自動車会長
三村 明夫 ・ 新日本製鐵会長
中村 邦夫 ・ パナソニック会長
長谷川閑史 ・ 武田薬品工業社長       
佐藤 育男 ・ 日本製鋼所社長
渡辺 博史 ・ (株)日本政策金融公庫 ・ 国際協力銀行経営責任者
槍田 松瑩 ・ 日本貿易会会長(三井物産会長)
小林 栄三 ・ 伊藤忠商事会長
勝俣 宣夫 ・ 丸紅会長
川井 吉彦 ・ 日本原燃社長
北村 雅良 ・ J-POWER社長
森本 浩志 ・ 日本原子力発電社長
老川 祥一 ・ 讀賣新聞東京本社社長
島田 昌幸 ・ テレビ東京社長
日枝  久 ・ フジテレビ会長
武黒 一郎 ・ 国際原子力開発(株)社長
近藤 龍夫 ・ 北海道電力会長
高橋 宏明 ・ 東北電力会長
阪口 正敏 ・ 中部電力副社長
永原 功  ・ 北陸電力会長
森  詳介 ・ 関西電力会長
福田 督  ・ 中国電力会長
常盤 百樹 ・ 四国電力会長
松尾 新吾 ・ 九州電力会長
西田 厚聰 ・ 東芝会長
川村 隆  ・ 日立製作所会長
佃  和夫 ・ 三菱重工業会長
尾池 和夫 ・ 国際高等研究所所長(前京大総長)
茅  陽一 ・ 地球環境産業技術研究機構副理事長
児嶋 眞平 ・ 京大名誉教授(前福井大学学長)
白井 克彦 ・ 前早稲田大学総長
中西 友子 ・ 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
濱田 純一 ・ 東京大学総長
武藤 敏郎 ・ 大和総研理事長
和気 洋子 ・ 慶応大学教授
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会長
岡崎 俊雄 ・ 日本原子力研究開発機構相談役(前理事長)
遠藤 哲也 ・ 元外務省科学技術担当審議官
田中 明彦 ・ 東京大学教授
谷口 富裕 ・ 前IAEA事務次長
月尾 嘉男 ・ 東京大学名誉教授
豊田 正和 ・ 日本エネルギー経済研究所理事長
山路 亨  ・ 原子力発電環境整備機構理事長
竹田 敏一 ・ 福井大学国際原子力工学研究所所長       
田中 知  ・ 東京大学大学院工学系研究科国際原子力専攻教授
藤井 靖彦 ・ 東京工業大学原子炉工学研究所名誉教授


ちなみにこの懇談会のウエッブサイトを管理するのは「ネットジャーナリスト協会」というこれまた当たり障りのない名前を持つ団体。内幸町のプレスセンターに事務所があるそうだ。どんな「ジャーナリスト」が所属しているのか分からないが、前東芝会長の岡村正が理事長で、理事には元財務大臣の塩川清十郎(自民党の政治資金団体、国民政治協会の代表)、新日鉄会長の三村明夫、パナソニック会長の中村邦夫、フジテレビの会長日枝久、そして東電会長の勝俣恒久などそうそうたる顔ぶれが並ぶ「NPO」組織だ。一体全体、この人たちの標榜する「ジャーナリズム」ってのはどんなものなのだろうか。
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2011年7月17日

甘い関係

取り扱いを拒否された『おっかけマップ』より転載。
こういう内容満載の本なので,ぜひ,書店で注文して購入してください。

経産省が5月2日にまとめた報告によれば、前身の通産省や商工省も含め、これまでの50年間に68人のOBが監督官庁から電力会社に再就職、驚く早 さで常務や副社長に昇格してきた。天下りの内訳は、北陸電力6人、中部電力5人、関電8人、中国電力3人、四国電力 4人、九州電力7人、沖縄電力に4人。発電だけの日本原子力発電に8人、電源開発6人。
最終官職だけを見ると分かりにくいが、資源エネルギー庁で仕事をした経験を持つ原発官僚が電力関連企業に"再就職"の場を求めるのが目立つ。エネ庁上がりの人間が電力会社にとっても使い出があるようだ。
下記のリストは68人の「下界に下りてきた人々」の中からエネ庁関係者、最近の人を抜粋した。
北海道電力(5人)
●山田範保
退官前の主な役職:環境省大臣官房審議官→経産省大臣官房付
入社/退社:2005年 7月→2011年6月 
社内の役職:理事→常務
2009年度国民政治協会への献金額:7万円
住所:札幌市中央区南一条東6−1−10アジリア札幌大通東1305

●村田文男
退官前の主な役職:資源エネルギー庁石炭部長
入社/退社:1986年 10月→1997年6月 
社内の役職:企画室調査役→燃料部長→常務→副社長

東北電力(7人)
●西村雅夫
退官前の主な役職:資源エネルギー庁海外炭対策室長→大臣官房付(中小企業庁次長)
入社/退社:2009年 7月→現職
社内の役職:顧問

●松田泰
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官官房審議官
入社/退社:1987年 6月→1998年3月 
社内の役職:顧問→常務→副社長→顧問

下北に建設されるウラン濃縮工場、再処理工場、使用済み燃料貯蔵施設の建設をどう進めていくか国会のエネルギー対策特別委員会で問われ、こう答えている(1984年)。
「こ れを行います事業者が地元と接触するわけでございますので、事業者の方で十分な説明ができるように我々も指導してまいることはもちろんでございますが、 政府みずからも地元関係者の間で必要な手続その他につきまして今後検討を進めてまいりたいと思いますし、あるいは予算その他の政策におきまして、PR関係 の地元に対します補助、あるいは関係団体に対します委託といったような手段を使いまして、広報関係の努力も続けていきたい」

東電(5人)
●石田徹
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官
入社/退社:2011年1月→4月
社内の役職:顧問

石田は30年までに少なくとも14基の原発の新設、稼働率を90%に高めることを盛り込む「エネルギー基本計画」を2010年に発表。

●白川進
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部長、同省基礎産業局長
入社/退社:1999年10月→2010年 6月
社内の役職:顧問→取締役→常務→副社長
2009年度国民政治協会への献金額:24万円
住所:新宿区西早稲田2−1−23−206

●川崎弘
退官前の主な役職:資源エネルギー庁次長、経済企画審議官
入社/退社:1990年12月→99年 6月
社内の役職:顧問→常務→副社長→最高顧問→顧問

●増田実
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官、通産審議官(省内では事務次官に次ぐポスト)
入社/退社:1980年 5月→89年 6月
社内の役職:顧問→常務→副社長→相談役

●石原武夫
退官前の主な役職:特許庁長官、通産事務次官
入社/退社:1962年 5月→81年 6月 
社内の役職:取締役→常務→副社長→常任監査役→相談役

官僚時代に原子力局をつくれ」と主張し、「原子力行政のまとめ役」といわれた人物で東電の「指定席」への天下りの走り。

北陸電力(6人)
●荒井行雄
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長→国土庁長官官房審議官
入社/退社:2006年4月→現職
社内の役職:顧問→執行役員→ 常務
2009年度国民政治協会への献金額:15万円
住所:富山市今泉32−5プルミエールU404号

1991 年、当時公益事業部発電課長だった佐々木宜彦(後に初代保安院院長)などとともに参議院の科学技術特別委員会で質問に答えている。美浜2号 の細管破断事故について問われた荒井は大臣ですら「事故は事故」と認めたあとでも再三にわたり、「事象」と言い張って譲らなかった。


●上村雅一
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長→大臣官房付
入社/退社:1995年 3月→2003年 6月 
社内の役職:常勤顧問→取締役→常務

●高橋浩
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長→大臣官房付
入社/退社:1985年 6月→1995年 3月 
社内の役職:常勤顧問→常務→副社長→常勤顧問


中部電力(5人)
●小川秀樹
退官前の主な役職:経産省中部経済産業局長→大臣官房付(防衛省防衛参事官、背広組ナンバ−2)
入社/退社:2010年10月→現職
社内の役職:顧問

●水谷四郎
退官前の主な役職:経産省生活産業局長
入社/退社:2000年7月→現職
社内の役職:支配人→取締役→常務→副社長→顧問
2009年度国民政治協会への献金額:10万円
住所:横浜市港北区篠原東3−8−7


関西電力(8人)
●迎陽一
退官前の主な役職:資源エネルギー庁電力・ガス事業部長→大臣官房商務流通審議官
入社/退社:2008年8月→現職
社内の役職:顧問→常務

2002年に発覚した東電の「データ改ざんトラブル隠し」にも関わらず、福島や青森に「核燃サイクル事業を進める方針は揺るがない」とプルサーマルを強引に押し付けた人。
2003年の経済産業委員会で電力自由化について。
「今 般の制度改革では、優先給電指令でございますとか、こういった制度を整備することによりまして、原子力ですとか水力といった大規模な、長期安定的な電源 というのの稼働の環境を整えていくというふうなことも措置をいたしておりますので、これによって、CO2を排出をいたしません原子力、水力というふうなも のの運転というのも、新たな建設ですとかの投資環境の整備というのも行われるというふうなことで考えております。」

03年の経済産業委員会で民営化された電源開発への天下りについて。
「いわゆる天下りについて国民の批判というのがあることを真摯に受けとめまして、仮に公務員出身者が役員に就任をするというような状況が生じる場合には、国家公務員法上の厳格な定めのもとに対処をしていくということが必要」

●岩田満泰
退官前の主な役職:資源エネルギー庁石油部備蓄課長→近畿通産局長→通産大臣官房商務流通審議官→中小企業庁長官
入社/退社:2003年10月→2009年6月
社内の役職:顧問→常務→副社長
(2008年度国民政治協会への献金額:20万円)
住所:豊中市新千里南町3−2−2−503

●長田英機
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官官房原子力産業課長→資源エネルギー庁石炭部長→中小企業庁長官
入社/退社:1996年8月→2003年6月
社内の役職:顧問→取締役→常務→副社長

●柴田益男
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官
入社/退社:1988年4月→1997年6月
社内の役職:顧問→専務取締役→副社長

オーストラリアにおけるウラン資源の開発を目的に1980年に作られた日豪ウラン資源開発株式会社の代表でもあった。この会社の株主は関電(50%)、九電(25%)、四電(15%)、伊藤忠商事(10%)。

中国電力(3人)
●末廣恵雄
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長→資源エネルギー庁公益事業部技術課長→資源エネルギー庁官房審議官
入社/退社:1995年6月→2009年6月
社内の役職:理事→取締役→常務→副社長
(2008年度国民政治協会への献金額:33万円)
住所:広島市西区観音町1−30−601


安全審査課長時代の1984年、決算委員会で、新設される島根2号に適用された耐震指針を用いてそれよりも古い島根1号の安全審査をするべきではないかと質問され、中国電力を擁護する発言をした。

四国電力(4人)
●中村進
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課原子力発電運転管理室長→公益事業部電力技術課長→保安院主席統括安全審査官
入社/退社:2008年4月→現職
社内の役職:上席支配人→取締役→常務
2009年度国民政治協会への献金額:10万円
住所:川崎市麻生区王禅寺西1−7−16

中村は02年の「東電のデータ改ざん、事故隠し」当時、保安院の主席統括安全審査官。

●落田実
退官前の主な役職:資源エネルギー庁石油部流通課長→工業技術院総務部技術審議官
入社/退社:1995年6月→2002年6月
社内の役職:取締役→常務

02年、四国電力の情報通信子会社STNet社長に転出。


九州電力(7人)
●掛林誠
退官前の主な役職:資源エネルギー庁 企画調査課長→大臣官房参事官→通商政策局通商交渉官
入社/退社:2008年9月→現職
社内の役職:顧問→海外事業部長→執行役員


●横江信義
退官前の主な役職:資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長→大臣官房審議官(地球環境問題担当) 
入社/退社:1998年8月→2008年6月
社内の役職:顧問→理事事業開発部長→執行役員→事業開発本部長→常務

沖縄電力(4人)
●遠藤正利
退官前の主な役職:資源エネルギー庁官房海洋室長→北海道通商産業局総務企画部長→大臣官房付
入社/退社:2007年6月→現職
社内の役職:理事→取締役→常務

●久慈偉夫
退官前の主な役職:資源エネルギー庁原子力産業立地企画官
入社/退社:1988年7月→1997年6月
社内の役職:理事→取締役→常務


日本原子力発電(8人)
●小島康壽
退官前の主な役職:防衛庁防衛参事官→産業技術環境局長
入社/退社:2009年10月→現職
社内の役職:顧問→取締役

●向準一郎
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官官房審議官
入社/退社:1993年6月→2002年2月
社内の役職:常務→副社長→顧問

1988年外務委員会での答弁。
「安 全審査の中で災害安全評価ということで、万が一事故が起こった場合にどういうような周辺環境に影響があるかというような評価もやっております。そういう ことで、多重防護という考え方でいろんなシステム、最後には格納容器という設備まで置きまして、周辺環境に放射能が漏れないようにというような災害評価の 中でも多重防護の考え方を使いましていろんな設備を多重につけるということで、我々といたしましては平常運転はもちろんでございますし、そういうようなト ラブル等が起こりましても、そういう周辺公衆が影響を受けるような災害につながるということはないというふうに考えておりますし、そういうふうに我々安全 規制を進めている」
「我が国の原子力発電所の安全性には問題はない」
「チェルノブイリの事故につきましては、原子炉のその 不安定な特性を持っているとかそういうような設計上の問題、あるいは運転上いろいろ規則違反をしたとい うようなことで特殊実験を強行したために起こったものでありまして、我が国では起こり得ないものというふうに承知している」

電源開発(6人)

●藤冨正晴
退官前の主な役職:資源エネルギー庁長官官房審議官→保安院審議官
入社/退社:2006年6月ーーーーー2011年6月
社内の役職:取締役→常務

青森県でもっぱらMOX燃料を使う大間原発を建設中の電源開発。
藤 冨は資源エネルギー庁長官官房審議官時代の2000年、参議院経済 産業委員会で放射性廃棄物の最終処分に関する法律に関する審議で加納時男の質問に答え、「高レベル放射性廃棄物の年間の発生量は概算で、(中略)約四 百六十トンございまして、これを国民一人当たりに換算しますと約四グラムである。産業廃棄物の約百万分の一」と説明。質を無視して量だけで比較しようとす る加納の乱暴さにはあきれるが、答える方の藤冨もずさん。
上関原発をめぐる第一次公開ヒアリング(2000年10月)には東北電力に天下る西村雅夫(当時、公益事業部計画課長)とともにエネ庁を代表する議長団として参加。
2002年の東電不正問題を調査する保安院の委員会メンバー。

2011年7月16日

米倉弘昌:財界の原発チアリーダー

経団連会長の米倉弘昌について,『おっかけマップ』から転載します。なぜ,この本が取り次ぎ拒否になるのか。うーん。わからない。

「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」。「財界総理」である経団連会長、米倉弘昌の発言だ。それも七七万テラベクレルもの放射性物質がじゃじゃ漏れの三月一六日の発言だ。
国会と違い、この「総理」は国民に何の責任も負わないとはいえ、無責任な発言ばかりが続く。同じ会見では「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と早々と原発推進を鮮明にした。この時期、自民党の谷垣は「原発政策の見直し」を口にしている(後に撤回)だけに、そのぶれのなさは鮮明だ。
四月には原発は「国によって安全基準が定められ、設計され建設されている。東電が甘いのではなく、国が設定する安全基準が甘かった」と東電を大援護。賠償問題についても「原子力損害賠償法には、大規模な天災や内乱による事故の場合には国が補償するとある」と言って国が全面的に賠償することを要求した。
原発のチアリーダーとしての揺るぎない態度は五月になっても変わらず、政府が浜岡原発の停止を要請すると、それを「唐突だ」と批判する。

米倉が一〇年から会長を務める経団連(日本経済団体連合会)は、日本を代表する企業の経営者の集まりで、〇二年には旧経団連(一九四六年発足)と日経連(同一九四八年)が統合され、さらに力を増している。しかも経団連の地方組織ともいえる各地の経済連合会で、電力会社が占める役割は生半可ではない。

▼経済連合会の現職会長(一一年六月現在)
北海道:近藤龍夫(北海道電力会長)
東北:高橋宏明(東北電力会長)
中部:川口文夫(中部電力相談役)
北陸:新木富士雄(北陸電力会長)
関西:森 詳介(関西電力会長)
四国:常盤百樹(四国電力社長)
九州:松尾新吾(九州電力会長)
このように地方の経済連合会の現職会長は、全員電力会社のトップで占められている。日本全国の団体である経団連ではそれほど露骨には出てこないが、地方の経済連の会長職は、電力会社の会長か社長が就くのが慣例なのである。
東電に対応するのは全国組織の経団連だが、平岩外四が旧経団連の会長(九〇年から九四年)を務めたほかには東電から「財界総理」は出ていない。しかし、直接トップに立たなくても米倉のような有能なチアリーダーがいれば、その必要もない。ちなみに四八年から五六年まで、経団連の初代会長を務めた石川一郎(日産化学工業社長)は湯川秀樹、茅誠司、藤岡由夫、有沢広巳とともに、五六年に設立された最初の原子力委員会の委員だった。
この米倉、原発を応援するのは経団連の会長だけだからではない。住友化学はGEともに放射性医薬品を扱う会社、日本メジフィジックスの親会社だ。日本メジフィジックスは一〇年にセシウムの体内除去剤「ラディオガルダーゼ」をドイツから輸入する許可を受け、フクシマ後に緊急輸入、福島県などで配っている。同社には厚生省からプルトニウム除去材の開発の依頼もきているそうだ。
過激なまでの原発推進、東電擁護の発言ばかり聞いていると、米倉が被曝ビジネスのタネだから、原発の旗ふりをしているんじゃないかなんて気にもなってしまう。

2011年7月15日

『東電・原発おっかけマップ』

7月中旬鹿砦社から出版される『東電・原発おっかけマップ』は、すでに取り次ぎ拒否が相次ぐほど,きわどい内容の本です。


cover.jpg

この本では原発ムラの住人たちの所業が自宅の住所,自宅の写真,自宅への地図とともに明らかにされます。もちろん、小出裕章,高野孟、奥平正、今中哲二、吉岡斉などの識者へのインタビューを通し、原発漬け社会の構造も明らかにされています。その本から,「はじめに」を転載します。


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真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、
村を破らず、人を殺さざるべし
──田中正造

 二〇一一年三月十一日、フクシマを境に、日本は変わった。それまではほとんど耳にすることもなかったシーベルトやベクレルの値に怯え、テラだ京だなんてゼロがいくつあるのか分からない数字に困惑し、それらの数字が表す桁違いなレベルの放射能に生活が翻弄される日々が始まった。
 風は濁り、空気を腹一杯すうこともためらわれてしまう。雨の飛沫一滴にもおびえてしまう。水も野菜も魚もびくびくしながら口にする。土は汚れ、海は犯され、人間は被曝する。百姓は追い立てられ、山ギャルも農ギャルもサーファーも、もはや無邪気に戯れることはない。ガキどもは砂場を追われ、どろんこ遊びもできず、気ままにかけまわる野原はない。
 安全を司るはずの役所も、原発を運転する電力会社も、意思決定をするはずの政府も右往左往するばかりで、何をどうやったらいいのか、皆目見当がつかない。人類は未踏の地に足を踏みいれた。誰も何をどうしたらいいのか、分からない。まるで盲のモルモットかなにかのように、盲のモルモットに手をひかれながら、巨大な象の周りを走り回る。大きな足で押しつぶされる日は避けられない。無邪気な日々は永遠に奪われてしまった。

 地震や津波は天災だ。どれだけ備えようが避けられない。しかし、無邪気な日常を奪ったフクシマは人災だ。人道に対する罪、地球に対する罪、将来の世代に対する罪を犯した人間がいる。
 フクシマのおかげですでにたくさんの家庭が壊され、地域社会も粉々になった。フクシマのおかげでたくさんの人が犠牲になり、これからもおびただしい数の命が失われるだろう。原発による土壌汚染で生産基盤を奪われ自ら命を絶った百姓たち。強制「避難」で生活の場所を奪われ死期を早めた人たち。「計画」停電による交通事故で死んだ人たち。これらもみんなフクシマの犠牲者だ。原発事故の可能性を想像力の外に押しやってきた人間たちの目には、これらの犠牲は見えないだろうし、フクシマがまき散らした放射能でこれから殺されていく命も見えないに違いない。「想定外」などという言葉で言い逃れをする連中は、空虚な言葉を浪費するに違いない。
 本書では、原発、原発社会、原発体制を作り、維持し、拡大してきた人を一人一人紹介する。もちろん、本書で取り上げた原発ムラ住人は、その氷山の一角に過ぎない。いい加減な「想定」をした連中、それを許した奴ら、手抜き、不注意、怠慢のレベルから意図的に原発と心中したいような連中まで、本書に収録できなかった連中がたくさんいる。原発社会は核分裂の迷宮である。きわめて複雑な技術である原発は、きわめて複雑に司法やメディアも含めた政財官学を取り組み、原発複合体の支配する社会を作り出した。複雑な絡み合いのおかげで、責任の所在はきわめて見えにくい。
 しかし、途方に暮れているヒマはない。原発複合体は、すでにフクシマを過去形で語り、青白い不気味な鎌首をもたげはじめている。たとえば、三月三一日、事故からわずか三週間も経っていないというのに、参議院本会議では、ヨルダンに原発を輸出するための原子力平和利用協定の締結が可決承認された。反対したのは共産党、社民党と糸数慶子(沖縄選出)だけ。原発翼賛体制は健在だ。
 六月になると、原発輸出の動きも再び活発化する。東芝と日立がリトアニア原発に応札した。事故後はじめての応札だ。そうかと思えば、永田町では「地下原発」議員連盟なるものが超党派で結成された。時代遅れの構想が埃をはらって、またぞろ持ち出されてくる。見えないようにすれば、文句も出ないだろうというわけだ。九州では玄海原発の運転が再開されそうだ。「原発なしでは暮らせない日本」というデマ捏造のために、今夏は電力各社が「停電」で危機を煽り、国民を恫喝するだろう。気の遠くなるような年月、面倒を見続けなければならない核のゴミと引き換えにつかの間の繁栄をあれこれ、心配するヒマはない。切羽詰まっているんだから。
 原発社会を動かす連中を糾弾するだけでは原発社会は終わらない。高レベルの放射能をじゃじゃ漏れさせ続ける輩にフクシマの血塗られた汚染土や汚染水を送りつけ、自宅に石を投げつけたところで、それは単なる気休め、憂さ晴らしに過ぎない。それほど、原発汚染は社会の広い範囲に及んでいる。除去装置はいくつあっても足りないし、汚泥を処理する方策もない。
 しかし、それでももっと怒っていい。諦観しなくていい。あきらめなくていい。安っぽい悟りなんか捨てちまえ。こんな生活、普通じゃない。いやだと。 そして、不条理な苦痛を押し付ける連中には、少なくとも社会の一線からお引き取り願おう。そうやって、原発時代のがれきをひとつずつ片付けりゃ、新しい時代の扉が開けるかもしれない。これほどめちゃくちゃな扱いされてるんだから「集団ヒステリー」にでもなった方がよっぽど人間らしい反応じゃないか。あの日以来、強いられている奇妙な生活をやめよう。
 複雑な原発社会の解体は一朝一夕には終わらない。それを構成するねじをひとつひとつ緩め、ばらばらにしていくのは骨の折れる作業になる。原発社会を作るのにかかったのと同じくらい膨大な月日とエネルギーがいるかもしれない。電力ではなくガスを使うとか、水素にするとか、原発電気を代替可能エネルギー電気で置き換えるというような小手先の方策以上の知恵や覚悟がいる。なによりも「成長の呪縛」から自分を開放し、右膝下がりのエネルギー低減時代へ歩みを踏み出すこと、慎ましく、分相応な暮らしへと『未来のシナリオ』を描かなければならない。

 あの日を境に、世界は変わりつつある。ドイツは脱原発に踏み切り、イタリアでは九割を超す人(投票率は五四・八%)が原発のない将来を選んだ。震源地の日本の住民は。フクシマにどうおとしまえをつけるのか。「真の文明」をめざして歩みだすのか、世界は注目している。将来の世代も見ている。

東電役員のリスト

鹿砦社によると『東電・原発おっかけマップ』の見本が出来上がったそうです。

しかし、「さっそく取次に見本出ししましたが、日販、中央社が委託配本拒否です。トーハンも、窓口では拒否の感触だったとのことです(連休明けに結論)。書店からの注文は受けるということですので、これから注文を集めないといけません」とのこと。
まあ、こう言うこともありえるかなとは思ってましたが,これほどあからさまとは。ちょっとびっくり。

なので、「数多出た原発本のどれよりもラジカルで,内容も密であることに絶対の自信と自負を持つ」本を読みたい人はご近所の本屋で注文してください。取り次ぎを拒否する本から、今話題の東京電力の主要役員の住所,並びに〇七年から〇九年まで自民党に行った「個人」献金の額を転載(役職は当時)。

さあどうする?怒りのファンレターを送るか,放射能まみれの牛肉や野菜,茶を歳暮に送るか?精神的、肉体的被害を請求するか。これらの人間が枕を高くして寝るべきではない理由を暴露する本を手にするかどうか,選択はあなた次第。


名前(役職):住所/献金額       
勝俣恒久(会長):新宿区左門町6/90万円
清水正孝(社長):横浜市神奈川区栗田谷21−1/84万円
皷紀男(副社長):板橋区志村2−16−33ヴィオスガーデン城山122/72万円
武井優(副社長):調布市入間町1−28−45/36万円
藤本孝(副社長):川崎市多摩区南生田6−5−19/72万円
藤原万喜夫(副社長):中野区白鷺2ー13ー4ー503/36万円
武藤栄(副社長):東村山市諏訪町3−3−2/31万円
山崎雅男(副社長):世田谷区等々力6−11−15−503/36万円
木村滋(取締役)(電事連副会長):横浜市緑区三保町2710−295/72万円
西澤俊夫(常務):大田区東雪谷5−31−1−101/31万円
荒木浩(顧問):品川区上大崎2−21−10−202/60万円
南直哉(顧問):川崎市宮前区神木1−7−18/60万円
白川進(顧問):新宿区西早稲田2−1−23−206/72万円
築舘勝利(監査役):国分寺市南町3−26−19/ 72万円
手島康博(理事)(電事連理事):国分寺市南町1−9−3/10万円
武黒一朗(副社長):川崎市麻生区上麻生4−33−1/72万円

自民党への献金はその他22人(124万円)を含め,東電全体で1030万円。

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

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