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リビア情勢分析(2)/More on Libya. »

リビア情勢分析

チュニジア、エジプトなどを席巻する中東北アフリカ(MENA)諸国の情勢不安はついに産油国にもおよび、世界を震撼させようとしている。

カダフィ独裁体制が何らかの形で事態を収拾することができるのか、それとも体制の崩壊、民主化などといった形で状況がさらに流動化するのか、また、リビアより大きな産油国にも影響が波及するのか、世界は固唾をのんで見守っている。
リビアの政情不安を独裁対民主という構図でとらえる報道は多いが、MENA諸国で広がるデモの直接の原因は食料価格の高騰である。リビアの人口は2000年以来23%増えており、ほかのMENA諸国同様、25歳以下が人口の半分近くを占め、腹が減り、職のない連中が直接行動に出ていることが容易に想像できる。だから、たとえどんなに民主的な政権が生まれても、食料の高騰が収まらず、空きっ腹をなんとかしない限り、ふらふらと足下が定まらない状態は続くだろう。
こんなことを言うと「民主主義者」からはひんしゅくを買いそうだが、非常事態では独裁政権の方が混乱を効果的に収拾できることもある(例えば90年代のキューバ)。独裁は悪い、民主政権なら何でもいいというこれまでの枠組みが今、我々が足を突っ込みつつあるピーク以降の非常事態がだらだらと続く時代には通用しないこともある。
リビアにはアフリカ最大のアブラの埋蔵量があり、一日あたりの生産量は140〜170万バレルでOPEC第7位。それほどの量ではないが、需要と供給の逼迫状態が続く状態のポストピーク時代に見逃せる量ではない。

Energy Export Databrowserより転載。
開発生産の担い手は外国企業で、早くから(1959年)リビアの石油開発に加わったイタリアのエニ社が最大の生産(50万バレル以上)をあげている。輸出もイタリアなどヨーロッパ向けがほとんど。ヨーロッパの指標であるブレント原油価格は2008年以来最高のバレルあたり107ドルに達した(北米の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイトも6ドル以上上がり、92ドル前後)。
NYTによれば、エニ社を始め、外資系企業はすでに最低限必要な人員をのこし、家族なども避難している。リビアの原油生産が落ち込むのはやむを得ず、原油価格はさらに上昇するだろう。
もちろん、OPEC諸国にリビアの穴を埋めるだけの能力があり、その能力を使えば話は別だ。しかし、ブルームバーグによれば、OPEC諸国からの昨年12月の輸出は前月比で2%減。最大の産油国であるサウジは生産は増加し、ここ2年最高のレベルに達したにも拘らず、輸出は以前にも言及したように国内需要の伸びなどで前月に比べて4.9%減っている。だからOPECがリビアの穴埋めをすることは難しいかもしれない。
リビアショックが他の産油国に広まらなくとも、原油価格は上がりそうで、それが食料価格の高騰にも拍車をかけそうで、腹を空かした民衆の示威行動はMENA諸国だけでなく世界に広まっていくかもしれない。ピークの影響は玉突き状に世界を震撼させている。

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リビア トリポリ カダフィ大佐 
“9.11”以降 なんでか、親米的路線を伺わせていた。

その程度の 知識しかありません。


それでも 結局は。
【 民主主義とは 常に“反対勢力”を合法的に許容することで、過激化することをコントロールするシステム。 】
 
 
 

と、解釈しても良いのでしょうかネ。。。
このことを、実証実験中の日本も 別次元で行き詰まってしまったが・・・


大佐の息子さんが 数日前にマスコミしました。
椅子にもたれ掛って(恐らく 日常的にそーなのでしょう。)、
やっておられましたが、
その後の 大佐の映像に比べれば 明らかな違いがあるような・・・

表現される“言の葉”とは 裏腹に、、、
ここまで来てしまったなら。
もう 終わりだな。
(なんか この方は、父親とは、異なる時空連続で 存在するのか。)
って、 諦め感が 滲み出ている。


ここで、結果的には 親父が自分で傘をさして マスコミってしまった。
傘は 揺れている。。

民主主義に幻想を抱く人のなんと多いことか、「独裁は悪い、民主政権なら何でもいいというこれまでの枠組み」は思考停止している人の考える錦の御旗だろう。
リックさんの分析をよく理解すればTPOによっては独裁がよりよく機能することが解る。
私は個人的に今世界で起きていることが全てリンクしていると思っています。
首謀者がいて筋書きに合わせ多くの人々が踊らされている。
日本も小沢氏を中心に踊らされている。
小沢氏本人は自分中心の現在の日本を危惧しているがマスコミは”小沢”に矮小化して日本でそして日本を取り巻く多くの事象を隠している。
首謀者はいる。
これらの結末がどうなるかは知らないが、首謀者の書いた結末になるとは限らない。
具体的な発言はこの際慎んだほうが良い時代になってきたと見るが如何だろう。

海外メディアの報道だと既に約500人余りの市民(今日の時点で800人余り)が軍によって殺されたという。数百人規模の殺戮とはいくら独裁政権とはいえ凄惨だ。その報道から1時間も経たない間に国連・アメリカ・ヨーロッパ各国が非難声明を出していた。勿論各国は報道される前に独自の情報を得ていた筈だ。昨日の時点でTVはパンダ情報が目地通し。報道頼みな我が国首相の為、メディア各社はストリッパーの海外逃亡よりも今少し緊迫した国際情勢に目を向けるよう切に願う。

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

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